今回は某テレビ番組の企画にあやかって・・・というわけではありませんが、ローカル路線バスだけでお台場を目指してみました。自宅周辺からお台場までは一切鉄道を使わず路線バスだけで行くというコンセプトで活動してみましたが、本家と違って都内で完結するコースですし、記事でご紹介するのは3つの路線だけになりますから、短編レポートだと思って頂いて結構です。
それにしても、一切列車に乗らずにバスだけで移動する旅と言ったら、福岡にいた頃にやった西鉄バス乗りつぶしの旅以来ですかね。
早速レポート本編へ
いつもなら行程の説明を冒頭に持ってくるところですが、本家のような行き当たりばったり感を演出すべく(といっても、この活動の後別件で予定がありましたから、実際には事前に行程を作成して、それに沿っての活動でした)あえて事前説明無しでレポートを始めますw
何故このような活動をすることになったかということも含めて、読み進めながら分かるような構成を目指してみました。
さて、そんなこんなで始まったローカル路線バス乗り継ぎの旅 in 東京ですが、レポートは池袋駅からスタートとします。もちろん自宅の最寄りバス停からバスに乗っているのですが、それをご紹介してしまうと私の住所がある程度特定できてしまう可能性がありますのでご勘弁下さいw
東口ロータリーで撮影したのは都バスです。この日は祝日だったため日章旗を掲げていますね。
一昔前まで民間のバス会社でも祝日には日章旗を掲げていた記憶がありますが、最近は公営バスに限られますよね。個人的には何だかかっこよくて好きなんですが・・・
まだ回送表示でしたが、これから乗るバスのようです。
池86系統という路線で、池袋駅東口と渋谷駅を明治通り経由で結ぶ路線であり、副都心線に完全に並走して走る路線ということになります。
都営バス池86系統 池袋駅東口→渋谷駅
本日最初の系統となった池86系統ですが、前述の通り、経路のほとんどは明治通りです。その地下には副都心線が通っているわけで、利用者は少ないかと思えば意外と乗車率は高め・・・
その中でも客層をみると高齢の方が多かったのですが、副都心線は東京メトロであり都営地下鉄ではないので東京都シルバーパスが使えないため、シルバーパスで移動したい人は都バスを選んでいるのかもしれませんね。
そして、バスは新宿三丁目あたりに差し掛かりますが、ここで降りる利用者が多かったです。日本屈指の繁華街であり、デパートも多く出店しているエリアですし、皆さんバスで買い物に出かけているんでしょうね。
新宿を抜けると若者の街原宿となりますが、沿道には私には無縁そうなおしゃれな店が軒を連ねます。そんな景色を見ながら進むともうすぐ渋谷ですが、山手線なら1駅、数分でたどり着けるこの区間でまさかの渋滞w
渋谷での乗り換えにはかなり余裕を持っていますから10分や20分くらいの遅延は問題なく吸収できるんですが、まさかですねw
渋谷駅周辺では渋谷方面のバスは一旦明治通りを外れて西口の方へ周り、駅の周りをぐるりと一周して東口の明治通りへ入って池袋駅へ折り返し運行するという経路を取っていますが、このループ状の区間内にもバス停があるということで、渋谷駅を跨いでの利用が認められており、実際には西口で降りる人がほとんどだったものの若干東口まで行く人もいました。
私も東口まで乗って下車します。次に乗る渋41は西口から発車なので西口で降りたほうが便利でしたが、1区間でも多く乗っておこうという乗りバス精神ですw
結局5分程度の遅延で渋谷駅に到着しまして、お次は渋41系統です。
東急バス渋41系統 渋谷駅→大井町駅
渋谷から乗り継ぐのは東急バスの渋41系統です。実は私自身は2度目の乗車でして、前回は逆方向の大井町から渋谷まで乗車しました。
しかし、前回はイベントの帰路のついでに乗ったのであり、レポートでも簡単に流してしまったため乗車レポートという意味では不十分なものでしたし、今回はバスメインの記事ということでもう少し掘り下げて紹介したいと思います。
ちょうど発車するところだったので後ろだけ撮って乗車しました。予定より1本早い便ですが、早めに出て大井町でゆっくりするのもいいでしょう。
この系統は運行区間だけを見れば埼京線・りんかい線に並行する路線と言えますが、細かく経路を見ていくと渋谷からは一旦玉川通りを西へ進んで大橋ジャンクションの手前の大橋というところまで行ってから山手通りに入り、以後は山手通りに沿って大崎駅付近を経て京急の新馬場駅から国道15号(第一京浜)を走って大井町まで行きます。
山手通り上では東急東横線の中目黒駅と目黒線の不動前駅、そして池上線の大崎広小路駅も通るので、渋谷-中目黒-不動前-大崎広小路-大崎-新馬場-大井町を結ぶといえば、鉄道の路線図上でもイメージしやすいですかね。
渋谷を出てすぐに「セルリアンタワー」という”ぱっかーん”と行きたくなる名前の高層ビルがあり、バス車内のアナウンスでも言及されていますが、東急ホテルが入居している関係なんでしょうね。
ちなみに、「セルリアン」という単語自体は色の名前として一般名詞で存在しますので、この高層ビルとけものフレンズは一切関係ない(はず)ですw
山手通りはこのようなアンダーパスが多く、交差点の立体化も進んでいますが、バスは基本的に側道を走りますw
山手通りの近くには首都高速中央環状線が走っていますが、経路上にも五反田出入り口があります。地下道路なので本線の存在は地上を走るだけでは分かりませんが、唐突に現れる出入り口のランプが近未来感があっていいですね。
そして、大崎駅までやって来ました。山手線はもちろん、湘南新宿ライン、埼京線、りんかい線が集まるターミナル駅となっており、ここでの乗り降りも激しかったのですが、このあたりでは車内はとんでもない大混雑・・・
通勤ラッシュでもあるまいしこんな真っ昼間に何故こんなに混むのかと思いましたが、ほとんどが地元の人たちのようで、買い物などの日常の足として使っているんでしょうね。
時間的には買い物を終えて帰路に就くところなんでしょうか。
後半は混雑であまり乗車を楽しむという感じではありませんでしたが、大井町までやって来ました。混雑でバス停での客扱いに手間取ったせいか10分ほど遅延していました。そして、降車して振り返ると同じ渋41系統が後ろを走っていましたw
さて、ここからは本日最後の系統、井30ですが、その前に飲み物調達も兼ねてお買い物w
それを済ませたら井30系統です。
京浜急行バス井30系統 大井町駅→お台場(→大井町駅)
それでは、最後の系統、井30系統でレポートをシメたいと思いますが、実はこの系統こそがこのレポートの目玉と言ってもいいものでした。
理由はズバリ、首都高速を走るからです。
福岡で育った私としては、路線バスが高速道路を走ることにさほど違和感はないのですが、福岡以外の地域ではかなり珍しいことのようであり、首都圏もその例に漏れず首都高速を走る路線バスというのはかなりレアです。他には横浜新道、第三京浜、保土ヶ谷バイパスといった自動車専用道路で路線バスが運行されている例があるようですが、首都高速に限定した場合、この井30の他には、大森駅から出ている森30・森40と、さいたま新都心駅から出ている新高01しかなく、森30と森40は同一路線の派生系統だと考えるなら3つしか例がないことになります。
これだけでも、わざわざ乗りに来る価値はあるというものですが、実はもうすぐこの系統で首都高速を体験することができなくなるという期間限定ネタであることもあって、この機会に乗りに来ました。
と言いますのは、別にこの路線の廃止が決まっているとかいうわけではなく経路が変更される可能性が高いからです。理由は単純で、現在首都高速を走行するのは大井~臨海副都心間ですが、この区間は並行する一般道が整備されていないために首都高速を走っていました。しかし、現在この区間に並行する一般道が整備されつつあり、既に西行きの一般道は供用開始されていて、井30も大井町方向はその一般道を走行しますし、東行きの一般道も来年中には開通する見込みとなっています。開通すればわざわざ通行料がかかってETC搭載車を専用運用しなければならない手間を掛けて首都高速経由を続行するメリットはなくなるため、開通と同時に一般道経由に変更される可能性が高いでしょう。
また、森30、森40も同様に首都高速を経由する意義を失うわけで、そうなれば首都高を走る路線バスは新高01だけになりますね。
こちらが井30の乗り場のようです。
先客の親子連れが1組いた以外は誰もおらず、これは意外と空いている車内を楽しめるかもしれません。
そして、こちらが井30系統です。
船の科学館行きとなっていますが、実際にはお台場地区では循環運行をしていて、そのまま大井町方面まで直通運転されます。
行き先表示には「首都高経由」といった分かりやすい表示はされていませんが、車体に書かれた「速度60キロ制限車」という表記に注目です。
井30が走行する区間の大半を占める東京港トンネルは70キロ制限ですが、立席乗車も認められている路線バスはそれより厳しい60キロ制限が課され、そのためにリミッターの搭載された車両を使用しているというわけですね。
ちなみに、発車時間が近づくと続々と乗客らが集まってきて結局結構な乗車率になっていました。大井町からお台場ならりんかい線を使うほうが早くて本数も多いわけですが、東京テレポート駅から離れたエリアへのアクセスでは、またバスや徒歩などで移動を強いられるために大井町からお台場の各地区へ直行できるバスを選ぶ人も多いんでしょうね。
車内の案内表示も首都高経由の文言はありません。まあ、利用者から見ればバスが首都高を走ろうが一般道を走ろうが目的地まで行ってくれればそれでいいわけで、一部のマニア以外には不要なんですかねw
ちなみに、西鉄バスの場合は、都市高速経由の系統と全区間で一般道を走る系統が混在している区間もあるために放送でも「都市高速経由」と言っていたりします。
バスは大井町を出ると京急線の青物横丁駅にも立ち寄ってから海側へと進んでいきます。
↑マニア席に座ることができましたので動画撮影してみました。
バスの車窓から首都高の出口案内が見られるのは貴重な体験ですね。
首都高は5分程度で終わってしまいもうバスはお台場地区に入りました。
最初に立ち寄るのはフジテレビ
台場駅前ですが、注目してほしいのがビニールで覆われたバス停です。
これはかつて浜松町バスターミナルと東京ビックサイトの間を結んでいた「kmフラワーバス」が使っていたバス停で、残念ながら今年の5月で廃止になってしまいましたが、バス停は撤去されずに残っていたんですね。
ちなみに、「kmフラワーバス」もさよなら乗車に行っていますのでそちらのレポートもよろしければご覧下さい。
車窓から見えたコンビニですが、ちょっと気になったので取り上げます。
「なんだ、ローソンじゃないか」と思った方、よく見て下さい。
店名が「PORT STORE」になっているんです。
ローソンの知名度にあやかってお店の外観を真似しちゃったのかななんて妄想するも、ここまで似ていたら商標とかで問題になって訴えられるでしょうし、このローソンに酷似したポートストアなるお店の正体を知りたくて調べた所、面白い事実が判明しました。
このお店を運営しているのは「東京港湾福利厚生協会」というお硬い名前の組織であり、お台場を始めとして東京の臨海地区で働く港湾関係者への福利厚生の一環として運営しているんだそうです。ローソンのフランチャイズ契約として運営されているようで、外観がローソンにそっくりなのも当然なんですが、素直にローソンとして運営しないで別の名称を使ったのは、やっぱり公的な機関が民間のフランチャイズ契約で民間のブランドを冠したお店を運営するわけには行かなかったんですかね。
ちなみに、お店自体は普通のコンビニだそうで、港湾関係者など以外の一般人ももちろん利用可能です。
お台場地区内ではフジテレビ→台場駅前→東京テレポート駅→テレコムセンター駅→船の科学館→フジテレビ→東京テレポート駅と複雑な循環経路となっていて、単なる環状線ではなく8の字上の経路を取りますが、特に東京テレポート駅から乗車する場合は船の科学館経由に乗ってしまうと一旦お台場地区をぐるぐる回り、再び東京テレポート駅に立ち寄ってから大井町方面へ向かうことになりますから要注意ですw
やはり、誤乗も多いのか、運転手さんもその点は念入りに案内していました。
そして、復路での東京テレポート駅では大勢の乗車がありました。お台場で遊んだ帰りなんでしょうが、東京テレポート駅からならりんかい線を使えばいいのになんて思いましたw
ただ、青物横丁での下車が多かったので、京急線沿線の人がお台場へ出るには重宝するのかもしれませんね。
あれが、工事中の一般道部分(東行き)ですね。あれが開通すればこのバスもあそこを走ることになるのでしょう。
というわけで、お台場へ向かうという記事の趣旨は既に達したわけですが、循環運行であることを利用してこのまま大井町まで向かいます。
↑復路の一般道トンネル区間展望動画
再び東京モノレールの高架をくぐって大井町側に戻ってきました。
さて、ここらでこの旅をすることになった経緯を明かしたいと思います。
この旅は8月11日に実施したわけですが、この翌日8月12日は我々チームATSがコミックマーケットにサークル出展させて頂いた日でした。(yamanomiさんがレポートしてくれていますのでよろしければご覧ください)
そして、メンバーのうち、西鉄好きさんとyamanomiさんは上京してきており、大井町に宿を取られていました。そんなわけで、たまたま休みで暇だった私は前夜祭と称して食事会を開く運びになったわけですが、食事会は夕方からであり、午後まで暇だったのでじゃあバスで行ってみようとなったわけですw
最後にまとめとして、池袋→お台場を電車で移動した場合と今回のバス移動の場合で比較してシメとします。
~費用~
電車の場合・・・530円
バスの場合・・・650円
※いずれも現金での場合
~所要時間~
電車の場合・・・約30分
バスの場合・・・約3時間30分(乗り換え時間も含む)
費用に関しては都内のバスは均一運賃で長距離を乗り通しても運賃が割高にならないことと、お台場へはJRではなくりんかい線となり別会社になるため電車も運賃が割高になることもあって、電車と比べても120円割高になっただけですが、所要時間は凄まじい格差ですねw
よほどバスが好きとかじゃないとできないでしょうw
西鉄8000系さんが聞いたら卒倒しそうな旅でしたが、電車では見えない景色も楽しめて楽しかったです。また気まぐれでこういう旅をするかもしれませんのでその時はまたレポートします。
短編と言いつつ5000字を超えている事実に目を背けつつ、レポートは以上になります。最後までお付き合いありがとうございました。
次回ですが、最近は北日本遠征に静岡遠征にと遠征が続いているのに、また性懲りもなく遠征をしてしまったのでそのレポートになる予定です。なるべく早く公開できるように頑張りますが、気長にお待ち下さい。