北海道遠征2022(3日目/キハ183系「オホーツク」)

6泊7日で実施した北海道遠征の3日目です。
なお、1日目2日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程

3日目となる今日は、昨晩宿泊した札幌からスタートして、特急「オホーツク」で網走へ、続いて「大雪」で旭川へ折り返したら、あとは「ライラック」と千歳線を乗り継いで苫小牧まで行ってゴールです。
宿泊地が苫小牧なのはこの日は連休中日であり、札幌市内ではあまりにホテル代が高くて苫小牧まで行ったという経緯がありました。
流石に連休が絡むとホテル代も高騰しますよねw

まずはキハ183系で網走へ

というわけで早速本編スタートです。
今日の目的はいよいよ全廃へのカウントダウンが始まったキハ183系へのさよなら乗車というわけで、「オホーツク」で札幌から網走まで乗り通すことから始まります。


この6時56分発の「オホーツク1号」に乗ります。
今回は自由席なんですが、「えきねっと」で確認したところ、指定席が結構混み合っていたのでいい席にありつけるかどうかちょっと心配に・・・


列車は既に入線していました。
キハ183系も引退が迫ってきていることもあり撮影している人が多かったです。


それにしても、これだけ車体のガタを見せられると引退もやむ無しと思ってしまいますね・・・


「オホーツク」のトレインマーク


方向幕を撮ったら乗り込みます。

ここで「オホーツク」について解説を入れておきましょう。
「オホーツク」は札幌と網走を結ぶ特急列車で、2022年9月現在では唯一キハ183系が定期運用される列車ともなっています。
列車名はオホーツク海から採られていますが、そもそもオホーツクとはロシア語由来の地名ですから、遡ればロシア語由来の列車名ということになり、これは国鉄時代から数えてもJRグループでは唯一の例だそうです。

現在は2往復が設定されていますが、それに加えて「オホーツク」の区間便にあたる「大雪」も旭川~網走間に設定されており、これと「ライラック」を乗り継ぐことでも札幌~網走間の移動が可能となっているため、直通以外も含めれば1日あたり4往復が設定されていることになります。
2017年までは全列車が「オホーツク」として札幌~網走間で運行されていましたが、老朽化の進む気動車特急の運行を削減するべく札幌直通の便を減便する形で「大雪」が新規に設定されました。

ただし、「大雪」という列車名自体は国鉄時代から石北本線の優等列車の愛称として親しまれてきたものであり、徐々に「オホーツク」への置き換えが進み、1992年に一旦消滅したものの、前述の札幌直通の便を一部分断する形で復活したというのが正確なところです。

そんな「オホーツク」と「大雪」ですが、JR北海道の特急列車では唯一キハ183系の定期運用が続いており、振り子式車両や新型車両の投入などが長年行われず、「オホーツク」は高速化改良が遅れていたこともあって「ノローツク」などと揶揄されることもあったものの、鉄道ファンの間では貴重なキハ183系に乗れる列車として親しまれていました。
しかし、キハ183系も流石に老朽化には逆らえずに2023年春をもってキハ283系に置き換えることが発表されまして、今回乗りに来たわけです。
ちなみにキハ283系の方は元々根室本線の特急「おおぞら」などで活躍していた車両で、こちらは昨年(2021年)の秋に一度引退しましたが、「オホーツク」に投入されるというまさかの復活劇となりました。
なお、キハ283系のさよなら乗車についてはもちろんしており、記事にもしていますのでよろしければご覧下さい。

それでは乗車レポートに戻ります。
懸念していた混雑具合ですが、がら空きと言うほどでもないですが、席がよりどりみどりというわけでもないような感じの混雑度でした。
指定席が混み合っていたのはキハ183系の引退発表を受けてさよなら乗車組が指定席を押さえたためなんでしょうね。
長距離列車ということで指定席に集中しがちなんでしょうが、自由席でもある程度早めに並べば問題なかったです。


↑車窓をどうぞ
およそ5時間半の長丁場ですので、お時間のある時に是非!
あと、モバイル回線の方はデータ量にご注意下さい。

そんなわけでほどほどの混雑で「オホーツク」は札幌を後にします。
札幌を出ると岩見沢・美唄・砂川・滝川・深川・旭川と停車していきますが、これは「カムイ」や「ライラック」と同じ停車パターンですね。
なお、気動車による札幌~旭川間を経由する特急の一部は美唄と砂川を通過するものもありますが、私が乗った「オホーツク号」は普通に停車でした。
自由席に乗車したため近距離利用者も結構いてこれらの駅で降りる人もいました。

そんな旭川までの区間は比較的高速運転が可能な区間であり、キハ183系の本気の走りを楽しめる区間ですよね。

旭川を出るとそこから先は石北本線となり、スピードダウンとなりますが乗っていて楽しいのはこの先の区間かもしれません。
遠くに大雪山系を見つつ平野部を走ると石北本線で最初の停車駅の上川です。
そういえば、砂川を出てからは滝川・深川・旭川・そして、上川と停車しているので停車駅ベースでは5駅連続で”川”で終わる駅が続きますねw

上川を出るとここからは山越え区間となり、車窓も山がちなものに変化していきます。
また、この区間は普通列車が非常に少なく、沿線には廃駅が大量にあることでも知られています。
特に上川~白滝間は途中の駅が軒並み廃止になってしまったため、その駅間は37.3kmもあり、在来線で定期旅客列車が走る路線としては最長となっています。
ちなみに、ここを走る普通列車だと途中の信号場で停車する時間も含めてではありますが、1時間近くをかけて走ることになります。
今乗っている「オホーツク1号」でも40分ほどかけて走ります。

続いて停車するのは白滝駅ですが、かつては旧白滝駅、上白滝駅、奥白滝駅、下白滝駅が存在していて、これらを総称して「白滝シリーズ」と呼んでいました。
しかし、その「白滝シリーズ」も本家本元の白滝駅のみとなってしまったため今や死語ですね。

丸瀬布を過ぎると遠軽となりますが、ここではスイッチバックとなり進行方向が変わります。
これは、元々は北見~湧別間の湧別線(後に名寄まで延伸されて名寄本線となる)として建設された後、道央と北見・網走方面を短絡するルートとして旭川~遠軽感に石北本線が開通し、同時に湧別線の遠軽以東も石北本線に編入されたという経緯ゆえです。
そして、名寄本線の方は廃止されてしまったため、石北本線の途中で進行方向が変わるという状態になったわけです。

続いては生田原ですが、その次の留辺蘂までの間には常紋トンネルというトンネルがあります。
このトンネルは「タコ部屋労働」と呼ばれる過酷な条件での労働によって建設されたことで知られており、更には作業中に亡くなったりした作業員の骨がトンネル内に埋められているという人柱伝説があることでも知られていましたが、1968年の十勝沖地震の被害でトンネル内の修復のための工事を行った際に実際に人骨が発見されたという出来事もあり、トンネルの出口付近にはその追悼碑が建立されています。
このような曰くがあるため心霊スポットとする向きもあるようですが、一方で峠越えに位置する場所であることからSL時代には重連運転が行われていて撮影目的の鉄道ファンが集まっていたことから、付近にあった常紋信号場で、本来は行わない客扱いを鉄道ファンのために行っていたという逸話もあるそうです。

留辺蘂を出ると北見です。
北見はオホーツク地域では最大の都市となっていて、ここで降りる人が多くいました。
特急については北見始発・終着の列車はありませんが、特別快速「きたみ」が旭川~北見間に設定されていることからも北見駅の需要の大きさが伺えますね。

その先は美幌、そして空港で有名な女満別と停車して終着の網走です。
到着間際のアナウンスではさよなら乗車組を想定してか「折り返し乗車される方も必ず一旦ホームへ降りるように」と促していました。
終着駅でそのまま折り返すのは、その駅で待っていた人達からすれば割り込みも同然でマナー違反ですし、そもそも特急列車だと終着駅では車内清掃をするので車内に留まることは出来ませんからね。


網走に到着です。
網走監獄などを見物していきたいところですが、すぐに折り返し乗車となるのでホーム上で軽く撮影したらとんぼ返りで折り返すことになります。


まずは普通に撮ります。


↑前面トレインマークの幕回しです。
キハ183系がいなくなるとこれも見納めですね。


折り返しは旭川行き「大雪」です。


方向幕


跨線橋の上から


向かいのホームから
と、撮影はこれくらいで乗車待ちの列に加わり車内清掃が終わるのを待ちます。
網走駅が初訪問だったらとりあえず駅前くらいは見たでしょうが、何度か来ていますしねw

特急「大雪」で旭川へ

続いては特急「大雪」に乗って旭川へ折り返します。
車内では札幌からの車内でも見かけた顔が何名かいましたが、引退間際あるあるですかねw
「オホーツク」の下りで大体「大雪」のことも解説してしまったのですが、「大雪」は旭川~網走間の設定で、「オホーツク」のうち比較的需要の少ない時間帯の列車を旭川止まりにしているものです。
ただし、札幌方面への利用も考慮されていないわけではなくて、旭川駅では必ず対面乗り換えで「ライラック」に接続していて、改札を出ずに乗り換える場合は特急券を通算できる特例があるなど、運用面では配慮されています。
本当は全便札幌直通がいいに決まっていますが、キハ283系に置き換えられた暁には全便札幌直通に戻ったりしないですかね?w
まあ、そうなると「大雪」の愛称が再び消えることになりそうなのでそれはそれで寂しいですがw


網走ではお昼ごはんを食べる時間がないことが分かっていたので、札幌で駅弁を買い込んでいました。


うに、かに、いかと3つの海鮮を1つの弁当で楽しめるお得感ある駅弁でした。
車中でお腹を満たしつつ再び旭川への旅路を進みます。

今度は途中の丸瀬布に停車しないくらいで、基本的にはさっきのリプレイとなります。
また、実は以前の遠征で同じ列車に北見からではありますが乗車していたんですよねw
なので、記事は旭川までワープ!w


旭川に到着しました。
朝の7時前から出発して、網走はとんぼ返りして、今は16時過ぎですから9時間はキハ183系に乗りっぱなしでしたね。
楽しかったですが、流石にちょっと疲れましたw
しかしながら、引退まではまだもう少し時間があるとは言え、私にもう1度乗る機会があるかどうかは分かりませんし、恐らくはこれが最後のキハ183系乗車・・・しっかりと写真や走行音といった記録だけではなく思い出にも刻み込みたいと思います。


折り返しは網走行きの「大雪」となるようです。


このように「ライラック」と対面乗り換えとなります。


「ライラック」同士の並び


向かいのホームから


反対側へ向かいます。


H100形もいました。
宗谷本線なんかはだいぶ置き換えが進んだみたいですね。


↑ちょうど発車するところだったので動画でどうぞ


あとはキハ183系ですね。
これも少し時間がありますが発車を見届けてから撤収したいと思います。


↑発車シーンです。

というわけで、これにて活動という意味では終了となり、あとは宿のある苫小牧までひたすら移動ですが・・・その前にちょっと寄り道!

旭川で寄り道してから苫小牧へ

さてさて、その寄り道とは何なのか、当ブログ常連さんだと察しがついたかもしれませんね。
もったいぶらずにネタばらししちゃいますと、「自由軒」という飲食店に行ってみようというわけです。
この「自由軒」はあのTVドラマ「孤独のグルメ」にも登場したお店で、実は以前の活動で旭川を訪れた際にも訪問したことがあります。


本題とは関係ないですが、駅前でイベントをやっていたようで賑やかでした。(これがフラグになるとは・・・


「THE ROYAL EXPRESS」の横断幕がありました。
乗りたいですが、高いんですよねぇ・・・w


やってきました!自由軒!
さて、入店しようと思ったら・・・あれぇ~準備中!?
公式サイトでも営業時間を調べてからの訪問なので営業中のはずなんですが、近づいてみると張り紙がしてあって、イベントのため営業時間変更とのことで、この日はお昼の営業のみで閉めてしまったようでした。
それにしても、普通はイベントのときこそ書き入れ時でそこをあえて休むのはちょっと不思議でしたが、もしかしたらイベントで食べ物を売るテントもたくさんあったのでどれかに「自由軒」のスタッフも駆り出されているのかもしれません。

やっていないのは仕方ないですが、せっかく公式サイトがあるんだからそういう大事な情報はちゃんと発信してほしいですねぇ・・・w

というわけで、「自由軒」は諦めることになりました。
駅への帰り道にも色んな物販ブースで軽食が売られていたのでそれらをつまみつつ駅へとぼとぼ戻りました。

苫小牧へラストスパート

「自由軒」は残念な結果でしたが、とりあえず今宵の宿がある苫小牧まで移動します。
旭川からは「ライラック」に乗って札幌まで行き、そこからは千歳線の普通列車です。
札幌から苫小牧も「北斗」や「すずらん」などの特急が利用可能ですが、生憎その時間は走っておらず普通列車で乗り通したほうが早い状況でした。


その車中で私の手元にあったこれは「ジュンドッグ」という食べ物です。
旭川市周辺でのみ売られているローカルフードで、チキンカツ、ソーセージ、エビフライなどの具材をご飯で包み棒状に成形したもので、購入する時に電子レンジで熱々にしてもらえるため、ホカホカの状態を楽しむことができます。


封を開けるとこんな感じ。
一見するとただのご飯の棒ですが・・・


中にはチキンカツが入っています。
これ以外にもソーセージとエビフライもあるので、お好みによって選んでみて下さい。
「自由軒」は食べそこねましたが、新しい旭川名物に出会えたのでこれはこれでよしかなw


札幌に到着したらここからは普通列車です。
え?「ライラック」の写真はって?w
もう何度も乗っているせいか撮る気も起きなかったようで撮っていませんでしたw


やってきたのは733系でした。


幕を撮ったら乗車です。
全体的に閑散としているイメージのある北海道の鉄道ですが、札幌周辺は例外で普通に混むので座りたければ早く並ぶ必要がありますね。
私は「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を使っているので、特急が走っていれば特急を使っているところですが・・・

各駅停車は所要時間も長くかかる上に、気分的にも長く感じますが、たまにはのんびり旅するのもいいかなw


苫小牧に到着です。
そういえば、最近ウマ娘化された「ホッコータルマエ」は苫小牧にゆかりのある馬主の馬がモチーフということで、苫小牧市の観光大使という設定(実馬も観光大使です)になっていましたね。
ちなみに、タルマエという名前も樽前山にちなんでいるそうですよ。


奥にいたのはこれまた置き換えの発表が出たキハ143系です。
無理やり733系と並べてみましたw

というところで3日目は以上となります。
活動内容が実質的にキハ183系で網走1往復だけという感じだったのであまりボリュームのある記事にはなりませんでしたねw
4日目以降は別記事として追ってレポートしたいと思いますので公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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