今回は東海道・山陽新幹線のN700S「のぞみ」に乗車して博多駅から東京駅まで移動しました。
時系列としては「長崎遠征(2日目)」の翌日となります。
まずは博多駅へ
今回は新幹線で博多→東京を移動するだけなので行程の説明はなしでいきなり本編スタートです。
新幹線が出る博多駅までは鹿児島本線を利用しましたが途中で1つネタがありました。
↑南福岡駅にて増結作業がありました。
連結を見届けたら、あとはそのまま博多駅まで向かいました。
博多駅では乗り換えの合間にちょっとだけ寄り道します。
実は博多駅には駅そばならぬ、駅ラーメンがあります。
ここでお昼ごはんを食べてから新幹線に乗ります。
立ち食いとは言え、ちゃんとしたラーメンが味わえます。
博多駅で乗り換え時間がある時はぜひお試しあれ!
九州新幹線の800系がいました。
なんとなく駅名標も撮りました。
数え切れないくらい来ているのでパソコンには山ほど写真があるはずですがもはや習性ですw
ここは小倉方面へはつながっていない乗り場のため、九州新幹線・博多南線の隣の駅である新鳥栖と博多南が掲載されています。
500系がやってきました。
今は「こだま」運用ばかりで、最遠でも新大阪までしかいかなくなってしまいましたが、「のぞみ」運用があった頃に東京まで乗り通したことがありました。
↑入線は動画で撮りました。
N700Sで博多→東京5時間耐久コース
列車もやってきていよいよ博多から東京までの5時間の耐久コースが始まります。
まずは写真で撮ります。
新幹線らしくノーズが長いので駅撮りだとこんな感じになってしまいます。
かっこよく撮るならこういう構造の駅は難しいですね。
今回乗車するのはタイトルにもある通り、N700系の中でも、マイナーチェンジモデルであるN700Sです。
ちゃんと専用ロゴマークが用意されています。
ここでN700Sについて軽くご紹介しておきましょう。
N700SはN700系のマイナーチェンジ版として開発された新幹線車両であり、2020年7月より営業運転を開始しました。
形式名の末尾に着く”S”は「最高の」あるいは「究極の」を意味する英単語の”Supreme”の頭文字から採られています。
外観がN700系と共通する部分が多く、ロゴマーク以外では見分けが難しい部分もありますが、開発元であるJR東海ではN700系とN700S系は別形式扱いとなっているのに対し、N700S系を導入したJR西日本ではN700系の一部として扱っているなど、新型車両なのかどうか微妙なところですが、私は今まで乗ったことがなかったのでいい機会だと思って乗ることにしたのでした。
技術的な面でもN700系とは相違点がかなりあるのですが、細かく解説するとそれだけでかなりのボリュームになるのとマニアック過ぎる気もしたのでここでは解説は割愛します。
行先表示はフルカラーLEDで見やすいものが搭載されていますが、これはN700系と変わらないですね。
車内です。
大まかなデザインはN700系に準じていますが、照明が間接照明となった他、全体的に曲線を多用したデザインになっています。
車内案内表示器です。
N700系ではフルカラーLEDの電光掲示板でしたが、N700Sでは液晶パネルとなり、サイズも大型化して見やすくなりました。
座席です。
基本的なデザインはN700系と同じですが、より座り心地がよくなるように改良されていたり、座席が濡れていると柄のラインが濃く浮かび上がることで分かりやすくする機能もついていて、さり気なくバージョンアップしています。
あと、今や移動中にコンセントが使えるかどうかで交通機関を選ぶ人までいるというくらい重要な設備のコンセントももちろん備えています。
N700系では窓際の席と最前列・最後尾席のみの設置となっていて、利用する座席によってはコンセントがないこともありましたが、N700Sでは全ての座席にコンセントが付いていて、乗車すれば必ずコンセントを利用することが出来ます。
ただ、このように肘置きの先端部に着いているので、知らないとどこに付いているのか探してしまいそうですw
といったところで車内撮影は以上として、後は発車を待つのみです。
↑5時間の長丁場になりますが全区間車窓です。
博多を出ると最初の停車駅は小倉です。
この区間は途中駅がないため、山陽新幹線として見ると連続停車しているわけですが、約55kmに渡ってノンストップになります。
それでも新幹線は15分ほどで到着してしまうんだからすごいですよね。
小倉を出るとすぐに新関門トンネルに入り関門海峡の海底を走り抜けたら本州に渡って新下関となります。
山陽新幹線は長らく海を渡る唯一の新幹線でしたが、北海道新幹線が開業して青函トンネルで北海道と本州を結ぶようになってからは唯一ではなくなりました。
ここでスジャータのアイスクリーム(通称「シンカンセンスゴイカタイアイス」)を買いました。
以前はJR東日本が管轄する東北・上越・北陸新幹線などでも販売していたのが車内販売のラインナップから外れてしまい、今や東海道・山陽新幹線でしか買えなくなってしまいました。
最近食べる機会がなくて寂しく思っていたのですが、久々の東海道・山陽新幹線乗車ということで車内販売を見かけるや否や迷わず購入ですw
そして、新山口駅に到着します。
新山口駅は長らく小郡駅という名前でしたが、県庁所在地の山口市へのアクセス駅であることを分かりやすくする意味で新山口駅に改名されて、同時に「のぞみ」が停まるようになりました。
続いて停車するのは広島駅であり、中国地方の中心都市とも言える場所ですが、毎時1本程度は東京~広島間の「のぞみ」が設定されるほど需要が多くなっています。
東京~広島間は新幹線で約4時間の距離であり、新幹線と飛行機のシェアが逆転するのが新幹線での所要時間4時間が目安というのもあって東京~広島間の輸送では新幹線と飛行機が激しい競争を繰り広げています。
ちなみに、これを超える博多・小倉~東京間だと新幹線で5時間を要することから飛行機が圧倒的シェアを持っている一方、東京~新大阪間だと新幹線のシェアが卓越し、東京~名古屋くらいになるとほぼ新幹線の独占状態であり、羽田・成田~名古屋の飛行機はほとんど飛んでいないようです。
続いては岡山です。
岡山は都市としての規模こそ広島に及びませんが、山陰・四国方面の特急列車との接続拠点であり、ターミナル駅としての機能では広島駅より岡山駅の方が賑やかだと言えます。
ここでも乗ってくる人が多かったですが、入れ替わりで降りる人もいて、乗車率としてはそこまで一気に跳ね上がった印象ではありませんでした。
岡山を出ると次の停車駅は新神戸ですが、ここで中国地方から近畿地方へと入っていきます。
姫路まで来るとしばらく明かり区間が続きますが、山陽新幹線は全体の半分以上がトンネルというほどトンネルが多いため、まとまって地上を走る区間があるのは貴重です。
これは山陽新幹線は東海道新幹線よりも更に高速運転を行うべく東海道新幹線が最小曲率半径が2500mとされたのに対して、山陽新幹線では最小曲率半径を3000mとしており、なるべく直線に近い線形を採用した結果、山を避けずにトンネルを設けることとなり、多くの区間がトンネルとなったというのもあり、現に東海道新幹線では最高速度285km/hなのに対して、山陽新幹線では300km/h運転を実現しています。
また、東海道新幹線よりも後に開通したため、時代とともに沿線の市街化が進み、平地に用地を確保することが難しくなり、無理に平地の市街地を通して用地買収に難航するならば、トンネルを掘って山へ逃げようという思想で経路選定がされたという理由があります。
山陽新幹線に限らず、高度成長期以降に作られた路線はトンネルを多用する傾向がありますよね。
このようにトンネルだらけの山陽新幹線ですが、姫路~西明石間は唯一トンネルが1つもない区間ともなっています。
しかし、新神戸駅が近づくとまた長大トンネルに入ります。
これはやっぱり神戸市内は平地に用地を求めることが困難であり、山の中に逃げたという形ですね。
そのおかげで新神戸駅は神戸市中心部からは離れた場所になってしまいましたが、今では神戸市営地下鉄などで直結されているためそれほど不便というわけではないと思います。
そんな新神戸駅はトンネルに挟まれている立地となっていて、新幹線にしては珍しく2面2線相対式という構造になっています。
これでも昔は通過する列車もあったのが、今は全列車が停車するようになりました。
再び長いトンネルを抜けて明かり区間になると西宮市・尼崎市などを通過しつつ新大阪に至ります。
ここで山陽新幹線としては終わりですが、「のぞみ」については原則として全列車が東海道新幹線に直通する形で運行されている一方、九州新幹線と直通する「さくら」「みずほ」や、山陽新幹線内のローカル輸送を担う「こだま」は新大阪までの運行となっていて、運行面でも境界といえる駅です。
ここで一気に車内は混み合って、座席のほとんどが埋まったようです。
山陽新幹線と東海道新幹線の需要の格差を感じた一瞬でしたが、大阪と東京という日本の二大都市を結んでいるんだから無理もないですね。
新大阪を出ると次は京都です。
京都は観光都市として著名であり、その需要を考慮して「のぞみ」を含めた全列車が停車しています。
また、京都府内には空港がなく、最寄りの空港は大阪の伊丹空港か関西国際空港になってしまうこともあって、余計に新幹線のシェアが高いのでしょうね。
京都を出ると東山トンネルで滋賀県へ抜けていきますが、米原まで新幹線の駅はなく、約68kmという駅間は東海道新幹線でも一番長い区間となっています。
このあたりは地形が平坦なおかげもあって線形がよく、東海道新幹線の最高速度である285km/hを発揮できる区間ともなっています。
近江鉄道と並走する区間があったり、右手には鈴鹿山脈の山々が見えたりします。
米原を過ぎると関ケ原を経て中部地方に入っていきますが、このあたりは地形も険しく、トンネルが少なめな東海道新幹線といえどもトンネルが頻繁に出てきます。
開けた地形に出くわしたら岐阜羽島駅となり、まもなく名古屋です。
名古屋でも大勢が降りますが、逆に乗ってくる人もいて結局車内の乗車率は変わらず、さすがは東海道新幹線だと思いました。
名古屋を出ると三河安城・豊橋と来て、トンネルや鉄橋といった分かりやすい境界もなくいつの間にか静岡県に入っていき、左手には浜名湖が見えます。
そして、すぐに浜松駅に差し掛かります。
浜松市も政令指定都市なんですが、今まで「のぞみ」が停車したことはなく、「ひかり」ですら通過する列車が存在します。
天竜川を渡り掛川を通過すると、牧の原トンネルなどのトンネルが続く区間になります。
このあたりは山がちな区間で、浜松都市圏と静岡都市圏の境界とも言える区間ですね。
また、このトンネルの直上に静岡空港があり、空港の直下を新幹線が通過するという珍しい例にもなっています。
このため東海道新幹線に静岡空港駅を作って欲しいという声もあるようですが、JR東海からすれば、空港の利便性を上げることは敵に塩を送るようなものですし、高頻度運行を行っている東海道新幹線で、トンネル内に駅を新設する工事を行うことは現実的ではないなどとして実現の見通しは立っていないようです。
大井川を渡って焼津市内を走りますが新幹線は市内に駅はなく、そのまま日本坂トンネルに突入して、抜ければそこは静岡市内です。
県庁所在地にして政令指定都市でもある静岡駅も容赦なく通過ですが、このことで静岡県知事が「のぞみ通行税」を徴収するなんて言い出したこともありましたねw
静岡市内を走っていると静岡鉄道と交差する箇所もありつつあっという間に市内はおわって、またトンネルが続きます。
在来線や東名高速道路だと駿河湾と富士山の絶景が楽しめる薩埵峠付近ですが、新幹線は内陸よりのルートなのでその景色は楽しめません。
山陽新幹線よりはトンネルを少なめにした東海道新幹線を持ってしても、既に在来線や国道で限られた平地が埋め尽くされている薩埵峠区間はトンネルにせざるを得なかったんでしょうね。
トンネルが終わると富士市内となり、天気が良ければ富士山も見えますが、乗車した時はあいにくの空模様で富士山は雲の中でしたw
新富士駅を通過すると岳南電車と絡みつつ沼津市内を掠めて三島駅です。
都市としては三島より沼津の方が大きいんでしょうが、沼津に新幹線を停めると大きく海側へカーブするルートになってしまうために沼津には停まらずに三島に停まるようになったんでしょうね。
ちなみに、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」は三島は通過し沼津に停車しています。
三島を過ぎると新丹那トンネルで伊豆半島の付け根を横断して熱海です。
熱海駅は過密ダイヤの東海道新幹線に似つかわしくない2面2線という配線であり、待避が行えないことがダイヤ上のネックになっている他、ホームドアがあるとは言えホームに面した線路を通過することや、駅付近に急カーブがある関係で減速しての通過となるため乗っていても熱海は分かりやすいです。
トンネルがいくつか連続するうちに熱海市から湯河原町に入り、つまりは静岡県が終わって神奈川県に入ったことになります。
やっと静岡が終わったという感じですが、新幹線だから1時間足らずで横断できるのであって、在来線や自動車だったら静岡県内だけで2~3時間はかかるでしょうし、「静岡大陸」って呼びたくなる気持ちは分かります。
トンネルが連続する区間が終わると小田原となり、ここで「ただいま小田原駅を定刻通り通過しました。」といった車内放送が入り、新横浜駅が近いことを知らせてくれます。
ここまで来るとやっと関東地方に入ったなと実感しますよね。
まあ、その最後の1区間がやたらと長いってオチなんですけどねw
小田原~新横浜間って50kmほどあり、新幹線だと「こだま」でも16分程度で走ってしまうため実感は沸かないですけどね。
相模川を渡るとすぐに相模線・圏央道と交差して、更に高座渋谷駅付近で小田急江ノ島線と、二俣川駅・西谷駅付近で相鉄線と絡み合いつつ横浜羽沢駅付近を過ぎたらもう新横浜駅です。
ここで車内の2~3割は降りていき、再び「のぞみ」は動き出して次は品川です。
ここからは首都圏の街並みの中を走る区間となり、新幹線といえども急カーブを設けざるを得なかった箇所もあってそんなに飛ばしません。
武蔵小杉駅付近で品鶴線(横須賀線・湘南新宿ラインなど)と並行しつつ多摩川を渡ると東京都に入ります。
東急多摩川線・東急池上線・東急大井町線と立て続けに交差したら車窓に山手線なども見えてきて品川に到着です。
ここはあとから追加で設置された駅ですが、需要は少なくないようでここで降りる人もそれなりにいました。
品川を出ると山手線・京浜東北線・上野東京ラインなどと並行しつつ、また右手には東京モノレールやゆりかもめなども見えて楽しい車窓で最後の余韻を味わったら終点の東京に滑り込みます。
これにて5時間の旅も終わりです。
飛行機だと1時間ちょっとのフライトで着いてしまうところを5時間もかけているので、普通に移動したいだけなら不合理な選択にも思える新幹線での博多→東京の移動ですが、18きっぷで同区間を移動したこともあるためかそれほど長く感じませんでした。
ちなみに、東京~博多間の「のぞみ」は実キロで1069.7km、営業キロで1176.9kmを走破しており、日本国内で定期運行される旅客列車としては日本最長距離の列車でもあります。
早割などを使えば新幹線より安く飛行機に乗れてしまったりする昨今ですが、その分飛行機では見られない景色もあると思うので、東京~博多間を移動する予定がある方は新幹線もぜひ選択肢に入れてみては?
東京駅に着いたらホーム上が混み合っていたこともあって車両の撮影はしなかったのですが、こんなものを見かけました。
これは7号車をテレワークなどを出来るスペースとする取り組みで、ビジネス利用が多い東海道新幹線ならではともいえますかね。
随分と凝ったデザインでしたw
駅名標を模したのはありましたが、行先表示を模したのはありそうでなかったという感じですね。
といったところでこの記事は〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
このあとは記事にしていない活動はないのですが、どうせそのうちまたどこかへ出掛けるでしょうから、その時の記事でお会いしましょう。
それでは!
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山陽新幹線の速さを伝えたいなら、最高速度ではなく表定速度の方が良いのでは?
もう最高速度に大差がなくなっているので。というか、東海道新幹線より後にできて遅い新幹線いくらでもあるし。