東北新幹線架線トラブル

今回は2023年1月23日に発生した東北新幹線での架線トラブルと、それに関連して設定された臨時列車などを、偶然当日に大宮駅周辺にいたこともあってレポートしようと思います。

トラブルの概要

2023年1月23日9時58分頃、東北新幹線の大宮~上野間にて架線が垂れ下がるトラブルが発生し、そこへ通りがかったE7系「かがやき504号」が緊急停止し、現場に立ち往生するというトラブルになりました。
復旧のために周辺は電気の供給を停止することとなり、東北新幹線だけでなく乗り入れる上越新幹線・北陸新幹線も軒並みストップすることとなり、大きな影響が出ました。
不幸中の幸いで乗客への人的被害はありませんでしたが、復旧作業に当たっていた作業員2名が感電し負傷するという被害が出てしまいました。

記事執筆の時点で既に1週間以上経ってしまっているので、今更レポートする意味があるのかという自問自答をしつつも、当時の様子やJR東日本の対応などを記録する意味で記事にしたいと思います。

現場の様子

ここからはレポート編ですが、まずは大宮駅の様子からです。


新幹線のコンコースですが、構内は閑散としていました。
既にトラブルから2~3時間は経っていたので、復旧の見込みが立たないことから、移動を諦めたか他の交通手段に切り替えたりした人が多かったのでしょうね。


発車標ですが、”ADJUSTMENT”と書いてあります。
和訳すると「調整中」なので、表示するものがないという状態なのでしょう。


続いて新幹線改札前です。
やはり発車標は全て「調整中」ですし、利用者からの問い合わせに対応するためか数名の駅員さんが立っていました。


運行情報ですが、当然全路線運転見合わせです。
どれか1つが運転見合わせというのは時々ありますが、全部運転見合わせというのは早々あることではないですね。


なぜか色違いの表示もありました。

大宮駅はこれくらいで、このあとは所用があって埼京線に乗るので埼京線からトラブルの現場を見ていくことにします。

トラブルの現場

続いては架線トラブルが発生した現場を見ていくことにします。
報道などの情報によると現場は北与野駅付近とのことなので、北与野駅から与野本町駅の間の車窓から見えるだろうということで、車窓に注目しながら乗車していきました。


↑車窓から動画を回してみましたが、復旧にあたる作業員や垂れ下がる架線、立ち往生する新幹線などが見えました。
既に乗客は避難した後のようでしたが、復旧作業の最前線を見ることが出来ました。


与野本町駅で一旦下車してホームから見てみると立ち往生する新幹線が見えました。
ホーム上では興味深げに見ている人や撮影する人もいましたが、意外にも報道陣の姿はありませんでした。
ここなんて取材にうってつけのロケーションだと思いますが、恐らくは駅構内での取材活動はJRから許可が出なかった可能性が高そうですね。


でも、上空には取材ヘリの姿もありました。
テレビでも空撮映像が流れていたので、報道各社がヘリを飛ばしていたんでしょうね。


もう少し引いたアングルで


パンタグラフをアップにしてみました。
何かおかしいなと思ったら架線と接触する部分である「集電舟」が脱落していますね。
垂れ下がった架線に突っ込んだ際に破損したんでしょうか。


しばらくすると作業員が屋根に登って作業を始めました。
このときは「へえ、こうやって復旧するんだ」なんて思いながら眺めていたんですが、このあと作業員の感電という事故が発生することになるのです。
写真に写っている方がその被害者かどうかは分かりませんが、事故に遭われた作業員の方にはお見舞い申し上げるとともに、早期の回復をお祈りしています。


足で踏みつけるという大胆な方法でパンタグラフを折りたたんでいました。
破損したことで自力での折りたたみができなくなっていたのでしょうか。

なお、ここに掲載している写真の一部はテレビ番組「ひるおび」さんに提供しているものもありますので、無断転載ではないことは申し添えておきます。


あと、架線が妙にたるんでいるのが気になりましたが、これもトラブルの影響でしょうか?

といったところで、私は用事があったので一度離脱し、夕方に再び大宮駅にやってきました。

新幹線の代替輸送

ここからは不通となった新幹線の代替輸送についてレポートしていきます。
東北新幹線は東京~仙台間、上越新幹線・北陸新幹線は東京~高崎間で運転見合わせとなりましたが、これを受けて利用者を救済するための臨時列車が設定されました。

まず最初に実施されたのは特急「ひたち」の延長運転であり、所定では品川~いわき間での運転となる列車をいわき~仙台間は臨時快速扱いとした上で品川~仙台間での運行としました。

また、上越新幹線・北陸新幹線が高崎以南運転見合わせだったことを受けて熊谷~高崎間に臨時列車が設定され、これに211系が使われたそうで、久々の211系の高崎線走行ということで注目されたようです。
こちらは所定では籠原止まりの列車に接続することで、高崎~東京間で利用できる有効本数を増やそうという意図があったようです。

そして、残りが東京~仙台間で設定されたもので、こちらは東北本線経由で運行され、常磐線経由ではカバーできない宇都宮・新白河・郡山・福島・白石(白石蔵王)といった駅をカバーする目的で設定されたようです。
こちらについては偶然にも大宮駅で撮影できましたので、それのレポートをして、記事を〆たいと思います。


発車標ですが、大宮駅の在来線ホームで仙台なんて行先は滅多に見られるものではありません。


ローマ字Ver.ですが、「臨時」は「臨時」のままのようですね。


ホームへ向かいしばらくするとやってきました。
充当されていたのはE653系であり、これは交流区間にまたがって走るため必然的な抜擢ですが、国鉄色をリバイバルした編成でした。
また、情報を聞きつけたファンは少なくないようで、ホーム上には大勢のファンが撮影に集まっていました。


仙台行きの表示と絡めて


そして、編成写真です。
東北新幹線を使うはずだった利用者が殺到しているようで車内はかなり混み合っていて、デッキどころか通路まで立ち客で溢れている様子でした。
あの状態で数時間と考えると辛そうですが、どうしても今日中に移動しなければならない事情のある人達なのでしょう。


↑発車シーンです。

それにしても、半日程度の準備時間で、急遽車両と乗務員を用意し、このような臨時列車を設定するなんて、現場はかなり頑張ったんだろうなと思います。
また、在来線の役割もこういうときには大きなものがありますよね。
以前に北陸新幹線が台風被害で普通になった際は在来線を使った臨時列車は走らなかったと記憶してるのですが、これは並行在来線の多くが第三セクターに転換されていることから難しかったのだと思いますが、こういう新幹線が不通になったときの冗長性という意味でも並行在来線は大事だと思いますから、今後開業する新幹線においても第三セクターへの転換はありますが、今後の課題として考えていかないといけなさそうです。

トラブルについては残念ですが、これを教訓にさらなる安全な鉄道を実現させていってほしいと思います。

といったところで記事は〆たいと思います。

それでは!

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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