四国の鉄道完全制覇の旅(2日目)

2泊3日で実施した四国遠征の2日目です。(平成時代の旅ですが、令和への持ち越しレポートになってしまいましたw)
なお、1日目をご覧になっていない方はそちらを先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程


2日目となる今日は昨晩宿をとった鳴門からスタートし、鳴門線を1往復(誤字じゃないですよ?w)してから徳島へ移動し、阿波川島、西麻植、祖谷口、佃、辻、坪尻といった駅を巡りながら琴平まで進み、最後は高松でゴールです。
鳴門から高松へ行くだけなら午前中で終わるような内容ですが、遠回りなルートを選択する上に、途中下車が多いため、夜までまるまる1日使う行程になっています。
目的としては、徳島線と土讃線阿波池田以北の普通列車での乗車(以前の旅では特急でしか乗っていない)と、秘境駅として名高い坪尻駅への訪問であり、それ以外の駅は乗り継ぎの都合で時間があくので暇つぶしという感じですね。

鳴門線を1往復

冒頭の説明でも書いたキーワードを再び見出しで持ってきたわけですが、鳴門からスタートするのに1往復ってどういうことだ?と首を傾げながら読まれた方もいらっしゃると思います。
これにはちゃんと理由がありまして、鳴門線には1日1本だけ、途中駅に一切停車しない列車が設定されており、それに乗りたいという理由から選んだ行程です。
その列車は種別こそ普通列車であるものの、鳴門→池谷間をノンストップで走破してしまいます。その後、各駅に停車する(本来の意味での)普通列車でも乗っておきたいから一旦鳴門へ引き返してまた徳島行きで徳島へ向かうため、鳴門からスタートするのに鳴門線を1往復することになったわけですw


というわけで、朝の鳴門駅にやってきました。
ここから2日目の行程が始まります。立派な駅前ロータリーですが、人影はまばらです。


こちらが駅舎です。徳島駅なんかと比べたら小ぢんまりとした感じですが、その辺のローカル駅と比べれば十分立派ですよね。


駅前には花時計がありました。


それでは内部に入りましょう。


待合室もすっからかんです。
早朝ですし、高校生たちもまだやってきていないのでしょうね。


改札ですが、早朝のためか駅員さんはおらず、18きっぷに日付を入れてもらいたかったのですが、仕方がないのでそのまま入場します。


ホームへ行くと昨晩乗車したのと同じ車両がそのまま停車していました。
これで今日もキハ40系に乗れることが確定です。


ホームへは構内踏切で移動しますが、この踏切は所定停止位置と車止めの間にあるため、オーバーランと言った異常事態でなければここに列車が来ることはないでしょう。


ちなみに、車止めはこんな感じで、すぐ先に建物があるためかしっかりした作りです。


ホームがこちらです。
1面2線のシンプルな構造です。


第九のアジア初演やら鳴門金時やら、ご当地ネタをPRしていました。


しかし、ホームの中心部分だけ屋根があるのは、結局駅舎との移動は濡れなきゃいけないというw


反対側はやっぱりたらこ色でした。


駅名標も撮っておきましょう。


ホームの端部分


それでは、池谷行きに乗り込みます。

というわけで、ここで恒例の解説ですが、鳴門線についてまず解説しましょう。
鳴門線は池谷駅と鳴門駅を結ぶ全長8.5kmの短い路線であり、運行形態としては大半の列車が高徳線に乗り入れて徳島駅まで直通されています。
徳島市と鳴門市を結び、都市間輸送や徳島市近郊の通勤・通学路線としても利用されていますが、国鉄時代には赤字83線の1つとされ、存廃問題に揺れた時期もありましたが、実際に特定地方交通線として廃止が検討されるまでの間に徳島市近郊の通勤路線として利用者を伸ばし、滑り込みセーフの形で廃止を免れた経緯があります。ただし、現在の利用者数は国鉄末期ならば特定地方交通線に指定される程度に減少しており、JR四国も近年ローカル線の廃止に言及するようになってきていますし、今後について安泰とも言えない状況ではあります。

また、鳴門市は大鳴門橋により淡路島に繋がっており、更に明石海峡大橋で本州にも繋がっているのですが、現在大鳴門橋・明石海峡大橋には鉄道は通っておらず高速道路のみで繋がっているため、徳島市と淡路島や本州との連絡は高速バスが独占状態であり、鳴門線はこの旺盛な需要に与れてはいないようです。
例えば、徳島市周辺の道路事情が悪くてバスだと時間がかかったり、渋滞で時間が読めないみたいな状況があれば、鳴門駅発着のバスを設定して鳴門線に乗り換えるルートが主流になるかもしれませんが、生憎そうはなっていないですしね。
実現可能性はかなり低いでしょうが、大鳴門橋・明石海峡大橋に鉄道も開通して鳴門線が徳島~淡路島~本州のルートに組み込まれれば一発逆転の大出世でローカル線から幹線へと成り上がることもできそうですが・・・

このように完全なローカル線であるため運行されているのは普通列車のみであり、優等列車は存在していませんが、かつて「鳴門きんときライナー」という快速が走ったことがあります。2006年に運行されたのですが、結局半年間のみの運行で終了し、定着はしませんでした。
が・・・今でも途中駅ノンストップの列車を鳴門線で体験することができます。しかも、平日ならば毎日です!
それが記事中では今乗っている列車ということになるのですが、あくまでも「普通列車」です。
鳴門駅を6時52分に発車するこの列車は鳴門線の途中駅を全て通過して、池谷駅に7時03分に到着するのですが、鳴門駅からの利用者の大半が目的地にしているであろう徳島駅へは直通せず池谷駅で終わってしまうという中途半端な列車であり、イマイチ利便性は高くないようにも思えます。
途中駅にも全て停車する純粋な意味での普通列車は17分ほどかかるこの区間を11分で走破するわけですから速達性は悪くないのに肝心の徳島駅へは乗り入れない謎な列車ですが、実を言うとこの列車自体はおまけであり、大事なのは折返し列車の方だったりします。
実はこの列車、池谷駅で5分折り返しで鳴門行きとなるのですが、これが鳴門線鳴門方面への始発列車になるんですね。この列車があるおかげで池谷駅から鳴門方面の始発列車は7時08分ですが、徳島駅からやってくる始発列車は7時51分発であり、鳴門から池谷へ行き再び折り返す列車があることで43分も始発が早くなっています。
以前はこの列車は存在せず、鳴門線沿線の高校へ通学する学生から始発を早くしてほしいという要望が出たそうなのですが、純粋に徳島方面からの列車を増やすとなると車両を増備しなければいけませんし、運転士や車掌といった乗務員も増やさなければならず、経営の厳しいJR四国にはそれは難しく、苦肉の策として鳴門駅に留置されている車両を徳島行きとして運行する前に池谷行きとして運行して、その折返し列車を始発とすることで車両や乗務員を増やすことなく増発を実現させてみせたという奇策だったわけです。
鳴門→池谷の列車が途中駅に停まらないのは所要時間を極限まで切り詰めることで本来の鳴門発徳島行きの時刻までに鳴門駅に引き返せるようにするためという理由があったのです。それなら種別も快速でいいんじゃないかとも思いますが、途中に通過駅がある普通列車なんてローカル線じゃ当たり前だし?いやいや、途中駅を全部通過する普通は流石に鳴門線くらいのものでしょうw

一般利用者としてはだから何だ程度の存在でしょうが、乗り鉄的にはネタ列車とも言えるわけですが、上述の経緯から明らかなように鳴門方面への始発列車の送り込みを兼ねた運用ですから、徳島方面からの始発で向かっても間に合わない列車なので、乗りたいならば鳴門駅周辺に宿泊するか、列車以外の手段で朝一に鳴門駅にたどり着く必要があるため、乗車のハードルは高めの列車とも言えます。

さて、それではそろそろ発車ですが、気になったのは途中停車駅を全てすっ飛ばすという大胆な設定ながら、アナウンスではそのことをあまり強調して案内してはいなかったことです。
こんな早朝から乗ってくるのはほぼ地元民か、ごく少数の鉄道マニアくらいなものだからあえて言わなくても大丈夫だろうってことなんですかねw

駅を通過する瞬間の車窓を動画で撮ろうかなんて思っていましたが、ローカル線の小駅では通過も一瞬ですし、たまたまホームと反対側の方に座ってしまったので撮れず・・・というオチがついたらあっという間に池谷駅でした。


池谷駅に到着です。


5分後には鳴門行きとして折り返しますが、幕はとっくに鳴門行きに変わっていました。
ところで、単に鳴門線完乗だけを考えるならば、このまま高徳線に乗り換えて徳島へ向かってもよかったのですが、鳴門→池谷で各駅に停まる普通列車にも乗っておきたかったので改めて1往復ですw


5分しか滞在できないのでまともな取材はできませんが、せめて駅名標くらいは・・・


縦型も
鳴門線と高徳線それぞれの駅ナンバリングが書かれていますね。


国鉄チックな乗換案内


ホームから見えたので駅舎もご紹介
これは時間を取ってじっくり観察したい駅舎ですが、またの機会ということで。

それでは折返しとなります。
やっぱり車内は高校生が多いですが、3両もつないでいるおかげか、まばらに乗っているくらいなので全然混んでいる感じではありません。
どのみち、昨晩も乗っている区間なので車種も区間もかぶっていて改めて録音する必要もないといえばなかったのですが、せっかく静かな環境だったので収録しました。


今度は各駅に停まるということで途中駅についても触れておきましょう。
教会前という駅があるのですが、何の教会かといえば鉄道界隈では「天理臨」としてその名を知られる天理教の撫養大教会が近くにあります。
開業当時は「天理教前」というよりストレートな名前でしたが、開業から2年後には現在の名前に改称されており、理由は分かりませんが固有名詞を外されています。
元々鳴門線は阿波電気軌道という私鉄によって開業していて、教会前駅も阿波電気軌道時代から存在しているので、国有化に合わせて国有鉄道の駅名として特定の宗教の名前を使うのは相応しくないという判断があったのかも?という気はしますが、改名は国有化の7年も前の話なのでやっぱり関係ないのかなぁ
あり得るとしたら開業時から国による買収を念頭に置いていて、国有化の障害になりそうな名前を早い段階で改称しておいたということでしょうか。


それからもう1つ。
金比羅前駅というのがあるんですが、土讃線にある琴平駅を連想させる名前ですよね。
琴平駅近くには金刀比羅宮というのがあり、こちらは通称「こんぴらさん」と呼ばれるので当駅の名前だけ聞いたら普通に香川県の琴平町にある駅だと思ってしまいますが、同じ四国でも徳島県にあるんですねぇ。
由来は駅前にある「金比羅神社」ですが、先程紹介した教会前駅の隣りにあるので、宗教関係の名前の駅が2つ連続しているという意味でもネタですね。

途中駅の紹介をしたら鳴門駅に戻ってきて、再び5分折り返しで徳島へ向かいますが、今度は写真もありません。
今回の遠征では最後のキハ40系に乗る区間ですが、あっけなく終わってしまい徳島へ向かいます。
というわけで、鳴門線編は以上!

駅を巡りつつ阿波路を往く

徳島についたら徳島線に乗り換えて西へ向かいますが、接続が微妙なので2駅ほど立ち寄りながらの移動です。
まあ、乗ってばっかりの旅も飽きてしまうこともあるので、途中下車をしながらの旅も悪くないでしょう。


↑徳島駅から引き上げるキハ40系


側線にはキハ40系がいっぱい!


JR四国最新鋭の特急型気動車の2600系
現在「うずしお」の一部に充当されていますが、撮影こそしたことあれど、乗ったことはありません。
次回四国に来たら乗りたいですね。


現在の「うずしお」の主力N2000系
昨日も乗りましたね。


乗り換え待ちの間に朝食をとるべく駅前に出たのでついでに撮りバス
ピンク色が目立つ塗装ですが、徳島バスのようです。
なお、ここまで18きっぷに日付を入れてもらう機会がなく徳島駅の改札でようやくいれてもらったわけですが、このあたりは無人駅が多いためか特に何の疑問も持たれずに普通に対応してくれました。


腹ごしらえを済ませてエネルギー補給できたら旅の続きです。
朝ラッシュ対応なのか3両編成が入線していましたがこれは乗る列車ではないようです。


こちらが乗車する列車です。
1500系の単行列車のようです。


実を言うと終点の阿波池田までは行ってくれない、阿波川島行きの区間列車なんですよね。
阿波池田まで行ける列車を待つとかなり時間が開いてしまうので途中駅を取材しつつ暇をつぶすわけです。


のどかな景色を見つつ阿波川島まで向かいます。

阿波川島駅

徳島線の途中下車1駅目、阿波川島駅です。


列車はこのまま徳島行きとして折り返すわけですが、その折返し列車に乗るしかないのでそれを待つ間に取材を敢行です。


まずは恒例の駅名標から
旧国名部分が小さく書かれているのが特徴ですかね。


縦型


ホームは国鉄時代の名残か長い有効長となっていますが、現在は精々2~3両編成の列車が来るくらいでしょうし、持て余している感がありますね。


ホーム中央部は嵩上げもされていて、必要な部分にだけ必要最小限の投資をしたって感じですw
ホーム自体は2面3線と典型的な国鉄型配線となっています。


ホームからも駅舎が見えます。


これまた昭和レトロな乗り場案内です。
しかし、阿波池田の阿波が何故かひらがなというw


JR四国の駅では通過列車の時刻を掲示してくれる(ある意味?)ありがたいサービスがあるのですが、当駅については片道1本の特急「剣山」が通過する以外は全て停車となっており、徳島線内では主要駅とカウントしていい待遇ですね。


跨線橋から俯瞰した構内


ローカル駅の定番アイテム、集札箱


今では完全な無人駅となっており窓口もありませんが、待合室はしっかりしています。


ところで、待合室の隣にあるこのスペースが気になったんですが、ローカル駅のみどりの窓口にしては立派すぎますし、JR四国の旅行会社「ワープ」の支店でも入居していたとかでしょうか。


こんな小さな駅に必要かなと言う気もしますが乗り場案内がありました。
フォントが国鉄っぽさを醸し出していますが、跨線橋のことを陸橋というセンスもまた時代を感じますw


券売機はありますが、食券を売ってそうな簡易型です。


駅舎です。
見た目からは分かりづらいですが、木造駅舎らしいです。


観光案内図がありました。
ただ、「川島町」となっていますが、川島町は現在市町村合併により吉野川市の一部になっているので合併以前のものがそのまま使われているっぽいですね。


田舎アイテムの白ポストも見つけたらそろそろ駅へ戻ります。


ホームで待っているとキハ185系の「剣山」が入ってきました。
これに乗っていけば早く阿波池田へ抜けられますが、18キッパーの宿命で見送りますw


↑すると対向の「剣山」もやってきて特急同士のすれ違いに遭遇しました。


↑続いて発車シーンもどうぞ


それでは18キッパーらしく普通列車で移動です。
が・・・しばらく阿波池田方面への普通列車はないので、一旦徳島方面へ1駅戻る形でお隣の西麻植駅へ向かいます。

西麻植駅

徳島線での途中下車2駅目は西麻植駅です。


何気に難読駅名だと思いますが、「にしおえ」と読みます。


縦型


ホームは1面1線の棒線駅です。
もちろん特急は通過です。


駅の隣にはソーラーパネルがありました。
使われなくなった農地をソーラー発電に転用したってところでしょうか。


ここにも駅舎に今は使われていないっぽいスペースがありました。
有人時代には事務所だったんですかね。
なお、現在は言わずもがなですが無人駅です。


無人駅ということで改札はありませんが、ここが出入り口です。


集札箱


待合室はちゃんとしていますね。


木製のベンチもありましたが・・・


地元産木材の宣伝も兼ねているようですね。


駅の入口部分


そして、駅舎です。
塗装のおかげで分かりづらいですが、阿波川島駅同様に木造駅舎です。


駅前通りとなるわけですが・・・狭いですねw


一見、どこにでもあるカーブミラーですが・・・


お遍路さん向けなのか、お寺の案内が書いてありました。
さすがは四国・・・


あと、当駅周辺のネタとして「江川湧水源」というのがあり、夏よりも冬のほうが温かい水が湧き出す謎の現象が生じる場所として知られ、天然記念物や名水百選にも選ばれているようですよ。


それでは、普通列車で一気に徳島線を抜けて阿波池田へ向かいましょう。

阿波池田へ向かう

2駅の途中下車を終えてあとは一気に阿波池田へ抜けます。
ここに来てようやく・・・という感もありますが、ここで徳島線について解説を入れておきましょう。
徳島線は佃駅と佐古駅を結ぶ全長67.5kmの地方交通線ですが、土讃線の佃~阿波池田間、及び高徳線の佐古~徳島間は徳島線の列車も乗り入れており、運行形態としては徳島~阿波池田間の路線と言えます。
地方ローカル線としての色が濃い路線ではありますが、特急「剣山」の運行ルートとなっており、徳島市と土讃線を短絡する役割もあり、都市間輸送も担っています。
なお、国鉄時代は徳島本線と名乗っており、地方交通線ながら”本線”だったのですが、JR四国発足直後に徳島線と改称されています。
これは、徳島線が”本線”を名乗るような路線ではないから・・・という理由ではなく、JR四国自体が○○本線という呼称を使わない方針だったからであり、予讃本線→予讃線、高徳本線→高徳線といった具合にJR四国管内の路線はその路線の重要性や利用者数の多い少ないに限らず○○本線と名乗る路線は存在しません。

歴史についても触れると、1899年に徳島鉄道という私鉄によって開業したのが起源であり、徐々に延伸しながら国有化されるなどの経緯を経て、現在は土讃線となっている三縄駅まで開業したのが1931年のことでした。
佃~三縄間は土讃線へと編入されて、徳島線としては佐古~佃間のみとなりますが、これにて現在の路線が完成しました。
今でこそローカル色が濃いですが、かつて存在した小松島線へ直通して小松島港を発着する航路に接続することで高知県と関西地方を結ぶ役割も担った時代もあったようです。
今なら瀬戸大橋がありますから、鉄道で高知と関西を行き来するならば「南風」で岡山へ出て新幹線に乗り換えるルートか、飛行機でひとっ飛びかのどちらかでしょうし、そのルートの一部だった小松島線は路線自体が廃止されているなど、今やその目的で徳島線を利用する人はいなさそうですが、特急が走っているだけでもローカル線としては恵まれている方ですかね。
それでは旅のレポートに戻りましょう。


こちら、阿波川島駅の1つ隣にある学駅という駅ですが、ちょっと有名な駅だったりします。
というのは、当駅の入場券が受験生の間で合格祈願の縁起物として人気という理由であり、入場券の券面に「入 学」と記載されこれが入学と読めるのが理由らしいです。
JR四国としてもプッシュしており、受験シーズンには普段は無人の学駅に係員を配置して入場券を発売するなどしており、学駅以外のJR四国の主要な駅でも扱っていたりするようです。
また、入場券5枚組のセットは「ご入学」ということで特に縁起物らしく買うと合格祈願のお守りがついてくるらしいです。
身近に受験生がいる人はプレゼントしてみては?
そうそう、気になる駅名の由来ですが、普通に駅の所在地が”学”っていう地名みたいです。


しばらくして車窓には川が広がります。
徳島線の愛称「よしの川ブルーライン」の由来にもなっている吉野川です。


渡河地点も絵になります。


貞光という駅ですが、変わったオブジェが気になったのでご紹介します。
「巨樹王国」とありますが、森林の豊かな街というアピールなんですかね。


なおも吉野川沿いに進みます。


道路との絡み


桜が綺麗でした。


乗ってるだけでも十分景色を堪能できますね。


もうすぐ佃駅という頃に遠目に見えたこれですが、「箸蔵山ロープウェイ」というロープウェイです。
土讃線の箸蔵駅と山上にある箸蔵寺を結んでいて参拝者向けのロープウェイとなっています。
元々はケーブルカーだったようですが、戦時下に不要不急線として廃止された後、ロープウェイとして復活した経緯があるんだとか。
私の場合、ロープウェイやケーブルカーは基本的に乗りつぶしの対象にはしていませんが、箸蔵駅を訪れる機会があったら乗ってみてもよさそうです。


阿波池田に到着です。
ここからは土讃線に乗り換えとなります。主目的は坪尻駅ですが、琴平方面の列車がしばらくないので、一旦逆方向の高知方面にある祖谷口駅に向かいます。


徳島線も土讃線も1000系だったので並べてみました。


土讃線に変わっても引き続き吉野川沿いに進みます。


最新の土木技術を駆使して作られたような橋ですが、徳島自動車道の橋です。
土讃線もあれくらい高規格で作られていたら智頭急行線みたいな感じになっていたかもしれませんが、逆にそうなっていたら車窓はあまり楽しめなかったでしょうし、どっちがいいのやらという感じです。


やっぱり橋はこういう方が萌えますよね。


吉野川の美しい車窓を堪能していたらもう祖谷口駅に到着です。

祖谷口駅

土讃線での途中下車・・・もとい立ち寄り下車1駅目、祖谷口駅です。


↑まずは乗ってきた列車を見送ります。


これも地味に難読駅名ですが、有名な観光地の「祖谷渓」と同じ表記&読みですから、こちらを知っていれば読めますね。
なお、もちろんその「祖谷渓」の入口となるから「祖谷口駅」なのですが、現在は道路整備が進んだ結果、公共交通機関で祖谷渓やかずら橋を目指すならば阿波池田駅か大歩危駅からバスに乗り換えるルートが主流となっており、駅名に反して当駅からのアクセスは主流ではありません。(一応当駅でも祖谷渓の方へ向かうバスに乗り換えできるようですけどね)


縦型も


列車が走り去って静寂に包まれる駅のホームに立つのは駅巡りの醍醐味を感じます。


1面1線のシンプルな棒線駅ですが、ホームはカーブの途中にあるため、ホーム自体も曲がっています。


ホームからでも既にいい景色です。
時間つぶしに訪れた駅でしたが、来てよかったです。


名所案内もありましたが、風化しちゃったのかとっても読みづらいw
内容はもはや予想通りですが、祖谷渓に関してです。


ホーム中央部は屋根がついていて雨の日でも濡れずに列車を待てるよう配慮されていました。


気になったのは、その脇にギリギリ1人が立てるかなというスペースしかない屋根があったこと。
これ意味あるのかな?w


駅周辺はちょっとした集落になっていました。
駅は高台にあるので周囲がよく見渡せます。


なんか気になる橋も見えました。
あとで行ってみましょう。


ホーム端の部分は柵が途切れていてしかも明瞭に踏み跡があって道みたいになっていますが、正式な出入り口ではなさそうです。
まあ、地元の方なんかは普通にここから出入りしてそうですけどねw
無人駅なので改札とかもありませんし。


↑ここで「南風」が通過です。


で、正式な出入り口はこちらです。


駅の規模からすると立派な階段ですが、かつては祖谷渓を訪れる観光客で賑わった時代もあるんですかね。


駅舎はないので看板だけが駅の存在を主張しています。


駅前にはログハウス風の小屋がありますが、これは駅舎ではありません。


あくまで待合所です。
元々この位置に駅舎があったらしいのですが、JR転換後に解体され、その跡に地元住民の要望によりこの待合所が設置されたんだとか。


中はこんな感じ
くどいようですが、あくまでも駅舎ではなくて待合所なので、時刻表や運賃表と言った掲示物はありませんが、列車を待つのには十分な環境で居心地は悪くなさそうです。


意外だったのが室内の照明がまさかの手動式スイッチw
そんなに利用者いないのに一晩中つけっぱなしはもったいないのは分かりますが、それならセンサー式とかでいいのでは?
ほぼ地元住民しか使わないからこそ利用者を信用するスタンスなんですかね。


テーブルだと思っていたこれ、吸い殻がいくつも放置されているのを見るに灰皿なんですかね。
こういう公共スペースって今どきは大抵禁煙だと思いますが、ここは地方ならではの緩さなんでしょうか。


駅前は駐車場になっているみたいですね。


それではさっきホームから見えて気になった橋を渡りに・・・ってあれ?


まさかの通行止めw
特に理由は書かれていませんが、工事などで一時的なものなのか、老朽化で安全を確保できないための永久的な措置なのか・・・
隣の説明書きによれば当駅は住民の請願により設置され、その条件としてこの橋が掛けられたようですから、祖谷口駅と関わりの深い橋のようですが、渡れないのは残念・・・・


どこぞのオブローダーみたくワルニャンする度胸はありませんので柵の隙間から写真だけ撮って渡った気分だけ味わいますw


少しずれた位置から橋の全体像を眺めます。


国道沿いから駅を眺めますが、結構高低差があるんですね。


もはや駅は関係ありませんが、おにぎりを絡めて道路風景を・・・


国道から川を眺めます。対岸にも集落があるんですね。


歩行者なんてめったにいなさそうな立地ですがちゃんと歩道完備でした。
ただ、河川敷にせり出すように設置されているので、高所恐怖症の人は下を覗き込まないほうがいいと思いますが・・・


なんか下へ通じる通路みたいなものがありました。
特に封鎖もされていないようですが、河川敷へ降りるためのものなんでしょうか。


お地蔵様とバス停


ここからはかずら橋方面へもバスが出ており、祖谷口駅の名前の通り祖谷渓観光でも使えなくはないですが、土讃線の普通列車の本数を考えると特急が停まる阿波池田か大歩危からバスに乗る方が絶対便利ですよね。


さっき見た橋とは対極的な真新しい橋が出てきました。


その先にあったのがこちらの建物


看板を見れば一目瞭然ですが、お蕎麦屋さんです。
うどん文化の四国にあってそばをメインに売り出しているのは珍しい気もしますが、ちょうどお昼時ですし頂いていきましょう。


注文したのは山菜そば
素朴な味でしたが、美味しく頂きました。


国道上にも駅の案内があるのも確認したら駅へ戻ります。

阿波池田駅にて

祖谷口駅から土讃線の列車に乗り阿波池田駅に戻りました。
列車は多度津行きでそのまま坪尻駅まで行ってくれますが、阿波池田駅で停車時間があったのでその間にホームへ降りました。


さっき乗り換えたときにも貼った気がしますがもはや恒例なので駅名標を


以前訪れている駅なので細かくはご紹介しませんが、3面5線のホームを持っており、ちょっとしたターミナル駅の様相です。


訪れたことがあるのにわざわざ駅前にまで出たのは、前回は夜の訪問で明るい時の駅舎の写真がなかったからですw


駅前にはこんなアーケード街があります。
夜に来るとネオンサインが眩しかったですが、昼だと普通ですねw


明るい駅舎の写真を撮るという目的も達したので再び土讃線に乗って坪尻駅へ向かいます。

四国一の秘境駅 坪尻駅

いよいよ今日の行程の目玉とも言える坪尻駅に訪問です。


やってきました!著名な駅だけに私以外にも訪問者がいるかなと思ったのですが、今回降りたのは私だけで、次の列車がやってくるまで坪尻駅を独り占めできそうです。


↑まずは乗ってきた列車を見送ります。
が・・・坪尻駅はちょっと変わった構造をしているのでここで面白いものが見られます。
坪尻駅はいわゆるスイッチバック構造なので多度津方面の普通列車は一旦阿波池田方面へ進み、引き上げ線に入ってから進行方向を変えてから多度津方面へ進んでいきます。


↑引き上げ線から多度津方面へ発車していきます。

せっかくなのでここでこのスイッチバックについて解説を入れてから駅レポートに入っていきます。
スイッチバックと言うと、線路そのものが行き止まりになっていて、必ず列車は停車して進行方向を変えなければならないものを連想しがちですが、坪尻駅についてはやや変則的なスイッチバックになっていて、図で示すと以下のようになります。


このように、直線的な本線にホームへ繋がる側線と引き上げ線が追加されたような構造になっており、スイッチバックをするのは坪尻駅に停車する列車のみとなり、通過列車はそのまま本線を通過していきます。
これだけを見ると面倒なスイッチバックなんてしなくても、本線上にホームを設置すれば普通の棒線駅にできそうなんて思えますが、実物を見ると意味がわかってくると思います。


列車が去ったホームから引き上げ線を見ます。
本当に変わった構造の駅ですよね。


駅名標と絡めていかにも坪尻駅に行ってきましたっていう感じで撮影


駅名標単独で
スイッチバック駅だと片方にだけ隣駅を載せて反対側は行き止まりみたいに表現する場合がありますが、ここは普通に両隣に載せていますね。


秘境駅の雰囲気にぴったりな佇まいの駅舎


なんか変わったロゴがありましたが、これは「四国まんなか千年ものがたり」という観光列車のものであり、当駅にも(運転停車扱いですが)停車するので設置されているのでしょうね。
こういう秘境駅はあるがままの姿でいてほしい本音があるので、こういう観光客に媚びるような演出は萎えるというのもありますが、過度に雰囲気を壊すレベルではないのでこれくらいはありですかね。


こんな秘境駅でもかつては職員が詰めていた時代もあったのか、事務所の跡のようなスペースがありました。


ベンチがあったのですが、真ん中が沈み込んでいて欠陥品?


と思ったら「らぶらぶベンチ」らしいです。
カップルで座ると強制的に中央部に滑っていって密着状態になるリア充専用ベンチだったようです。ていうか、カップルで秘境駅を訪れる人っているんですかねw
せっかくなので座ってみましたけど・・・一人で座ってもただただ座りにくいだけのベンチでしたw
そういえば、江川崎駅にも同じものがありましたね。


こちらが駅待合室へのドアです。
使われていない方と違って現代的なアルミサッシに変わっていますね。


こんなところに縦型がありました。


かなり錆びれていますが集札箱がありました。
当駅を訪れるような人は18きっぷなどのフリーきっぷの割合が高そうですし、実際にここに切符を入れられる機会は少なそうです。


なんか恐ろしい注意書きが・・・
季節的にまだ大丈夫でしょうが、訪問時期によっては警戒したほうがよさそうです。
まあ、それだけ山奥にあることの傍証でもあり、秘境駅らしいといえばらしいですけどね。


記念撮影用のオブジェでしょうか?


ホームの様子ですが、並行する本線とは明らかに高低差があるのがお分かりでしょうか?
実は本線は坪尻駅構内でも勾配があるのですが、ホームがある側線部分は平坦となっていて、かつて機関車牽引の列車が走っていた時代は自動車風にいうところの坂道発進が苦手だったため駅などの停車場は極力平坦に作らなければならないという規則が存在し、勾配上に駅を設けたい場合はこの坪尻駅のように列車が停まるための平坦な線路と通過するための本線を別々に設ける構造が採用される例がいくつかありました。
現在は列車の性能も上がり、そもそも機関車牽引の列車自体が電車や気動車へ置き換えられて姿を消していくと、スイッチバックの手間を考えて本線上にホームを移設するなどしてスイッチバック構造を廃止してしまうこともあって、現在では希少な構造となっているのですが、坪尻駅の場合、停車する普通列車の本数が少なく、スイッチバックの手間とホームを移設する工事のコストを考えると現状維持でも問題ないということで落ち着いて残っているのかもしれませんね。


待合室の内部は案外普通でしたが、著名な駅なためか掲示物の数がすごいです。


他の駅同様に通過列車の時刻を掲示しているのかと思ったら「10分以上停車する普通列車」の掲示でした。
10分あればその間に簡単に駅を見て回ることはできそうですが、ここに掲示しても既に坪尻駅にやってきている利用者しか見られないわけで、誰得?と思ってしまいましたw


こちらは普通の時刻表です。
土讃線自体が普通列車の本数が少ない上に、坪尻駅については普通列車でも通過するものもあるため、ご覧のように本数は非常に少ないです。
そのため、訪問する計画をたてる場合は列車の組み合わせがかなり限られるわけですが、私もこのあと多度津方面の列車を待つと3時間も開いてしまうため、一旦阿波池田方面へ引き返して他の数駅を訪問してから多度津方面へ抜けるという行程にしています。
そうすると1時間程度とじっくり駅を見学しつつ暇を持て余さないちょうどいい滞在時間となりました。


無人駅ながら駅スタンプも完備されています。
チェーンでがっちり固定されてやけに厳重だなと思いましたが、そうえいば坪尻駅のスタンプで事件がありましたね・・・


実を言うと過去にスタンプが盗難にあって行方不明になる事件があって、現在のスタンプは改めて作り直されたものらしいですが、それならチェーンで固定という処置も納得ですね。
しかし、こんな秘境駅でさえ心無いファンの悪行の餌食になってしまうとは・・・世知辛い世の中ですね。


明らかに見覚えがあるレイアウトの文書でしたが、よく見れば「Yahoo!ニュース」の記事を印刷したもののようです。
これだけニュースになって騒がれるんだぞって、盗みを働こうという輩への忠告も兼ねているんですかね。


更にもう1つ、スタンプ関係の掲示物がありました。
実はスタンプの盗難は1度だけではなく、2度発生しており、1度目は2010年2月のことであり、このときは2ヶ月後に青森県にある津軽線の中沢駅で発見されるという形で戻ってきました。
四国から青森への長旅の末帰ってきたスタンプということで、これが逃げ出して行方不明のペットが長旅の末帰ってきたとかなら美談ですが、スタンプに足が生えているわけもない以上、人為的なものでしかありえず、現実的に解釈するならば、何者かがスタンプを盗んだはいいが、予想外に大きく報じられて転売なども困難になり、なるべく足がつかないように四国とは遠く離れた駅に放置したという感じでしょうか。
盗品をずっと手元においておくリスクを避けるだけならばそのへんに廃棄する手もあった中で、あえて駅に放置するという手段をとったのは身元はバレたくないがなんとかして元の場所へ返したいという意図を感じなくもないですが、そもそも盗む行為自体がマナー云々以前に完全に犯罪ですから絶対にやめましょう。


あと、駅ノートももちろん完備です。
やはり遠方から来たという書き込みも多く、坪尻駅の知名度や人気の高さが伺えました。


駅ノートが置いてある棚の下には滞在中の暇つぶしのためなのかいくらかの本や防虫スプレーも置いてくれていて親切ですね。
私は撮影で忙しいですし、まだ虫が飛び交う時期には少し早かったのでお世話にはなりませんでしたけどね。


蚊取り線香までありました!
寒い時期には使い捨てカイロまで置いてくれているようで、どれだけ献身的なんでしょうか・・・
地元の方かファン有志で設置してくれているのでしょうが、坪尻駅って愛されていますね。


いわゆる駅寝をする人もいるのか、こんな注意書きも・・・
待合室に宿を取ること自体は違法行為とまでは言えない部分もあってグレーでしょうが、流石にテントまで張るのはまずいですよね。


代行輸送時の乗り場の案内がありましたが、徒歩20分を要するようですw
秘境駅と呼ばれることのある駅の中でも、雰囲気は秘境感があっても実際には少し歩けば国道へ出られたりしてアクセス自体はそんなに難しくない駅というのも珍しくないですが、坪尻駅の場合は山道を20分歩かないと国道へ出られないためガチ秘境駅ですね。
ちなみに、国道には路線バスが通っていて駅から国道へ出る辺りに駅と同名の「坪尻」というバス停があるので、列車の接続が悪い場合でもうまく利用すれば箸蔵や阿波池田へ抜けるエスケープルートとして活用できる可能性があります。
坪尻駅訪問を計画していて列車だけだとうまくつながらないという方は山道を徒歩20分という代償はありますが、検討してみてはいかがでしょうか?


その他にも掲示が沢山でしたが、キリがないのでまとめてご紹介しちゃいますね。


こちらが駅舎です。
ロケーションだけでも魅力的ですが、味わいのある木造駅舎がそのまま残っているのも多くのファンを惹き付けているんでしょうね。


ただ、この看板だけ妙に新しくてちょっと浮いている印象でしたがw


駅前は舗装こそされていませんがちょっとした広場になっていました。
自動車でアクセスできる道路がないので駐車場としての需要はないですし、今ではただただスペースを持て余している感じです。
坪尻駅がある場所は元々川底だった場所を「川廻し」という人工的に水路トンネルを掘って川の経路を変える土木工事によって平地にした場所にあるそうですが、川底だったから平地がまとまって存在してやたら広い駅前広場という形で名残を残しているのかもしれませんね。


駅の近くには踏切があります。この踏切を渡った先が国道へ通じる道となっていますが、こんな場所でさえちゃんと踏切として扱っているのは律儀ですよね。


ここにも通過列車の時刻を掲示していました。
他の駅だったら撮影者ぐらいしか恩恵がないでしょうが、ここだと特急が高速で通過していく上に駅前後の見通しも悪いので、警報器もない条件では通過列車の時刻を把握できるのは大きいですし、実用上も意義のある掲示ですね。


まだまだ時間もありますし渡ってみます。
遮断器が降りっぱなしになっていますが、これは前後方向には動く状態で設置されているのでテーマパークにある入場ゲートみたいな感じで体で押しのければ普通に通行できます。


渡りきりました。
それにしても、ここは警報器もないのでいつ列車が来るかわからないという点でちょっとスリルのある通行体験でしたw


渡りきった先はこんな道になっています。
踏み跡はそれなりに明瞭なので、まだ道として認識できるレベルではありますが、精々獣道という呼び方が妥当ですね。


その道へ入ると廃屋が出てきます。
Wikipedia情報では昔駅前に雑貨店があったとのことなので、その跡でしょうか。
しかし、今ではほぼ鉄道ファンしか訪れないような駅になっていますが、昔は駅前で商売が成立するほどには利用者がいた時代もあったということなんですかね。


あと、朽ち果てたバイクも放置されていました。
十中八九不法投棄されたんだと思いますが、ここへ繋がる道路はあの獣道しかないはずなので、あの道を通ってここまで運ばれたんでしょうか。

このままバス停まで行ってみようかとも思いましたが、あの獣道をこれ以上辿るのはちょっと・・・となってしまったのでここで引き返します。


踏切のところで分岐点があって別の道っぽい場所もあったので見える範囲だけ探索してみました。
こちらにも若干の踏み跡が見受けられますが、Wikipediaによれば国道へ通じる道以外に市道へ通じる道もあるらしいので、これがそれでしょうか。
ただ、「マムシ注意」の看板に怖気づいてしまい、これ以上深追いはしませんでしたw
マムシに噛まれるだけでも嫌なのに、こんな救急車すら入ってこられなそうな場所で噛まれたら、普通なら助かる命でさえお陀仏になりそうですしね・・・


でも、この道からだと駅舎の全体像がよく見えました。


少し引いてホームの全体像を。
それではホームへ戻ります。


一瞬マムシかと思ってギョッとしましたが、ヤモリのようです。
ホームでマムシが見られるとは本当に秘境駅の名に恥じませんねw


↑ここで特急の通過をまとめてご紹介します。まずは下り列車から


↑続いて上り列車

あとは大人しく普通列車が私を迎えに来てくれるのを待ちます。


↑やってきました!
しかし、まずは引き上げ線へ入るのでしばらく待ちます。


引き上げ線に停車中


18きっぷのポスターにありそうな構図にしてみました。


↑いよいよホームへ入ってきます。
なお、ホームへ入ってきても運転士さんが阿波池田方面の運転台へ移動するまでドアを開けてはくれないのでちょっと待ちぼうけになりますw


坪尻駅の余韻に浸るかのように車窓を眺めつつ次の駅へ移動します。

佃駅

坪尻駅の時点でもうお腹いっぱいな気もしますが、しばらく多度津方面の列車がないので暇潰しがてらの駅巡りです。


佃駅に到着!


駅名標です。
漢字一文字の駅名というのも珍しいですが、土讃線と徳島線の分岐点であり、知名度自体は高い駅でしょうね。


ホームはとても狭いですが、1面2線の交換可能駅です。
しかし、分岐駅と考えるとちょっと寂しい構成ですよね。
運行拠点としての機能は隣の阿波池田駅に集約されているのでしょうし、ここはたまたま2つの路線が分岐しているだけであり、機能としては単なる交換可能駅なんですね。
また、設置経緯としては元々は土讃線と徳島線の分岐点として信号場として設置されたのが、あとから駅になったので用地的にもあまり広いホームを確保できなかったんでしょうね。


駅の多度津方・徳島方はシーサスクロッシングがあり、その先で徳島線・土讃線が分岐していきます。
信号設備は2線とも上下両方向への入線・発車に対応しており、土讃線・徳島線でそれぞれ乗り場が分けられていますが、列車交換を行う場合は路線に関係なく乗り場の使い分けがされるようです。


とはいえ、乗換案内はかなり目立つように設置されていました。
当駅には特急は停まらないので特急利用者は隣の阿波池田駅で乗り換えることになりますが、土讃線の多度津方面と徳島線を普通列車同士で乗り継ぐ場合は必ず当駅で乗り換えないといけません。(阿波池田で乗り換える場合、経路が重複するため当駅~阿波池田間の乗車券を別途用意しなければいけない)


続いて土讃線の乗換案内


ホーム端の方にもありました。


↑ここで徳島線の普通列車が入線してきました。


分岐駅であることを主張するかのように、土讃線と徳島線のレピーターが並びます。


JR四国名物の通過時刻の掲示ですが、ここは「南風」「しまんと」とといった土讃線特急だけでなく、徳島線特急の「剣山」も通るため、通過本数がすごいことになっています。


これだけ特急が多い場所で構内踏切というわけには行かなかったのか、駅舎とは跨線橋で連絡します。


ホームからも駅舎が見えます。


それでは、跨線橋を渡って外へ出ましょう。


跨線橋から見下ろす構内


駅舎への通路です。


通路のすぐ脇に線路があります。
通過列車をここで見たら迫力あるだろうなぁ・・・なんて思っていると


↑ちょうど「南風」が通過していきました!


無人駅なので改札はないのでそのまま待合室に入ります。
時間帯的に利用者はおらずガランとしています。


かつて窓口だった場所はカーテンが締め切られていました。
国鉄時代には既に無人化されていたそうなので、30年以上は使われないままなんでしょうね。


放送スピーカーの上には小鳥がちょこんと乗っていました。
それだけ人の出入りが少ないってことですかね。


駅舎の外観です。


駅周辺は住宅街のようになっていて、道路が横切っているので、坪尻駅の後ということもあって普通に利用者がいそうな駅という印象でしたが、1日あたり30人前後しか利用者がいないようです。


↑ホームへ戻ろうとしたらまた「南風」の通過です。
普通列車は少ないですが、特急は上下1時間ヘッドですから、結構な頻度で通過に遭遇するものですね。


それでは、徳島線に乗って1駅隣の辻駅へ行くとしましょう。

辻駅

佃駅と並んで1文字駅名の辻駅です。


いきなり駅名標ですw


ホームは1面2線で、交換可能駅です。


土讃線ほどではないにせよ特急も走る区間なためか、やっぱり構内踏切ではなくて跨線橋で駅舎と連絡しています。
また、跨線橋の前だけポツンと屋根がありますが、ここが列車の停止位置になるからそこに合わせたってことでしょうか?


ホーム中央部だけ屋根があるのですが、跨線橋との間は何もないので結局濡れないといけないというw


この日は心地の良い晴天でしたが、屋根の軒下では鳩が羽を休めていました。


当駅の近隣には高校がありまして、高校生が利用者の中心だそうです。
ローカル線のお得意さんといえば高校生ですし、ローカル線の中では利用者数の多い駅ということになるでしょうね。


面白いのがその立地でして、右手に見えるのは校舎ですが、左手には運動場がありまして学校の敷地は駅を跨いで2箇所に分かれていることになります。
流石に学校の敷地を分断するように線路を引いたということではなくて、学校側があとから運動場を整備しようとなったときに駅の反対側にしか敷地が確保できなかったとかだとは思いますが、体育の授業や部活動の度に線路を渡らなきゃいけないは大変そうですね(私がこの学校の生徒だったらそのおかげで体育の授業が楽しみになりそうですがw)


跨線橋を渡って駅舎へ向かいます。
恒例ですが構内を見下ろします。


こちらが駅舎です。


駅舎の大きさに対して待合室は小さめです。


駅舎です。屋根のデザインが独特ですね。


待合室の脇のこのスペース、元々駅の事務室でしたが国鉄時代に無人化されたあとは、JRが直営でラーメン店を出店したり、うどん屋さんになったりして、最終的にほっかほっか亭が入居していましたが、それも撤退してしまい現在はただの空きスペースになっています。
駅構内にお店があれば便利ですが、利用者数がある程度はいないと維持できないのでしょうね。


今でも火の見櫓が残っているのに驚きました。


駅前にはバス停もあり、四国交通の路線バスが通っています。


四国でスキーと言われてもピンときませんが、スキー場があるみたいです。


これも看板?・・・でいいんですよねw


よく見るとスキーヤーをイメージしたであろう人形が並んでいて芸が細かいです。

それではこのくらいで駅へ戻りましょう。


↑ここで「剣山」の通過です。

これにて今日訪問する駅は全て終わり、あとは宿がある高松へ向けてひたすら移動です。

高松を目指してひたすら乗車

あとはひたすら移動です。まずは佃駅に戻って土讃線に乗り換えですが、ここでちょっと時間が開いたので軽く撮影しました。


ホームでの1枚


↑ちょうど「剣山」が通過していきました。
辻駅で遭遇したやつの折返しのようですね。


土讃線に乗り込んであとは琴平まで一気に移動ですが、こちらは坪尻駅での1枚です。
引き上げ線に停車中に車内から撮ってみました。
逆にこの視点は列車からしか見られませんからね。


スイッチバックを終えて峠を越したら駅名の”讃岐”から分かるように香川県に入りました。
それにしても「さぬきさいだ」という駅名を音だけで聞くと「讃岐サイダー」っていうご当地サイダーなのかと思ってしまいますw(このネタ、MOTORMANの歌詞にも出てましたね)


琴平駅に到着!
ここからは更に乗り換えます。


ここから先は電化区間となるため電車にバトンタッチです。
7200系でした。
ここまで来ると乗客数といい運行本数といい賑やかになってきます。


すっかり暗くなりましたが高松に到着です。


「マリンライナー」同士の並び


キハ40系もいました。


↑ここでN2000系「うずしお」が発車です。


↑続いてキハ40系も発車です。


側線には113系がいました。
もう引退するだの噂が広がっていましたが、ここにいるということはもう少し頑張るということなのか・・・1度でも乗る機会があればいいですが・・・


ちなみに、幕は試運転でした。


「高松シンボルタワー」の夜景が綺麗だったのでそれだけ撮ったらあとは夕飯を食べてホテルへ向かいます。
3日間の旅もあと1日を残すのみ、今晩もしっかり休んで明日に備えましょう。

というわけで、この記事はここまでとして、3日目は別記事で追ってレポートします。
~追記~
3日目も公開しました。

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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