この活動は3泊4日で実施した北海道遠征の4日目(最終日)です。3日目の終わりの方で予定していた駅は全て巡ってしまったことを書いて”含みを持たせた”終わり方をしていましたが、既にタイトルでネタバレしている通り「三笠鉄道村」というところへ行きました。
1日目から3日目まで全てご覧になった上で4日目の行動がどんな内容か気になっていたという方も、たまたま検索エンジンなどで見つけてこの記事にたどり着いたという方もどうぞお付き合い下さい。
三笠鉄道村の概要
4日目は「三笠鉄道村」だけで終わったのでまずその概要を説明してから本題へ入っていきたいと思います。
この施設はかつての国鉄幌内線の旧幌内駅の跡地を転用して車両や鉄道に関する物品を展示する資料館としているもので、観光地のようになっていて開館時間内ならば誰でも自由に見学できます。
昨晩のホテルの部屋で色々検索している中でちょうど岩見沢からも近く車があるという利点を活かせる立地条件(後述)でもあるため、訪問を決めました。
まずは「三笠鉄道村」へ
ホテルをチェックアウトした私はすっかり慣れた手付きで車に荷物を積み込んで岩見沢市内を後にします。まだ開館時間までちょっと早かったのでセイコーマートに立ち寄ってお弁当を買い込んで朝食とするといういつものメソッドをこなしたらあとはひたすら移動です。
もうすっかり北海道の空気が馴染んできていますが今日が最終日だと思うと名残惜しくもあります。
車で走れば30分とかからず到着です。
三笠鉄道村のレポートに入っていく前に予習として内容の概説をしておきましょう。
三笠鉄道村は三笠市により設置され、「三笠振興開発株式会社」という組織が指定管理者として管理・運営を担っています。「三笠鉄道村」は鉄道車両の展示スペースも含めての名称らしく、その中核となる施設として「三笠鉄道記念館」というのがあります。
開館時間は毎日9時~17時の間となっており、毎週月曜日が休館日ですが祝日に当たる場合のみその翌平日が休館となるようです。
鉄道村自体は自由に立ち入ることができ特に入場料などは必要ないのですが、村内にある動態保存のSLに乗車する場合や子供向けのミニ列車に乗車する場合は料金が必要です。(各1回300円)
また、幌内線の廃線跡を活用したトロッコ列車も運転されていますが、こちらは正式には「三笠トロッコ鉄道」という「三笠鉄道村」とは独立したものという扱いらしいです。(運行しているのは鉄道グッズ販売で知られる「カラマツトレイン」だったりします)
また、「三笠鉄道記念館」では鉄道にゆかりの品々の展示や鉄道について楽しく学べる解説ブースなどもあり、こちらは530円の入場料が必要です。
・・・ようするに、屋外に展示されている車両だけ見るならタダってことになりますが、記念館の方も見応えのある展示がありますから訪れたのならば入館したほうがいいと思います。
アクセスについてですが、幌内線が廃止になっている以上鉄道でのアクセスはできず路線バスに頼ることになります。岩見沢駅近くの岩見沢ターミナルから北海道中央バスに乗車して「三笠市民会館」というところで三笠市営バスに乗り継いで「鉄道記念館前」で降りるという若干面倒くさいルートとなりますw
元々鉄道村がある旧幌内駅は貨物駅であり、幌内駅への支線も末期は貨物列車専用として運行されていたくらいなので旅客流動は元々少なく、幌内線が現役の頃から路線バスがありましたが利用の不振から北海道中央バスが撤退し、三笠市営バスが引き継いだという経緯があるようです。
鉄道で直接行けないのは仕方ないとしても、せめて直通のバスがあれば便利なんですけどねぇ。
ところで、鉄道関係の資料館なのにアクセスが悪いといえば新津鉄道資料館もそうですねw
あと、別館的な位置づけで「クロフォード公園」というのもありますが、そちらについてもレポートする予定です。
と、予習はこれくらいにして本題へ行きましょう。
大多数の訪問者がアクセス手段としてクルマを選ぶでしょうから、やはり大多数の訪問者が最初に目にするのは駐車場ということになりますね。
なんだ、ただの駐車場じゃないかと思うなかれ、実は既に”展示”は始まっているのです。
なんと駐車場の脇に何気なく展示車両が置かれているのですw
本来の敷地内に置き場がなかったのかな?とも思ってしまいますが、早速気分を盛り上げてくれますね。
キロ26という車両でキハ56系に組み込まれるグリーン車だったようです。
よく見ると扉に「自動ドア」と書いてあるのが時代を感じさせますね。
今では自動ドアなんて当たり前過ぎてあえて書くほどのことではありませんからねぇ。
どうも客車っぽい見た目ですが形式が分かるものが見当たらないため形式不明です・・・
解説パネルくらいは設置してくれていると嬉しいですが、駐車場の脇に置いてあることからしても、処分はもったいないから駐車場の脇に置いておくことにしますって雰囲気なので、ひょっとしたら正式な展示物って位置づけじゃないのでしょうか?
窓には警備会社のステッカーが貼られているので管理はされていそうですけどね。
それより気になったのはこの部分です。現役時代から着いているわけないのはひと目で分かりますが、何のために取り付けられたものなんでしょうか・・・
お隣には貨車も・・・
それにしても、気動車(グリーン車)+客車+客車+貨車なんてまるで小さな子供がプラレールかなにかで適当に組んだ編成みたいなカオス感ありますねw
森林鉄道っぽいと書きましたが当駅が炭鉱からの積み出しを目的に設置されていたことを考えるとむしろ鉱山専用鉄道なのかもしれませんね。
根拠としては、森林鉄道で一般的なディーゼル機関車やガソリン機関車ではなく電気機関車となっていることですが、もちろん勝手な憶測ですw
ちなみに、鉱山では爆発事故の恐れがあることや狭い坑内で酸欠を防ぐ目的から基本的に火気厳禁です。
奥には更に小柄な車両がいました。
サイズ的に坑内から石炭を積み出すトロッコですかね。
駐車場の全景を撮ったらそろそろメインの方へ行くとしましょう。
ここではSLの動態保存をしているのは既述の通りですが、その乗り場の案内です。
見慣れない機関車ですが、その型式名も変わっていて「S-304」というようです。
国鉄の規則に倣うなら最初につくアルファベットは動輪の数を表しており、Cだったら3つ、Dだったら4つとなり、「シロクニ」で知られるC62は動輪が3つ、「デゴイチ」で知られるD51ならば4つという具合ですが、この規則に従うと”S”ですから動輪が19個という化け物みたいな機関車になってしまいますw
実際には写真で分かる通り動輪が3つの小型の機関車であり、国鉄流に名前をつければ”C”で始まらなければならない形式です。
ここまでの流れでもうお気づきでしょうが、この機関車は国鉄が保有していたものではなく、「鐵原コークス」という会社の工場内の入換機関車として活躍していたそうです。
これは保存運転や観光列車としての運転を除いた”現役”で使われていた最後の機関車だそうですよ。
なお、「鐵原コークス」は社名を「テツゲン」に改めて今でも存在する会社です。
機関車の側面に「暖房はコークス」と書かれているのも自社の製品を宣伝する文句だったわけですねw
客車として使われていたのはどうみても貨車に屋根を付けただけの文字通りの「トロッコ」でした。
そんなに長時間乗るわけではないですし、逆にこの方が機関車の音や煙などを臨場感を持って体験できていいかもしれませんね。
観光列車として本線上を走行しているSL列車の場合、客車の防音が優秀過ぎて逆に肝心な機関車の音が聞こえないなんてこともありますし・・・w
列車名なんでしょうか。「みかさ」という表示がついていました。
なお、列車名として「みかさ」が採用されたことはないようですが、札幌と三笠を結ぶ北海道中央バスの高速バスの名前として「みかさ号」があります。
こちらの小屋みたいな建物では「三笠トロッコ鉄道」のチケットを売っているようです。
踏切の警報機がありました。雰囲気作りのオブジェという扱いなんですかね。
こちらがトロッコ乗り場
正式な鉄道ではないので仕方ないですがホームすら無いというw
そういえば隣には除雪車もいましたね。
こちらは展示車両でしょうか。
奥にも線路が伸びていて作業用トロッコなのか留置されているようでした。
軽快なBGMに釣られて近寄るとトーマスたちがいつ来るかも知らぬ子どもたちを待って楽しげな声と音楽を流していましたw
よく見ると今はもう引退したジョイフルトレインの「フラノエクスプレス」ですね。
私なんて図鑑でしか見たことがない存在なのに何故か懐かしさを覚えますw
ていうか、今の子供はそもそも存在自体知らないんじゃないでしょうか?w
あと、線路を8の字にした都合で必然的に直交のダイヤモンドクロッシングになるわけですが、実物の鉄道では大変貴重な存在だけに思わず注目しちゃいましたw
鉄道資料館らしくSLの動輪がありました。
有名なD51のもののようです。
なお、流石の私も動輪だけで形式を当てられるほどの自信はありませんw
当施設が幌内駅の跡地だとは書きましたが、もちろん駅名標もありました。
隣の駅として「鉄道資料館」なんて書かれていることから明らかに当時のものではなさそうですが、それでも雰囲気としては十分ですね。
SLをこちらからも拝みましょう。
やっぱり蒸気を吐いて稼働しているSLは迫力がありますね。
ところで、こちら側には元々の所有者だった「テツゲン」の名前が入っているんですね。
普通の鉄道車両にも所属する会社名が書いてあることはよくありますがこんなにデカデカと書かれているのは珍しいのではないでしょうか?w
なんだかホームっぽい屋根付きスペースがありますが、これはSL乗り場ではありません。
では何の乗り場なのかというと・・・
案外リアルな見た目のミニ300系新幹線の乗り場でした。
スタッフであろうおじさんが2人だけで走っているなんとも寂しい絵面ですが、どうやら一般客を乗せる前に”試運転”をしていたようでした。
正式な営業路線ではないあくまでも施設内の”アトラクション”に過ぎないとはいえ安全第一の姿勢は素晴らしいと思います。
ところで、駅名標は「幌内太」となっていますが、これは幌内駅の隣にあった三笠駅の前身となる駅であり「ほろないぶと」と読むんだそうです。
先程の写真に「手宮」と写っていたように一周するレイアウト内に幌内鉄道の駅名標を設置しているみたいです。芸が細かいですね。
側面から見たところです。この視点だとただの駐輪場に模型のレールを敷いただけに見えますw
こちらは0系新幹線のようですが、かなりデフォルメされていて構造的には鉄道車両とは似ても似つかないw
駅名標は国鉄仕様ですが、隣の駅の代わりに料金が掲載されるという、運賃表を兼ねる画期的な駅名標でしたw
こちらはSLの乗り場です。簡素ながらちゃんとホームが用意されています。
隣を走る「三笠トロッコ鉄道」より厚遇されていますねw
↑SLを撮ろうと反対側へ回ったらちょうどトロッコが入ってきました。
↑と、ここでいよいよSLの第1便が出発するようなのでその様子を動画撮影しました。
迫力の汽笛は音量注意ですw
それではここからは車両を見ていくとしましょう。
ところで、実は車両が展示されているエリアは特に入場券などなくても入れるようで、車両だけ見学するならば無料だったりします。
入場料がいるのは資料館のみということですが、ここの展示は数・保存状態ともにお金をとっていいレベルだと思います。
ラッセル車とはいってもDD15というディーゼル機関車にラッセルを取り付けたものとなります。
一度でいいからラッセル車が除雪作業をしているシーンを生で見てみたいと思っているのですが、基本的に雪国でないと見られませんし、大雪にならないと出動しないわけで運行するタイミングが分からないこともあって未だに叶っていない夢だったりします。
ラッセルを取り付けるためのアタッチメント部分
昔は除雪専用の車両が用意されていたようですが、夏場は全く用途のない無用の長物と化してしまうこともあり、機関車にアタッチメントととして除雪装備を取り付ける形をとっているようです。
奥側の車両との間はあやとりみたいにロープが張り巡らされていましたw
子供が隙間に入って遊ばないようにってことでしょうね。
“KSK DIESEL”とありますが、汽車製造というメーカーもこの機関車を作っていたそうなので”kisha Seizo Kabushikigaisha”の略で”KSK”ですかね?
説明書きです。
この機関車は専ら除雪専用として作られたそうで、雪のない夏場は入換機関車としても使えるように設計されたそうですが、運転時の視界の悪さなどから入換用としては使われなくなり末期は除雪専用として使われていたようです。
先程のラッセルとはまた違った見た目ですが、「ロータリー式」というタイプの除雪車で高速で回転する羽根で雪を遠くへ撥ね飛ばす方式です。
ラッセルは単純にレールの左右に雪を寄せるだけですが、ロータリー式は遠くへ撥ね飛ばせる分、雪の量が多くなっても対応できるようです。
反対側から
このウィングを広げて線路の両脇にある雪を高速回転する羽根に集めて飛ばします。
説明書きです。
キ700という形式で「ジョルダン式」というタイプの除雪車のようです。
こちらは駅や操車場の構内を除雪するためのものだそうです。
こちらも除雪車ですがラッセル車です。
ところで、近年の除雪車はオレンジや黄色といった目立つ色が多い気がしますが、古いタイプになると黒いものが多いですよね。
さっきの写真ではラッセル車であることが分かりづらいので別アングルからもどうぞ
ここまで北海道らしく(?)除雪車ばかりでしたが、いよいよ違うタイプの車両が出てきました。
クレーンの角度を示すであろう指示棒がありました。
自動車でもクレーンを下げ忘れて走行して信号機や橋桁に衝突するなんて事故が時々ありますが、鉄道でもそういうリスクは同じですし、回送時は水平まで下げておかないとダメだってことなんでしょうね。
ここに来て説明書きです。
クレーンの付いた車両は「操重車」といい、線路上での工事や貨物の積み下ろし、あるいは脱線・転覆した車両の復旧といった役割を担っており、その中でもこのソ80は事故復旧用の操重車となっており、最大で65トンもの物体を釣り上げる能力を持っていたようです。
こうした操重車は鉄道沿線の道路事情が改善され、操重車が必要となるような場面でも並行する道路から自動車のクレーン車を搬入することが容易となったこともありお役御免となり、現在は消滅した車両カテゴリとなります。
隣りにいる「チキ6147」の説明書きです。
このチキ6147が「長物車」というタイプの貨車で、本来の役割はレールや丸太といった細長い貨物を運ぶことですが、操重車の控車として移動中にクレーンを乗せるために使われることもあり、操重車は基本的に長物車とセットで活躍することになります。
その奥にも展示車両があります。
ローカル線の代表の1つとも言えるキハ20系と無煙化の推進役となったDD51ですね。
斜めから見ると客車を牽引しているみたいな構図になっていていいですね。
その奥は客車です。
私の場合現役時代には生まれていないこともあって、こういう古い客車を見ると「銀河鉄道999」をイメージしてしまいます。
ドアも今の車両では見られないタイプですね。
この時代は自動ドアなんてなくて手動で開け閉めするのが当たり前だったんでしょうね。
奥にも橋があってまだ先まで行けそうですが、その先には車両はなさそうだったので渡りませんでした。
そして、三笠鉄道村の中でも三笠鉄道記念館と呼ばれる施設がこちらです。
実はこちらにも車両展示があるようなのでそっちを見ていきます。
そして、こんな注意書きがあるってことはデッキに登っていいみたいです。
デッキに登るとなんと運転室のドアが開いているではありませんか!?
ということは・・・
運転台です。
SLほどではないですが、やっぱり機関車は計器やレバーがごちゃごちゃしていて男心をくすぐられますw
運転台からの視界を再現してみました。
いやぁ、ディーゼル機関車も凸型と言われる配置だと視界が悪いですね。
これでちゃんと前が見えているんでしょうか?w
進路が保証されている鉄道だからこそ許される配置と言えますかね。
雪国には不可欠な旋回窓です。
旋回窓というのは、窓ガラスの一部(○形になっている部分)が高速で回転することで遠心力でガラスに付いた雪を跳ね飛ばすことで視界を確保するというもので、ワイパーで対応できないほど激しい吹雪のときに活躍するようです。
展示スペースが狭くこんなアングルしか撮れませんでしたが、お次はED76です。
個人的には九州ブルトレの牽引機、あるいは九州管内の貨物列車の牽引機というイメージが強いですが、北海道でも活躍していたらしいです。
それから、機器室にも入ることができました。
電気機関車の真ん中の部分って外観だけではどうなっているのか分かりづらいですし、内部を見たのって初めてでした。
側面についていたこれは吸音材とかでしょうか?
それでは次の車両へ行きましょう。
お次は子供も大好きなSLです。
「キューロク」の愛称もある9600形ですね。
こちらも運転台に入れます。
SLとなるとアナログ装置の塊で、文字通りスチームパンク感ありますね。
窓枠が木なのも驚きましたが、何気に肘置きが用意されているんですね。
SLの機関士・機関助手となると過酷な環境での勤務ですし少しでも快適になるようにという配慮だったんですかね。
お隣にはもう1両SLがいました。
こちらは小型のタンク式機関車の代表格と言ってもいいであろうC12形です。
C12の運転台に入りました。
今度は説明をつけてくれているのでどれが何なのか分かりやすいです。
職員の方の手作りなのか木製のSLの模型もありました。
こんな隅っこに隠すようにおかないで堂々と展示してあげてほしいですw
奥の方はデッキになっていて車両の後ろ側を拝むことができます。
壁面にはこんなものがありました。
最初はCTCの制御盤とかかと思いましたが・・・?
ブレーキの動作を説明するものだったようです。
せっかくこんな立派な展示を作ったならもっと目立つ場所に置けばいいのに・・・と思っていたら
なるほど、JR北海道で実際に使われていた新人養成用の教材だったわけですね。
観光地の定番顔出しパネルもありました。
これで屋外から見られるものはほぼ見尽くしたと思いますのでいよいよ「三笠鉄道記念館」の内部へと入っていきたいと思います。
内部は有料で入場券を買う必要がありますが、逆にここまでご紹介した展示が全て無料で見られることのほうが異常なんですよねw
「三笠鉄道記念館」の内部へ
530円を課金していよいよ有料ゾーンとなる内部へ入っていきます。
なお、内部は細かくご紹介していくとキリがないくらいたくさんの展示品がありますので、気になったものをピックアップしていく形を取りたいと思います。
入場して真っ先に目についたのはこの巨大なオブジェ
蒸気機関車の走り装置をモチーフにしていそうですね。
↑なんと動くので動画も撮ってみました。
内部は資料館ということでこういう比較的小さな物品の展示がほとんどです。
「行商指定車」とか「北海道観光号」とか、国鉄時代ならではのものもありますね。
サボの数々ですが、さり気なく「日豊本線経由の東京行き」なんてのが混じっているんですが・・・w
あと、一番下のヘッドマークはミステリー列車でしょうか?
見たことのない機関車だったので海外の機関車かなと思っていたら、「OSライブスチーム」という模型らしく、モデル車両が存在しないオリジナルデザインだそうです。
こちらはEB10形という実際に存在した機関車の模型のようです。
Eは電気機関車を意味しますが、Bはというと、動輪が2つという意味であり、電気機関車で動輪が2つだけというのは非常に珍しいと言えますね。
ここからはいよいよ幌内鉄道の展示に入っていきます。
幌内鉄道というのは幌内線を含む区間を開業させた鉄道事業者であり、北海道開拓使が運営する官営鉄道でした。
こんな大きな石炭の塊もあるんですね。
炭鉱があった幌内らしい展示です。
円筒形のガラスケースに直接説明が書かれているスタイルは面白いですね。
ただ、撮影はすごくやりづらいですがw
肝心な展示内容ですが、歴史の教科書でも見かける「ロケット号」の模型です。
世界初の実用的な蒸気機関車として知られており、「ジョージ・スチーブンソン」が製作しました。
続いてレールの展示です。
普段は文字通り縁の下の力持ち的な存在であり、あまり意識して見ることはないかもしれませんが、じっくりと眺めることができる貴重な機会ですね。
初期の鉄道ではよく見られた木製のトレッスル橋の模型でした。
個人的にはアメリカの開拓時代って感じがします。
続いては義経号が牽引する客車列車の模型です。
本州の鉄道がイギリス人の協力で導入されたのに対して、北海道の鉄道はアメリカ人の協力により導入されており、初期はアメリカのスタイルのデザインが見られ、機関車には歴史上の人物の名前を付けるという特徴もありました。
そして、最初に導入された1号機・2号機はそれぞれ「義経号」「弁慶号」となり、この義経号は北海道の鉄道の第1号とも言える車両というわけですね。
これらはNHKの連続テレビ小説「すずらん」の撮影で使われたものだそうです。
こちらは柵がついているあたり、展示品というよりは実際に暖房器具として使われているんですかね。
サボです。既に過去帳入りした列車たちも多く見られますが、上越線経由金沢行きだけ北海道関係ないというw
これまたミステリー列車のヘッドマークですが「999」の文字が入っていますね。
確か国鉄時代に「銀河鉄道999」とタイアップしたミステリー列車が走ったらしいのでその時のものですかね。
↑実はエンジンの模型も付いており更に動きます。
タブレット閉塞で使われる通票(タブレット)
よく勘違いされがちですが、輪っかになっている方は「タブレットキャリア」というタブレットを持ち運ぶためのケースであり「タブレット」の本体は下にある金属製の丸いやつの方です。
↑こちらも実際に動作する様子を見ることができます。
今では自動化が進んであまり見なくなりましたが、転轍てこですね。
一見すると時刻表か運賃表のようにも見えますが、実は「連動表」というものであり、停車場内の転轍機や信号機を連動させることで事故につながるような不適切な操作を防ぐわけですが、その連動の関係を示した表です。
今ではコンピュータ化が進んでこれらの操作自体が自動で行われることが多くなりましたが、鉄道の仕事をするならば必須とも言える基礎知識の1つでしょう。
↑こちらも動画でどうぞ
↑こちらは踏切の警報機と遮断機の動作模型です。
鉄道博物館にありがちな模型を運転できるブースもありました。
それにしても、どうせならせっかく北海道なんだしE5系じゃなくてH5系にすればよかったのにw
その先にあったのはこんな展示です。
なんじゃこりゃ?と思ったら・・・
チューブ列車だそうです。
その名前の通りチューブ状の軌道の中を走行する列車で、未来の交通機関として構想されており、内部を真空に近い低圧に保つことで空気抵抗のほとんどない環境にして超高速運転を目指すものですが、模型レベルでは簡単に再現できても、実際に交通機関として利用できるものとなると駅となる部分など真空ではない部分と真空にする部分との境界を維持する技術や、真空を維持するために絶えずポンプを作動させなければならないなど課題も多く今の所実用化のめどは立っていないようです。
余談になりますが、日本でも1959年頃から真空チューブ内にロケット推進の列車を走らせる実験が行われたことがあり、ミドリガメとカエルを乗せて2500km/hという記録を叩き出していますが、あまりの急加速で凄まじいGがかかるのに加えて安全に停止させることが困難ということもあり結局それ以上の進展はなかったようです。また、実験で使用されたカメは実験車両が止まりきれずに脱線したため死んでしまったようです。
一方、アメリカではあのイーロン・マスク氏が「ハイパーループ」という構想を発表しており、減圧したチューブ内に列車を走らせる点ではチューブ列車と類似しているもののこちらは推進にも車両に搭載したファンによる空気圧を利用しており、最高時速1220kmを目指しているんだとか。
こちらも現状では課題も多くすぐに実用化という段階ではないみたいですが、未来の鉄道の形の1つですから注目したいですね。
↑こちらも動画でどうぞ(絵が地味とか言わないでw
模型の展示のようですね。
単線交走式と呼ばれるタイプであり、2つの車両が1本のケーブルで結ばれており、駅側にあるモーターでケーブルを巻き上げることでケーブルカーが動きます。2つのケーブルカーが繋がっていることでほぼ重さが釣り合うことになり少ないエネルギーで動かすことができます。
これも動画で動きをご紹介!・・・と思ったのですが
調整中というw
ケーブルカーの模型って珍しいので見てみたかったですが残念・・・
丸いテーブルみたいなものが3つ並んだこの展示ですが、振り子式車両のメリットを紹介するもののようです。
この3つのテーブルはスイッチの操作で回転するようになっており、上に乗っている車両の模型は遠心力に晒されることとなり、その時の動きを見せる展示というわけですね。
普通の車両(レールが平らなカーブ)
レールが平らというのは専門的に言えば横断勾配がゼロということでしょうから、つまりは「カントがない」という状態ですね。
実際の鉄道だとポイント部分のカーブが該当するでしょうか。
レールに傾きのある普通の車両
ほとんどの曲線区間がこれですね。
そして、主役の振り子式車両。
代表例としてキハ283系の写真が添えられていますね。
↑こちらも動画でどうぞ
特に中に立っている人形の動きに注目してみて下さい。
↑続いてはスイッチバックする鉄道模型
せっかくなら車両も北海道のゆかりのあるものにして欲しかったですが・・・
それにしても、自動で進行方向が変わりポイントが切り替わっているようですが、リレーっぽい音がしているので車体側に磁石でも仕込んでセンサーと連動させているとかですかね。
国鉄時代に研究されていたリニアモーターカー
当時は近未来的な象徴だったんでしょうが、今見ると古めかしく見えてきますねw
ところで、もしかして中に入って何らかの体験ができるんでしょうか?
そうそう!
駅の売店でよく売っている模型のメーカーでしたね。
私も小さい頃よく買ってもらっていました。
価格もお手頃で子供でも手が届く模型なんですよね。
青函トンネルを使って運ばれている商品ということなのか色んな商品が並んでいました。(どっかのスーパーの売り場じゃないですよ?w
高速道路っぽい高架道路にインターチェンジのような構造もありましたが・・・ん?
この構造じゃ流入車と流出車が正面衝突するんじゃ?w
なんて、模型に突っ込むのは野暮ってもんでしょうし、これくらいで撤収です。
冒頭に書いた通り、このレポートで全ての展示内容を網羅できたとはとてもいいかねますので、もっと細かく見たい方は是非現地を訪れてみて下さい。
最後に建物を引きで撮って撤収です。
「三笠鉄道記念館」としては以上となりますが、まだ見るところが残っています。
それは・・・
クロフォード公園
「三笠鉄道記念館」および「三笠鉄道村」の実質的な別館とも言えるクロフォード公園を見て訪問レポートは終了とします。
メインとなる三笠鉄道村とは少し離れているため私は車を走らせて移動しました。車があればすぐに移動できますが、バスで訪れる場合は1時間に1本程度しかないので時刻表を確認して時間を逆算して行動したほうがいいでしょうね。
クロフォード公園の中心と言えるのはこの建物であり、これはかつての三笠駅の駅舎を再現しているそうです。
あまり日本的じゃないデザインですが、初期の北海道の鉄道はアメリカから導入されていますからアメリカのスタイルなんでしょうね。
クロフォード公園の看板
説明も書いてくれていますが、幌内鉄道を始め北海道に鉄道技術を導入するために招かれたアメリカ人技師「ジョセフ・ユリー・クロフォード」に因んだ命名だそうです。
看板は「幌内太」となっていますが、開業当初の三笠駅の名前だそうです。
ホームも残されており保存車両もいます。
DD51と何両かの貨車がいますね。
だいぶ綺麗に直されていますが、それでもレトロな雰囲気はありますね。
跨線橋部分です。
ベンチがあるのが違和感ですが、それ以外は往時の雰囲気を残していると言えそうです。
ホームへ降りて展示車両を見ていきます。
DD51も今やすっかり希少な存在ですね。
ホキ2200形というホッパ車です。
主に穀物輸送に使われていたようです。
こちらはホキ800形というホッパ車です。
バラスト運搬用だったみたいです。
ホッパを動かすハンドルです。
人力で動かすっぽいですが、貨物を積んだ状態でも行けるものなんですかね。
ここにある車両も本館同様に全部JR北海道からの貸与なんですね。
その奥にはキハ82形もいます。こちらはなんとフル編成揃っています。
こちらにもちゃんと説明があります。
それも1両ずつ説明してくれているのが細かいですね。
と、1両1両全て撮っていたらキリがないのでこれくらいにしますw
最後にクロフォード公園の説明も撮ったらもうそろそろ時間がやばいので撤収です。
信号待ちの間に撮った「三笠トロッコ鉄道」の乗り場で本当にシメとなります。
時刻としてはまだ昼前ですが、レンタカーの返却時間、及び帰りの飛行機の時間もあるのでのんびりはできません。
仕方なく高速道路に課金することになりましたが、無事にレンタカーの返却時間にも間に合いまして新千歳空港から帰りの飛行機に乗ります。
最後のバニラエアで帰京する
あとは飛行機に乗って東京(成田)へひとっ飛びですが、バニラエアはもうすぐピーチ・アビエーションへと統合される形でなくなってしまうわけで、今回の搭乗は最後の機会となる可能性が高いのでそれもざっくりとレポートしておきます。
統合される相手のピーチ・アビエーションがいました。
え?バニラエアの機体の写真は?って?w
往路のレポート(1日目)をご覧くださいw
↑ターミナルから搭乗機へのバスですが、マニア席に乗れたので展望動画を撮ってみました。
空港内のバスなんてそうそう乗る機会もないですしね。
そして、搭乗しました。
なんと今回も窓際でした!座席指定していないのにこれはかなりラッキーです。
↑というわけで、離陸時の機窓をどうぞ
↑雲が多いですが、着陸の機窓もどうぞ
無事に成田空港に着陸し、今回の北海道遠征は幕を閉じました。
時系列としてはこのあとに「ズイパラ」があったわけですが、レポートの順番を入れ替えているので、この次は7月中に実施した別の遠征のレポートになると思います。
それが公開できるまでしばらくお待ち下さい。