3泊4日に及ぶ北海道遠征の3日目です。なお、1日目、2日目をご覧になっていない方はそちらからご覧頂くことをおすすめします。
行程の説明
本日の行程は、昨夜宿泊した室蘭から特急「すずらん」で札幌へ行き、そのまま石勝線台風被害によるトマム~新得間運転見合わせに伴って運行されていた札幌~トマム間の臨時特急でトマムへ向かい、列車代行バスに乗り継いで帯広へ向かってとんぼ返りする形で新夕張まで戻っていきます。
新夕張からは夕張支線を乗りつぶし後、千歳まで普通列車で移動し、千歳線の普通列車で苫小牧へ向かって宿泊となります。
そもそもは夕張支線と室蘭本線の沼ノ端~岩見沢間の乗りつぶしが主目的であり、その両方を同日中に収めたかったんですが、接続が悪く、どちらも明るいうちに乗れるような行程を組むのが困難であったため、やむなく室蘭本線の乗りつぶしを翌日に回したのですが、今度は時間が余りすぎて暇になってしまうので代行バスの取材がてら帯広へ行ってみようというわけですw
未明の室蘭の街から旅立つ
前日の記事をご覧頂いていればお分かりだと思いますが、そもそも札幌に宿が取れていれば、室蘭に来ることもなかったですんですよねw
おかげで、朝の5時台という札幌に泊まれていればまだ夢の中だったであろう時間に眠い目をこすりホテルをチェックアウトすることとなりましたw
当ブログ常連さんはよくご存知だと思いますが、私は基本的に朝が苦手な人間なので早起きは嫌いなんですが、行程とホテルの都合なので仕方ないですね・・・
そんなわけで早朝の室蘭の街です。人通りも車の通行もまばらで、ちょっと非日常な雰囲気を感じました。こういう雰囲気は嫌いじゃないです。
早起きは嫌いでも早朝の雰囲気は好きというちょっとした自己矛盾ですねw
7時10分まで待合所のあるスペースへは立ち入れないようなので夜間通用口から駅へ入ります。
それにしても、夜間通用口なんて救急病院か何かみたいですねw
改札は昨夜同様に自由通行状態でした。
それにしても、発車標すら稼働していないとはw
ホームには人影すらありません。私は入線シーンを撮りたかったので早目に入場しましたが、他の利用者たちは寒いので駅舎の中で待っているようでした。
そういえば、北海道は基本的には列車別改札なので札幌のような都市部の駅を除いては入線シーンを撮ろうとすると駅員さんと交渉して早目に入場させてもらうといったプロセスが必要になるので、早朝で駅員がいなかったことは撮影においてはプラスでしたねw
↑というわけで、寒い中ホームで待って撮影した入線動画です。
ホームが無人状態なので映り込みもなくていいですね。
暗いこともあってあまりいい写真ではありませんが、前回訪問時は昼間の写真もあるので良しとしましょうw
札幌行きの方向幕を撮ったら温かい車内で札幌までくつろぐこととします。
特急「すずらん」
札幌まで特急「すずらん」で移動します。利用したのは5時27分発の室蘭駅を発車する列車としては始発にあたる列車でして、札幌には7時14分には到着できます。恐らくは新千歳空港から早朝の飛行機で出発する旅行者や札幌での朝イチの会議に出席するサラリーマンをターゲットにした列車なんでしょうが、室蘭発車時点では車内はガラガラでした。録音的には助かりますけどねw
運行形態としては、「すずらん」は室蘭支線に入ることを除けば、「スーパー北斗」や「北斗」の補完列車という意味合いもあるわけですが、関東で例えれば、中央本線における「あずさ」「スーパーあずさ」に対する「かいじ」のような位置づけですかね。
前回の記事でも取り上げましたが、「すずらん」は東室蘭~室蘭間は普通列車扱いとなるため、乗車券のみで乗車が可能です。東室蘭~札幌間については特急列車扱いであり、乗車には乗車券の他に特急券が必要になるわけですが、「スーパー北斗」や「北斗」に対して停車駅が増えているのが特徴ですね。
東室蘭~札幌間では「スーパー北斗」系統は登別、苫小牧、南千歳、新札幌に停車しますが、「すずらん」は更に鷲別、幌別、白老、沼ノ端、千歳が停車駅に追加されています。こうしてみると特急扱いになる区間でも東室蘭~幌別間については3駅連続停車となり、室蘭から通して考えると室蘭~幌別間が各駅停車といえますね。その次の登別までの間には富浦の1駅を通過するだけなので、室蘭~登別間で「すずらん」を使うとすると「特に急がない特急」になってしまいますねw
早朝の起床だったこともあって所々寝ていましたが、ふと目を覚ますと車窓が明るくなっていました。
苫小牧あたりからは乗客が増え始め、千歳を過ぎる頃にはそこそこの混雑を見せていました。「すずらん」は室蘭や登別と札幌を結ぶだけでなく、千歳線内における札幌へのライナー列車的な意味合いもあるのかもしれませんね。実際苫小牧~札幌などで特急回数券を発売しているようです。
そして、札幌に到着するとしばらく撮影タイムの後、再び道を引き返す形でトマムを目指します。
札幌でミニ撮影会
30分少々の乗り換え時間となった札幌では少しだけ撮影をして回ります。
↑発車シーン
乗ってきた785系です。
折り返しは東室蘭止まりなんですね。
この東室蘭止まりの列車はこの前の改正で1日1往復のみ設定されたもののようですが、東室蘭~室蘭間の距離を考えればそこで折り返す意義は小さいように思えますけどね。
発車標を押さえておきます。
臨時特急はスジこそ、「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」のものをベースにしているようですが、暫定運行であるためか愛称をつけられていないので表示はシンプルに「臨時特急」です。
あと、トマム行きの表示が入っているのにちょっと驚きましたが、昔「トマムサホロエクスプレス」「アルファコンチネンタルエクスプレス」という名前でスキー客向けのリゾート列車が札幌~トマム間で運行されていたことがあるようなのでその名残で入っているのかもしれませんね。
そう考えると、運行区間だけですが、「トマムサホロエクスプレス」の復活と言えるかもしれません。
ノースレインボーエクスプレスがいましたが、昨日も乗った「スーパー宗谷」のようです。昨日同様の代走が行われているようですね。
↑これも発車シーンを撮影です。そういえば、昨日は乗ってしまったわけで動画は撮れるわけがなく、こうして翌日に撮る機会があって良かったです。
普通に札幌に泊まっていたら、私のことだから列車の時間ギリギリまでホームには来なかったでしょうし、これを撮れたのは札幌に泊まれなかった故であり、怪我の功名ですかねw
石勝線臨時特急
色々撮ったらいよいよ石勝線臨時特急の方に行きます。
先程まで隣にノースレインボーエクスプレスがいましたが、発車していったので単独で改めて撮ります。
方向幕までまさかの「臨時」だけw
駅の発車標にはちゃんとトマムが入っているのに列車の方向幕には入っていないんですね。
ところで、ヘッドマークでは英語表記は”Special Train”でしたが、方向幕では”Extra Train”なんですね。同じ車両なのになんで統一されていないんでしょうw
撮影も済んだら早速乗車です。
乗車率ですが、席がよりどりみどりというくらいにはガラガラでした。バス代行輸送により、そもそも帯広・釧路方面への旅行を控えている人が多いでしょうし、乗り換え無しで移動できる高速バスの移動や、道外からの旅行者なら新千歳空港を使わないで、とかち帯広空港や釧路空港から北海道入りする人もいるんでしょうし、こんなものなんですかね。
そうそう、ここで代行輸送の概要を説明しておきますが、札幌~トマム間は今乗っている臨時特急、トマム~帯広間は道東自動車道経由の代行バスで接続し、帯広~釧路間には臨時快速が設定され、2回の乗り継ぎが必要ながら札幌~釧路間の移動が出来る状態になっています。
しかし、代行バスの台数が限られていることから1日3往復しか設定できなかったようで、そこがネックになっています。
また、代行区間内の新得や十勝清水といった駅には当初は一切の代行バスが立ち寄らず、代替輸送が行われないという状況でしたが、後に1往復のみ代行バスが立ち寄るように改められました。地方だとバス会社もそんなに余分にバスを持っているわけでもないでしょうし、いざという時大量の乗客を捌くのは難しいんでしょうね。
ところで、帯広~釧路間の臨時快速ですが、もしキハ40系やキハ54系あたりが充当されているならばわざわざ釧路まで出向いてでも乗りに行こうかと思いましたが、調べてみると普通にキハ283系のようだったので帯広駅で撮影するだけにしましたw
札幌を出発し、新札幌、南千歳と進んでいきますが、若干乗っては行きますがやはりガラガラでした。代行輸送で一時的に利用者が離れているだけだと信じたいですが、不通の間に高速バスなどの利用が定着してしまう可能性を考えると恐ろしいですね。
南千歳からは石勝線に入りますが、前回釧路→札幌で乗車したときは真夜中でしたのでちゃんと車窓を楽しむのは初めてとなります。
石勝線へ入る
南千歳からは石勝線へ入っていきます。
ここで軽く石勝線の歴史について触れておきたいと思いますが、元々は炭鉱の町であった夕張で採れた石炭を運ぶいわゆる「運炭鉄道」として夕張~追分間で北海道炭礦鉄道という私鉄が開業させた路線が起源となっています。その後、会社ごと国有化され長らく運炭路線として活躍していましたが、1981年に千歳空港駅(現南千歳駅)と追分駅の間、及び新夕張駅から新得駅間が延伸され、札幌と帯広・釧路を結ぶ幹線ルートに組み込まれることとなりました。従来は札幌~滝川~富良野~帯広~釧路という遠回りなルートを強いられていた「おおぞら」「まりも」といった優等列車も新得~札幌間は石勝線を通ることとなり、根室本線の新得~滝川間には定期優等列車の設定がなくなりました。また、釧路や帯広と札幌や本州を結ぶ貨物列車のルートとしても活躍中です。
元々ローカル線だったものが幹線ルートに組み込まれるという点では四国の内子線に似ていますね。
ただ、内子線については特急だけでなく普通列車も運行されていますが、石勝線については新夕張~新得間は沿線がほぼ無人地帯であることもあり、特急列車のみが運行されています。そのため、新夕張~新得間のみを利用する場合は特急券不要で特急列車の自由席に乗れる特例が設けられています。
石勝線は全体的に山越えの路線であり、本格的に雪景色となってきました。
↑動画も撮りました。
高速道路を跨ぐ形で立体交差になっていました。
2車線の対面通行ですが、並行する一般国道より線形などは改良され、札幌~帯広・釧路を結ぶ高速交通網として機能しているようです。
景色を見ていたらあっという間にトマムに到着です。
トマム駅から代行バス
トマム駅に到着し、この後はバスに乗り換えですが、代行バスを利用する人は案内があるまで車内で待つようにという案内がありましたのでしばらく車内で待機です。
代行バスに乗らない人、つまりトマムが目的地の人たちは先に降りるわけですが、ホームの様子を見るに数名のみでした。
そして、案内がありまして、いよいよ外に出ます。帰りもここで乗り換えますし、そのときにも時間があるので駅は復路でじっくり見るとしてとりあえず代行バスの取材に集中したいと思います。
そして、やってきたバスはまさかの2台だけw
4列シートの高速バス仕様としても定員は50名程度だと考えられ、2台で100名程度の輸送力ということになりますが、臨時特急が5両編成で1両あたり60名~80名程度が定員と考えると300名~400名程度としても明らかに輸送力不足だと思いますが、利用状況を鑑みて実情に見合わった輸送力にしたということなんですかね。
バスが足りなくて3往復しか臨時列車を設定できないようなことを聞いていたのでてっきりもっと何台もぞろぞろと走るのかと思いましたが、これでもJR北海道バスの総動員なんですかね。
あと、当然グループ企業のJR北海道バスが運行に関わっていることは予想していましたが、このあたりで有力なバス事業者の十勝バスが関わっていないのが意外でした。
十勝バスは札幌・新千歳空港~帯広間などに高速バスを展開しており、敵に塩を送るような真似はしないということなのか、自社の高速バスの増便のほうが得策という判断だったのかもしれませんね。
列車代行様という代行バスあるあるな表示を拝んだら帯広へ向かいます。
バスはトマム駅を発車するとしばらくは一般道を走行し、最寄りのトマムICより道東自動車道に入ります。先程も道東自動車道の本線を車窓から眺めましたが、2車線の対面通行で供用されているため、片側2車線のIC付近を除いては追い越しが出来ません。
バスは制限速度の50km/hを厳守して走るため後ろにはちょっとした渋滞ができていました。
50km/hしか出せない道路が「高速道路」を名乗っていいのか甚だ疑問ではありますが、石勝線との競合を考えると鉄道側からすれば好都合ですかねw
代行区間はちょうど峠越えの区間であり、山越えの景色が見られました。
かつての旧線が日本三大車窓に数えられていた狩勝峠もこのあたりです。現在の根室本線は長大トンネルで峠を越えるルートになっているので列車の車窓からは眺められなくなった景色もバスではそれに近い景色を楽しめますね。
やっぱりこうしてみると高速道路って感じがしませんw
所々に拡張用の用地らしきものが見られることから、将来的な拡張を前提にした「暫定2車線」ってやつなんでしょうけど、この交通量だと採算的にどうなんですかね。
十勝清水ICが近づいてきましたが、バスはもう1つ先の音更帯広ICまで通行します。
代行バスが十勝清水を基本的に経由しないのは一旦高速道路を降りることになり非効率なルートになってしまうからなんでしょうかね。
そして、高速を降りると長閑な田園風景が広がります。十勝と言えば農業や畜産が盛んな土地ですが、そのイメージ通りの景色ですね。徐々に帯広市街が近づくとIC付近の景色とは打って変わって都会の景色になっていきました。
帯広~札幌間は旭川~札幌間、函館・室蘭~札幌間に次ぐ3番目に利用者の多い区間になっているのも納得ですね。
帯広駅
ようやく帯広駅に到着です。ここでは折り返しに時間があるのでじっくりと駅を見ていきます。
駅前には代行バスが並んでいます。そういえば、トマムでは2台だと思っていた代行バスが実は3台だったんですね。それにしても特急の定員からすれば不足ですがw
駅前によくあるよく分からないモニュメントをここでも発見ですw
先程も名前を出した十勝バスというのがこれです。
真っ黄色の目立つデザインが特徴ですね。帯広に本社を構え、帯広市内や旭川・札幌・新千歳空港への都市間バスの他、とかち帯広空港への空港連絡バスも手がけるなど、社名の通り十勝を代表するバス会社ですが、かつては人口減少や利用者離れにより倒産の危機に貧したこともあり、近隣住民への時刻表の配布などの施策により奇跡的な経営改善に成功したことでも知られています。
ところで、この広尾線ですが、帯広にゆかりのある方でなくても鉄道ファンなら聞いたことがあるかもしれません。それもそのはずで、元々国鉄の鉄道路線だった広尾線の廃止代替バスとして運行されています。
沿線には愛国駅や幸福駅もあり、北海道土産としてレプリカの入場券や切符が売られていたりもしますが、広尾線の沿線にあったことは意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
本当はこのバスにも乗るつもりでしたが、行程の都合で断念となりました。そういえば、北海道ではバスに乗ったのは先程の代行バスのみで、北海道のバスには全然乗れていませんね・・・
札幌行きは「ポテトライナー」という愛称ですが、なんだか面白いですね。
十勝といえばジャガイモも名産ですから、地域の名産品を持ってきたということでしょうけど、他の例としては富士宮行きの「やきそばエクスプレス」などがあるでしょうか。
近くで見ると普通の都会の駅という感がより強くなりますが、1996年に高架化事業に合わせて建て替えられたもののようです。ちなみに、日本最東端の有人高架駅になるようです。
コンコースです。列車の本数の割には活気が感じられましたが、エスタ帯広という商業施設があるため、列車に乗らない人も駅を訪れているのかもしれませんね。
代行バスの案内がありましたが単なる張り紙でした。
まあ、代行輸送は暫定的なものですし、これで十分でしょう。
駅前にあった案内看板ですが、距離をメートルでなくて歩数で表すのが印象的でした。
コンコースに戻ってきて改札口です。上下線が独立した改札口となっていて、駅の中央部にまとめられています。
この構造は宮崎駅と同じですね。
発車標には代行バスの表示もありましたが、「東側コンコース」なんて表示があるのにびっくりです。
ホームの発車標にも代行バスの表示が出ていますが、これだと3番線から発車するみたいですねw
こちらは釧路行きの臨時快速です。快速扱いながら特急型車両が使われていて、帯広~釧路間の移動では乗り得列車ですね。
まあ、札幌~釧路間の利用者からすれば乗り換えの手間が増えて、所要時間も伸びるわけですから、これで普段通り特急料金を徴収されたら堪ったものではないですよねw
名所案内です。
幸福駅や愛国駅が載っているのは嬉しいですが、注目すべきはばんえい競馬場ですね。
ばんえい競馬というのは、競走馬にそりを引かせる独特の競馬で、かつては旭川、岩見沢、北見など北海道各地で行われていましたが、現在ではここ帯広でのみ開催される競馬となっています。そういえば、以前の旅で岩見沢駅のホームで見かけた馬の像はばんえい競馬の馬だったわけですね。
ホームの構造ですが、2面4線の高架駅で、地方の中核駅としては標準的なものでしょうかね。
橋のような構造が見られますが、高架橋の強度を上げるためのものなんですかね。
コンコースに戻ったらこんなキャラクターがお出迎え
帯広の名物である十勝豚丼のPRのためのキャラクターのようですね。
まだ折り返しのバスまで時間があるのでその名物豚丼を頂くことにしました。
とても美味しく、また帯広を訪れたら必ず食べることにすると決めましたw
ちなみに、首都圏にも出店しているようで、必ずしも北海道まで行かずとも食べられるようですけどね。
食事の後は駅前で軽く撮りバスです。
こちらは十勝バスの高速バス
こちらは道北バスでして、旭川~帯広間の「ノースライナー」として帯広に乗り入れています。
同区間には高速道路はなく、都市間特急バスということになりますが、快速「狩勝」とルートが被っていますし、JRももう少しこの区間の輸送で頑張れないんですかね。
今は快速どころか、新得~富良野間の鉄路そのものを廃止しようという話になっているのが残念でなりません。
それでは、そろそろ時間なので代行バスでトマムへ戻ります。
そういえば、乗り場は東側コンコースなんて案内されていましたが、実際は駅前ロータリーのバスのところへ直接向かっても問題ありませんでした。
復路については特に書くこともなかったので記事はトマムに飛びますw
トマム駅
というわけでバスに乗ってトマム駅に戻ってきました。今度はしっかり取材していきたいと思います。
駅前には道路が通る以外には民家や商店などはなく、殺風景です。
市街地はここから4kmほど離れたところにあるようなので当然といえば当然ですが・・・
何やらこの場所には不釣り合いな高層ビル群が見えますが、あれは「星野リゾート トマム」の建物のようです。
ホーム上には待合所がありますが、駅自体は無人駅となっており、駅員は配置されていません。
既に入線していた臨時特急を撮ります。往路とは違う車両でした。
先程の待合所は星野リゾート利用者向けのもののようで、駅舎はこちらになるようです。
交換駅なので駅の前後にはポイントがあるわけですが、雪でポイントが動かなくなる事態を防ぐためスノーシェルターが備えられています。豪雪地帯ならではの設備ですね。
外は風もあって寒くなってきたので、そろそろ臨時特急に乗り込んでしまおうかと思い始めましたが、駅舎を見つけてしまった以上、駅前に出ない手はありませんw
内部です。改札口のように見えますが、無人駅ですから出入り自由です。
ちょっと時代を感じさせる作りですね。バブル期の雰囲気でしょうか(私は生まれていませんがw
駅前にはバス停がありました。当然バスが来るということですが、乗り入れているのは占冠村営バスのみで、民間のバスは来ません。
その本数もまさかの1日2往復w
占冠村の中心へは占冠駅の方が近いのでわざわざトマム駅を使う人は少ないのかもしれませんね。
これくらいで取材も終えて、臨時特急で新夕張へ向かいます。
新夕張駅
夕張支線との接続駅となる新夕張駅にやってきました。
↑まずは乗ってきた列車の発車シーンを撮ります。
この駅名標も支線が廃止されてしまうと書き換えられてしまうんでしょうね。
ホームは2面4線と意外と大きな駅ですが、現在の運行本数からして、フル活用はされていないのでしょうね・・・
当駅に乗り入れる路線はすべて非電化なので、信号通信ケーブルなどの話だと思いますが、「感電するぞ!」という警告は直感的で分かりやすいと思いますw
ホーム同士の移動や改札口へは地下道を使ってアクセスします。
駅そのものは地平駅ですが、築堤の上に駅があるので高架駅のような雰囲気です。
運賃表も普段は撮らないながら、夕張支線が載っていたので押さえておきます。
駅前は妙に広い空間になっていました。
貨物を扱っていた頃の名残でしょうか。
かなり年季の入った駅舎に見えますが、1981年に石勝線が開業した頃からの駅舎なんでしょうかね。
駅自体は1892年に設置されていますが、流石にその頃の駅舎ではないはずですし・・・
駅前に駅名標がありましたが、「紅葉山」というのは石勝線開業前の当駅の駅名でして、釧路・帯広方面から来た人にとっては夕張への玄関口となる駅だからということで改名されたんでしょうかね。
やたら立派なバス待合所がありました。
ここからは夕張鉄道のバスが出ています。
夕張と言えばメロンが有名ですが、見学ハウスのようです。
確かに普段消費者である我々が夕張メロンを見るとしたら青果店やスーパーで陳列されている状態がほとんどですから、栽培されている状態を見る機会はなかなかないですよね。
駅前には道の駅も併設されています。
「夕張メロード」という名前らしいです。
入口です。道の駅にしてはやけに人気がないような・・・
それでも笑顔で出迎えてくれるキャラクターが哀愁みたいなものを感じさせます。
やけに人がいないと思ったら今日はお休みだったようですw
道の駅が休業って初めて聞いた気がしますが、この施設は元々JA夕張市が運営する「メロード」というスーパーマーケットであり、それを道の駅としても利用できるようにしたというのが実情のようです。
スーパーマーケットでも年中無休というイメージが強いので、休業というのは意外な気がしますが、地方だとこんなものなんですかね。
ちなみに、トイレは建物の外に用意されているため、ドライブ中の休憩施設という役割は24時間年中無休で果たせているようです。
道路側にはちゃんと道の駅の標識が出ていました。
逆にこれを見つけていなかったら、道の駅じゃなくてただのスーパーなんじゃないかって思ってしまいますがw
駅前旅館がありましたがこちらも寂れた感じ
調べてみると休業中だそうです・・・
↑いよいよ入線です。
夕張支線
新夕張から夕張まで伸びる16.1kmの支線の夕張支線ですが、JR北海道が単独維持が困難な区間として発表し、夕張市などが廃止に合意したことは記憶に新しいと思います。
この支線は元々追分~夕張間で石炭を運ぶ運炭路線として開業したものであり、単行の閉山後はローカル輸送に徹していました。
しかし、夕張から道内一の都市の札幌へ向かうとすると新夕張・南千歳経由というのはあまりに遠回りであるため、利用されず、現在は夕張鉄道の急行バスが札幌~夕張間を結んでいてそちらが使われているようです。
かつては準急「夕張」という列車があり、札幌~夕張間の優等列車があった時代もあるようです。また、当時は夕張鉄道が夕張に鉄道線を有していて、野幌~夕張本町間で急行列車を走らせていたため、それへの対抗という意味合いや道路事情が悪く長距離の路線バスの運行が難しかったからこそ成り立ったのでしょうが、道路事情が改善された現在では厳しいものがありますね。
ちなみに、その夕張鉄道は鉄道線を全廃し、現在はバス事業者となっています。
車内の様子ですが、やはりさよなら乗車の鉄が多く、地元の方はまばらでした。
留萌本線の時とは違って廃止がすぐ先に差し迫っているわけではない分、混雑はそれほどではないですが、廃止が決まった路線の雰囲気にはなっていました。
往路はギリギリ車窓が見られる程度には明るかったですが、写真に撮るとうまく写らなかったので記事は夕張駅に飛びたいと思います。
夕張駅
わざわざ東京から乗りに来た割にはあっさり終わってしまった感がありますが、終着夕張駅に到着です。
「色々試してみてもいいかしら?」というセリフが浮んだのは仕様ですw
ご覧のように駅は1面1線と質素な造りです。かつて石炭輸送の拠点だった頃の夕張駅はもっと夕張市の奥の方に位置しており、閉山後2度の移転の末現在地に落ち着いたようです。
しかし、現在地は夕張市の市街地からは外れていて、目の前にあるホテルのアクセス駅という意味合いが強いようです。
移転当時には既にSLは引退していたので機回しの必要もなかったはずですが、ホームの先までレールが続いているのは、かつては先まで鉄路が伸びていた事の記録を残したい意味合いだったのですかね。
こちらが駅舎です。メルヘンチックなデザインですが、小さな駅舎です。
地方の駅としては標準的な駅舎のサイズだと思いますが、背景にあるホテルが大きすぎて対比で小さく見えてしまうんでしょうね。
このホテルはマウントレースイという名前だそうで、いわゆるリゾートホテルですね。
夕張市と言うと財政破綻という不名誉な形でも名を知られていますが、こういった箱物行政が一因ともいえますし、夕張駅自体が夕張市の夢の跡を見ている気分になります。
ちなみに、このホテルで乗車券の委託販売もやっているので、当駅は無人駅ではなく簡易委託駅になるようです。
待合室には手作り感のある案内図が掲示されていました。結局、お金ばかり掛けた豪華な施設よりこういう素朴なもののほうが旅人の心を引きつけることもありますよね。
滞在時間が短かったのでこれくらいで撤収します。
次はこの列車で一気に千歳まで引き返します。
追分駅
追分駅ではちょっとだけ停車時間があったので撮影がてらホームに降りました。
既に暗かったので駅前には出ませんでしたけどねw
乗換案内
室蘭本線の岩見沢~沼ノ端間も廃止の可能性が報じられており、もし本当に廃止になってしまったら当駅は単なる石勝線の途中駅ということになってしまいますね・・・
列車を撮ったらそのまま千歳へ向かいます。
ところで、追分~南千歳間は17.6kmもあり、普通列車でもかなりの時間走りっぱなしなんですね。
あと、本日の宿泊地である苫小牧へは千歳まで行かないで南千歳で乗り換えたほうが便利なんですが、あえて千歳まで行くのは千歳線内でのキハ40系の走行はレアだから乗っておきたかったという理由ですw
千歳駅
夕張からの旅も終えて千歳駅にやってきました。
駅名標です。当駅自体は分岐のない途中駅なので隣の駅は1つずつですね。
ちなみに、石勝線の普通列車は当駅発着がほとんどで、千歳線も普通列車に関しては当駅折り返しが多数設定されています。
優等列車では快速「エアポート」と特急「すずらん」が停車しますが、それ以外の列車は通過となります。新千歳空港や帯広・釧路方面の結節点の南千歳の方が停車本数は多く充実していますね。
改札口です。久々に自動改札を見た気がして、都会に戻ってきたなと実感しますw
ホームに戻ります。久々に見る電車に何だかテンションが上がりますw
ローカル線を乗り鉄してるとあるあるですが、電車がこんなに新鮮に思えるのは不思議な気分ですね。
苫小牧行きの列車を待ちますがしばらく時間があるので色々撮りつつ待ちます。
↑731系
↑貨物列車
↑快速「エアポート」
あとは苫小牧まで一気に移動して宿泊です。
苫小牧でもちょっとだけ撮影
苫小牧駅は何度か訪れていて駅の取材も済んでいるので宿へ直行するつもりでしたが、ちょっとだけ列車を撮ってからにしますw
↑キハ150形発車シーン
↑貨物列車通過シーン
これでやることもなくなったのでホテルへ向かいます。
今日は7時過ぎには宿に入れるので楽な行程でしたね。
翌日は別記事として、3日目は以上となります。続きは追って執筆しますのでしばしお待ち下さい。
~追記~
4日目も公開しました。長らくお待たせしましたが、ようやくこのシリーズ完結です。
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