今回は2016年10月30日に開催された「隅田川駅貨物フェスティバル2016」に参加しましたのでそのレポートです。
なお、まだ執筆していない旅行記がありますが、イベント系は皆さんの注目度も高いでしょうから順番を前後して執筆しています。旅行記をお待ちの方はもうしばらくお待ち願います。
南千住駅から会場へ
会場はタイトルにもある通り、隅田川駅なんですが、この隅田川駅というのは貨物専用駅であり、旅客列車は停車しないので旅客駅として最寄りとなる南千住駅からレポートはスタートです。
しかし、この時点では復路も電車を使うつもりだったので南千住駅の取材はせずに会場に向かってしまい、結局帰りはバスにしたので駅の取材はしていません。悪しからず。
隅田川駅自体は南千住駅とは目と鼻の先にあるのですが、会場の入口へは結構歩くようです。貨物駅だけに敷地も広大ですからね。
そうこう言っているうちにゲートにたどり着きました。しかし、ここからは入場できないようです・・・
ここは貨物駅であると同時に機関区でもあるんですね。
どうやら田端機関区への回送が線路容量を逼迫させ貨物輸送量のボトルネックになっていることから当駅での機関区としての機能を強化しているようですね。
やっと開いている所がありましたが、これは入口ではないようです。業務の関係で開けっ放しにしているんですかね。
まだまだ歩きますw
それにしても、あのマンションの高層階に住んでいる人は毎日貨物駅の構内が一望できるんですかね。貨物列車ファンにはたまらない物件かもしれませんw
今度こそ入口かと思えばトラックが出入りするためのゲートのようです。
そして、ここが本当の入口のようです。地図ではすぐそこに見えましたが実際はかなり歩きましたw
それにしても、イベントのバルーンアーチがないのは仕方ないとしても入口であることを示すものが少なすぎて本当にイベントをやっているのか心配になってしまいましたw
構内への立ち入りを禁止する看板ですが、かなり錆びてしまっていますね・・・
当駅がJR貨物の駅であることを示すこれは欠かさず撮っておきます。
いよいよ入場
思っていたよりだいぶ歩きましたが、ようやく会場に入りました。
入るとそこは倉庫のような場所の前で、多くの自転車が並んでいましたが、これは来場者のものなんですかね。
総合案内所ですが、なんとコンテナをそのまま利用していました。貨物駅のイベントらしいといえばらしいですがw
入るとそこには作業用道路と貨物列車の発着線が広がる貨物駅らしい光景が広がります。
イベント時も普通に荷役作業はあっているようで、あちら側に立ち入ることは出来ませんでしたが、JR貨物か関連会社、あるいはJR貨物を利用する運送会社(利用運送事業者)の社員ぐらいしか通常は見られない光景を見られるだけでも貴重です。
ちょうど貨物列車が停車していました。まさに積み込み作業の最中なのでしょう。
ところで、この隅田川駅ですが、日本鉄道が現在の高崎線や東北本線となる路線を開業した際には上野駅と秋葉原駅でそれぞれ貨物を扱っていて、隅田川駅は石炭や砂利などの貨物を扱うことを目的に開設されたのが最初だそうです。
当初は水運との連絡という使命もあり、構内に水路も引かれていたようですが、水運の衰退や石炭などのばら荷の減少もあって水路は埋められ、代わりにコンテナ扱いの拠点として整備されることとなり、現在では東北や北海道など関東の北の方からやってくる貨物列車の拠点となっており、東海道本線など西からやってくる貨物列車がメインの東京貨物ターミナル駅と並び東京の2大貨物拠点になっているようです。
物販ブースのようですが、午後からの参加だったこともあり殆どのグッズは売れてしまったようでした。
奥のコンテナでは客と思しき男性が椅子に座って何かしていましたが、大きな部品などを買って配送の手続きをしているんですかね。
事前告知にも出ていた玉ねぎとジャガイモの販売ですが、こちらも完売御礼のようでした。
北海道の農産物の殆どは鉄道貨物輸送で本州へと出荷されているそうですし、そのアピールでもあるんですかね。
コンテナ内にあった張り紙は実際に荷物を積み込む人に向けたもののようですね。
消防署のブースも出ていました。
この他警察署のブースもありましたが、そちらは撮影しそこねたようですw
金太郎飴でEH500形とはうまいこと言いますねw
残念ながら現物は完売しておりお目にかかれませんでしたが・・・
こちらはコンテナ内部を見学できるブースのようです。内部は板張りで荷物を入れることに特化した簡素な構造ですが、入ってみると意外と広く、この中で生活できそうだななんて思ってしまいましたw
実際、コンテナハウスといって、コンテナを改造した住宅もあるようですしね(流石に日本の鉄道コンテナサイズはあまり使われないようですが)
何やらハンコがたくさん並んでいますが、これはコンテナをどこからどこへ運び何が入っているのかと行った情報を書く車票に押すためのハンコのようです。
あ、1回100円ですか・・・w
あと、何気に中古コンテナの張り紙も出ていて、商魂も忘れてはいないようでしたw
鉄道模型のレイアウトもありましたが、人だかりがすごくてこれしか撮れませんでしたw
それから、バンド演奏の出し物もあっていましたが、そのステージになっているのはなんとトラックの荷台w
西武鉄道のイベントでトラバーサをステージにしていた例はありましたが、トラックの荷台というのも貨物駅ならではというかなんというか・・・w
ここも貨物の積み下ろしをする場所なんでしょうか。ホームのような場所があり、ここに軽食の出店が出ていて、備え付けのテーブルで食事ができるスペースとなっていました。
その奥はバリケードで仕切られていましたが、その先にもホームは続いていました。
ここだけ見ると旅客駅のプラットホームにも見えてきますね。
不自然な角度に日通のコンテナが置いてありましたが、これは宣伝目的なんですかねw
車両展示へ
物販コーナー、軽食コーナー、バンド演奏と見てきましたが、やはりイベントの目玉といえば車両展示ですね。
今回はEH500形(金太郎)とDD51形の展示は予告されていて、もう1台シークレットで機関車が展示されることになっていましたが、そのシークレットとは何なんでしょうか!?
EF65でした。
車番が赤いのは「常用減圧促進改造」というものを施されていることを示しているそうです。これは簡単に言ってしまえばブレーキの反応を良くするための改造のようです。
金太郎も展示されていましたが、展示場所の関係でこんな写真しか撮れませんでしたw
まあ、金太郎自体は割と見かける機会も多い機関車なので別にいいですがw
さて、これで会場内は大体見たのでそろそろ帰ろうかと思いましたが、まだまだ見るものがありました。
物販コーナーを改めて覗いてみる
思ったより早く会場を回り終えてしまったので暇つぶしがてら物販コーナーを見てみました。
基本的にグッズなどはあまり買わない私ですが、売られていた貨物時刻表には思わず足を止めてしまいました。
貨物時刻表というのは名前の通り、貨物列車の時刻表であり、貨物列車を利用する運送会社や荷主の企業などが使うかなりニッチな書籍になりますが、少しでも購買層を広げたいということなのか鉄道ファン向けの構成もされており、機関車や貨車の紹介ページだったり撮り鉄には重宝するであろう貨物列車のダイヤグラムや運用表、貨物駅などの配線図なども収録されています。
私の場合、沿線で撮影するとしても貨物列車は「来たら撮る」程度でわざわざ時間を調べてまで撮るほど熱心に追いかけているわけではありませんし、言ってしまえば実用上貨物時刻表など必要ない人間なんですが、その場のノリで思わずお買上げw
よほど売れなくて困っていたのか、クリアファイルやメモ帳などのグッズもおまけとして大盤振る舞いで付けてくれました。
帰宅後読んでみると時刻表そのもの以外の特集やコラムなども面白く、読み物としても楽しめるなと思いました。流石に定期的に購読しようとまでは思いませんが、時々買ってみるのもいいかなと思ったりw(旅客向けの通所の時刻表とは違って基本的に1年に1回の刊行のようです。
↑興味を持たれた方は通販でも買えますのでよろしければどうぞ
これは販売しているのか展示しているだけなのか分かりませんが、もし販売しているとしてもこういうのはちょっと手が出ませんね・・・
フォークリフトの展示もありました。貨物列車への積み下ろしには欠かせない相棒ですね。
イベント展示ではないけれど
さて、これで本当に見るものはなくなったので帰るだけのつもりだったんですが、まだ帰るなとでも言わんばかりに目の前でトップリフターが荷役作業をはじめました。
↑トップリフター荷役作業
トップリフターというのはコンテナを上から掴む形で積み下ろしをする機械で、フォークリフトの仲間です。
こちらの青いトラックはナンバープレートがないことから分かるように駅構内専用のトラックのようです。
↑トラックとフォークリフトの走行シーン
↑トラックの走行シーンその1
↑走行シーンその2
動画をまとめてご紹介したら会場を後にします。
とりあえず南千住駅へ
会場を後にしますがとりあえず昼飯も食べずに来ていたので何か食べることにしました。
どのみち南千住駅の方にしか飲食店はないようなので駅に移動ですね。
大規模な物流拠点だけにトラックの出入りも激しいことを物語る看板
根拠となる法律の条文まで載せて立入禁止を宣言されるとより説得力がありますね。
金網が不自然に曲げられていましたが、まさか誰かが撮影するためにレンズを通す目的で壊してしまったんでしょうか・・・
駅の近くまで来たら飲食店を見つけてサクッと体の燃料補給を終えて帰路に就きますが、ここからは上野松坂屋前まで都バスが出ていることを思い出し急遽常磐線ではなく都バスで帰路に就くことにしました。
最後のシメは乗りバス
以前にスカイツリートレインに乗りに行ったときにも都バスでシメた気がしますが、今回も同じようなオチになりましたねw
こちらは駅のロータリーです。駅自体、特にJRの駅は少し離れたところにあって”駅前”ロータリーと呼んでいいのか微妙ですねw
ちなみに、ここは「駅東口交通広場」というらしく、これとは別に西口にもロータリーがあり、都バスの南千住車庫も隣接しており、そこから発着する路線も利用可能です。
これは都バスではなくコミュニティバスのバス停ですが、面白いのが押しボタンですね。このボタンは次の停留所で待っている人にバスの接近を知らせるもののようで、いわばバスロケーションシステムを手動操作で実現したものといえるでしょう。
しかし、自分が待っている停留所の1つ手前に乗客が待っていなかったらボタンを押してもらえないでしょうし、待っていたとしても全員が押してくれる保証はありませんし、逆にイタズラで押される可能性なんかも考えると実用性はどれくらいあるんでしょうね。
そして、今回乗車するのは上46系統です。この系統は南千住駅と上野松坂屋前を結ぶ系統です。この他に錦糸町駅行きの錦40という系統も出ています。
この他のバスのラインナップとしては駅周辺を循環運行するコミュニティバス(冒頭でもちらっと登場しましたね)や京成バスもあります。
早速乗り込み”乗りバス”を開始したいと思います。
南千住駅東口を起点としますが、駅周辺をグルグルと回った後、南千住駅入口という停留所を経て浅草地区を抜けて上野へ至るという経路なんですが、単に南千住駅から浅草や上野を目指してこの路線を利用するなら起点の東口から乗らずに南千住駅入口から乗ったほうが所要時間的には有利ですね。都バスの23区内路線は均一運賃なので運賃面ではどっちから乗っても同じですから、確実に座れることを目的に起点から乗るのもありかもしれませんが、私が乗車した限りでは立ち客が出始めるのは浅草地区に入ってからだったので”入口”から乗っても大丈夫だと思われます。
浅草地区からは流石に利用者も増え始め立ち客も出るほどでした。あと、車窓から見る浅草も面白かったですね。特にこの日はハロウィンの時期だったので仮装をしている人々が歩道を闊歩しているのが見えましたw
上野地区では上野駅前というバス停がJR上野駅最寄りですが、その先の上野松坂屋まで乗る人も多く、駅に用がある人よりはアメ横などの街への買い出しの目的で乗車する人が多いようでしたね。
レポートはあっさりとしたものになりましたが、終点上野松阪屋前に到着です。
こちらが停留所名にもなっている松坂屋上野店です。
至近の鉄道駅は地下鉄ならば上野広小路(銀座線)か上野御徒町(大江戸線)、JRならば御徒町ですが、バス停としては上野松坂屋が最寄りですね。
余談ですが、上野広小路駅は当初上野駅に近すぎることもあり設置される予定はなかったそうなんですが、銀座線の前身となる東京地下鉄道が新橋へ路線を延伸した際、三越が建設費用を負担して三越前駅を開業させたのに対抗して、松阪屋の働き掛けで建設が決まったという経緯があるようですね。三越と違って駅名に店の名前を入れるまでには至らなかったようですが、副駅名として「松阪屋前」が付けられています。
地下鉄駅には名前を入れられなかった代わりにバス停名には名前を入れたかったということなのか、停留所名は「上野松阪屋前」ですが、ここを行先とする系統は多いので、地下鉄ほどではないでしょうが宣伝効果は大きいでしょうね。
近年は駅名や路線名に企業名や商品名をつける権利であるネーミングライツを販売することが地方鉄道を中心に流行していますが、三越前駅などの逸話はそれの先駆けともいえますね。
さて、このあとですが、何気なく携帯で検索をかけたところ、なんとJR東日本が来年春に運行開始に向けて準備中の「四季島」が試運転をしているという情報をゲットしてしまいましたw
しかし、渋川方面への試運転であるらしく、尾久へ戻ってくるのは18時半頃という情報でした。実はイベントをさっさと終えて帰宅して、貯めてしまっていたレポート記事などの作業を一気に終わらせるつもりだったんですが、予想外の試運転情報には嬉しいやら困るやらw
まあ結局撮りには行ったんですがそれは別記事でということでこの記事はここで区切りたいと思います。
とりあえず宇都宮線に乗ろうと久々に13番線に行ってみましたが、例のトイレは撤去されていました。
代わりに14番線の改札付近に新しいトイレが出来ていましたが、これは”本来の目的”以外で使う人への対策も兼ねているんでしょうかね。
え、意味深な書き方ばかりされたら気になるって?どうしても気になる方は自己責任で「上野駅 13番線 トイレ」などで調べてみて下さい。(一応R-18かな?
というわけで、このレポートは以上です。「四季島」の撮影は別記事で近日中に公開したいと思います。しばしお待ち下さい。
~追記~
四季島の記事も公開しました。