VSEさよなら乗車&箱根乗りバス旅

今回は2022年春で定期運行が終了した小田急50000形(VSE)のさよなら乗車を兼ねて箱根へ乗りバス旅に出掛けましたのでそのレポートです。
当然ですがこの活動はVSEの定期運行終了前のものであり、記事の執筆が間に合わず運行終了を過ぎてしまいました。
なので、記事中の記述は当時のものとしてご覧下さい。

なお、VSEの撮影については別枠で既に実施していて記事を公開済みですので、よろしければそちらも併せてご覧ください。

今回の行程

今回は50000形VSEに乗ることが最大の目的であり、箱根までの往復は50000形充当のロマンスカーを利用します。
現地では箱根登山バスのR系統とL系統をそれぞれ1往復ずつ乗車するというもので、せっかく行くならばバスも乗ろう程度でそんなに詰め込んだ内容にはなっていません。

まずは「スーパーはこね」で箱根へ

それでは早速本編に入っていきましょう。
まずはVSEが充当される「スーパーはこね」に乗るべく新宿駅からレポートがスタートします。
特急券はネットで事前に予約済みで、あとは乗車券部分として「箱根フリーパス」を買いました。
今回は日帰りですが、2つのバス路線に往復乗るだけでも元が取れるみたいなので買いました。
これは、「箱根フリーパス」が安すぎるのか、箱根のバスが高すぎるのか・・・w
ホームへ行くとまだ入線していなかったので、動画撮影のスタンバイをしつつその時を待ちました。


発車標です。
VSEのドット絵のクオリティもなかなかですね。


乗車位置案内もロマンスカーの画像つきです。

それではあとは入線を待つとしましょう。


↑VSEの入線です。


発車までしばらくあるので写真でも撮ります。
ロマンスカーは全車指定席なので私も必然的に指定席利用だったんですが、指定席だとギリギリまで外で撮影していても座る席は固定なのはメリットですよね。


前面にもさよならメッセージが出ていました。


50000形の特徴と言える連接台車の部分です。
車体と車体の間に空気ばねがあるのが外見上の特徴でしょうか。
肝心の台車はホームに遮られてみることは出来ませんが・・・


側面のロゴ


もう一方の先頭を撮ったら乗り込むとしましょう。


行先表示はドアの脇についていて、しかも縦長なのが特徴的ですよね。


これが初乗車ということもあってしっかり車内撮影もこなします。
箱根観光の足というロマンスカー本来の役割に立ち返ったVSEは全体的に明るい色彩で観光気分を高めてくれますね。


天井は丸みを帯び、間接照明で照らされていました。


座席です。
実はほんの僅かですが窓側に向けて設置されていて、その角度は5度だそうです。
これは通路側に座った人にも車窓を楽しんでもらおうという意図だそうです。
ただ、最近の特急には大体あるヘッドレストや真ん中の肘置きとかもありませんし、快適性という意味では最新型の特急よりは劣るかもしれません。
まあ、全区間乗っても1時間半程度ですし、そこまで快適さはいらないのかもしれませんけども。


あと、すごいのが座席を回して向かい合わせにした時用のテーブルも用意されていて、グループでテーブルを囲むことも出来るようになっています。
ただし、コロナ禍では向かい合せでの利用はしないように案内されていることもあって、このテーブルの出番はなさそうでしたが・・・


ブルーリボン賞のプレート


50000形の運転室は展望席部分の客室の上にあるのですが、では運転士さんはどうやって出入りしているのかというと、この部分に格納式のハシゴが隠れていて、そこから出入りするようです。
当然ながらそれは乗客が全員降りたタイミングで行うので、見られるとしたら終点に到着後、折返し待ちの間ということになりますけどね。


あと、特急型車両にしては珍しく液晶ディスプレイによる車内案内表示器を備えています。
普通は横長の電光掲示板タイプですからね。

ここでまずは乗車するVSEこと小田急50000形について解説しておきましょう。
小田急50000形は2005年に登場した特急型車両で、小田急ロマンスカーの伝統である前面展望席や連接台車を備えた、ロマンスカーを体現するような車両でした。

登場の背景には1世代前のロマンスカーとして導入された30000形(EXE)の投入後、箱根観光をする人の減少以上の割合で、ロマンスカーで箱根へ向かう利用者が減少するという状況が発生しました。
EXEは観光の足よりも日常の足として使われることが多くなったロマンスカーの実態に合わせて前面展望席も設置されず、ありきたりな汎用特急車両という印象もあり、更にはこの頃にJR東日本が湘南新宿ラインの運行を開始し、新宿~小田原間も小田急以外のルートで直結されるようになったことなどもあり、箱根への観光客の間でロマンスカー離れが始まっていたのです。

市場調査によりこれらの状況を認識した小田急では、EXEより更に1世代前の車両で、展望席と連接構造を備える10000形(HiSE)をロマンスカーのイメージとして広告などで使用するようになりました。
しかし、そんな10000形も登場から10年以上たちそろそろ車体の更新が必要になってきたのです。ところが、ちょうどそんなタイミングで施行された交通バリアフリー法では、大規模な更新をする際にはバリアフリー化することが義務付けられたため、10000形を更新する場合はバリアフリー化が必須となったわけですが、元々眺望のためにハイデッカー構造を採用していた10000形ではバリアフリーに対応するのは難しいということから更新せずに引退させることとなったのです。
そして、10000形の後継車両を新たに導入することとなり、それが50000形だったのです。

50000形の設計に際しては10000形までのロマンスカーの原点に立ち返り、展望席を設け連接構造を備えることとし、更に新しい技術として車体傾斜装置や操舵台車も採用し、高速化や乗り心地の改善を目指しています。
こうして新たな小田急のフラッグシップモデルとして堂々デビューした50000形でしたが、増備は2編成で終わってしまい、その後継車両は60000形MSEとなり、これには展望席も連接構造も採用されませんでした。
その後、VSEと共に展望席のあるロマンスカーだった7000形LSEが引退を迎えることとなり、その後継として70000形GSEが登場しますが、展望席は備えるものの連接構造は採用されず通常の車体となりました。

そんな中で登場から17年を迎えた50000形もそろそろ更新が必要となってきたのですが、連接構造で、かつ車体傾斜も備えるという特殊構造が災いし、部品の入手性の問題や、車体構造に採用されたアルミ合金押出形材によるダブルスキン構造の修理が難しいといった理由から更新はせずに引退させることとなったのです。
小田急としても増備が2編成で終わったこととかを考えると流石に特殊構造のてんこ盛りにしすぎてコスト高な車両となってしまい、後継の70000形では展望席のみ踏襲し、連接構造は採用しなかったということなんでしょうね。

あと、何度も出てきた「連接」という言葉についてですが、これは列車の台車の配置方法の1つで、ほとんどの車両は各車両に2つの台車があり、車両間の連結は連結器のみで行われていますが、連接と呼ばれる方法では台車をちょうど車体の連結部分に設け、1つの台車で2つの車両を支える構造となっています。
通常の車体では両台車より端側が大きく揺れることから一般に乗り心地が悪くなるのが、連接車体とすると連結部分に台車があるわけですから必然的に乗り心地の悪い部分が存在せず、更に台車が客室から離れることになり静粛性の向上、更に一般の車両より高い位置で車体を支える構造が可能なため車体の揺れを抑えて乗り心地を良くすることも出来ます。
また、一般の車両では両数×2の台車が必要なのに対して、連接台車を採用すると両数+1で済むので車両の軽量化にも繋がります。

また、急カーブでも車体が外側へはみ出す量が少なくなるという効果もあり、この点を生かして急カーブが多い路線で採用されることも多いです。
このため、日本では路面電車や短編成・低速の路線での採用が多く、特に江ノ島電鉄と筑豊鉄道は保有する営業用車両が全て連接構造であることで知られています。
一方、ロマンスカーのような比較的高速かつ長編成で走る列車での採用は少数派となっており、50000形はその最後の例と言える列車でした。


あと、「スーパーはこね」についても軽く説明しておきます。
小田急では行先別に愛称を設定しており、新宿を基準にすると箱根湯本行きは「はこね」、小田原行きは「さがみ」、片瀬江ノ島行きは「えのしま」、御殿場行きは「ふじさん」となっていますが、「はこね」のうち、新宿~小田原間をノンストップで走る列車は「スーパーはこね」という別の愛称を与えられているのです。
「スーパーはこね」は新宿駅を10時ちょうどと11時ちょうどに発車する2本が設定されていました。
ただし、箱根湯本行きのみが設定され、反対の新宿行きは運転されていませんでした。
「スーパーはこね」には原則として展望席のあるVSEもしくはGSEのいずれかが充当されていましたが、VSEの引退に合わせて2本のうち1本は展望席のない車両により運転されるようになり、時間も11時発がなくなって代わりに9時発が新設され、また、平日の運行がなくなりました。

また、ロマンスカー「はこね」は元々新宿~小田原間ノンストップが基本でしたが、1996年から徐々に途中駅に停まる列車が増えていったことから、ノンストップ便を「スーパーはこね」として区別するようになったという感じですね。

それではそろそろレポートに戻りましょう。


↑車窓は動画でどうぞ
連接台車特有のジョイント音にも注目です。

新宿を発車すると小田原までノンストップなのは前述の通りですが、1時間以上走りっぱなしになります。
しかも、全線複線以上ですから運転停車もなく本当に停まりません。

車内に目をやると観光客半分、さよなら乗車の乗り鉄半分という感じですが、定期運行終了まで2~3週間という微妙なタイミングだったことや、平日だったこともあって空席もあり、私の隣も空席で広々と使えました。

また、さよなら乗車組が多いこともあって車掌さんのアナウンスでも「車内での撮影は他のお客様にご配慮を~」といったことを言っていたのですが、その前置きとして「車内で撮影されている方、また、録音されている方もいらっしゃるでしょうが」となっていて、撮影だけでなく音鉄の存在にも言及するのは珍しいと思いました。
まあ、私はこの時実際に録音していたので車掌さんの言っていることは私に関しては当たっていたことになりますがw

沿線に目をやると通過駅や鉄橋などでカメラを構えている人もいて引退間際という雰囲気が伝わってきました。
あと、観光客が多い列車なので録音環境は期待できないかと思っていたのですが、コロナ禍で車内での会話を控える人が増えたおかげか、意外と静かな録音が出来たのもよかったです。

代々木上原から複々線が始まり、下北沢の先で高架区間が始まると見晴らしもよくなり、富士山が見える区間もありました。
前々からよく見知っている区間ではありますが、VSEの車窓から眺めると何だか違って見えました。

本厚木を過ぎて伊勢原や秦野も過ぎると徐々に自然豊かな景色が出てきますが、新松田から先は小田原の市街地に入っていくためまた街の景色に戻ってきます。


1時間の乗車もあっという間に小田原に到着し、ここで小田急小田原線としては終点ですが、「スーパーはこね」はそのまま箱根登山鉄道に直通してまた自然豊かな景色が出てきます。
左手には早川が流れ、湯本の温泉場も見られますが、残念ながら車窓は右手で撮影したので山の斜面ばっかりでしたw
この事はわかっていたのですが、渋沢付近の川の景色や富士山などは右手なのでそっちを優先したのでした。
まあ、VSEじゃなくてもロマンスカーはまた乗る機会はありますしね。

箱根登山鉄道に入ると線路規格は一気に下がり列車のスピードも落ちますし、単線ということで運転停車もありますが、VSEにもっと乗っていたいという気持ちからかえってありがたかったですね。
箱根湯本に到着する際のアナウンスでは「お名残惜しいでしょうが折返し運行の準備がありますので到着後は速やかにお降り下さい」といった放送をしていました。
この車掌さんは放送のセンスがありますねw


箱根湯本に到着!


扉は戸袋がなくて外側へ開く構造です。


折返しは新宿行きの「はこね」となるようです。


先頭を撮りに行こうと思ったらこりゃ無理だw


↑座席の自動回転が見られました。


改札側の先頭を撮ったら駅を出ることにします。
折返しの発車を動画で撮ろうと思ったのですがホームからは無理そうなので、駅の外で撮れそうな場所を探そうというわけです。


階段にはエヴァンゲリオンのキャラクターがいました。
エヴァンゲリオンに出てくる第3新東京市は箱根にある設定ということもあり、最近は箱根とエヴァのコラボが増えているようです。


駅を出ました。


早川の河原と温泉街


外からだといい感じで連接台車が撮れました。


撮影場所はここでいいですかね。
他にも私と同じ考えで駅を出てこの付近で撮影している方がいました。


↑普通列車がやってきました。
これと入れ替わりでVSEが発車します。


↑VSEの発車です。

続いて乗りバス編が始まりますが、その前に・・・


土産物街へ向かって・・・


お昼ごはん!
地元の豚肉を使ったカツカレーでした。

それでは乗りバス編スタートです。

箱根登山バスR系統

箱根に着いてまず最初に乗るのはR系統です。
R系統は箱根湯本駅と箱根町港・元箱根港を結ぶ路線で、国道1号の現道経由のH系統に対して、バイパスである箱根新道を経由します。
ようは芦ノ湖と箱根湯本駅を短絡する路線という位置づけですね。
運行は観光客の多い時間帯に限られており、早朝や夕方以降は走らず、元箱根港行きは午前中のみ、箱根湯本行き(一部は小田原まで直通)は午後から夕方前にかけてのみとなっており、それ以外の時間帯はH系統を利用することになります。

また、R系統は急行バスとして運行されており、箱根湯本駅~箱根町港間はノンストップとなり、箱根町港を出るとその先は国道1号上の全てのバス停に停車しつつ元箱根港まで行きます。
元々箱根新道は自動車専用道路であることもあって、1箇所を除いてバス停は存在せず、また、箱根新道に入るまでは国道1号の現道を走行する区間で数箇所バス停があるのですが、それらにも停まりません。
箱根新道にある1箇所のバス停というのは新畑宿橋というバス停なんですが、これは箱根登山バスに関して言えば土休日のみ箱根湯本行きの1本だけ停車するということになっていて、免許維持路線ならぬ免許維持バス停と化していますw
昔は普通に停車していた記憶があるんですが、利用者が少なかったのか、はたまた箱根新道上で停車することによる不都合があったのか分かりませんが、いつの間にかほとんどのバスが停まらなくなっていました。
なお、伊豆箱根バスのP系統も箱根新道を通りますが、そちらも大半が通過するという点は共通です。

それでは新畑宿橋の利用者は困るんじゃないかと思うでしょうが、実は箱根新道に並行する県道(旧街道)があって、そこを通る箱根登山バスK系統に上畑宿と畑宿というバス停がありまして、そこを利用できるので、実はそんなに困らないのではないかと思います。

このようにR系統はH系統に対する速達系統として存在するわけですが、R系統とH系統の所要時間を比べてみると、箱根湯本~箱根町港間ではR系統が22分なのに対して、H系統が45分とほぼ半分で結んでいますが、箱根湯本~元箱根港だとR系統が30分なのに対してH系統でも32分と大差が無くなっています。
これは、H系統から見ると元箱根港が手前で、箱根町港が奥に位置しますが、R系統では箱根新道と現道の合流地点の都合上、先に箱根町港に立ち寄り、H系統視点では少し引き返す形で元箱根港へ向かう形になるからですが、これはあくまで所定ダイヤでの話なので、狭隘路もあり、多くのバス停に停車するH系統の方が遅延が発生しやすいでしょうし、結果的にはR系統の方が速いということになると思います。


それでは乗り込みます。


幕をアップで


側面の幕です。
経由地は表示しない代わり、急行と大きく書かれています。


↑車窓は動画でどうぞ

車内ですが、意外と余裕がありまして、3分の2程度の席が埋まっている程度でした。
箱根新道は現道ほどではないですが、カーブも多いですし、立ち席だときついですしね。
あと、箱根町港までは20分程度ノンストップということもあって、車内では箱根を紹介する動画が流れていました。

旧街道の県道を眼下に見つつ畑宿地区まで来ると、ここからヘアピンカーブが始まります。
このヘアピンカーブは谷を跨いでの大掛かりなもので車窓からも壮大な地形が楽しめました。

箱根新道が終わって現道に入ると箱根町港です。
ここからは国道1号の現道を進み、左手には芦ノ湖があるんですが、建物や木などに遮られて意外と国道からは見えませんでした。


元箱根港に到着!
ところで、箱根湯本での写真とはバスのナンバープレートが違うことにお気づきでしょうか?
これは、別に途中で故障でもしても車両交換したとかではなくて、箱根湯本での写真は私が乗車する1本前のバスだったんです。
なぜこんな事になったかというと、カツカレーを注文した際に出てくるのが意外と遅く、食べ終わるのが発車ギリギリになってしまい、乗車時には撮影している余裕がなかったのですw

この後は、このまま折り返し乗車ですがしばらく時間があるので周辺をぶらついたりして時間をつぶしたいと思います。


時刻表です。
このように元箱根港発は午後からの運行であり、観光客の流動に合わせたダイヤになっています。
また、土日に1本だけある新畑宿橋に停車する便は米印で表されていますね。


元箱根港は”港”という名前の通り箱根海賊船の寄港地となっていて、海賊船の発券カウンター&待合室を兼ねています。


あれが海賊船です。
まあ、今日は乗りませんがw


アングルを変えて


西武グループの芦ノ湖遊覧船も通りがかりました。
ただし、こちらは元箱根港には寄港せず、箱根関所跡港の方に寄港しています。
というか雪が強くなってきましたw


↑海賊船の出港の様子です。


箱根神社の鳥居と芦ノ湖という写真ですが、雪も相まっていい写真になりました。


こちらは先程名前が出た旧街道経由のK系統です。
K系統とR系統は元箱根港を起終点としていますが、H系統は原則として箱根町港を起終点としており、R系統・K系統はこのように敷地内にバックして着停しますが、H系統は国道1号上のバス停に停車します。


鳥居とバス


芦ノ湖ライナーのバス停もありました。
この芦ノ湖ライナーというのは、小田原駅・箱根湯本駅と元箱根港を結ぶバスで、一見するとR系統とかぶっているようですが、座席定員制のライナーとして運行されており、利用には運賃の他に乗車整理券500円が必要です。
そのため、R系統は通常の路線バスタイプの車両が使われるのに対して、芦ノ湖ライナーは高速バスタイプの車両が使われ、座席定員制であることから着席が保証されています。
運賃部分には「箱根フリーパス」などの企画乗車券も使えるようですが、その場合でも乗車整理券は必要です。
箱根湯本~元箱根港間の系統については車両が高速バスタイプというだけでルートはR系統そのものなんですが、小田原発については他の路線バスでは経由しないターンパイク箱根を経由する事もあって興味は持っているものの、運行が土休日であり今回は平日の活動だったこともあり見送りました。


ちゃんとバス利用者用の待合室もあったのであとはここで待ちます。
寒いですしねw

ところで、先程到着した海賊船から100名は優に超えるであろう人たちが降りてきて、まさか全員R系統に乗るのか?だとしたら乗り切れないぞ?なんて思っていたんですが、どうやら団体旅行の人たちだったようで、脇に停まっていた観光バスに吸い込まれていきました。
以前にR系統に乗った時は超満員だったのでとても混んでいるイメージもありましたが、やっぱりコロナで観光客も減っているんでしょうかね。

それではそろそろ発車時刻となるのでまたR系統で箱根湯本駅へ下っていきます。


↑復路も車窓は動画でどうぞ

復路もそれほど混むことはなくゆったりと座れました。
往路は坂を登る形だったのが、今度は下り方になるのでジェットコースターに乗っている気分になってきますw


箱根湯本駅に到着!
ここで小休止の後、もう1本バスに乗ったらVSEで帰路に就きます。


次々とバスがやってくるので軽く撮りバスしましょう。


ポーラ美術館行きのTP系統は他のバスとは違う塗装になっていました。


休憩がてら頂いたのは豆腐シェイクでした。
ほんのり甘くて優しい味のスイーツでした。

さて、休息も済んだら次のバス旅を始めるとしましょう。

箱根登山バスL系統

続いて乗車するのはR系統と同じく箱根登山バスが運行するL系統です。
L系統は箱根湯本駅と御殿場プレミアムアウトレット・時之栖御殿場高原ビールを結ぶ路線で、箱根湯本駅発着路線では唯一乙女峠を越えて御殿場市へ抜ける路線ともなっています。
宮ノ下までは国道1号を走り、仙石原までは桃源台行きのT系統とも重複し、そこから先は単独区間となります。
乙女峠を越えて御殿場市へ至りますが、御殿場駅には乗り入れずに御殿場プレミアムアウトレットへ行き、一部の便は更に時之栖御殿場高原ビールまで行きます。
ただ、運行本数が少なく、箱根湯本駅発では御殿場プレミアムアウトレット止まりが1本と時之栖御殿場高原ビールまで行くものが2本、それに加えて土休日のみ乙女峠止まりの区間便があります。
このようにL系統としての運行本数は非常に少ないのですが、御殿場プレミアムアウトレットや御殿場駅から乙女峠を越えて強羅駅を経て小涌園へ向かうM系統・G系統があって、こちらはそれぞれ毎時1本程度走っていて御殿場市方面との往来を確保している他、新宿~御殿場~桃源台間の高速バスがあって、御殿場駅~桃源台間のみの利用も可能であり、こちらも路線バスの役割を担っています。
なので、L系統は免許維持路線に近い扱いになっているのかもしれませんね。


バスがやってきました。


幕をアップで


側面の幕を撮ったら乗車します。


乗り込みまして車内の案内です。


↑車窓です。

さて、乗ったのはいいのですが、なんと乗客は私だけw
流石に発車間際には数名が乗ってきたんですが、塔ノ沢や宮ノ下といった温泉地までの短距離利用も多くいました。
宮ノ下までは国道1号ですが、カーブが連続するいかにもな山道であり、唱歌「箱根八里」の歌詞のままの道路が続きました。
国道138号へ折れて仙石原へ出るとしばらく開けた土地で、このあたりにも観光地やホテルがあるので降りる人がちらほらといました。


箱根ガラスの森美術館の看板が見えました。
ここの見学を終えて御殿場から帰るなんて人が乗ってこないかと思っていましたが結局乗ってきませんでしたね。
そして、乙女峠を越える区間ではとうとう私の貸切状態となってしまいました。

ヘアピンカーブで高度を稼いで箱根の外輪山をトンネルで抜けるとあとは御殿場へ向けて一気に下っていきます。
ここもヘアピンカーブの連続でなかなかおもしろい道でした。


眼下に御殿場市街が見えていい眺めでした。


御殿場市街に出てしばらく走ると御殿場プレミアムアウトレットに到着しました。
ここは東京都内からも直行の高速バスが来るくらい人気の場所のようですが、流石にここから乗ってくる人はいませんでした。
しばらく停車時間があるようで、運転士さんはトイレか一服か知りませんがバスを降りてどこかへ行ってしまいました。
スマホで発車時刻を確認するとなんと10分近くも停まるようで、相当余裕を持たせたダイヤが組まれているようですね。


御殿場プレミアムアウトレットは東名高速のすぐ脇にあるので、目の前を行き交う車の姿を眺められます。
東名高速は特にトラックやバスが多くて、まさしく現代の東海道ですよね。

時間が来てバスは動き出しました。
しばらくは来た道を引き返す形で秩父宮記念公園というところまでは複乗です。
秩父宮記念公園を出ると次は終点の時之栖御殿場高原ビールなんですが、ここからが長いです。なんと10分間走りっぱなしです。
実は御殿場プレミアムアウトレットは御殿場駅の近くにあるのに対して、時之栖御殿場高原ビールは駅でいうと富士岡駅と岩波駅の間にあるんですね。
こんなに長い間走るのに道中には家とかもあってバス停を作れば需要ありそうなのになと思ったんですが、調べてみるとこの区間には富士急バスによる御殿場駅~三島駅間の路線が並走していて、バス会社同士のテリトリーとかの兼ね合いで途中にバス停を設けていないのではないかと思います。


時之栖御殿場高原ビールに到着です。


バス停は駐車場の一角にあるという感じですね。


バス停は本当にポツンとありますw


バス停です。
それにしても長ったらしい名前ですが、時之栖御殿場高原ビールって何なのかというと、レジャー施設の名前のようです。
ただ、正式には「御殿場高原時之栖」というようで、時之栖というのは運営会社の名前のようです。
同地には御殿場高原ビールの醸造所があることから、「御殿場高原ビール」と呼ばれることもあり、バス停名は「時之栖御殿場高原ビール」となったようです。


なお、時之栖御殿場高原ビールまでやってくるのはL系統だけであり、しかもL系統のうちの1本は御殿場プレミアムアウトレットまでの運行なので、ここまでやってくるのは平日も土休日も1日2本となっています。
L系統以外で公共交通機関だと富士急バスの「栃窪」バス停などが近く、御殿場駅・裾野駅・三島駅からそれぞれ専用の送迎バスも出ているそうです。


バスは幕も消して隅っこで待機するようです。
実は折返しまで1時間近くあってしばらく暇なんですよねw
なので、普段ならせっかく観光地へ行ってもとんぼ返りでろくに見られないことが多い中、今回は見学する時間があります。
なので、記事でも軽くですが時之栖御殿場高原ビールを紹介したいと思います。


この橋を渡って入るようです。
それにしても夕方の訪問だったせいもあるでしょうが観光地の割にはあまり活気が無いような・・・


バス停の案内がありましたが、わざわざ有料と書いてあるのが面白いですね。
路線バスが運賃を取るのは当たり前過ぎてわざわざ説明するまでもない事実だと思いますが、ここの場合無料の送迎バスもあるので、あえて有料と明記しないと無料だと思われかねないんでしょうね。
過去に無料だと思って運転士さんとトラブルになったとかあったのかもしれませんね。


中へ入るとメルヘンな雰囲気になっていましたが、軽トラが世界観壊していますねw
まあ、観光しせと言えども縁の下の力持ち的な業務もたくさんあるでしょうし仕方がないですけど。


ここはレストランのようで、御殿場高原ビールを呑みながらソーセージなどを楽しめるようです。
ただ、湯本でカツカレーを食べてからそんなに経っておらずお腹も空いていなかったので今回はスルーですね。


御殿場高原ビールと書いてありました。
醸造所があるだけあってビールを前面にプッシュしていますね。


お、お菓子の家は実在した!?
なんて、これはカフェのようですが、一気にテーマパークっぽくなってきましたね。
ちなみに、入場料はなく入るだけならタダです。


木曽馬と書かれた建物がありましたが・・・


いたー!
ウマ娘を始めてからなんか馬という生き物に親しみを感じるようになりました。
まあ、この馬はレースを走ったりはしませんけどねw


こっちに来てくれました。


鳥の形のオブジェがありました。

あとは売店に立ち寄って高原ビールの缶とつまみのソーセージを買い込んだり、カフェでコーヒーを飲んだりして時間をつぶして折返しまで待ちました。
ビールは現地で飲んでもよかったんですが、また山道をゆくバスに揺られなければならないので、ここでアルコールを入れるのは不安を感じて、家に帰ってからの楽しみにとっておくことにしました。
お風呂もあるみたいなので空き時間で入ってもよかったんですが、結構敷地が広くてどこにあるのか分からず行きませんでした。


そして、バス停に戻ってきました。


側面の幕


ちょっと雲に隠れていますが富士山が見えました。


再び御殿場プレミアムアウトレットに戻ってきました。


東京方面への高速バスですかね。

ここで意外にもぞろぞろと乗ってきて車内は一気に賑やかになりました。
どうやらアウトレットで買い物を楽しんでから箱根の宿へ泊まるというスケジュールの人が多いみたいでした。
私の考えだとせっかく旅行へ行って、行くところがアウトレットってどうなんだと思ってしまいますが、それを言ったら私だってせっかく箱根へ行って観光地へも行かず温泉にも入らずひたすらバスに乗っているだけですからねw
まあ、旅行の楽しみ方は人それぞれってことでw

再び乙女峠を越えて行き、仙石原を抜けて宮ノ下などの温泉に寄る内に車内はどんどん空いていき、箱根湯本駅まで行ったのは私の他に数名だけでした。
まあ、この時間になったら泊まる人がほとんどでしょうしねw


箱根湯本駅に到着!


今回は乗りませんでしたが登山電車も最後の名残に撮っておきましょう。

VSEで帰路に就く

あとは帰路に就くのみとなります。


というわけで箱根湯本駅へ入ります。


浴衣姿の綾波レイちゃんがいました。


コンコースになんかありました。


上段はグッズの展示のようですね。


下段はプラレールのレイアウトでした。
車両はもちろん箱根登山鉄道


これは駅員さんによる黒板アート(?)の力作ですね。


引退を知らせる掲示物もありました。
ちゃんと発車時刻まで書いてくれているのは親切ですね。


この「はこね38号」で帰路に就きます。


登山電車を撮ったらVSEの入線を待ちます。


↑VSEの入線です。


↑往路も撮りましたが座席の自動回転シーンです。

あとは車内の清掃点検がありますのでそれが終わるまで待ちます。


その間に行き先表示を撮りました。


↑ようやくドアが開きました。


まだ時間があるのでカフェカウンターに行ってみました。
この時は営業していませんでしたがお目当てはというと・・・


本来は商品を陳列したりするスペースなんでしょうけど、そこを利用してさよならメッセージが展示されていました。


社員の方と思われるメッセージもありました。
多くの人に愛された車両だったんですね。


あと、連接台車部分の継ぎ目は円形になっているのも特徴ですね。

それではあとは座席で大人しく新宿まで過ごしたいと思います。
これが私にとって最後のVSE乗車となるでしょうからしっかりと味わいつつ思い出に刻みたいと思います。
もう暗くなっているので車窓は楽しめませんが、その分連接台車特有のジョイント音や乗り心地にも注目したいと思います。
観光客が少ないであろう遅い時間を選んだこともあって車内は空いていて録音環境も素晴らしかったです。
あと、他にも録音している方もいました。
現地ではもちろんしっかりVSEの走りを味わっていましたが、記事にすると余り書くことがないのであとは新宿まで飛びますw


新宿に到着しました。


斜めからも撮りました。

このあとはまた折返し運行があるんですが、前回の活動で動画も撮っているしなぁ・・・ということで帰ろうとしたんですが、ここでふと思い出しました。
そういえば、運転台から運転士さんが出てくるところは撮っていないなと。


↑撮れました。

これにてVSEに関してはやりたいことは一通り出来ましたし、もう悔いはありません。
また、定期運行こそ終了しますが、ツアー限定の団体列車などではもうしばあらく活躍を見られるようなので、また機会があれば取り上げたいと思います。
これくらいで記事を〆たいと思います。
次回はまた首都圏近郊での単発活動になる予定なのでその記事でお会いしましょう。

それでは!

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つばめ501号(管理人) について

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