4泊5日で実施した北海道遠征の2日目です。
なお1日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
2日目となる今日は、当初の予定は昨晩泊まった札幌から朝一番の特急「おおぞら」(キハ283系)に乗って釧路へ行き、根室本線(花咲線)で根室まで1往復したら釧路へ戻るというものでしたが、前日に乗車するはずだった札幌市電M101形が一般車両との接触事故のため急遽運行を取りやめた影響から乗車出来なくなっていたため、2日目の行程を変更して、M101形に乗車してから「おおぞら」で釧路へ向かい、根室への1往復はカットする形となりました。
花咲線区間は過去に乗ったことがありますし、まあいいでしょう。
朝の暇つぶし
前日の記事をご覧頂いた方はお分かりでしょうが昨日の午後、M101形電車が一般車両と接触事故を起こして急遽入庫することとなり、その翌日となる今日は元々ラストランとなる運行が予定されていたのですが、そのラストランが行われるかどうかは分からない状態で昨日は終わりました。
結局、公式発表はないまま北海道新聞の記事で「午後から運行予定」という情報が出たのみだったのですが、M101形についてはこの日を逃せばもう未来永劫乗車するチャンスはないわけですから、わずかでも可能性があるならばと予定を変更して今日も夕方まで札幌に滞在してM101形への乗車を目指すことにしたのです。
ただし、情報源が北海道新聞の記事のみということで、しかも「午後から」という曖昧な情報なのでどう動いていいものやら・・・
とりあえず午前中は札幌にいても収穫はないだろうということで暇つぶしに新千歳空港へ行くことにしました。
今回のお目当ては特別快速「エアポート」です。
実は昨晩も乗車したんですが、朝しか走っていない新千歳空港行きの特別快速に乗ることにしたのです。
どうせ手元には「ひがし北海道フリーパス」があるので実質ただで乗れるようなものですしねw
↑お目当ての列車が入線してきます。
まだ時間があるので向かいのホームからも撮ります。
未だに「エアポート」といえば721系のイメージが強いですが、733系も勢力を拡大していますからね。
↑ちょうど入線してきたので「ライラック」の入線も撮りました。
ローマ字バージョンも撮ったら乗り込みます。
昨晩の札幌行きと同様、午前中に札幌から郊外への需要は少ない上に、停車駅が絞られているために空港利用者の割合が高いと感じました。
↑せっかく明るい時間帯に乗れるので車窓は動画で撮りました。
札幌出発直後の自動放送でワンフレーズだけですがアイヌ語が流れるのでそれにもご注目下さい!
特別快速「エアポート」については昨日の記事で解説済みなのでここでは触れないことにして、そのまま新千歳空港へ向かってとんぼ返りです。
↑札幌でちょうど「北斗」の発車に出くわしたので動画を撮りました。
さて、続いては・・・
苗穂駅に寄り道
まだ午前は2時間ほどあるので、フリーきっぷを活かして札幌の1駅隣の苗穂駅に立ち寄ることにしました。
正式な所属路線は函館本線となりますが、白石駅から千歳線の列車も乗り入れてくる関係上複々線区間になっていて、しかも隣接する苗穂運転所への回送線もあるので、各駅停車しか停まらない割には大きな構内になっています。
発車標です。
普通列車しか停まらないとは言え、札幌近郊ということで15分~20分に1本程度の本数は確保されています。
壁は何故かレンガ風になっていました。
苗穂工場の建物をイメージしているんですかね?
今は「ライラック」として活躍する789系0番台ですね。
なお、苗穂運転所はもちろん通常は非公開ですが、敷地内にある苗穂工場の一部が「北海道鉄道技術館」として月に2度ほど一般開放される機会があり、実は過去に訪れたことがあります。
レポートもしていますので、よろしければご覧下さい。
コンコースに上がってきました。
巨大なサッポロビールの広告がありました。
改札口は大都市札幌市内にあるだけに自動改札があります。
Kitacaエリア内ですので当然SuicaなどのICカードも利用可能です。
札幌もICカード乗車券の普及率は高いのか自動券売機はこれだけでした。
フランスはあまりに遠いからせめて近場を旅しよう的なメッセージなんでしょうが、これも広義の広告なんでしょうか?
改札を出ると自由通路になっています。
最近の都会の駅にありがちな構造ですね。
自由通路からは線路が見渡せ、ちょうど苗穂運転所で出入りする回送列車が見えました。
自転車も通れるようにかスロープの着いた緩やかな階段になっています。
南口の駅前に出てきました。
都会の駅らしく立派なロータリーが整備されていました。
JR北海道バスは札幌と白石を結ぶ系統が立ち寄るようです。
その他に北海道中央バスの路線や都市間バスの一部も立ち寄るようです。
白石行きのJR北海道バスは鉄道に並行するルートゆえか都会にしては少なめの本数でした。
駅舎です。
すっかり都会的なモダンな駅舎であり、あまりマニア受けするような駅ではないですねw
それでは再び自由通路に戻ります。
駅周辺のジオラマがありました。
再開発計画の完成予想図なんですかね。
それにしても鉄道関連もそれなりに気合を入れている様子が伺えるのがいいですねw
何かと思ったらこんなこともやっていたんですね。
流石は北海道の鉄道の中枢と言える土地柄です。
最後に、滞在中に撮った列車の通過シーンなどの動画をまとめてご紹介したいと思います。
↑733系「エアポート」
↑721系「エアポート」
↑キハ261系「北斗」
↑789系「カムイ」
↑キハ261系回送&721系「エアポート」
このように1時間も滞在しなかったはずですが、それでもこれだけ撮ることが出来ました。
札幌駅に近いだけあって本数も多くて楽しい駅でしたね。
M101形を追いかける
それでは苗穂駅を後にして一旦新札幌まで行きます。
そろそろお昼なので、M101形が動き始めてもいい頃合いであり、車庫のある電車事業所前まで行こうと思うのですが、札幌駅から徒歩で西4丁目電停へ行き市電に乗るルートもあるものの、最近札幌市営地下鉄に乗っていなかったこともあり新札幌経由で行くことにしました。
明らかに遠回りで無駄なルートですけどねw
こういうレトロな案内が健在なのが札幌市営地下鉄の魅力ですよね。
この昭和チックな雰囲気は長く残ってほしいと思います。
ホームへ降りてきました。
地下鉄なので当然地下駅ですが、どことなく昭和チックな雰囲気がありますよね。
あと、札幌市営地下鉄といえばこれですね。
大抵の列車には優先席がありますが、札幌市営地下鉄の場合は専用席となっていて、優先席はあくまでも高齢者や身障者、妊婦などを優先する座席であってそれ以外の人の利用も可能ですが、札幌市営地下鉄の場合は例え空席でも上記以外の人が座るのはルール違反ということになるようです。
私の知る限りは専用席を導入しているのは札幌市営地下鉄だけだと思いますが、頻繁に地下鉄を利用しているであろう市民の方などはどのようにお考えなんですかね?
↑乗車する地下鉄がやってきました。
札幌市営地下鉄は全国的にも珍しいゴムタイヤ式の地下鉄となっており、通常の鉄道と違ってガタンゴトンという音がしません。
その点にも注目の上でご覧頂けるとよりお楽しみ頂けると思います。
写真も撮ったら乗り込みます。
このまま大通駅まで乗車し、そこから徒歩で西4丁目電停へ移動し、市電で電車事業所前まで向かいます。
西4丁目電停です。
歩道に面して電停があるので、多くの電停のように信号を待たないと電停へたどり着けないなんてこともなくて便利です。
電車を待つ間に撮りました。
あとは適当にやってきた電車に飛び乗って電車事業所前へ向かいます。
電車事業所前電停を降りて車庫へ向かうと既にこの人だかり!w
どうやらまだM101形は出庫していないようですが、その出庫を見届けようと多くのファンや市民らが集まっていたようです。
何とかまだ撮れそうなスペースが残っているみたいなので急いで参戦して私も出庫を待つ集団に加わりたいと思います。
昨晩も訪れましたが明るいと色々見えますね。
たくさん電車が止まっているだけでもテンションが上がりますが、今日の大本命はM101形です。
見える範囲にはいないようですね・・・
あとは待つばかりで退屈なので手持ち無沙汰に携帯をいじりつつ札幌市交通局の公式発表や新聞・テレビなどの報道を調べたりしていましたが、具体的な出庫時間はどこにも書かれていません。
この時点で今日の午後から運行すること自体は公式発表されていたので実は運行はありませんというオチはないと思いますが、今晩のホテルは釧路にある関係上、夜遅くに動き出すとかだったら私は諦めざるを得なくなります。
時折職員の方が出入りしている様子があり、運転士の方が通るとM101形に乗務する方なのではないかと期待してカメラを構えたりしますが、別の車両の乗務員だったり、そもそも乗務するわけじゃなかったりというシーンもありつつ、30分か1時間ほど待ってついにその時が・・・!
↑8500形が出てきたと思ったら激しいシャッター音がするので後ろを覗くと続行する形でM101形が出庫していました。
これは8500形が邪魔で出庫できなかったのでいわば入換をしていたんですかね。
・・・って、あれ~?w
なんと、一度は出庫するかと思われたM101形はそのまま引き返して車庫へ戻っていったのです。
一体なんのための入換だったのか謎ですが、この焦らしプレイには集まったファンたちもどよめいていました。
それから更に10分だったか20分ほど待ってついに・・・
↑M101形の出庫です!
一旦止まったところで写真も撮りました。
よく見ると一部分だけ塗装の色が違うので、あそこが昨日一般車両と接触した部分なんでしょうね。
色ムラこそありますが、昨日の今日で仕上げたことを考えると修復に携わった方々にはただただ頭が下がります。
私としてはとにかく運行してくれたことに感謝感激です!
↑外回りの運行に入るようですが、一旦中央図書館前電停までいって、そこから営業開始になるようです。
中央図書館前で折り返してきてすぐに電車事業所前にも来ると思うので急いで電停へ移動します。
皆同じ考えなのか電停にはあっという間に行列が出来ていましたw
市電のラッシュアワーでもここまで並ばないのでは?
↑中央図書館前からM101形がやってきました!
どのみち私より前に並んでいる人たちが乗り込むまでの時間があるのでその間に撮影を続けます。
ところで、私はてっきり電車事業所前が始発であり、中央図書館前は折返しの都合で立ち寄るだけで回送扱いだと勝手に思っていたのですが、実際には中央図書館前から営業開始だったようで、既に車内には結構な人数が乗っていました。
電車事業所前からでも普通に乗れましたが座席は既に一杯で立ち席を余儀なくされました。
それでは早速M101形に乗り、最後の乗車を楽しみたいと思います。
ここでM101形について解説を入れておきます。
M101形は形式名としてはM100形というグループの一部をなす車両で、一般には「親子電車」として知られています。
「親子電車」というのはモーターが付いた動力車とモーターのない付随車が2両セットで運用される形態であり、JRや地下鉄などの普通鉄道では付随者と動力車を混在させて走らせるのは一般的ですが、路面電車は1両単位で走ることが多いこともあって付随車というのは珍しいです。
このような「親子電車」は戦後の高度成長期にラッシュ時の輸送力を確保する目的で各地で登場していますが、ほとんどは既存の車両を流用して付随車を追加する形だったのに対して、札幌市電では動力車であるM101形と付随車であるTc1形の両方を新造しており、このように動力車と付随車の両方を新造した例はこの札幌市電M101形・Tc1形が唯一となっています。
当初の計画では、ラッシュ時はTc1形を連結して2両編成で、閑散時間帯はTc1形を切り離してM101形単独で走るという計画で、電動車のM101形は単独運行を考慮して両方に運転台がある一方、基本的にM101形とセットでしか走らないTc1形は片側にしか運転台がありません。
しかし、実際には付随車の連結・開放には手間がかかることもあって常に連結状態で運用されることとなりそれ以上は増備されることもありませんでした。(※Tc1形には当時存在した急勾配区間に対応するためにモーターが搭載されていましたが、M101形から電源供給を受ける前提の設計で単独走行はできなかったので付随車と紹介しています)
また、連結時の車両間の行き来が出来ない構造であり、運行するには運転士の他に各車両に1名ずつ、つまりは2名の車掌が必要であり、人件費がかさむという問題もあって、登場から9年目の1970年には付随車のTc1形は分離されて廃車され、残ったM101形はワンマン運行ができるように改造されて単独で活躍を続けることとなりました。
この史実をもって「引き離された親子」などと称されることもあるようです。
残ったM101形は元々Tc1形を牽引する前提の設計だったこともあってモーター出力に余裕もあり、両開きの扉がスムーズな運行に有効だったこともあって登場時の車体を保ったまま活躍を続け、登場時の塗装を維持し続けていたこともあってレトロな電車として人気を集めていました。
しかし、2021年10月31日についにM101形も営業運転を終えることとなり、先に引退して保存されていたTc1形ともども、札幌市交通資料館にて保存・展示されることとなっており、一度は引き離れた親子が再会を果たすこととなりました。
さて、解説もこれくらいで乗車レポートに戻りますが、多くのさよなら乗車組とたまたまこの電車にあたっただけの一般利用者が混じりラッシュ時並の大混雑を見せていましたが、それでも古い車両特有の吊り掛けサウンドや乗り心地などを楽しむことが出来ました。
また、M101形は「探偵はBARにいる」のロケで使われたことがあり、車内には主演の大泉洋さんのサインもありました。
ただ、札幌市交通局の公式サイト上に車内での撮影は控えるようにと言う注意喚起があったので撮影は自重しました。
いずれきちんと保存されて展示されるそうなのでその時にじっくり見学&撮影させてもらうとしましょう。
今回は市電のフリーきっぷを買っていたこともあって、とりあえず1周分の録音を確保する意味でも電車事業所前まで1周乗車して、更にそのまま西4丁目まで乗ることにしました。
周囲の会話が聞こえてきたのですが、中には最終運行まで乗り続けようという猛者もいたようですが、車内が混み合っていますし、私は1周+西4丁目までの移動で遠慮することにします。
西4丁目電停にて下車します。
流石に最終日だときれいな録音は絶望的ですが、最後に乗れたという事実は嬉しいですし大切な思い出として刻まれたことでしょう。
乗降扱いや信号待ちでしばらく停まるようなので、すかさず撮影です。
あまりの混雑に遅延して、後続電車に追いつかれたようですw
実はこの後、中央図書館前止まりとなりまして、一旦入庫後、1周後の運用から再び中央図書館前始発として復帰することになったようです。
扱い的には中央図書館前で車両交換するみたいな扱いなんでしょうけど、最終日では混雑するのは予想できたでしょうし、通常のダイヤとは別に停車する停留所を絞って特別運行みたいにした方がよかった気もします。
↑もちろん動画でも撮ります。
↑後続の240形
この後ですが、食べ損ねていた昼食を近辺で適当に食べたら徒歩で”すすきの”まで移動して、そこで1周回って戻ってくるM101形を待ち構えたいと思います。
途中で通った狸小路です。
札幌の繁華街の一つですが、電車が通ったのは数年前のことなんですよね。
↑ここでも電車を撮ります。
札幌一の歓楽街すすきのにやってきました。
ここが一番札幌らしいかなと思って撮影場所に選びました。
交差点の案内標識
ちなみに、漢字では「薄野」と書くらしいですが、ひらがな表記の方が一般的ですよね。
すすきの電停は道路の真ん中にあるため、電停にいる所を撮るとこんな感じになります。
↑それではあとはM101形を待ちつつ色々撮ります。
まずはA1200形
↑続いて8510形
そして、そろそろ・・・
↑M101形です!
電停にたどり着いた後も追いかけて・・・
↑発車まで見届けます。
あとは時間もあるので札幌駅までのんびり歩いて札幌を後にします。
M101形関連では予想外のハプニングがあって波乱の1日になりましたが、逆に予定通りの行程だったらM101形は暗い時間帯にしか撮れなかったので、明るい写真&映像が撮れたのはある意味で怪我の功名というかいい結果になりましたかね。
今回カットすることになった花咲線は次回北海道を訪れる時の楽しみにとっておきましょう。
ここも札幌らしい光景だと思いますが、テレビ塔と大通公園です。
「おおぞら」で釧路へ
それではあとは釧路まで「おおぞら」で移動です。
この「おおぞら」の乗車はキハ283系のさよなら乗車も兼ねてのものでしたが、夜の乗車になってしまいましたし、今日はM101形というネタもあったたため私の中では単なる移動という感が強くなってしまいました。
反対側も撮ったら乗り込みます。
緊急事態宣言が解除されたとは言えまだまだ特急の需要は戻っていないかと思えば車内は意外と混んでいました。
立ち客が出るほどではないですが、席を自由に選び放題という雰囲気でもありません。
キハ283系の力強いエンジン音を聞きつつ釧路への旅が始まります。
既に真っ暗なので車窓もご紹介できませんし、レポートとしてはあまり膨らまないというのが正直な所ですが、南千歳を出て石勝線に入るといよいよ車窓に流れる明かりも少なくなって真っ暗闇の中を走るようになります。
まるで宇宙空間を走っている気分になりますね。
山岳区間を抜けて新得を過ぎると十勝平野になりますが、それでも駅付近以外は真っ暗闇が続きますね。
十勝地方の主要都市帯広に到着です。
ここで降りる人も多かったです。
また、車窓からは国鉄色のキハ40系が見えました。
その先は池田、白糠と進みますがやっぱり真っ暗闇です。進行方向右手には太平洋が望める区間もあるはずですが、やっぱり暗くて何も見えずw
ここで駅弁タイム!
釧路到着は22時近いのでどうせ飲食店も開いていないだろうと考えて駅弁を買っておいたのです。
いくらも入った海鮮のお弁当です。
そういえば、今回の遠征ではあまり北海道らしいものを食べていませんでしたが、ようやく北海道らしい食事にありつけました。
やっぱり鉄道の旅には駅弁が似合いますね。
↑キハ283系の引き上げを撮ったら駅を出ます。
流石に道東の主要駅ということで自動改札ですがこの時間では閑散としていますね。
もう接続列車はないかと思ったら釧網本線の摩周行きが残っていたようです。
さっき停まっていたキハ54系がそれですかね。
駅舎もペーパークラフトで再現されていました。
こういう手作り感のある演出はいいですね。
今日は大幅に行程を変更することとなりましたが、3日目以降は予定通りの行程に復帰します。
また、3日目以降は別記事として追ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。
つづく