今回は京王バスが2022年4月1日より運行開始した永80系統に乗車しましたのでそのレポートです。
永80系統とは
まず最初にこのレポートの主題となる永80系統について解説してから本編に入っていきます。
永80系統は京王バスが2022年4月1日より実証運行を開始したバス路線で、京王永山駅・中河原駅・西府駅を経由して総合医療センターまで向かう路線です。
経路の殆どは鎌倉街道・新府中街道となっており、東京近郊の路線にしては珍しくひたすら一本道を進む経路設定となっており、その運行距離は8km近くになるロングラン路線でもあります。
途中の停留所は鉄道駅との接続点となる中河原駅・西府駅のみとなっていて、鉄道では遠回りになる区間をショートカットする便利な路線に思えますが、終点が総合医療センターであることからも分かるように通院需要を当て込んだ路線であるらしく、運行は平日の朝に総合医療センター行きの片道1本のみの運行となっており、地元の方以外は乗車難易度が高い路線となっています。
マニア的に見ると多摩川を渡る関戸橋を経由する貴重な路線であることや、本数の少なさなどが惹かれるポイントですねw
まずは永山駅へ向かう
というわけで早速本編に入っていこうと思います。
まずは永80系統の起点となる永山駅へ向かうのですが。朝の7時05分に出発するので私の地元からだと始発電車に乗っても間に合わず、やむなく新宿駅付近のネットカフェで夜を明かして京王線の始発電車で向かうこととしました。
なので、近場の活動の割には予算が嵩みましたw
世界有数のターミナル駅もまだ早朝の静けさに包まれていました。
発車標です。
京王線はロングラン各停が当たり前に走っていることでも知られていて、京王八王子行きの各停なら早朝でなくても見られますが、橋本行きは京王線新宿駅始発では日中は特急がメインになるため早朝や深夜のみのレア種別&行先ということになります。
乗車したのとは別の列車ですが、急行京王八王子行きはレアだったので撮りました。
それでは各駅停車橋本行きに乗り込んで京王永山駅まで向かいます。
京王永山駅に到着です。
ここでは少し時間があるので軽く駅もご紹介したいと思います。
ホームは相対式2面2線となっており、待避や折り返しも出来ないシンプルな構造です。
↑更に何かやってきたと思ったら回送列車でした。
なんと一旦停車した上で再度出発するという面白い動きをしていましたが、当駅は京王ライナーも含めて全種別が停車する駅となっているため、信号システムが通過に対応しておらず回送であっても運転停車する必要があるとかいう事情があるのかもしれません。
バスの路線図もありましたが流石に実証運行中の永80系統は載っていませんでした。
こちらは小田急線の改札口です。
実は京王永山駅は小田急永山駅に隣接していて実質同一駅となっていて、相互の乗り換えが可能となっています。
それならば駅名を統一したほうが分かりやすそうですが、京王・小田急の両社が新宿方面へ直通列車を運行していて、誤乗防止などの理由で駅名を分けているようです。
なお、駅前広場などは京王永山駅・小田急永山駅で共用となっているためバス停名は「永山駅」となっています。
小田急側の駅前です。
ニュータウン鉄道として整備された路線であり、近代的な高架駅の外観ですね。
小田急永山駅の看板ですが、京王のロゴも併記されているのが当駅のややこしい事情を物語っていますねw
コンコースです。
そろそろ通勤ラッシュが始まる時間帯とあって人通りが増え始めていて撮影に気を使う時間帯となりました。
こちらがバスターミナルですが、永80はここから発車するわけではありません。
実は駅の真下を通る都道18号沿いにもバス停があり、永80はこちらから出発となっています。
高架桁に書かれた駅名のフォントもちょっと昭和チックですね。
そういえば、ローマ字表記がないのも現代の駅とは違う感じです。
入口部分は今風の駅舎でしたが利用者の目に触れやすいところだけお色直ししたのかもしれませんw
それでは駅のご紹介はこれくらいにしてそろそろ本題の永80系統の紹介に移っていきたいと思います。
永80系統 永山駅→総合医療センター
いよいよ本編と言える永80系統のご紹介です。
ここからは聖蹟桜ヶ丘駅方面へのバスが出ていて、こちらは経路違いで3つも系統が存在するほどの主力路線ですが、そんな中でぽつんと1日1本だけの永80系統が紛れています。
永80系統の案内です。
この路線図だと主要なバス停だけ表示しているようにも思えますが、本当にここに載っているバス停にしか停まりませんので、それ以外のバス停に行きたい場合は永80は利用できませんので注意が必要です。
なお、いわゆるクローズドドアシステムは採用されていないため、中河原駅や西府駅で降りることも可能です。
やってきました!
この時点では私の後ろに7~8名並んでおり、意外とこの路線も需要があるのだなと思いましたが、聖蹟桜ヶ丘行きも同じ乗り場なのでそちらの利用者という可能性もありますからね。
側面の幕です。
普通だと主要経由地を表示する部分ですが、永80系統の場合、これで停車するすべてのバス停を網羅しているわけで、面白いですね。
乗り込みました。
並んでいた人の大半が乗り込んできて乗客が私だけというシチュエーションまで想定していたのが拍子抜けでした。
しかも、マニアっぽい人は(私の他には)おらず、通勤や通院を目的に使っている人が多いようでした。
↑マニア席に座れましたので前面展望をどうぞ!
バスは永山駅を出ると永山橋交差点を右折して鎌倉街道に入っていきます。
ここからは駅に立ち寄るために道を外れる以外はこの道に沿って運行していきます。
そして差し掛かる新大栗橋交差点ですが、鎌倉街道を走るバスの大半はここで左折して聖蹟桜ヶ丘駅へ向かうため、ここから先は都営泉二丁目からくる桜08系統のうち土日の1本のみ設定される聖蹟桜ヶ丘駅行きとこの永80系統の2つしか路線バスが走っていないため、都内の割に路線バスが極端に少ない道となっています。
この橋がちょうど多摩市と府中市の境になっていて、並行して京王線も走っているためバスの需要は少ないんでしょうね。
多摩川を渡るとすぐに中河原駅に到着します。
ここで数名降りましたが、それよりも驚いたのは乗ってくる人数です。
10名ほどは乗ってきてほぼ満席に近い状態になったかと思います。
調べてみると中河原駅から総合医療センターへ向かうのはこの永80系統のみであり、実証運行とはいえ潜在的な需要を掘り起こした形なのかもしれません。
なお、これ以外だと府中駅からも総合医療センター行きもバスが出ていて、永80系統の時間には合わない場合はそちらのルートを使うことになります。
そもそも中河原駅って京王線の中では各駅停車しか停まらない地味な駅というのが正直な印象ですが、通院目的だと混雑する特急に乗らなくて済む中河原駅経由のルートも重宝されたりするんでしょうかね。
中河原駅を出ると鎌倉街道は新府中街道と名前を変えるもののまだ続きます。
中央自動車道と交差したらアンダーパスで南武線を越してから左へ折れると西府駅です。
西府駅は2009年に開業したまだ新しい部類に入る駅ですが、路線バスは少なく永80系統の他には西府01系統という西国分寺駅行きがある程度となっています。
なお、西府01系統は1時間に1本程度と、永80系統に比べればかなり恵まれた本数ですが、都内のバスだと考えると少ないという本数になっていて、こちらも総合医療センターを通るので永80系統の並行路線とも言えます。
というわけで西府駅からは永80系統の単独区間ではないのですが、ここからも需要もなかなかあるようで乗ってくる人がいくらかいました。
さて、ここまでくればあとは終点の総合医療センターまでノンストップなのですが、時刻表上では20分の所要時間だったのが実際には10分程度で走ってしまったので10分近く早着しての到着でした。
路線バスを始めとした公共交通機関は、時刻表上での発車時刻より早く出発する早発は禁止されていますが、永80系統の場合、西府駅を出てしまえば途中バス停は全て通過なので道が空いていればどんどん早く行けてしまいますからねw
となるとかなり余裕を持ったダイヤを組んでいることになりますが、通院路線という性格を考えると、診察の予約時間の兼ね合いがある利用者も多いことを見越して極力定時運行できるようにしているのかもしれません。
そして、それは私にとっても助かりました。
というのは、私は乗りバス目的でしたからこのあと病院で診察を受けるわけではないのですが、このあとそのまま別の活動をすることになっており、しかも結構タイトな乗り継ぎだったのでバスが少しでも遅延するとアウトだったのです。
まあ、路線バスが遅れることはよくあることですから、間に合わなかったらしょうがない程度の認識ではありましたけどね。
総合医療センターに到着です。
バスを降りた人たちは皆病院の入口へ吸い込まれていきますが、私だけはその流れに乗りませんw
永80系統の永山駅行きも存在すればその案内を撮ったりするところですが、あいにく永80系統は片道のみの運行なのでそれもないのでここには長居する用事はありません。
それにしても、朝の大規模病院ってこんなに人が多いものなんですね。
私はありがたいことにこれまで大きな病気や怪我もなく、持病というほどのものないので、こういう病院にお世話になる機会がなく知りませんでした。
病院の前はバスターミナルのようになっていて、ここから西国分寺駅、国分寺駅、府中駅、西府駅へとバスが出ていて、地域を代表する病院であることが伺えます。
そんな中でも西国分寺駅行きは主力であり、日中でも毎時8本程度、ピーク時間帯の8時台ともなると17本も出ていてほぼ待つ必要がないというほどの高頻度運行となっています。
なお、総合医療センターから西国分寺駅までは1.3kmほどであり、バスに乗っても途中のバス停が1つだけという短さなのですが、病院のお世話になるような方ならこの距離でも歩くのが困難という方も多いでしょうし、バスの需要が多いんでしょうね。
また、府中駅や国分寺駅へも毎時5本程度出ていて、ローカルバス乗り継ぎ旅をするならば乗り継ぎ拠点としても便利そうです。
最後に総合医療センターとバスターミナルを撮ったらバスで西国分寺駅へ向かって活動終了です。
ラッシュの慌ただしさの中、改札を通ったら次の活動へ向かいます。
次の活動が何なのかは次回の記事の公開までのお楽しみということでこの記事はここで〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。