北海道遠征2022(4日目/「おおぞら」&花咲線)

6泊7日で実施した北海道遠征の4日目です。
なお、1日目2日目3日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程

4日目の今日は昨晩宿泊した苫小牧からスタートして、特急「すずらん」で札幌へ、「おおぞら」に乗り継いで釧路へ、更に花咲線に乗り継いで根室まで行ったらそのままとんぼ返りして札幌へ戻るという行程で、キハ261系の「おおぞら」に乗ったことがなかったのと、花咲線は以前に1度乗ったきりでしたので、改めて乗車して車窓を撮影しようという目的でしたが、思わぬサプライズがありました。

「すずらん」で札幌へ

まずは「すずらん」で札幌へ出ます。
昨晩も札幌を経由して苫小牧まで来て宿泊だったので、札幌~苫小牧間の1往復は無駄に思えるかもしれませんが、実はこの日は連休の最中で札幌市内のホテルがあまりにも高かったため苫小牧まで来て安いホテルを押さえたのでした。
今回は「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」なので交通費はタダみたいなものですしねw


苫小牧から4日目の朝が始まります。


この国鉄チックな看板がいいですねぇ。


この「すずらん3号」で札幌へ向かいます。


H100形がいました。


置き換えの発表が出たキハ143系です。
こちらも今回の遠征で乗車する予定ですので、別の日になりますがお楽しみに!


↑乗車する「すずらん」がやってきました。
785系もいまや「すずらん」でしか運用がなくなり、レア度が増してきましたね。

785系に揺られて50分ほどで札幌へ到着します。

札幌からは「おおぞら」で釧路へ

札幌へ到着したらすぐの乗り換えで「おおぞら」に乗車します。
「おおぞら」についてはキハ283系が走っている頃に2度ほど乗車しているのですが、いずれもキハ283系の充当列車だったために、逆にキハ261系では乗ったことがありませんでした。
今や「おおぞら」の全列車がキハ261系ですから、「おおぞら」に乗れば必然的にキハ261系なんですけどねw

というわけで、まずは「おおぞら」について解説をしてから本題に入るとしましょう。
「おおぞら」は札幌と釧路を結ぶ特急列車で、道東を代表する列車の1つです。
区間列車として札幌~帯広間の「とかち」も設定されており、「おおぞら」としては6往復、「とかち」を合わせた札幌~帯広間の特急としては「とかち」の5往復を加えて11往復が走っていて、地方の特急としては本数が多い部類となっています。
停車駅はほとんどの列車が札幌を出ると新札幌、南千歳、トマム、新得、帯広、池田、白糠、釧路と停車し、一部の列車は追加で追分、新夕張、占冠、十勝清水、芽室、浦幌にも停車します。
私が乗車した「おおぞら3号」は停車駅が比較的多い部類の列車となっており、新札幌、南千歳、追分、新夕張、占冠、トマム、新得、帯広、池田、白糠、釧路と停車しています。
南千歳~新得間は道東方面への短絡線として建設された石勝線を通りますし、新得~釧路間の根室本線も高速化改良がされており、札幌~釧路間の348.5kmを最速4時間04分で結んでいます。
JR北海道の中では需要の多い列車でもあり、かつては最大で11両編成での運行がなされるほどでしたが、近年は新型コロナウイルスの感染拡大で需要が減少し、5両か6両編成での運行が多くなっているようです。


それでは乗車レポートに戻りまして発車標です。


既に入線していました。
キハ261系も塗装変更が行われていて、今やすっかりこっちの塗装が主流になりましたね。
初期の青い塗装も好きでしたが、見慣れるとこっちも悪くないです。


行先表示を撮ったら乗車です。
前述の通り「おおぞら」は需要の多い列車という認識でしたし、今回は「すずらん」との乗り継ぎの関係で発車ギリギリでの乗車だったためいい席が残っているか心配でしたが案外大丈夫でした。
この日は連休でしたが中日ということで、そこまで需要が多くなかったのかもしれません。


↑というわけで車窓をどうぞ

札幌の大都会を出発した列車は南千歳までは「北斗」と同じ経路を走ります。
停車駅も新札幌・南千歳と「北斗」と同じですしね。
そのためか、南千歳到着時の放送では、函館方面へはいかないという案内がされていました。

南千歳を出ると列車は千歳線を外れて石勝線へと入っていきます。
石勝線も夕張線の一部として建設された古い区間と、初めから石勝線として建設された新しい区間に大別できますが、南千歳~追分間は石勝線として整備された区間になります。
この1区間は17.6kmもあり、早速北海道スケールを感じますね。
なお、途中には駒里信号場と西早来信号場という2つの信号場があります。

石勝線に入って最初の停車駅の追分は室蘭本線との接続点となっており、苫小牧、岩見沢方面に乗り継ぐことができます。
この室蘭本線も元々は石炭を室蘭の港へ運ぶ目的で建設された路線であり、石勝線の前身である夕張線は夕張で採れた石炭を室蘭本線接続点の追分まで運ぶ目的で作られました。

追分を出ると夕張線を転用した区間に入り建設時期の関係でカーブが多い線形です。
また、夕張川や国道274号、道東自動車道と並行しながら進みます。

そして、旧夕張支線との分岐点だった新夕張駅に到着します。
元々の夕張線だった区間のうち、新夕張~夕張間は道東方面への短絡ルートには組み込まれず、地域輸送を主体とした夕張支線として運行が続いていましたが、慢性的な赤字が問題になり2019年に廃線となりました。
さよなら乗車をした時の記事もありますので、よろしければご覧ください。

新夕張から先は再び石勝線として建設された区間であり、山間を高速で駆け抜ける高規格路線となります。
特徴的なのは日高山脈を横断するため、長大トンネルが連続することと、沿線人口が著しく少ないため、駅も少なくなっており、駅よりも列車行き違い用の信号場の方が多いことと、普通列車が開業当初から設定されておらず特急列車しか走っていないということが挙げられます。
このため、新夕張~新得間の区間内のみを利用する場合は特急券無しで特急に乗れる特例が設けられています。
ここから先、占冠、トマム、新得と停車していきますが、元々石勝線には駅が少ないこともあって実質各駅停車となっていますね。

トマム~新得間にある上落合信号場で根室本線と合流して、あとは釧路までひたすら根室本線を進みます。
根室本線自体は滝川~根室間の路線であり、石勝線が開通するまでは札幌から釧路方面の列車は全て滝川経由という遠回りをしていましたが、石勝線の開通により大幅なショートカットが可能になりました。

そして、根室本線最初の停車駅の新得に到着です。
元々は根室本線富良野・滝川方面への乗り換え地点でしたが、台風被害で長期不通の後、残念ながらそのまま廃止されることとなったため乗り換え地点としての役割はなくなったものの、今でも全ての特急列車が停車しています。

ここまで来ると山越えの険しい区間は終わり、十勝平野の広々とした車窓風景に変貌していきます。
これぞ北海道と言いたくなるような見ていて気持ちのいい車窓ですね。


この特徴的なコンクリートアーチが見えたら十勝地方最大の都市の帯広に到着です。
余談ですが、帯広にも空港があり、かつては札幌までの航空便も存在していましたが、石勝線の開通と特急列車の高速化で需要を奪われて廃止された経緯があるようです。
元々航空路線としては距離が短すぎるというのもありますが、在来線特急でも飛行機に対抗しうるという好例ですね。
帯広では半分近くは降りていって一気に車内が空いてきました。
区間便の「とかち」も設定されるくらいですから、やっぱり需要は多いみたいですね。
帯広といえば、豚丼を食べたい気になりますが、今回は素通りしますw

続いて停車するのは池田です。
池田はかつてはちくほ高原鉄道ふるさと銀河線という第三セクターがあって北見まで結んでいましたが、残念ながら廃止になりました。
ただし、今でもその代替バスの乗り継ぎ拠点ではあるようで、特急の全列車が停車する駅となっています。

ここから先はしばらく停車する駅の間隔が開き、列車行き違いの運転停車を除いて1時間以上も走りっぱなしになります。
厚内駅のあたりからは太平洋に沿って進むようになり、車窓からも海が見えるようになります。
旧古瀬駅の手前にある馬主来沼は「ぱしくる」と読みますが、難読地名ですよね。
そして、最後の途中停車駅の白糠に到着です。

その先の釧路までの区間も海が見える区間があるのですが、このあたりで車窓は急に霞み始めました。
どうやら霧が出ているようですが、調べてみると釧路って霧の街と呼ばれることもあるほど霧の多い場所みたいでした。
車窓としてはちょっと残念ですが、これはこれで釧路らしい車窓なんでしょうかw


釧路に着く直前ですが、ここで駅弁タイム!
このあとは釧路で花咲線に乗り換えですが、3分乗り換えとなりのんびり食事をする時間がない上、そのあとも根室でもとんぼ返りで食事をする時間がないためです。
それなら乗り換えてからのんびり食べればという意見もあるかもしれませんが、今は特急型車両なのでテーブルもあって食べやすいですが、花咲線は普通列車に乗るのでテーブルもなくそれなら今のうちにというわけですね。


ずわい蟹と花咲蟹を一度に楽しめる美味しい駅弁でした。
花咲線に乗るからには蟹を食べなければいけない気がしたのでしたw

そして、駅弁を食べ終えた頃、ちょうど列車は釧路に到着しました。
前述の通り3分乗り換えなので駅の撮影はなしでこのまま花咲線に乗り換えます。

花咲線で根室へ1往復

続いては花咲線に乗って根室へ1往復します。
まずは花咲線についての解説ですが、花咲線は根室本線の釧路~根室間の愛称であり、この記事でも花咲線として記述していきたいと思います。
かつては優等列車も設定されていた花咲線ですが、2006年に臨時に延長運転されていた「まりも」の乗り入れが無くなって以降は優等列車は存在しない区間となっています。
ただし、1日あたり1.5往復快速列車が設定されており、「はなさき」が1往復と、「ノサップ」0.5往復が設定されており、都市間輸送を全く無視している問訳でもありません。
普通列車を入れると1日6往復(とこれとは別に厚岸止まりもあり)がありますが、早朝、夜間を除いて釧路駅で「おおぞら」に接続するダイヤが組まれています。
なお、今回乗車するのは普通列車です。


3分乗り換えということで慌ただしく乗り場へ向かうと待っていたのはなんとキハ40系でした。
しかも「道北 流氷の恵み」でした!
花咲線区間でもキハ40系運用があるのはしていましたが、厚岸までの区間便にのみの充当で、根室まで行く列車はキハ54系だけだと思っていたのでこれは嬉しい意味での誤算です。
前回乗車した時はキハ54系でしたからこの区間でキハ40系に乗れるのは録音という意味でも収穫ですし、貴重なキハ40系に乗れること自体が嬉しいことです。
なお、厳密に言うとこの列車はキハ40系とキハ54系の混合編成であり、ちょうど連休中で乗り鉄目当ても含めて利用者が多かったため増結という印象であり、連休中に来たからこそキハ40系に乗れたと言えるでしょうか。


↑車内は混んでいてボックス席は全滅でしたが、車端部ではあるものの窓際に座れたので車窓をどうぞ
慌てていたこともあり最初はカメラの向きを間違えましたがご了承下さいw

列車は釧路を発車すると次は東釧路です。
ここは釧網本線との分岐点であり、ここから釧路までは釧網本線の列車も乗り入れるため少しだけ本数が多くなります。

そこから先でもう釧路の市街地は終わりであとは木々に遮られがちな車窓となり別保駅に差し掛かります。
ここは釧路町の役場最寄り駅ですが、実は釧路市とは別に釧路町というのもあるんですよね。
市と町という違う種類の自治体とは言え、隣接して同じ名前の自治体があるというのは紛らわしいですよねw

別保を過ぎると時間にして15分ほど駅がなく上尾幌となります。
続いて尾幌、門静、厚岸となります。
厚岸は花咲線の途中駅の中では比較的大きな駅で、早朝、夜間には厚岸~釧路間の区間列車も設定されているくらいです。
ちなみに、厚岸は「あっけし」と読みますが、これも何気に難読地名ですよね。

続いて茶内を経て浜中ですが、所在する浜中町は「ルパン三世」の作者のモンキー・パンチ氏の出身地ということで、駅にも「ルパン三世」のキャラクターたちが描かれています。

DSC04051
茶内駅には銭形警部が!

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浜中駅にはルパン三世がいます。
※上記2枚の画像は以前の活動時の画像の流用ですw

続いて姉別・厚床を経て別当賀です。


別当賀駅は貨車駅舎となっていました。

その次の落石駅は「らくせき」と読みたくなりますが、「おちいし」と読みます。
続いて珍駅名の昆布盛駅、西和田駅と来て東根室駅です。
この東根室駅は日本最東端の駅となっており、ここをお目当てにする旅行者もいるようで何名か降りていきました。
そして、いよいよ終点の根室です。


根室に到着!
15分ほどの折り返しですので、簡単に駅をご紹介したらすぐに折り返し乗車します。
ここも乗り鉄率が高いためか、アナウンスで「折り返し乗車する人も必ず一度下車して、改札を出てから乗車待ちの列に並ぶようにと案内がされていました。
更には車内に荷物を残していった場合は忘れ物扱いで回収するとも念を押していました。
座席を確保するために荷物をわざと置いていく輩も中にはいるんでしょうね・・・


ここは道北じゃないですが、「道北 流氷の恵み」に乗車してきました。


駅名標です。


縦型


温度計がありましたが、この日はまだ夏の名残でそんなに気温は下がっていませんでした。
記事を書いている11月に訪れたら防寒着必須の寒さになっていることでしょうね。


こんな看板がありました。
日本最東端は東根室駅ですが、東根室駅は無人駅なので有人駅に限定するとここが最東端というわけですね。


ホームは1面1線と終着駅にしてはシンプルです。
かつては札幌までの直通列車もあったのに、今やローカル線の終着駅という雰囲気になってしまいましたね。


アナウンスでも触れられていましたが、やっぱり折り返し乗車する人も改札を出るようにと促していました。


一番東にあるわけですから当然一番最初に朝日が登るということで、こんな看板も


観光客向けの歓迎看板


北海道というか寒冷地あるあるですが、列車別改札なので駅員さんの合図があるまで勝手にホームへ入らないようにと書いてありました。
地元の方には常識でも、都会の鉄道しか知らないと改札は好きな時に通っていいと思っている人もいるでしょうしね。
ただ、駅取材をする上ではちょっと困った制度でもあるんですが、根室駅の場合ホームが1つだけな上、長くもないので普通に改札が始まってから構内を撮影しても十分に間に合いますね。


それでは改札を出ますが、改札外にはすごい人数が並んでいました。
そのまま折り返し乗車する人も混じっているでしょうが、純粋に根室へ観光に来て帰るところという人もいたようでした。
花咲線も存廃問題と無縁ではないですが、観光客の集客を考えるとやっぱり鉄道はあった方がいいと思いましたね。


構内は行列で埋め尽くされていて撮影が難しいので一旦外へ出ます。
まずは駅舎からですね。


駅前広場です。
地元住民は駅まで自家用車で来るのがデフォルトなのか駐車場には結構車が止まっていますね。


歩道のタイルには蟹がいましたw


ここにも観光看板がありました。
蟹にサンマに納沙布岬ですね。


観光周遊バスもあるようです。


黄色い丸ポスト発見!
ここから投函するといいことがありそうですねw


意外にも駅の隣に蕎麦屋さんがあるのですが、流石に15分しか滞在できないので食べていくのは厳しそうです。
あと、根室には「エスカロップ」という郷土料理があるそうで、前々から興味は持っていたものの根室に来る時はだいたいとんぼ返りになってしまうのでなかなかチャンスがありませんw
今度訪れる時はしっかり滞在時間を取って「エスカロップ」も食べて観光も楽しみたいですね。


駅前には蟹を売っているお店がありました。
しかし、列車旅でカニを買っていっても食べるのが大変ですしね・・・w


バスもいました。
根室市のバスは根室交通が独占しており、こちらも根室交通です。
観光路線として納沙布岬行き等がある他、中標津空港への連絡バス、釧路や札幌への都市間バスなどを手掛けています。
それいしても、「太平洋まわり」という表記がなんか壮大ですねw


改札が始まって行列が捌けたので構内を撮ります。
ベンチがたくさんありますが、さっきの行列をみるとこれくらいはあって然るべきですね。


パンやお菓子の自販機がありました。
折り返しの釧路でも乗り換えがシビアで食事をする時間がないので、ここでパンでも買って札幌までの空腹を凌ぎたいと思います。


それでは車内に戻ります。
意外とボックス席も空いていて驚きましたが、大勢並んでいるように見えて2両編成なら余裕がある程度だったみたいですね。


折り返しは釧路に着くまでに日没になってしまうので動画は撮りませんが写真で撮っていきます。
あいにくの曇り空ですが海が見えました。


これは馬なんでしょうか?
北海道のことだからこれ全部牧場という可能性もありますが、野生の馬が普通に歩いていても北海道なら有り得そうです。

その先はエゾシカが飛び出してきて急ブレーキという場面が数回ありつつ釧路まで行きました。
北海道を旅していてエゾシカで急ブレーキはあるあるですよねw
まあ、幸いにして衝突はしなかったので予定通り釧路まで行くことができましたが・・・
何しろ、接続するのは札幌行きの最終の「おおぞら」なので乗り遅れでもしたら行程が崩壊してしまいます。


釧路に到着です。
8分乗り換えで「おおぞら」に乗り継ぎます。
本当に今日は乗ってばっかりで、1つの土地にのんびり滞在することがない1日でしたw


この「おおぞら12号」で札幌へ戻ります。


今度は乗り換えが8分あるので先頭を取る余裕はありました。


方向幕を撮ったら乗車です。
ここから先は基本的に往路のリプレイになるのと、既に真っ暗な車窓で、単なる移動という感が強くなったので記事はここで区切りたいと思います。
札幌到着後は簡単に食事を済ませてホテルへチェックインしました。
5日目は別記事として追ってレポートしたいと思いますので公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

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つばめ501号(管理人) について

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