今日は群馬県の関越道で発生した高速バス事故を取り上げたいと思います。
まずは、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
さて、この事故の直接の原因は運転士の居眠りということですが、結局のところツアーバスというものの問題点が浮き彫りになったケースではないかと思います。
そもそも、ツアーバスと高速バスの違いが分からないという方のために説明すると、ツアーバスというのは名前の通り、あくまで”ツアー”です。通常のツアーのように旅行会社が企画し、貸切バス会社に運行を委託するという扱いです。
従って、利用者は乗客ではなく、ツアーの参加者ということになります。
一方の高速バスは、路線バス扱いで、国の許認可のもと、バス会社が直接集客し運行します。
その他の細かい違いは割愛するとして、以前の規制緩和でバス事業への参入へのハードルが下げられた結果、全国で貸切バス会社が雨後の筍のように現れました。
また、ツアーバスを専門に企画するような会社も現れました。このことが長距離バスの過当競争を招き、運転士に過度な負担をかけているのが現状です。
今回事故を起こしたバスは金沢から東京へ向かっていたわけですが、運転士は一人だけというワンマン運行でした。
私自身、夜行バスは何度も利用していますが、短距離の便を除いて、夜行でワンマンというのはありえないと思います。
もちろんすべてのツアーバスがこのような危険な運行をしているわけではありませんが、過当競争の中でこういった事態も発生しているわけです。
そして、このツアーバスですが、路線バスではないためバス停に停車できず、路上駐車同然で客扱いをするため、通行の妨げになったり、利用者にとって分かりにくかったりと問題もあるというわけで、今後は規制を強化し、そのかわり路線バスへの鞍替えを促すという方針になっているようですが、なるべく早くこの方針を進めてもらい、バス業界の適正化を推進して欲しいですね。
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