2泊3日で実施した北海道ローカル駅巡りの1日目後半です。
なお、この記事は1日目前半の続きとなりますので、そちらをご覧になってからこの記事をご覧になることをおすすめします。
前回は節婦駅をご紹介したところで記事を区切りましたが、後半は新冠駅から再開していきます。
新冠駅
後半最初は新冠駅からです。
新冠駅の駅前広場はこのように広々しており、バスも乗り入れるロータリーとなっています。
そして、駅舎です。
駅の前にバンが止まっているわけですが、どうやら清掃業者の車のようで、駅舎の入口を塞いで作業中のようでした。
とりあえず駅の外観や周囲を先に撮影してからあとで戻ってきて作業が終わっていることを祈りましょう。
「出会いと憩いのセンター」という公共施設を兼ねた駅舎になっているようで、こんな(今まで見てきた駅から比べると)立派な駅舎ですが、駅としては無人駅のようです。
あら残念・・・
ロープで塞がれていました。
物理的にはくぐれば入れそうですが、後ろめたいことはしたくないのでホームへの立ち入りは駅舎に入れるようになったらそちらからアプローチすることにしましょう。
まだ清掃作業は続いているようなのでまだ周囲をうろつきます。
道路標識としての駅の案内
新冠駅のかつての駅名である高江駅についての解説がありました。
踏切の名前が書いてあるのかと思ったら「一旦停止 踏切注意」と注意喚起しているだけでしたw
あと、ここの遮断器もやっぱり撤去されていますね。
それにしても、踏切部分だけ路面の色が違うのは踏切が目立つようにということなんですかね。
踏切の先のレールを撮ってみました。
列車が走ってくればいい感じで撮れそうだなと考えてしまうももう列車がここを通ることはないという現実を思い出して物悲しくなります。
ホーム部分にズームしてみました。
1面1線の棒線駅となっており、駅舎の立派さの割にホームは質素なものです。
駅舎の反対側に回り込んでホーム側からの撮影を試みましたが建物に遮られて不自由なアングルを強いられてこんな感じに・・・
駅取材に欠かせない駅名標は押さえておきましょう。
ここで新冠駅の駅名の由来についてですが、「ニカプ」というアイヌ語が由来で意味は「オヒョウダモの皮」だそうです。
きっと周囲にオヒョウダモがたくさん生えていたんでしょうね。
わざわざ”皮”までつける意味はちょっと分かりませんがw
駅の方へ戻ろうとしたらちょうど道南バスがやってきました。
苫小牧や札幌への都市間バスがあるようなのでそれですかね。
駅に戻ってきましたがまだ作業が続いているようです。
せっかくきたので駅舎の中やホームにも立ち入って撮影したいところですが、お仕事の邪魔をするわけにもいきませんし・・・
とりあえず、そろそろお昼ごはんの時間でお腹も空いてきたので近くの道の駅まで移動して昼食後、再び駅に戻ってきてそれまでに作業が終わっている可能性に賭けることにしました。
というわけでやってきたこちらは「道の駅サラブレッドロード新冠」という道の駅です。
日高地方の名産とも言える競走馬を全面に押し出した名前ですねw
ここ新冠で生まれ育った名馬「ハイセイコー」の像がお出迎えです。
競馬には全くもって疎い私でも「ハイセイコー」の名前は知っていました。
駅を撮る感覚でつい道の駅の名前が描かれた部分をアップにして撮ってしまいましたw
これも道の駅の一部かと思ったら、「レ・コード館」という別の施設のようです。
これだけサラブレッドをプッシュしている道の駅に隣接しているだけに、(順位やタイムなどの)記録という意味のレコードかと思ったら音楽を聴く方のレコードだったようで、数多くのレコードや蓄音機が収蔵されていて音を楽しむこともできるんだとか。
今やCDですら廃れて音楽はネットを通して入手するものになった現代では、かえってレコードという媒体で音楽を聞く体験が特別な価値を生むようになったんですかね。
ちょっと興味を惹かれましたが、日が暮れるまでにあと6駅回らないといけないのでここで昼食を済ませたら駅に戻ります。
お昼は特に名物でもないので割愛して駅に戻ったわけですが、相変わらず作業が続いていて、これ以上引っ張ると今後の活動に支障をきたしそうなので諦めて先へ進むこととしました。
まあ、望遠とは言えホームや駅名標も全く見られなかったわけではないですし、駅舎の方は町の公共施設を兼ねている以上、廃止になっても公共施設としての役割で存続しそうですから、廃止後もまだチャンスはあるかもしれませんしね。
というわけで初っ端から中途半端な取材になってしまいましたが次の駅へ進みます。
静内駅
お次は日高本線の中でも拠点駅とも言える静内駅です。
ここ静内駅は新ひだか町の中心駅であり、日高本線の運行上の拠点とも言える駅です。
列車が通わなくなった今でも、代行バスの殆どが当駅で分断されているなど、拠点としての役割は健在です。
それ相応になかなかの規模の駅舎ですよね。
2番乗り場とありますが、路線ごとに独立した乗り場が用意されるほどで、交通結節点としても重要なようです。
ちょうどJR北海道バスが通りました。
日高本線の代行バスかな?
よく見ると観光情報センターとバスターミナルを兼ねた建物になっているんですね。
ということは、日高本線が正式に廃止になってもここはバスターミナルとしては使われ続けるんでしょうね。
「ぽっぽ」というのは観光情報センターの名前のようですが、描かれているイラストはどう見ても馬・・・
「ぽっぽ」だと鳩を連想しますけどねw
構内は代行バスやその他の路線バスを待つ人達なのか意外と賑わっていました。
びっくりしたのが駅そばがあったことです。
更には駅弁も売っているようなので、ここでお昼でもよかったなと今更ながら思うのでしたw
そして、ホームヘの入口ですが、当駅は有人駅ですからつまりはここは改札口ということになります。
問題なのはホームへ入れてもらえるかどうかです。
北海道は列車別改札を徹底する傾向にあり、普通に列車が発着するような駅でも列車が到着する5分前や10分前にならないとホームへ入れてもらえないというケースもある中、そもそも列車が来ない当駅ではホームへの立ち入りを断られる可能性があります。
ふとみるとこんな注意書きが・・・
よくある掲示ですが、これが列車が走っていた頃から貼りっぱなしなだけでないならば、入場券さえ買えばホームへ入っていいということでしょうか。
隣には「北の40記念入場券」のポスターが出ていますし、記念入場券を買って、ついでにホーム見学をお願いする作戦で行きましょう。
果たしてその結果は・・・?
はい、ホーム立ち入りOKを貰えました!
当駅は2面2線相対式ホームとなっており、拠点駅にしては大したことがない気もしますが、ここまで訪れた駅がすべて棒線駅だったことを思うと、交換設備があるだけで大きな駅に見えますw
反対側
1人写り込んでいますが、私が駅員さんにホーム立ち入りの許可を貰うと便乗して付いてきましたw
きっとホームへ入りたいけど有人駅だし無理かなと思っていたところに私が許可をもらって入っていくのを見て追いかけたんでしょうねw
公園っぽい支柱の駅名標もありました。
こっちは観光客を意識したデザインですかね。
上についているのは液晶ディスプレイ?
だとすれば案外ハイテクが導入されている駅ですね。
構内踏切の先は階段でホームに繋がります。
向こう側のホームへも行くかどうか悩みましたが、新冠駅で時間を押してしまっていたこともありますし、有人駅ということであまり長居することに気が引けてしまってここで撤収としました。
今思えば、廃止後は完全に立ち入れなくなり、恐らくは解体されてしまうホームなんだから行っておけばよかったですかね。
貸切運行だと団体名とかを掲げるところに「鉄道代行」の札を出していました。
方向幕も「鉄道代行」です。
一応行先も表示していますが、鉄道代行の方が大きいのはどうなんだ?w
側面の経由地を表示する部分は起点と終点しか表示されず、これではまるで途中はノンストップの直行便みたいにw
この活動では列車を撮る機会がないためかついバスの撮影に熱が入ってしまい違うアングルでも撮ることにw
そんな感じで撮っているとなんとこんな表示になりました。
もしかしてサービスしてくれたんでしょうか。
そろそろ発車時間のようなので、発車を見送ってから次の駅に行こうと思いますが、驚いたのはなんと駅前広場にもスピーカーがあるようで、代行バスの利用者向けのアナウンスが流れていたのです。
元々バス利用者向けに用意していたのか、代行バスの運行が始まったために取り付けたのか分かりませんが、ホームだけじゃなくて駅前にも放送を流せる駅は珍しい気がします。
↑というわけで発車シーンです。
例のアナウンスも動画に入っていますので音も含めてお楽しみ下さい。
ところで、今回は駅ばかりなので動画を撮る機会がなく、前半の記事では動画は無し、この後半の記事ではこの動画が唯一になりますw
動画貼りすぎってくらい貼る記事もある一方で格差がひどいですねw
というわけで、次の駅へ進みます。
東静内駅
次は1駅隣の東静内駅です。
駅前広場はこんな感じで駅前に突っ込む形で終わっている道路と一体化しています。
もしかすると隣接する倉庫(?)の敷地なのかもしれませんが、現地では判然としませんでした。
駅舎だけで
前は貨車駅舎だったようですが、現在はこのような駅舎になっています。
代行バスの案内です。
駅前の広さを考えると駅舎の前に乗り付けられそうですが、運行効率を考えてから国道上に停留所を設けているんですね。
気になったのがやたらと厳重に蛍光灯を保護していたことなんですが、照明にいたずらされる事件でもあったんですね。
それではホームへ向かいます。
ホームへの階段のところだけピンポイントに屋根がありました。
駅舎の方を振り返って
駅舎は真ん中が通路となっていて、待合室とトイレに分割されています。
ホームです。
1面1線の棒線駅となっています。
元々は島式ホームで交換設備があったようですが、現在は片面だけ使っているようですね。
忘れてはいけない駅名標
東静内駅とはいいますが、隣の静内駅とは8.8kmもあります。
となると、当然静内とはまた別の地区となるわけですが、実は現在の当駅が所在する場所の地区名は駅名と同じ東静内となります。
これには元々当駅付近の地区名は「捫別(もんべつ)」だったそうなんですが、北海道内にはありふれた地名である上に、既に日高本線に「日高門別駅」が存在していたこともあり、地区名を無視して静内駅の東にあるから東静内駅とした経緯があるようです。
その後、地区名の方が駅名に合わせて改称して現在に至ります。
夕日が綺麗だなぁと思って撮りましたが、あと4駅回らないといけないのでまだ太陽に沈まれては困りますw
というわけで、先を急ぐとしましょう。
春立駅
1駅進んで春立駅です。
このあたりは前回の活動ではかなりすっ飛ばしてしまった区間なので続けて訪問することとなります。
駅の敷地の一部なのか隣接する私有地なのか分かりませんが、駅の隣には空き地がありました。
そして、駅舎です。
ここも元々は貨車駅舎だったようですが、現在はコンパクトながらちゃんとした駅舎になっています。
掃除道具と一緒に傘がいくつかありますが、これは忘れ物なのか誰かの置き傘なのか・・・
階段は手すりまで付いていて、今までの駅からするとかなり充実していますね。
ただ、横から見ると手すりのサビが酷いですね。
これは掴まりたくはないw
ホームです。
もはやこのエリアの駅のお約束ですが、1面1線の棒線駅です。
かつては反対側にもう1つホームがあって、相対式2面2線の交換可能駅だったようです。
めちゃくちゃ薄くなっていますが、様似方面の乗車位置案内でした。
ホームからだと倉庫のような建物がよく見えますが、立地からして元々は鉄道で輸送する貨物のための倉庫だったんですかね。
ここで駅名標です。
一見するとアイヌ語っぽくない駅名ですが、これもアイヌ語由来であり、「ハル・タ・ウシ・ナイ」という「食料となる草の根掘りをいつもする沢」を意味するアイヌ語から来ているようです。
周囲がアイヌの食料の山菜が豊富だったことにちなむようです。
「ハルタ」までは原型がありますが、その先は日本語の漢字を当てるに際して五感が悪かったので省略されたんでしょうねw
日高三石駅
2駅進んで日高三石駅です。
当駅は町の施設を兼ねているようで、ドライバーの休憩施設という役割もあるのか駐車場はとても良く整備されていました。
こちらが駅舎です。
前述の通り「ふれあいサテライトみついし」という施設と一体になっています。
施設名の部分
っていうか、駅名がどこにも書かれていないのでこれだと駅であることが分かりにくいw
まあ、あくまで公共施設であって、駅利用者にも開放しているだけって感じなんでしょう。
同じ位置に道南バスのバス停もありますが、代行バスの方は駅名そのまま「日高三石駅」ですが、道南バスは”日高”を省略して「三石駅」なんですね。
シャッターが降りた一角は、かつてKIOSKがあったらしいのでその跡でしょうかね。
ちなみに、ホームへ出る方のドアも自動ドアでしたが、電源が落とされているようで開かなくなっていました。
駅舎を迂回してホームに入るルートもあったのでホームへ入りました。
これだけ立派な駅舎を用意してもらってもホームは1面1線ですw
閉ざされていたホームへの自動ドアです。
こういう閉ざされたドアってRPGとかだと特定のイベントを経ることで入れるようになるやつですが、ここの場合ドアを通らなくてもホームへ立ち入れるので、さしずめバグでイベントスキップ可能ってパターンですかねw
駅名標です。
駅名は「ピトウシ(小石の多い土地)」、もしくは「イマニツ・ウシ(魚を焼く串のある所)」が三石となり、既に山陽本線に三石駅が存在したことから旧国名の日高を冠して日高三石駅となりました。
乗り場案内ですが、主要な駅じゃなくて隣の蓬栄を書いているんですね。
セイコーマートを入れると北海道らしくなっていいですね。
それでは次の駅へ・・・
東町駅
日高三石駅からは6駅も飛ばして東町駅です。
この間の移動が結構長く、その間に日没が刻一刻と迫ってきました。
そのため写真でも分かるくらいに段々と暗くなってきました。
東町駅は住宅地に同化するかのように立地するためなかなか分かりにくいですw
駅は周囲の陸地より低いところにあるため階段を下っていく必要があります。
ホームの床面が派手に壊れていました。
列車が来なくなってから壊れて、そのままとかですかね・・・
ホームの撮影を開始しますが既にこの暗さw
もう日没も間際ですね。
反対側も撮ってみましたが、太陽と逆方向になるせいで余計に暗いw
乗車位置案内を撮りましたが、小ウイウ標識には反射材が使われているためかこのように標識だけが浮かび上がるような写真になってしまいました。
駅名標もこうなっちゃいましたw
ここの由来ですが、浦河の東にあるから東町という安直なネーミングですが、それなら「東浦河」とかでもよかったような?w
日高幌別
いよいよ最後の駅、日高幌別駅ですが、さっきの東町駅で既にあの暗さということは・・・
辛うじて線路がることが分かるというレベルの暗さw
もう駅取材どころじゃないですが、せっかく来たので最低限の撮影はこなしたいと思います。
もう少し暗くてしてみました。
これが実際の見た目の暗さに近いと思います。
最後に駅名標です。
駅名の由来は「ポロ・ペッ」で「親である川」という意味だそうです。
室蘭本線に既に幌別駅があったことから旧国名を関しました。
ところで、あとで調べると郵便局と一体化した駅舎があったようなのですが、それは撮らずに来てしまいました・・・
ともあれ現地の私はもう疲れが溜まっていて早くホテルへ向かいたい気持ちも強く、それを責めることは出来ませんね。
で、そのホテルですが、翌日の活動を考慮して帯広市に取っており、日も暮れた山道を140kmも走っての移動です。
道中は特に書くこともないので記事はこれにて区切りますが、運転しているだけでも結構疲れましたw
あと、夜道に鹿が飛び出してきてヒヤリとする一幕も・・・
帯広で食べた豚丼を貼ったら1日目は終了です。
続きは別記事にて追って執筆しますので少々お待ち下さい。
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