今回は小田急バスが運行する「新宿~よみうりランド線」に乗車してきました。
実は過去にも乗車していて、記事にもしているのですが、ご無沙汰している間に、入庫便も旅客扱いをするようになったというのと、以前より運行日数が大幅に減ったこともあり、遠からず廃止されるのではという危惧から、前面展望の撮影にも挑戦しようという意味でも、改めて乗りに行くことにしました。
前回の乗車は2018年のことであり、なんだかんだで6年ぶりの乗車となりました。
新宿~よみうりランド線の概要
まずはこの記事の主題である「新宿~よみうりランド線」について解説してから本編に入っていきます。
以前の記事でも解説した部分と重複する部分もありますが、6年ぶりの紹介ですし、改めて解説していこうと思います。
この路線は名前の通り、新宿駅西口とよみうりランドを結ぶ路線バスで、小田急バスが運行しています。
前回乗車した頃は3月16日~6月15日と9月16日~11月15日の日祝ダイヤのみ、1日2往復設定されていたのですが、その後2019年にさらなる減便が行われ、2024年6月現在では6月中の日祝ダイヤのみの運行となり、更に本数も1往復に減ってしまいました。
路線そのものについては運行経路や停車バス停に大きな変更はないようですが、従来は新宿駅到着後、回送で入庫していたのを、新宿駅から若林営業所までの回送便を旅客化した系統が新設されており、それについても今回乗車しようと思います。
バスマニアという視点から見ると、まず運行本数が非常に少ないという点がネタであり、このような路線をバスマニア界隈では「免許維持路線」と呼んだりします。
もう1つネタなのがその運行距離であり、新宿駅西口~よみうりランド間は21.42kmあるようです。
地方ならこれくらいの長さの路線バスは特段珍しくもないでしょうが、東京都内を走る路線としては異例の長大路線といえます。
行先がよみうりランドであるという点から、よみうりランドへの行楽輸送を目的とした路線であると言えそうですが、現在のダイヤではそもそも運行日が6月の日曜日だけですし、時間帯もよみうりランド行きについては9時に出発して10時20分に到着するダイヤなのでよみうりランドへ遊びに行くのにも使えそうですが、折り返しは10時40分と、往復ともこの路線を使うとすると20分しか滞在できず、もはやよみうりランドへのお出かけに使うことは想定しないダイヤといえそうです。
そもそも新宿からよみうりランドへは京王線の電車に乗れば25分程度で移動できるのが、バスだと1時間20分もかかるわけで、京王よみうりランド駅からよみうりランドまでバスに乗り換えて移動するとしても、それでも電車を使ったほうが早いのは明らかでしょう。
どうやら1970年頃に一度廃止され、それが2000年から復活している経緯があるらしく、1970年頃ならば都心ターミナルと郊外の行楽施設を直通する路線も割と走っていた時代でしょうし、新宿~よみうりランド線もその1つだったのでしょう。
しかし、自動車の増加による交通渋滞の深刻化もあって、都市部での長大路線バスは軒並み姿を消していき、新宿~よみうりランド線もその例に漏れなかったのでしょう。
それが2000年に復活したのは謎ですが、首都圏では屈指のネタ路線であることは間違いないですね。
この手の路線は大抵、運行実績を残すことでバス会社側に何らかのメリットがあるという理由で維持されていることが多いですが、本路線の場合いまいちそれが謎なんですよね。
新宿駅への乗り入れ実績を作るためというのが考えられますが、小田急バスでは本路線の他にも、宿44という路線が新宿駅発着で運行されており、そちらを残せば新宿駅への乗り入れ実績は確保できますからね。
もう1つ考えられるのは、新宿~調布間で甲州街道(一部は旧甲州街道)を走行するので、この区間に路線バスが通っている実績を作っておき、中央道経由の高速バスが高井戸で高速を降りて迂回運行するためのルートとして確保している説とかもありそうですが、迂回目的で経路申請をする場合に、その運行実績のために路線バスを通すという話は他では聞かないのでこれも違いそう・・・
まあ、理由は何であれ、こういう面白い路線バスが走っているという事実は変わらないので、楽しませてもらいましょう。
乗車レポート
それでは早速乗車レポートです。
新宿駅西口から1往復乗って、そのまま若林営業所行きにも乗るという計画であり、まずは新宿駅へ向かいました。
最近の活動で宿44に乗ったばかりでしたし、乗り場の場所は大体わかっており、今回はすんなりたどり着けました。
が・・・!?
まさかの長蛇の列!
これでも発車までまだ30分はありましたからねw
前回乗った頃は今よりも運行日数が多かった上に、2往復あったのでファンも分散していたのでしょうが、今や6月の日曜日だけになってしまい、本数も1往復になってしまったので、マニアが集中してこの混雑なのでしょうね。
これでは前面展望の撮影は絶望的ですし、そもそも座れるかどうかも怪しい・・・
ここで私はある決断をしました。
それは往路の乗車を断念するということです。
路線自体には過去に乗っているわけで、混雑で立ち席を強いられる状況で乗っても楽しくないですし、いっそのこと、電車でよみうりランドへ先回りして、復路便の列に早めに並んでおけば座って乗れるでしょうし、ワンチャン前面展望もいける可能性もあるという判断もありました。
というわけで、バス停をあとにして京王線乗り場へ向かいました。
ここからはバスに乗り換えてよみうりランドを目指しますが、バス停にはそれなりに行列が出来ていました。
といっても、客層を見るに普通によみうりランドへ遊びに行くという感じの人たちだったので、私と同じ考えでよみうりランドへ先回りしようというバスファンではないようです。
ちなみに、読01系統のうち、土日祝の1往復だけ矢野口駅まで乗り入れており、こちらは新宿行きの区間便とも言えそうな路線です。
1日1本ではありますが、毎週走っているだけまだ乗りに行きやすい路線ではありますね。
よみうりランドと南武線の駅を直接結ぶ唯一のルートなので、案外よみうりランドの帰りに使っている人もいそうですよね。
というわけでよみうりランドにやってきました。
大きな観覧車が出迎えてくれますが、当然園内に入ることはなく、あとはバスで新宿へ戻るだけですw
よみうりランドのバス停はバスロータリーが整備されており、ちょっとしたバスターミナルという趣きです。
ここからは京王よみうりランド駅~読売ランド前駅間などを結ぶ読01系統を主力とし、新百合ヶ丘駅などへもバスが出ています。
ベンチや屋根も整備されていて、よみうりランドで1日楽しんだ帰りでも快適にバスを待てそうですね。
面白いのが、行先別に乗り場を区別しているのですが、駅名ではなくて路線名を書いているんですね。
これは京王線が「京王よみうりランド駅」、小田急線が「読売ランド前駅」と駅名が似ていて紛らわしいので、あえて駅名ではなくて路線名で案内しているようです。
新宿行きは京王よみうりランド駅行きと同じ3番乗り場から発車ですが、ちゃんと路線図にも新宿行きが案内されていますね。
もちろん新宿行きも載っていますが、こんな小さな時刻表でしたw
この時点で他にバス停で待つ人はおらず、私は幸運にも最前列を確保できたようです。
もっとも、この時点でまだ発車まで1時間はあったんですけどねw
↑暇つぶしに発着する小田急バスなどを撮りました。
写真でも撮りました。
「増発」という札を掲げていますが、実は読01系統は定期便ではよみうりランドが終点となる便は存在しておらず、日曜日ということでよみうりランドまでの利用者が多いことを見越して臨時便を設定していたようです。
それにしても、これは行列に並んでいた他のバスマニアっぽい方からも聞かれた声ですが、2024年問題などバス運転士不足が深刻な情勢で、よく臨時便を出すという対応ができているなと感心していました。
それも「増発」のバスは1時間ほどのバス待ちの間に何度も見かけたので、それなりの便数を出しているようでした。
このあたりから徐々に私の後ろにも列が伸び始めており、その客層の大半がバスマニア風の人たちであったことは言うまでもありませんw
↑そして、いよいよ新宿からやってきたバスが到着です。
新宿駅での行列の長さから想像はついていましたが、やはり車内はかなり混み合っているようです。
降りてくる人たちはほとんどがバスマニアばかりなのも予想通りですw
写真でも撮りました。
先程の読01系統と同じくよみうりランド行きなのですが、新宿~よみうりランド線には系統番号がないため、行先のみを表示する形になっています。
ちなみに、新宿~よみうりランド線も一旦休止されるまでは宿50という系統番号が設定されていたそうですが、復活したときには系統番号がない路線ということになったようです。
バスは乗り場を一度離れて折り返しまで待機するようです。
ほぼ定刻通りの到着だったので20分ほどありますからね。
いわずもがなで待機中のバスには多くのファンがカメラを向けていましたw
私もそれに混じりたい衝動に駆られますが、せっかく確保した最前列を放棄するという代償はあまりに大きかったのと、前回乗車時にもある程度撮影しているので、今回は大人しく待つことにしました。
↑その代わりというわけではないですが、バス停の案内にも新宿行きが出ていたので撮りました。
あとは発車時刻まで待機です。
その後も続々と到着するバスから吐き出され、よみうりランドへ向かうレジャー客たちからは、「あの行列は何?」と言わんばかりの視線を感じたりもしましたw
中には「珍しいバスがあるらしいからそれに乗るんじゃない?」とか言っている人もいて、マニア以外にもこの路線の存在を知っている人が一定数いる様子も伺えました。
そして20分後・・・
https://youtu.be/cyt1tg2oNJs
↑新宿行きのバスがやってきました!
車内の案内も撮っていきます。
私の後ろに大勢並んでいたおかげで、発車までしばらく時間があったので余裕がありました。
↑最前列で並んだおかげでマニア席を確保できましたので、前面展望をどうぞ!
キャプチャですが、静止画でもご紹介していきます。
まずはよみうりランド通りを進みますが、やや手狭な道幅です。
が、少し行くと道幅も広くなり、周囲の視界も開け始めました。
ところで、よみうりランド自体は神奈川県川崎市にありますが、ランド坂の大部分は東京都稲城市にあるため、ここで都県境を越えていることになります。
周囲も大々的に工事中ですが、実はこの周辺には「東京ジャイアンツタウン」という読売ジャイアンツを中心にした新たな施設が出来るそうで、その工事が進行中というわけです。
これに関連してよみうりランド通りも改良されることとなり、従来は京王よみうりランド駅付近までずっと狭いヘアピンカーブが連続する峠道のような道路でしたが、ループ状の線形で緩やかに高低差を攻略するルートになり、かなり走りやすくなったようです。
以前乗車したときはまだ峠道が残っていましたが、あまりの変貌ぶりに驚きを隠せませんでした。
それにしても、「東京ジャイアンツタウン」が開業したら新宿~よみうりランド線もそのアクセス需要が見直されて、普通に運行されるようになったりしたら面白いですねw
ランド坂を下りきって京王よみうりランド駅にやってきました。
以前に乗った時は夕方の便だったこともあり、普通によみうりランド帰りの人たちも利用していて、ここで降りる人もいたと記憶していますが、今回は午前中であり、よみうりランドから帰るには早すぎるためか、ここで降りる人はいませんでした。
代わりに数名だけ乗ってきましたが、彼らはランド坂のどこかでバスを撮影してバス停に先回りという作戦をとったマニアのようでしたw
榎戸交差点を右折で鶴川街道に入っていきます。
片側2車線以上ある大通りなのでバスでもスムーズに走れます。
矢野口駅付近で南武線と交差します。
他の路線バスは全て駅前ロータリーにある「矢野口駅」というバス停を発着しますが、新宿~よみうりランド線だけは鶴川街道上にある「矢野口駅東」というバス停を発着となっているため注意が必要です。
ちなみに、矢野口駅を発着するバスも、京王バスと小田急バスによって調布駅や京王よみうりランド駅・読売ランド前駅などへ路線がありますが、いずれも土曜日や日曜日に1本だけといった免許維持路線状態であり、普段から走っているバスは稲城市コミュニティバスの「iバス」だけになっています。
東京都内でも乗り入れるバスが実質コミュニティバスだけなんて駅があるんですね。
下石原一丁目交差点を右折で旧甲州街道に入っていきます。
この手前で京王線と交差していますが、調布駅付近の京王線は地下線なので地上からはその姿を見ることは出来ません。
旧甲州街道は昔ながらの2車線道路であり、また窮屈そうな走行になりました。
今は少し北側を4車線の甲州街道が通っており、通過交通はそちらに流れていると思いますが、ここが国道20号だった時代は通過交通もこの付近に用事のある車両も入り混じってかなりカオスな光景だったんでしょうね。
調布駅北口です。
以前乗車したときは旧甲州街道上に「調布駅北口」バス停があってそこを発着していたのですが、2020年11月16日にロータリーへ乗り入れるようになり、旧甲州街道上のバス停は廃止されたそうです。
こちらが調布駅北口のバスターミナルです。
広々としたロータリーが整備されていますね。
ちなみに、新ロータリー完成後を見るのはこれが初めてでした。
そんな調布駅北口を出るとここからが本路線最大のネタといえる区間であり、なんと笹塚二丁目までノンストップで走ります。
高速バスとかを別にすれば、これだけ長い距離バス停に停まらないで走る路線バスってかなり珍しいと思います。
距離にして12kmほどとなり、東京周辺なら12kmというのは路線の全長だとしてもかなり長い部類に入りますし、京王線の特急は調布と笹塚の間で千歳烏山と明大前にも停まっていることを考えると、停車駅数だけで言えば京王線の特急より少ないことになります。
甲州街道に入り道幅が広くなりました。
しかし、特に交差点周辺なんかは限られた用地に押し込んだためか、車線幅が狭くて通りづらそうでした。
高井戸付近まで来て、上には首都高が覆いかぶさるようになりました。
この首都高の下を走る光景は、都内の主要道路によくある光景ですね。
アンダーパスを通行するシーンもありましたが、路線バスだと側道を通るのが相場と決まっている中で、アンダーパスを通るのは貴重ですね。
そして、笹塚二丁目バス停に到着です。
このあたりまで来ると吉祥寺駅からの宿44と合流しまして、新宿~よみうりランド線単独の区間ではなくなり、ここから新宿駅西口まではこまめにバス停が設置されています。
また、バス停には結構な人が待っていますが、ほとんどが他のバスを待っているようで乗ってくる人はかなり少なかったです。
というのも、笹塚周辺から都心方面への路線バスは渋谷駅へ行くものがほとんどで、新宿駅へ行くのはこの新宿~よみうりランド線の他は宿44の2路線だけであり、バスを待つ人はほとんどが渋谷方面への利用者というわけですね。
そんな中でも若干ですが乗ってくる人もおり、ほとんどが高齢者だったのですが、どうやら東京都シルバーパスを利用しているようで、新宿へは電車の方は早いと分かっていてもシルバーパスで乗れる路線バスを愛用している層もいるようでした。
それにしても、いくらシルバーパスで乗れると言っても、たった1本しかないバスを狙い撃ちで待っているなんてある意味すごい執念ですねw
上空が開けて開放感を味わいつつ、甲州街道を進みます。
このあたりに角筈二丁目というバス停がありますが、この角筈という地名は2024年現在は正式な地名としては存在しておらず、おおむね歌舞伎町と西新宿1~6丁目を合わせた範囲がかつて角筈と呼ばれていた地域にあたるようです。
現在でもバス停名などにその痕跡が残っており、新宿大ガードの近くにある地下道の名前が「角筈ガード」と呼ばれていたりしますね。
終点の新宿駅西口に到着です。
小田急バスで新宿駅西口に発着するのはこの新宿~よみうりランド線と宿44の2路線だけですから、この表示もレアになりますね。
1時間20分の旅もこれで終わりですが、このまま若林営業所行きとして運行されるので、引き続いてそれに乗っていきます。
ただし、同じバスがそのまま運行するとはいえ、時刻表上では別々の路線ということで、全員一度降りてから、また改めて乗る必要があります。
ほぼ全員が一旦降りてからまた乗り込むというカオスな光景が展開されました。
この入庫便を狙ったであろう人たちが始めからバス停で待っていたこともあって入庫便は相変わらずかなりの混雑になっていました。
一瞬降り立った際に撮った若林営業所行きの側面の案内です。
この路線も新宿~よみうりランド線と同じく6月の日曜日しか運行されないため、新宿~よみうりランド線の影に隠れがちですが、レア路線であることに変わりはなく、新宿~よみうりランド線とセットで乗車するファンが多いようです。
元々並んでいた人+よみうりランド線からそのまま乗る人で混み合っており、今度はマニア席どころか、座ることすら出来ませんでした・・・w
路線図ですが、新宿~よみうりランド線と若林営業所行きも載っていますね。
さて、この新宿駅西口発若林営業所行きの路線ですが、新宿~よみうりランド線の入庫運用を営業化したものであり、2019年に新宿~よみうりランド線の運行日が大幅に減らされたタイミングで運行開始されました。
歴史的には新宿~よみうりランド線が宿50として運行されていた時代には往復とも設定されており、当時は宿51を名乗り、京王バスと重複することから宿50-1と改名されました。
宿50(新宿~よみうりランド線)が休止を経て廃止されると、こちらも廃止になり、2000年に新宿~よみうりランド線が復活した際にも出入庫は回送扱いとなったため、この系統は復活しませんでした。
それが2019年に若林営業所行きのみ復活しましたが、新宿~よみうりランド線と同じく系統番号なしの路線となっています。
ちなみに、出庫となる若林営業所→新宿駅西口は回送扱いとなっていて、営業運転はしていません。
笹塚二丁目を出ると環七通りへ左折していきますが、宮前橋というバス停まではノンストップとなります。
途中には京王線の代田橋駅や井の頭線の新代田駅、小田急線の世田谷代田駅などもありますがそれらも全てスルーですw
この区間には都営バスの宿91系統や東急バスの森91系統が走っており、一般の利用者はそちらを利用できるのと、小田急バスとしては若林営業所行き以外にこの区間を通る路線を持っておらず、そのために途中にバス停を設置するのは割に合わないという判断なのでしょうが1箇所だけ例外があります。
それがこの宮前橋バス停です。
同名のバス停が東急バスとしては従来から設置されており、小田急バスとしても渋谷~経堂間を結ぶ渋54系統が環七通り上ではなくて梅丘通り上に「宮前橋」というバス停を設けているのですが、環七通り上の「宮前橋」バス停についてはこの若林営業所行きのためだけに新設されたという経緯があります。
バス停設置の手続きについて詳しくはないので想像でしかありませんが、元々小田急バスでは宮前橋というバス停を持っていたので、その新しい乗り場が増えたという扱いにすれば手続きが簡単だったとかいう理由もあるかもしれませんね。
降りたらもちろん撮影タイムです。
降り立った乗客のほとんどが撮影を始めていて、バス会社主催の撮影イベントでもあっているかのような雰囲気でした。
あと、幕を出したままにしてくれているのもありがたいですね。
ファンが多いことを見越してサービスしてくれたんでしょうか。
側面の案内ですが、途中経由地の案内がなくなって若林営業所とだけ表示されていました。
マイナー路線ながらちゃんと区間ごとに内容を変えているんですね。
https://youtu.be/rc2DgPjdvDE
↑ここでバスが方向転換を始めたので動画で撮りました。
こちらが営業所の内部です。
小田急ハイウェイバスの本社が併設されており、小田急バスの拠点といっていい場所です。
高速バスも担当しているため、高速車も並んでいますね。
その中に異色な外観のバスがいましたが、これは「ラブライブ!サンシャイン!」とコラボしたラッピングバスのようです。
営業所前にはバス停がありますが、なんと乗り入れ路線は1つだけ、それも1日1本というマイナーっぷりです。
その1本というのは梅ヶ丘駅北口行きであり、ようするに渋54の出庫を営業化しているという路線ですね。
さっき乗ってきた新宿駅西口発若林営業所行きについては若林営業所行きのみの運行で、ここから出発するバスは無いため、ここから乗れるバスという意味では梅ヶ丘駅北口行きの1本だけということになりますね。
時刻表です。
平日も土休日も早朝に1本だけですが、時刻が変わります。
また、東急バスの「若林」バス停も目の前にありますが、これもまたマイナーバス停だったりします。
というのは、ここを発着するバスも1日1本であり、環七通りという大通りに面しているにしては寂しいですよね。
といっても、数百メートル進んだところにある「若林折返所」というバス停まで行けば渋谷行きの渋51系統のバスが日中でも毎時7~8本の高頻度運行されているので、一般利用者はそちらを使っているんでしょうね。
渋52というバスは若林折返所へは入らずに若林を経て世田谷区民会館を発着するのですが、これが1日1往復しかありません。
2022年まではもっと本数があったようなのですが、現在では免許維持路線と化しています。
歴史的には渋谷~田園調布間の路線が原型だそうで、バスの歴史も意外な驚きがあって楽しいです。
環七通りに出ました。
本線はアンダーパスとなっていて、側道のみが見えていますが、コジマ電機の脇にバスが停まっているのにお気づきでしょうか?
実はあそこも若林営業所の敷地であり、環七通りを挟んで2箇所に分かれて車庫があることになります。
さて、これにて乗車レポートという意味では終わりですが、いくつか気になることがあるので、まだ続けていきます。
宮前橋バス停
若林営業所でバスを降りて近くのお店で昼食をとった私は、先程も紹介した宮前橋のバス停に行ってみることにしました。
というわけでやってきました。
やっぱり発着するバスが極端に少ないこともあって簡易なタイプのバス停ですが、奥には東急バスのバス停も見えており、そちらはしっかりした構造のものでした。
バス停名をアップで
2019年に設置されているはずなので新しいですが、若林営業所行きが唯一の路線ということでシンプルですね。
時刻表ですが、もちろん1日1本だけです。
しかも、6月の日曜日だけですから、ここからバスに乗れるのは年間に4~5日程度しか無いことになります。
しかも乗ったとしても1つ先の若林営業所までしか行けないわけで、並行して森91系統が頻発していることを考えると、少なくともここから乗る人はよほどの好事家くらいでしょうね。
逆にここで降りる利用については、新宿駅からだと宿91系統が新代田で分断されており、宮前橋まで来るのに乗り換えが必要な中、小田急バスの若林営業所行きならば直通で来れるため、一応利便性はあることになりますが、運行本数が少なすぎるので、一般的な利用は皆無でしょうね。
それにしても、せめて毎週走るならばともかく、年間4~5本しか走らないバスのためにバス停を新設したのは本当に謎ですね。
というわけで、東京23区内なのに年に4~5回しかバスがやってこないバス停の紹介でしたw
このあとは・・・
若林踏切を見に行く
ここからは記事の本題からは外れて、完全にオマケ要素といえますが、せっかくなのでレポートしようと思います。
見出しにも書いた通り「若林踏切」を見に行くのですが、そもそも何なのかというと、東急世田谷線にある踏切です。
交差する道路は環七通りであり、主要道路に踏切があるだけでも今やネタといってもいいですが、更に面白いのが、踏切といいつつ、国内では異例とも言える運用がされている点が上げられます。
文章でダラダラと説明するよりも見てもらったほうが早いということで、現地の写真をどうぞ!
踏切ならば必ずといっていいほど存在するはずのアレがありませんね。
もう答えを言ってしまうと、遮断機や警報機がないのです。
その代わりに信号機が設置されており、踏切というより交差点という雰囲気ですよね。
踏切に信号機が設置されている例は他にもあるんですが、ここの場合は信号機のみで遮断機や警報機がないという全国を探しても唯一無二と言える珍スポットとなっています。
実際の運用としては、電車が接近してくると環七通り側の信号機に信号が送られ自動車側の信号を赤に変えて、電車側の信号が青に変わるようになっており、一応電車優先の運用ではあるものの、タイミングによっては電車が通過するまでに環七通り側が赤に変わらないこともあって、その場合は「電車が信号待ち」をする場合もあります。
路面電車では信号待ちをするのは当たり前ですが、東急世田谷線は軌道線扱いではあるものの併用軌道区間がない路線であり、唯一路面電車らしさを感じられる場所がこの若林踏切ということになりますね。
元々は遮断機や警報機がある普通の踏切だったそうですが、環七通りの交通量が増えたことで1966年に現在の形式となったそうです。
普通だったら高架化や陸橋・アンダーパスなどを駆使して立体交差化することが多いと思いますが、踏切のまま残されたのは異例ですよね。
想像ですが、1966年というと、その3年後に世田谷線の本線ともいえる玉川線が廃止されているので、世田谷線(当時は下高井戸線)についても廃止の可能性があって、高い費用をかけて立体交差化しても下高井戸線が廃止になれば無駄に終わる可能性もあったので、踏切の運用を変えるという異例の対応となったのではないかと思います。
ところで、遮断機も警報機もないというのは、たとえ信号機で交通を遮断する運用をしていたとしても「4種踏切」の定義に当てはまるんですよね。
環七通りという主要道路で、しかも東京23区内に4種踏切があるというのもまたネタと言えそうです。
信号機にある交差点名は「若林踏切」でした。
なお、東急電鉄としてはこの踏切を「西太子堂5号踏切」と称しており、「若林踏切」は通称ということになるようです。
https://youtu.be/MMuhwQps1T4
↑いよいよ動画です。
右側で信号待ちしていた電車が、環七通りの交通が止まったのを確認してから横断していきます。
踏切ということで線路脇に障害物がないので、普通に撮影地としてもよさそうです。
https://youtu.be/TAo2lt2HZGs
↑もう1本動画を撮ろうと回していたら、直前横断の場面に遭遇しました。
踏切といいつつ遮断機や警報機がないため、歩行者の意識も低くなってしまうんでしょうが、電車は車以上に急には止まれないので本当にやめた方がいい行為ですね。
https://youtu.be/gP-eb78TFdo
↑最後にもう1本動画を撮って撤収です。
せっかくなので若林駅から東急世田谷線に乗って帰ることにしまして、駅での1枚です。
縦型の駅名標です。
普通の駅名標もあったんですが、撮らないうちに電車が来てしまい、さっさと乗り込んでしまったので撮りそびれましたw
やってきたのは「幸運の招き猫電車」という特別仕様の車両でした。
https://youtu.be/y6tbpxd61No
↑ここで動画を撮りました。
といったところで、世田谷線編も終わりですが・・・
調べてみると置き換えが進む8000系の運用があったのでそれに乗って帰ることにしました。
たまたまやってきたとかで数区間だけ乗ったとかはあったんですが、ちゃんと乗ってはいなかったのでこの機会に一度中央林間まで行き、南栗橋まで乗り通しました。
思いっきり遠回りして帰ることになりますが、8000系の活躍ももうそう長くはないでしょうし、乗れるうちに乗っておけという精神でこのような行動になりました。
↑こちらは長津田で待避した6000系急行の入線シーンです。
といったところで、記事は〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
直近では活動の予定はないので、またSimuTransなど更新できたらと思っています。
それでは!