関西乗りつぶし旅2024(1日目)

今回は3泊4日のスケジュールで、関西地方へ乗りつぶしの旅に出かけました。
メインは近鉄ですが、高架化工事のため長期運休中で乗れずにいた南海高師浜線と、延伸開業したばかりの北大阪急行南北線の千里中央~箕面萱野間の乗りつぶしも一緒にします。
また、2025年3月での廃止が発表された三重交通の松阪熊野線にも乗っていきます。
時系列としては「とちの木号」で大阪へ降り立った直後からレポート開始となります。

本日の行程

初日となる今日は、「とちの木号」で大阪シティエアターミナルへ降り立ち、徒歩で南海難波駅へ向かい、南海本線で羽衣へ向かってから高師浜線1往復、難波へ戻ったら御堂筋線に乗り、そのまま北大阪急行に直通して箕面萱野まで行き乗りつぶし、あとは天王寺へ行き返して、ここから近鉄の乗りつぶしとなります。
まずは大阪阿部野橋から特急で吉野へ、折り返して橿原神宮前、尺土と乗り継いで近鉄御所線を1往復、その後は橿原神宮前・大和西大寺・生駒と乗り継いで生駒線を1往復し、最後は奈良線で近鉄奈良へ向かって宿泊となります。
このうち、新規に乗車する路線としては南海高師浜線、北大阪急行南北線(千里中央~箕面萱野)、近鉄南大阪線(古市以南)、吉野線、御所線、生駒線となります。

まずは南海高師浜線を乗りつぶす!

それでは早速本編スタートです。
まずは南海高師浜線ですが、高師浜線は羽衣から出るので、そこまで南海本線で移動です。


ホームに「ラピート」がいましたが、なんか色が違いますね・・・


横から見るとこんな感じ
実は来年(2025年)に開催される大阪・関西万博の特別ラッピングだったようです。

それでは羽衣へ移動です。
ここはあえて各駅停車に乗って移動しましたが、道中はカットして・・・


というわけで羽衣駅へやってきました。
実は当駅付近にあるJRの東羽衣駅には降りたことがありまして、当駅付近にも降り立ったことがありますが、南海の駅に立ち入るのは初めてですし、前回は高架化工事の最中でしたから、雰囲気も全然違って感じられ、実質的には初訪問といった感じですね。


縦型


ホームは相対式2面2線のうち、片方を切り欠きにして、そこに高師浜線のホームを加えた2面3線となっています。
この構造は高架化前から同じだったようで、ほぼ同じ構造のまま高架化したという感じのようです。


それでは高師浜線の電車に乗り換えです。
方向幕に行先そのものではなくて運行区間を表示するやり方は短い路線あるあるですね。

それではここで高師浜線について解説を入れておきましょう。
高師浜線は羽衣駅と高師浜駅を結ぶ全長1.4kmの路線で、南海本線に対する支線という性格が強い路線となっています。
全列車がワンマン普通列車であり、本線への直通もないローカル線といった雰囲気が強い路線ですが、歴史としては現在の高師浜地区に陸軍宿舎の跡地を利用した宅地開発が行われたことをきっかけとして建設され、1918年に開業した歴史ある路線だったりします。

更に特筆すべきは2021年5月22日~2024年4月5日までの3年間、高架化工事のため運休していたということでして、災害などによるものではなく、これだけ長期間運休させるというのは異例のことともいえ、その間はバスによる代行輸送となっていました。
通常高架化工事といえば、列車の運行を続けながら既存の線路の近くに高架線を構築したり、一旦仮線に切り替えてから既存の線路を撤去してその上に高架線を構築するなどして、完成したら線路を切り替えるという方法を取ることが多いのですが、高師浜線では運休にする方法を選んだのは、列車の運行を続けながら工事をした場合は5年の工期が見込まれるのが、運休にすれば3年で済むのに加え、沿線の殆どが住宅地であり、仮線を建設する用地もなく、工事用の大型車両の乗り入れも難しいという事情から長期間運休による高架化となったようです。

なお、代行輸送中は列車では片道3分だったのが、バスでは15分となっており、5倍の時間を要していましたし、輸送力としてはやはり不足するため、鉄道ではラッシュ時でも1時間あたり4本程度だったのが、バスでは最大で15本設定された時間帯もあったようです。
こうしてみるとミニ支線とはいえ、やっぱり鉄道は交通機関として優秀なんだと分かりますね。

私は昨年に南海電鉄の乗りつぶしを敢行していたんですが、ちょうど高師浜線の運休期間にあたっていたため高師浜線だけ乗れずにいたのを、今回で回収というわけですね。

途中に伽羅橋駅という途中駅がありますが、それでも3分の所要時間はあっという間に終点の高師浜駅に到着です。


高師浜駅に到着!
これにて南海電鉄完乗達成ですが、あまりにもあっけなく終わってしまってイマイチ実感がないw
なお、駅名は「たかしのはま」とよみ、”の”が入ります。


ホームは1面1線とシンプルな構造で、到着した列車がそのまま折り返すことしか出来ません。
ところで、今回の高架化工事では羽衣~伽羅橋間のみの高架化であり、高師浜~伽羅橋間は1970年にすでに高架化されていたんですね。
路線の端っこの方が先に高架化されていたなんて不思議な感じですが、この区間で紀州街道という道路と交差しているのでその踏切除去が優先されたんでしょうか。


終端部です。
唐突に高架橋が途切れるような感じですね。


階段を降りていくと改札があります。


高架駅ということでなかなか長い階段ですね。
なお、エレベーターもあります。


改札口です。
自動改札機がありますが、無人駅となっており、トラブル発生時は遠隔対応になるようです。


隣は券売機が設置されていました。


そして駅舎です。
なんともレトロな見た目ですが、特徴的なのはステンドグラスがはめられていることですね。
ただし、これは強化樹脂製のレプリカだそうで、元々はまっていたステンドグラスは高石市に寄贈され保存されているんだとか。


駅前広場の中心には円形の花壇が配置されています。
周辺は住宅地であり、都市近郊の風景ですね。


周辺観光案内図がありました。
観光地という雰囲気ではないですが、それでも客を呼ぼうという工夫なんですかね。


高師浜線運転再開を祝う横断幕がありましたが、描かれている車両は南海どころか日本の車両ですらなさそうなのがw


俘虜収容所跡の看板がありました。
高師浜線の歴史のくだりで、陸軍宿舎の跡地が住宅地になったといったことを書きましたが、実は陸軍宿舎の前は日露戦争の時の俘虜(現在で言う捕虜)を収容する場所だったそうで、後に陸軍宿舎に転用されたとのことです。


それでは高師浜線で羽衣へ引き返して難波へ戻ります。


羽衣駅で軽く撮り鉄してから・・・


難波に戻ってきました。
今度も各駅停車でのんびりでした。

といったところで南海電鉄編は終了で、今度は北大阪急行延伸部の乗りつぶしです。

北大阪急行を乗りつぶす!

ここからは北大阪急行です。
北大阪急行南北線は大阪メトロ御堂筋線の江坂駅からそのまま直結し豊中市・吹田市へ至る路線であり、実質的には御堂筋線の延伸といってもいい路線なのですが、御堂筋線は元々大阪市営地下鉄の路線であり、市営地下鉄を市域の外まで伸ばすのは難しいということで大阪市から外れる区間は別会社での運営となっているようです。
このようなパターンは東京メトロ東西線に対する東葉高速鉄道とか、東京メトロ南北線に対する埼玉高速鉄道などの例がありますね。

長らく千里中央駅が終点でしたが、2024年3月23日に箕面萱野駅までの2.5kmが延伸開業しました。
これも併せて乗っておこうというわけですね。


御堂筋線の案内図にももちろん延伸が反映されていました。


のりばへの案内にも「箕面萱野」の文字がありますね。


発車標の行先表示


車内の案内表示
御堂筋線については大阪市内の移動でも時々お世話になっていたのですが、北大阪急行については乗りつぶし目的で乗って以来で、それは2015年のことでしたから、なんと9年ぶりでした。


というわけで箕面萱野駅に到着です。
これにて北大阪急行延伸部も完乗です!
ちなみに、延伸開業に併せて駅名標のデザインもリニューアルされたそうですよ。


縦型


ホームは島式1面2線とシンプルな構造ですが、長らく終点だった千里中央駅もそうだったのでそれを踏襲した感じですかね。
都市部の通勤路線の終点はこういう構造も多いですし・・・


それではエスカレーターを下って外へ出てみます。


駅舎です。
「みのおキューズモール」という商業施設と直結しています。
この施設は2003年に開業していて、それから20年目に鉄道直結が実現したという変わった経緯があります。


駅前にはバスターミナルが整備されています。
箕面市内のフィーダー路線がメインですが、阪急箕面駅や彩都西駅、茨木市方面の路線もあるようです。
北大阪急行の延伸前は多くのバス路線が千里中央駅を発着しており、延伸開業により当駅発着に変更された路線も多いようです。

箕面市にとっては長らく阪急箕面線が唯一市内へ乗り入れる鉄道だったのが、北大阪急行もやってきて2路線目となったわけで、箕面線は大阪市中心部への直通がほとんどないのに対して、北大阪急行なら基本的に全列車が御堂筋線に直通して大阪市中心部へも直結なので、箕面市にとってはインパクトが大きいでしょうね。
阪急バスにとっては利用者を奪われるという側面もあるかもしれませんが、バス運転士不足が問題となる昨今では、むしろバスを助ける意味合いが強いかもしれません。


こちらがその阪急バスです。


帰りはモールの中を通り抜けて駅へ向かうとしましょう。


モールから一歩も外へ出ずに改札に行けました。
これは便利ですね。
大阪に住んでいたら普通に利用したいです。


そしてホームに戻ってきました。


待っていたのはポールスターⅡでした。
しかも「箕面四季彩もみじ号」という特別ラッピング車でした。
ちなみに、この車両は延伸開業により必要な車両数が増えることを見越して投入された形式であり、延伸区間の乗りつぶしで乗ることになるとは、なにか縁を感じさせられますね。

この電車で天王寺へ向かい、今度は近鉄編が始まります。


天王寺に着いたら「蓬莱」でお昼ご飯!


もちろん名物の「豚まん」も頂きました。

近鉄特急「さくらライナー」

ここからは近鉄の乗りつぶしとなります。
2日目・3日目も近鉄の乗りつぶしになるので、ここから先は近鉄尽くしとなりますw

ここで1つのミッションがありまして、それは近鉄が発売する「週末フリーパス」を購入することです。
フリーきっぷは乗りつぶしには欠かせないものですが、この「週末フリーパス」はちょっと変わっていて、まず「週末」といいつつも連続する3日間有効でして、金・土・日もしくは土・日・月の3日間使用できます。
土日休みに加えて金曜日か月曜日も休暇をとって3連休にして旅をする人にはありがたいですし、3日間使えて5000円という値段もコスパ最強です。
更に嬉しいのは特急券を追加で買えば特急にも乗っていいということであり、1日あたりで考えると青春18きっぷより安くて、それで特急もOKなんて近鉄は太っ腹ですね。

対象エリアは近鉄全線(ただし、葛城山ロープウェイは割引のみ)であり、ケーブルカーも含めて乗り放題です。
例えば大阪難波~近鉄名古屋間の運賃が2860円なので、有効期間中に1往復するだけで元が取れてしまうことになりますから、旅行だけでなくて用事や出張などで大阪~名古屋間などを移動する際にも活用したいきっぷですね。

ただし、唯一の欠点といいますか、この手のフリーきっぷにはありがちな条件ではあるのですが、使用開始日の当日購入はできません!
なので利用の前日までに購入しないといけないのですが、私のように沿線に住んでいない人には厳しい条件ですよね。
そんな声を受けてか、近鉄では「週末フリーパス」のインターネット通信販売をしており、ネット経由で申し込みをすると希望する日に利用開始となるきっぷを郵送で送ってもらえるサービスをしているようです。
こちらについては郵送の所要日数を考慮してか利用開始日の5日前の12時までの申込みが必要である他、送料520円がかかります。

で、私はどうしたかですが、遠征の計画が固まったのが結構ギリギリになってからであり、既にインターネット通信販売の申込期限を過ぎてしまっていました。
そして、行程としては使用開始日の朝に大阪に到着するので、現地で購入もできないことになります。
こうなったら初日は普通運賃で乗車して、2日目以降からフリーきっぷを使うことにしようかなとも思ったのですが、よくよく読んでみると近畿日本ツーリストなどの旅行会社でも取り扱っているらしく、ちょうど所用で出掛ける先に近畿日本ツーリストの店舗があったのでそこに行ってみることにしました。
旅行会社なので手数料を取られる可能性はありますが、インターネット通信販売でも送料はかかるわけですから、それでもありでしょう。
というわけで近畿日本ツーリストに行き、「近鉄の週末フリーパスを買いたい」と伝えるとあっけなく「かしこまりました」と返され、申込書への記入を求められたのですが、申込書には「週末フリーパス」という選択肢があったくらいで、この買い方は案外メジャーなのかもしれません。
しかも、手数料もとられず、フリーパスの金額である5000円だけ支払って終わりました。
近鉄グループの一員ということで手数料はとらない取り扱いになっているんですかね。
結果的にはインターネット通信販売で買うよりも安く買えたわけでよかったです。

ただし、旅行会社で発行したフリーパスは、厳密には「引換券」であり、それ自体が切符ではありません。
なので、利用開始前に近鉄の窓口へ行って実際に使用するきっぷと引き換える必要があります。
それを済ませたらいよいよ活動開始です。
それにしても、だったら当日でも買えるようにしてくれたらいいのにw

というわけで、「週末フリーパス」を入手したらいよいよ近鉄編が始まっていきます。

まずはここから乗車する南大阪線系統についての大雑把な解説ですが、南大阪線は大阪阿部野橋~橿原神宮前間を結ぶ路線で、通勤・通学路線であるとともに橿原神宮前駅で直結する吉野線に乗り入れて飛鳥・吉野などへの観光輸送も担う路線となっています。
南大阪線とそれに接続する吉野線・道明寺線・長野線・御所線は1067mmの狭軌となっていて、他の近鉄線が1435mmの標準軌であるのに対して、軌間が異なっており、橿原神宮前駅では橿原線とも接続しますが、軌間が異なるために直通は行われていません。
大阪市でのターミナル駅も大阪線・奈良線とは独立した大阪阿部野橋駅となっており、他路線とは独立した存在といえます。
そうなった経緯は、元々南大阪線系統の発祥は、河陽鉄道という私鉄が橿原駅と河内長野駅を結ぶ路線を建設したことであり、これが現在の道明寺線・長野線と南大阪線の一部になっています。
この時は柏原駅で関西本線に乗り入れて貨物輸送を行う目的があったため、国鉄と同じ1067mmの軌間を採用したというわけです。
その後、大阪鉄道が河陽鉄道を継承して大阪方面・橿原神宮前方面へと路線を伸ばしていったのですが、河陽鉄道の軌間を踏襲する形で南大阪線系統の路線網が出来上がっていったため、今でも他の近鉄線とは孤立した存在となっています。

他にも全体的に高速運転が出来る路線が多い近鉄線にあっては珍しく、南大阪線は古墳や山を避けて建設したためカーブが多く、最高速度は110km/hにとどまっています。

今回は特急で一気に乗り通してしまいますが、支線にあたる道明寺線・長野線は以前の活動で乗っており、御所線は後で引き返して乗りつぶしていきます。


というわけで大阪阿部野橋駅にやってきました。


発車標ですね。
いろんな列車が出ていますが、乗車するのは一番下に出ている特急吉野行きです。
今回は特急にも積極的に乗っていく方針となっていますが、一発目から特急課金ですw


一応ローマ字Ver.も


駅名標です。
普通のタイプは・・・撮り忘れましたw
まあ、前回訪問時には撮っているのでよし!w


列車を待つ間に撮り鉄です。


反対側から


↑発車は動画でどうぞ


↑そして、いよいよ私が乗る「さくらライナー」のお出ましです。


こちらが「さくらライナー」です。
形式名としては26000系といい、大阪線の特急「アーバンライナー」の21000系のデザインを踏襲しつつ、吉野への観光輸送を考慮したアレンジが加えられています。


さくらライナーのロゴ


「アーバンライナー」を踏襲しているということで、展望デッキももちろんあります。
ただし、これはデッキ部に設置されたフリースペースという扱いなので、自分の席に座りながら前面展望を楽しむことは出来ないんですよね。
こうすればより多くの人に前面展望を楽しむチャンスを公平に提供できるというメリットはあるでしょうが、前面展望動画を撮りたいとなると、フリースペースに居座る形になるので、ちょっと勇気がいるかも知れません。


そして客室です。
実は「デラックスカー」というJRでいうグリーン車的な車両に乗ります。
近鉄ってレギュラーシートとデラックスシートの価格差が低いのと、26000系については全車電動車であり、デラックスカーであってもモーター音が楽しめるのも決め手でした。


ちょっとぶれましたが座席です。


車内には桜があしらわれていました。

それでは乗車していきます。
このまま一気に南大阪線・吉野線を完乗しますが、生憎なことに外は土砂降りの雨が降っています。
この日の日程では唯一車窓を撮れそうな列車だっただけに残念ですが、別に廃止になるとかではないので、またの機会に期待するとしましょう。

定刻通り大阪阿部野橋駅を発車すると、尺土・高田市・橿原神宮前・飛鳥・壺阪山・吉野口・福神・下市口・六田・大和上市・吉野神宮・吉野と停車していき、全区間乗っても1時間18分と、小旅行感覚で乗れる列車ですね。
関東で言えば西武の特急「ちちぶ」みたいな感覚でしょうか。
車内は平日の日中である上、観光に出かけるにも遅い昼過ぎの列車ということで全体的に空いており、特にデラックスカーは私の他は1名しか乗っていませんでしたw

雨のせいで車窓をご紹介できないのが残念ですが、1つネタとして、途中で停車する飛鳥駅は大手私鉄の駅では唯一”村”に所在する駅となっており、それでいて特急停車駅なんですよね。
周辺には古墳がたくさんあるようですから、観光需要を見込んでの停車なんでしょうか。


そして、吉野駅に到着しました。
ここでは10分程度で折り返しなので、駆け足で駅を見たら折り返しとなります。


駅名標です。
近鉄としては終点ですが、吉野ロープウェイに乗り換えることができ、軌道系の乗り物で更に先まで行くことが出来ます。
まあ、今回は吉野ロープウェイには乗らないんですがw


ホームは櫛形3面4線であり、行楽シーズンの臨時列車も受け入れられる設備となっています。


終端部と駅舎内


改札口です。
改札機はICカード用簡易型のみで、紙の切符の人は駅員さんが直接集改札します。


改札を出ました。
昔ながらの駅の雰囲気を残していますね。


駅前です。
吉野ロープウェイの千本口駅までの通路に沿って土産物が点在していますが、雨のせいなのか観光客の姿はほとんどなく閑古鳥が鳴いていました。


特別御開帳の木札が出ていました。
吉野って桜の名所ということは知っていましたが、神社やお寺もたくさんあるようです。
なんだか高野山のような雰囲気もありますね。


駅舎も日本家屋的な見た目でした。


駅名の看板も渋い見た目でした。


あと、パタパタ(反転フラップ式案内表示機)が現役でした。

といったところで、吉野駅は以上で、今度は普通列車で橿原神宮前へ戻り南大阪線へと乗り継いでから御所線に乗り継いでいきます。


今度は普通列車ですが、さっきまで特急の快適な座席だったので落差が・・・w

御所線を乗りつぶす

ここからは御所線に乗っていくのですが、南大阪線の尺土駅から出るので、吉野線で橿原神宮前駅へ、更に南大阪線で尺土駅まで行ってからの乗り換えになります。
実は吉野口駅で吉野線を捨ててJR和歌山線で御所へ抜ければショートカットが出来るのですが、JRに乗ると別料金が必要になるのと、できるだけ近鉄に乗って移動したいので、遠回りを承知で近鉄だけで御所線を目指していきます。


橿原神宮前に到着です。
南大阪線と吉野線の境界にあたる駅であり、普通・急行列車などはほとんどは当駅で系統分断されていて、当駅を跨ぐ列車は特急が中心となっています。


ここは乗り換えだけですが、駅名標くらいは撮っておきましょう。
ちなみに、以前の活動で橿原線に乗って訪れているので、降りた事自体はあったりします。


そして、尺土に到着です。
ここはすぐに乗り換えなので駅名標だけ撮って乗り換えていきます。


御所線は2両編成のワンマンカーでした。

ここで御所線についてざっくり解説です。
御所線は尺土駅と近鉄御所駅を結ぶ全長5.2kmの路線で、南大阪線の支線という位置づけになっています。
運行形態としては尺土~近鉄御所間の線内完結運転が基本であり、朝夕には南大阪線に直通して古市駅まで乗り入れる列車や、準急として大阪阿部野橋駅まで乗り入れる列車も設定されており、大阪市内への通勤輸送も担っています。
御所市にはJR和歌山線も乗り入れていますが、こちらも基本は王寺までの運転で、土休日ダイヤのみ1日1本だけJR難波への直通運転が設定されている点は似ていますね。

更に近鉄御所駅からは葛城山ロープウェイの葛城登山口駅までバスが出ていて、観光路線という側面もあります。
ちなみに、葛城山ロープウェイも近鉄が運営していて、「週末フリーパス」のエリアにこそ入っていないものの、「週末フリーパス」を購入すると葛城山ロープウェイの半額券が付いてくるという特典があります。
ですが、ちょうどこの活動の時期はメンテナンスのため運休となっていたこともあり、今回は乗らないことになりました。
どのみちロープウェイはそこまで乗りつぶしにこだわっていないのと、駅から更にバスに乗り換えないといけないのもあって、たとえ運行中だったとしても乗ったかどうかは微妙ですねw

歴史としては大阪鉄道の傍系だった南和電気鉄道が開業させた路線であり、計画では御所から更に路線を伸ばし、五条、そして橋本まで伸ばす計画があったようです。
結局は実現せず、御所までの短い路線に終わりましたが、実現していたら和歌山線と全面的に競合する路線となっていましたね。
また、五条から新宮へ建設される予定だった五新線への直通の構想もあったらしいです。
もし五条への延伸や五新線への直通が実現していたら、近鉄特急が新宮へ乗り入れていたかもしれないと思うとロマンを感じます。


そんな歴史に思いを馳せつつ、あっという間に終点の近鉄御所までやってきました。
これにて御所線完乗です!
ところで、御所は「ごせ」と読みますが、難読地名ですよね。
また、御所市から水越峠を越えて行くと大阪府千早赤阪村へ抜けるのですが、千早赤阪村といえば、以前の活動で金剛バスに乗って訪れましたね。


縦型


名所案内がありました。
神社やお寺が多いのは奈良らしいなと思いましたが、葛城山ロープウェイは乗換案内ではなくて名所案内の中で触れているんですね。
バスに乗り換えないとたどり着けないからこの扱いなんでしょうか?


ホームは相対式2面2線となっています。
あまり終点っぽくない構造ですが、これは五条や橋本へ延伸する計画だったことから、当駅はあくまで途中駅として建設されたためだそうです。


終端部です。
ホームの先にも少し線路が伸びており、引き上げ線として使われているようですが、これも更に路線を伸ばそうとしていた計画の名残なんだとか。


ホームの端がそのまま改札口になっていました。


改札口です。
自動改札機が並ぶ姿は都会の駅っぽいですが、無人駅となっており、トラブル発生時は遠隔対応となるようです。


駅舎です。
やや古風な印象ですが、もしかして開業当初のものだったり?


よくある地元の標語などを掲げたオブジェ


そこへやってきたのはコミュニティバスでおなじみのポンチョでした。
御所市のコミュニティバスのようですね。

民営のバスとしては奈良交通が乗り入れており、葛城山ロープウェイへの路線や大和八木・大和高田・橿原神宮前までへのローカル路線などがあるのですが、その中でも特筆すべきは・・・


こちらはバス停なんですが・・・


この302番という系統番号って、実は日本最長の路線バスとして知られる八木新宮線の大和八木行きに付けられているものであり、つまりは新宮駅から延々と走ってくるバスなんですよね。
随分前に1度だけ乗っていますが、御所を通ることはすっかり忘れていましたw

それにしても、前回の乗車が2015年のことで、もう9年も経っていますが、また乗りに行きたいなぁ・・・
実は今回の遠征では4日目に乗る松阪熊野線の終点が熊野市であり、新宮とも近いことからセットで八木新宮線にも乗ろうかとか考えていたんですが、日程の都合で断念となりました。

あと、何気に新宿行きのバスもあったりしますが、こちらは夜行高速バス「やまと号」で、関東バスと奈良交通の共同運行路線となっています。


路線図ですが、八木新宮線だけ異様な長さになっていますねw


JR御所駅への乗換案内がされていました。
近鉄御所駅とは別駅ではありますが、徒歩5分ほどでアクセスでき、実質的に乗り換え駅として機能しているようです。


そしてホームへ戻ってきました。
列車がいなくなったところでもう1回ホーム全体を撮影しました。

それではあとは列車を待つのですが、何やら続々と学生さんが集まってきていました。
時間帯としてはちょうど学生の帰宅時間ですから、それ自体は何ら不思議ではないのですが、彼らの口から漏れ聞こえてきた言葉を聞いてその理由が分かりました。
というのは和歌山線が大雨のせいで運転見合わせとなっており、振替輸送で近鉄に流れてきているようだったのです。
確かに「さくらライナー」では車窓動画をボツにせざるを得ないほどの大雨でしたが、まさか運転見合わせまで発生するとは・・・
幸いにして近鉄線は今のところ平常通り運転しているようなので、この先の行程には影響なさそうなのがせめてもの救いです。


↑御所線の尺土行き電車がやってきました。
それにしても、この接近ブザーは独特ですねw

生駒線を乗りつぶす

それではこの電車で尺土へ引き返し、南大阪線・橿原線・奈良線と乗り継いで生駒へ向かい、生駒線の乗りつぶしへ向かいます。
こちらについては田原本から田原本線で生駒へショートカットすることも出来ますが、田原本線については過去に乗ったことがあったので、田原本線ではなく大和西大寺を回って行くことにしました。
生駒線のあとはホテルへ向かうだけなので、急ぐ理由もないですしね。


↑尺土駅では南大阪線に乗り換えます。

そして、橿原神宮前からは橿原線で大和西大寺へ向かいますが、ここは乗り換え時間がタイトだったため写真はありません。


大和西大寺に到着です。
ここからは近鉄奈良線に乗り換えですが、少し乗り換え時間があったので軽く撮影しました。
ここは奈良線だけでなく橿原線・京都線が交差するジャンクションとも言える駅であり、しかも立体交差を使わず全て平面交差で捌いているカオスな駅であり、配線マニアにもたまらない駅ですね。


縦型


↑そこへやってきたのは観光特急「あをによし」でした。
実車を見るのは初めてでしたので、思わぬ邂逅にテンションが上がりました。


外観だけでもインパクトありますね。
いつかは乗ってみたいものです。


↑奈良線の列車でした。
3形式混合というカオスな編成でしたw


後追いで写真も撮りました。


それにしても本当にカオスな配線ですw
一度しっかり観察したいですね。


橿原線へ向かう特急


↑それではこの電車で生駒へ向かいます。


生駒にやってきました。
ここはまだ奈良県ですが、大阪との結びつきが強い土地ですし、感覚的には大阪って感じがします。


生駒線は専用のホームが用意されており、奈良線・けいはんな線との乗り換えには上下移動が必要です。


こちらが生駒線の電車です。
御所線よりは長い4両編成ですが、ワンマン運転となっています。
やはり大阪に近いので、通勤・通学需要が多いのでしょうね。

ここで生駒線についての解説です。
生駒線は王寺~生駒間を結ぶ全長12.4kmの路線で、歴史としては信貴山朝護孫子寺への参詣路線として信貴生駒電気鉄道により建設されたのが端緒で、当初は王寺~山下(現在の信貴山下)間に建設され、山下~信貴山間には東信貴鋼索線というケーブルカーが接続していました。
その後生駒まで延伸され、更に枚方まで伸ばすことが構想され、枚方~私市間に枚方線を開業させました。
しかし、私市~生駒間は地形の険しさから建設が実現せず、更に枚方線は交野電気鉄道を経て京阪の路線となり、現在の京阪交野線となっています。
生駒~王寺間は近鉄の路線となり、現在に至ります。
東信貴鋼索線についても近鉄に引き継がれましたが、大阪線に接続する信貴線で西信貴鋼索線を経由して信貴山に至るルートが出来るとこちらの方が大阪からのアクセスが良かったことから、東信貴鋼索線は観光利用は減少し、ローカル輸送を細々とこなしていましたが、1983年に廃止され、生駒線から信貴山へのアクセスは奈良交通の路線バスに頼るようになりました。
信貴山下駅からもバスに乗り換えられるので、駅名は嘘をついてはいないのですが、信貴線にも信貴山口駅があるので、紛らわしいのは確かですね。

運行形態としては基本は全線を往復する列車で、奈良線などへの直通はありません。
本数はわずかですが生駒~東山間の区間列車もあるようです。

それでは乗車していきます。
全線乗ると25分ほどなので、御所線よりは乗りごたえがありましたね。
ちょうど帰宅時間帯ということで車内も混んでいましたし、車窓も特筆すべきようなものはなかったと思いますので、記事は終点の王寺までカットしますw


というわけで王寺に到着です。
JRでは来たことがありますし、田原本線の新王寺駅へも訪れたことがあるのですが、生駒線のホームへは初めて降り立つことになります。

乗換案内にはJR線と田原本線が出ていますが、田原本線については新王寺駅という別の駅扱いになっています。
しかし、徒歩圏内ではあるので乗り換えに入っているようですね。
また、田原本線は橿原線と接続する田原本側でも、橿原線と同じ田原本駅ではなくて、西田原本という別駅になっているため、他の路線とは直接接続していない孤立路線となっています。
とはいっても、新王寺駅も西田原本駅も他路線と徒歩連絡可能ですし、線路自体は橿原線と繋がっているので、孤立路線と言っていいのか微妙な感じではありますがw


ホームは頭端式1面2線とシンプルな構造です。


吊り下げ式の駅名標もありました。


周辺案内図


改札口です。
JR線や田原本線への乗り換えルートを案内するサインもありますね。


改札を出ました。
JRの改札と直結していて乗り換えは便利です。


前に王寺を訪れたときにも取り上げましたが、聖徳太子の愛犬「雪丸」のパネルがありました。
それでは生駒に戻ります。


生駒に戻ってけいはんな線の列車を撮りました。
けいはんな線については以前の活動で乗っているので、今回の遠征では乗りませんが、実はこの日の夜、沿線で土砂崩れが発生し、線路内にも土砂が流入した影響でけいはんな線は3日間にもわたって運転見合わせとなったのでした。
もしけいはんな線もこの活動で乗りつぶすことにしていたら、計画が破綻していたところでしたが、けいはんな線には乗らない予定だったので行程への影響は避けられました。

それでは奈良線で近鉄奈良へ向かってあとはホテルへ入ってゴールとなります。


近鉄奈良駅では鹿とせんとくんが出迎えてくれました。
登場初期はネタキャラ扱いだった気がしますが、今やすっかり奈良のイメージキャラクターとして定着しましたよね。


こっちは落ち着いた雰囲気のフォトスポットでした。

それではこの日の活動は終了ということで、あとはホテルへ向かいます。


夕飯に頂いたのは「天理スタミナラーメン」でした。
奈良に宿泊したことも何度かあったんですが、これは初めて頂きました。
豚肉と白菜のボリュームが凄まじく、名前の通りスタミナをもらえました。

というわけで1日目は以上となり、2日目以降は別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

ブログランキングに参加しています
鉄道コム にほんブログ村 鉄道ブログへ

つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
カテゴリー: 鉄道・バス活動関係 タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , パーマリンク

コメントを残す

このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。