今回は西武鉄道・東武鉄道・東京メトロ・東急電鉄・横浜高速鉄道を直通して運行する「Fライナー」に乗って横浜中華街へ出掛けました。
きっかけは2022年春のダイヤ改正で「Fライナー」のうち西武線へ直通する系統が、土休日の飯能への乗り入れがなくなるということであり、そういえば今までちゃんと「Fライナー」に乗ったことがなかったなというわけで、飯能まで乗り通すついでに横浜中華街へ行ったというわけですね。
なお、活動は2022年春の改正前のものですが、記事の執筆が遅れており公開は改正後となってしまいました。
記事中の記述は特記のない限り改正前のものとしてご覧下さい。
「Fライナー」とは
今回は「Fライナー」に乗ることが活動の大半を占めていることもあって、最初にこの記事の主題である「Fライナー」について説明しておきたいと思います。
「Fライナー」は西武鉄道・東武鉄道・東京メトロ・東急電鉄・横浜高速鉄道の5社に跨って運行される列車であり、みなとみらい線・東急東横線・東京メトロ副都心線から東武東上線ないし、西武有楽町線・西武池袋線に直通する列車のうち、日中ダイヤにおける最速達種別の愛称として採用されています。
ただし、種別は鉄道会社ごとに異なっており、横浜高速鉄道・東急電鉄では特急、東京メトロと東武鉄道では急行、西武鉄道では快速急行として運行されています。
運行区間は元町・中華街~森林公園、もしくは元町・中華街~飯能となっており、飯能系統については小手指で折り返すものも存在します。
運行時間帯は平日ダイヤでは朝ラッシュの終了後から、夕ラッシュの前くらいまでとなり、土休日ダイヤではより運行時間帯が拡大されます。
基本パターンは東武東上線方面と西武線方面の列車がそれぞれ30分ヘッドで運行され、両系統が重複して走る小竹向原~元町・中華街間は15分ヘッドとなっています。
これが、2022年春のダイヤ改正で西武線系統の飯能乗り入れが大幅に縮小され、平日ダイヤでは飯能への乗り入れがなくなり、土休日ダイヤでも朝晩のみの設定となるなど、飯能発着列車が大幅に減便されるため、その前に日中の元町・中華街~飯能間の「Fライナー」に乗っておこうということで今回の活動に繋がりました。
使用車種は運行区間が5社に跨ることもあって、横浜高速鉄道を除く東武・西武・東京メトロ・東急のいずれかの車両が使われるため、車両のバリエーションが多いのも趣味的には楽しいですね。
あと、「Fライナー」という愛称についてですが、”F”は最速達種別であることから速さを意味する”Fast”、5社を直通することから”Five”、また、「Fライナー」が走行する路線の1つである副都心線のローマ字表記の”Fukutoshin”の頭文字から採られていて、運行する5社の名義で商標登録もされているそうです。
趣味的な観点からすると、かつて伊豆山戦争・箱根山戦争で対立していた東急と西武が直通運転するという時代の変化を感じさせる象徴のような列車の1つとも言えます。
まずは池袋から中華街へ
というわけでレポートに入っていきますが、最初は始発駅からではなくて池袋からの乗車となりますので、ここでは「Fライナー」の紹介は軽く触れるに留めて置きたいと思います。
駅名標です。
東京メトロでは路線ごとに異なるデザインの駅名標を採用していますが、副都心線はラインカラーでもある茶色を基調とした駅名標になっています。
「S-TRAIN」の案内です。
当駅は降車専用駅となっていて、ここからは乗車できないためその旨の案内がされていました。
発車標です。
3番目に出ている急行というのが「Fライナー」ですが、ここでは「Fライナー」とは案内していないようです。
東急5000系がやってきました。
何かヘッドマークが付いているなと思ったら「SDGsトレイン」というラッピング車両でした。
↑発車を動画で撮りました。
↑また5000系がやってきましたが、これは普通のやつですね。
この後続が「Fライナー」であり、この先の東新宿で追い越すダイヤになっています。
「Fライナー」がやってきました。
東京メトロ10000系でしたが、ブレてしまいましたw
動画で撮ればよかったなw
「Fライナー」についてはこの後の折返しで詳しく紹介するとして、記事は元町・中華街駅に飛びます。
元町・中華街駅に到着すると折返しは飯能行きの「Fライナー」になるようです。
元町・中華街駅は運行本数の割には1面2線の設備しかないので折返しは慌ただしいですよね。
副都心線は急行となることも案内されていますが、「F急行」という表記になるんですね。
先頭の表示も撮ったら一旦駅を出て中華街へ向かいます。
今回は「Fライナー」に乗るだけが活動内容ですから時間にゆとりもあるので、中華街でゆっくりランチを楽しもうというわけですw
階段を登って地上を目指しますが、元町・中華街駅も地下深くにあるので長いですw
駅名に「中華街」と入っているだけあり、出口を出ると目の前に有名な中華街の門があります。
このように元町・中華街駅が横浜中華街への最寄り駅ですが、当駅が開業する前はJR根岸線の石川町駅が最寄りであり、現在でも大船や磯子方面からやって来る場合は石川町経由のルートが有用であることもあり、石川町駅には「元町・中華街」という副駅名が付いています。
それではランチを頂くお店を探しに中華街へ突入するとしましょう。
良さげなお店を見つけて入店し、カニチャーハンを注文しました。
グループでの食事だと、色々注文してシェアしながら食べると言うことも出来ますが、お一人様だとそれが出来ないのは辛いところですねw
これは台湾風のフライドチキンでして、大きくて食べごたえもありますし、胡椒と山椒が効いたスパイシーな味わいでした。
それでは駅に戻って、今度は乗り鉄編ということで、「Fライナー」に乗車します。
「Fライナー」 元町・中華街→飯能
鉄道ブログである当ブログとしてはここからがメインとも言えますが、「Fライナー」で一気に飯能まで乗車します。
発車標です。
ちょうど往路で乗ったやつの折返し列車の1時間後ということになりますが、飯能行きはこの活動の時点でさえ1時間に1本だったのでこれを逃すともう1時間待つことになることもあって、なるべくこれに乗りたいと思っていました。
↑「Fライナー」が入線してきました。
やってきたのは西武6000系ですね。
本当は小手指以遠への乗り入れがレアになる東急車かメトロ車を期待していましたが、流石にそのためにもう1時間待つ気にもなれずこれに乗っていくことにします。
あとは車内で大人しくしておきます。
今のところは空いていますが、東急東横線や副都心線は基本的に混雑する路線ですし、ロングシートでは車窓を楽しみにくいですしね。
まあ、車窓の方は以前の活動で「S-TRAIN」で楽しみましたからそれでよしとしましょうw
元町・中華街駅を出るとみなとみらい・横浜・菊名・武蔵小杉・自由が丘・中目黒・渋谷と停車していきます。
この停車駅は副都心線と東急東横線の直通が始まる前の東横特急から変わっていません。
横浜あたりではいくらか乗ってきましたが、立ち客が出ることもなく意外と空いていて拍子抜けしました。
いくら利用客の多い東横線でも平日の真昼間はこんな感じなんですね。
渋谷からは東京メトロ副都心線に入っていきます。
また、ここからは種別が急行に変わります。
副都心線の急行は東急東横線との直通開始前から存在した種別で、建設時点から急行運転を想定して東新宿駅に待避線が設けられていたこともあって、地下鉄ながら本格的に通過運転をする種別となっています。
ここからの停車駅は明治神宮前・新宿三丁目・池袋・小竹向原となっていて、原則として東新宿駅で先行する各駅停車を追い越します。
ところで、副都心線の急行は当初明治神宮前を通過していましたが、2010年3月改正より土休日に限り明治神宮前に停車するようになり、「Fライナー」の運行が始まった2016年3月改正より平日も急行が明治神宮前に停車するようになりました。
ちなみに、通勤時間帯に走る通勤急行は小竹向原~和光市間が各駅停車で、それ以外は急行停車駅という種別でしたが、急行が明治神宮前に停車するようになった後も明治神宮前を通過する設定のままとなっているため、「Fライナー」と比べると渋谷~小竹向原間では通勤急行のほうが停車駅が少なく上位種別ということになりますが、東武東上線方面だと通勤急行は小竹向原~和光市間各駅停車なのに対して、「Fライナー」は小竹向原~和光市間も急行運転なので、停車駅数で言えば「Fライナー」の方が上位種別というねじれ現象が発生しています。
地下鉄に入ると当然車窓は楽しめませんが、地下鉄で駅を通過するという貴重な体験が出来るので楽しいです。
東新宿駅では先行列車を追い抜くというのも地下鉄では珍しいですしね。
最近は地下鉄でも優等列車を運行する例が増えていますが、その元祖である東京メトロ東西線は快速が通過運転をするのは郊外区間だけで、その大半が地上区間ですし、都営浅草線を走るエアポート快特にしても都心部でも通過駅があるものの先行列車を追い抜くことはしません。
都心部でも通過運転をしていて、なおかつ先行列車を追い抜くのは副都心線の他には都営新宿線の急行と、横浜市営地下鉄ブルーラインの快速くらいでしょうか。
東新宿では車窓から先行列車の姿も見えました。
池袋ではどっさり乗ってくるかと思ったらそうでもありませんでした。
考えてみると池袋から西武線沿線に行くなら、地上の西武線池袋駅を使った方が始発駅ということで座れる可能性が高い上、「Fライナー」のルートを利用すると地下鉄と西武線に跨る関係で運賃が割高になるという問題もあるので、池袋からの乗車はあまりメリットがないということなんでしょうね。
池袋に停まってから小竹向原に到着です。
西武線方面の「Fライナー」はここで副都心線を外れるため、東京メトロと西武の境界駅ということになります。
当駅は池袋から並行してきた有楽町線と合流する地点ともなっており、副都心線渋谷方面と有楽町線、西武線と副都心線・有楽町線和光市方面がX字に交差する駅となっています。
ところで、ここからは西武線に入るのですが、引き続き地下区間が続く上、路線名も西武有楽町線なので、この区間も地下鉄の一部だと思っている人もいるかもしれません。
しかし、実際には西武鉄道の路線ということになっており、西武有楽町線という路線名も副都心線よりも先行して開業していた有楽町線に接続するための路線という意味合いで付けられたものです。
西武有楽町線には唯一の途中駅として新桜台駅がありますが、ここは通過します。
2020年3月改正までは新桜台にも停車していたようですが、現在は通過となっています。
西武有楽町線が終わって地上に顔を出すと練馬駅に停車します。
練馬駅は西武線池袋駅を発着する急行・快速急行は通過するものの、地下鉄へ直通する列車は快速急行であっても停車するということになっており、快速急行より下位種別の急行も練馬には停まらずここでもねじれが発生しています。
このことも池袋から西武線方面への「Fライナー」を利用するメリットが薄い理由になっているんでしょうね。
急行だと池袋を出ると石神井公園までノンストップですが、「Fライナー」だと小竹向原・練馬の2駅に止まるので2駅余計に停車する分、所要時間も池袋~石神井公園間では西武線池袋発着の急行が10分程度で結んでいるのに対して、「Fライナー」では15分程度かかっていて、「たった5分」と見るか、「5分も」と見るかは人それぞれでしょうが「Fライナー」の方が余分に掛かっています。
地下鉄線内や東急線内から直通する人は5分程度の差なら直通のメリットのほうが大きいですが、池袋からの乗車では急行に乗ったほうがいいという話になってしまいますねw
練馬を出るとあとは所沢まで急行停車駅に準じていて石神井公園・ひばりヶ丘・所沢と停車していきます。
このように急行と快速急行は池袋発着か地下鉄直通かによる違いを除けば、所沢までは同じ停車パターンなんですが、違いが出るのが所沢から先であり、急行だと所沢から先は各駅停車となってしまうのが、快速急行では小手指・入間市・飯能にしか停車せず、最後まで通過運転をしてくれます。
ただ、逆に言えば所沢までは急行と快速急行の差はないとも言えますから、所沢から停車駅ベースで1区間しか乗り入れない小手指発着列車では快速急行も意味がないような気もw
従来から西武線系統の半数が小手指止まりの列車だったのが、2022年春改正により、土休日の朝夕以外は全て小手指折返しとなってしまったためいよいよ「Fライナー」の快速急行としての存在意義が怪しくなってきますねw
西武鉄道としては「Fライナー」のブランドとして最上位種別である快速急行の種別は残したいんでしょうが、小手指までの運行では急行扱いでもいいような気もします。
あと、余談ですが「Fライナー」以外の快速急行も年々本数が減っていて今ではすっかりレア種別と化しています。
以前は土日を中心に西武秩父方面へ直通する行楽列車として、秩父鉄道に直通する列車までありましたが、2020年改正をもって消滅し、最後に残っていた西武秩父発池袋行き快速急行も2022年改正で消滅します。
また、平日日中も運転があったものも徐々に急行に置き換わる形で減便されていきまして、その結果、2022年改正以後の時点で、「Fライナー」ではない快速急行は平日の朝ラッシュ時間帯に走る上り1本だけであり、下り列車は定期列車としては存在しません。
また、土休日では池袋発着の快速急行は存在せず、土休日の快速急行は「Fライナー」だけということになります。
西武鉄道としては飯能や入間市から池袋方面は特急に誘導したい意図があるんでしょうが、「Fライナー」まで飯能への乗り入れが大幅減便されるなんて、飯能や入間市の利用者はかなり利便性が下がったと言えますよね。
所沢に到着です。
ここでは西武新宿線と接続していて、西武鉄道の本社もあるなど、西武の拠点駅と言える場所ですが、ここから明らかに利用者が減りましたね。
ちょうど減便される区間ですが、結局は実態に見合った改正ということになるんでしょうか。
続いて停車するのは小手指です。
途中にある西所沢駅は通過しますが、西所沢駅って狭山線との乗換駅なんですよね。
快速急行なので通過するわけですが、小手指止まりばかりになるなら、いっそ西所沢にも停車させたほうが狭山線利用者には便利になりそうですけどね。
ただ、そうするといよいよ急行と差がなくなりますから、「Fライナー」の種別を急行に改めるということになるでしょうが、西武線内では特別料金が必要ない種別としては最上位の快速急行という名前は残したいということで、快速急行を名乗るために通過しているという感じでしょうかw
続いて停まるのは入間市です。
航空自衛隊の入間基地があることでも知られていますが、車窓からも基地を見ることが出来ます。
この入間市は特急停車駅ですが、快速急行でも入間市の次は終点の飯能ですから、所沢~飯能間で特急と快速急行の違いは小手指に停まるかどうかだけということになり、快速急行の速さが分かりますね。
飯能に到着です。
このあとはまた「Fライナー」に乗って引き返しますが、少し時間があるのと、運賃精算の都合上、どのみち一度改札を出る必要もあるので、駅を軽くご紹介したいと思います。
幕をアップで
既に折り返しの元町・中華街行きに変わっていますね。
ローマ字も撮ったらあとは発車までの間に駅を見ていきます。
飯能駅は武蔵丘車両検修場でのイベント「西武電車フェスタ」などで訪れる機会もあり、私も何度か来ている駅なんですが、コロナでイベントもご無沙汰となり、久しく来ていないうちに飯能駅が随分と変わったという噂を聞きましたのでそれを確かめたいと思います。
飯能駅にて
それでは最後に飯能駅を紹介して記事を〆たいと思います。
駅名標ですが、早速なんか違うぞ!?w
「ムーミンバレーパーク」の最寄り駅でもあり、その世界観に合わせた駅になっているようですよ。
こちらは特急ホームへの入口です。
ラッチのようなものが設置されていますね。
ここで特急券を確認しているようですが、この時は無人でした。
特急列車の発着がある時間帯のみ駅員さんがやってくるんですかね。
駅構内に図書スペースがありました。
地方のローカル駅とかでこういう取り組みをしているのは見たことがありますが、西武という大手私鉄でやっているとは・・・
それでは改札を出ます。
全体的に北欧チックな雰囲気ですが、自動改札機で一気に日本に引き戻されましたw
市内のホテル・旅館の案内がありました。
飯能は観光地としても知られていますが、東京から近すぎて日帰りで訪れる人が多くてあまり泊まる人はいないのではないかという気もしてしまいます。
ここから登山に繰り出す人も少なくないのか、駅構内に登山用品を扱うお店もありました。
ヤマノススメのパネルもありますが、飯能にはヤマノススメラッピングバスも走っています。
南口に出てきて駅舎です。
構内が北欧チックだったので期待していたんですが、案外普通でしたw
駅前ロータリーにはバスターミナルもあります。
ここからは西武バスが出ていて、河辺駅や東青梅駅など、青梅線沿線と結ばれているそうです。
そこへ国際興業バスがやってきました。
国際興業の営業エリアはおおむね東京都の北部と埼玉県の埼京線・京浜東北線沿線ですが、実は飯能にも営業所を構えているんですね。
まるで飛び地のように存在する飯能営業所ですが、以前は川越にも営業所があったのが撤退により消滅したため飯能が飛び地のようになってしまった経緯があったようです。
そして、この飯能営業所も撤退という話もあったみたいですが、結局はそのまま維持されているようです。
続いてやってきたのはイーグルバスです。
元々は旅行会社として設立され、後に観光バス事業にも進出した会社ですが、2000年代以降は規制緩和の波に乗って路線バスにも参入し、西武バスなどが撤退した路線を引き受けるなどして事業を拡大してきた経緯があります。
飯能からは武蔵高萩駅などへ路線を展開しているようです。
↑案内を動画でも撮りました。
車両はさっきと同じなので車内案内表示器だけ撮って〆としましょう。
折返しは特に書くこともないのでこれにて記事の方も〆させて頂きます。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回も関東近郊での単発ネタになると思いますが、公開までしばらくお待ち下さい。
それでは!
私もFライナーに乗って、飯能迄一気に行った事あります。その時実は東急車当たったのです。そして、車内で考えていたのです。「これがこのブログの人の電車と入れ替わっていたらな。」と。私は逆に東急東横線内で、西武車当たった事ないのです。なので、私が絶対敵を取ります。