今回はタイトルにもある通り、相鉄と横浜市営地下鉄を乗りつぶすべく単発の活動をしましたのでそのレポートです。
相鉄も横浜市営地下鉄も私が住む東京からは近い場所を走る鉄道であり、その気になればいつでも行けたわけですが、その気軽さが逆に「わざわざ行こう」という気にはさせず、まさしく「灯台下暗し」で近場ながら乗っていなかった鉄道として残っていました。
それが、相鉄ももうすぐJRとの直通運転が始まって運行形態が大きく変化することが想定されることから、この機会に乗ってしまうことにしたのでした。
横浜市営地下鉄については相鉄だけでは早く終わりすぎてつまらないということもあってついでですw
今回の行程
今回はまず横浜市営地下鉄からスタートするとして、グリーンラインが出る日吉駅からスタートとしました。
日吉駅からグリーンラインでセンター北駅へ移動し、一旦あざみ野駅までブルーラインに乗車し、すぐに折り返してブルーラインの快速電車で一気に湘南台まで行きます。
湘南台からは相鉄いずみ野線で横浜へ行き、あとは特急・急行・快速・各駅停車の全種別を制覇しつついずみ野線・相鉄本線を何往復かして湘南台に戻り、ブルーラインでセンター北駅に戻ったら、グリーンラインで一旦中山へ行き完乗を果たしたら日吉へ引き返して帰路に就きます。
まずは日吉からスタート
冒頭の説明の通り、日吉から活動がスタートします。
日吉を選んだのは、こちらはまだ先の話ではありますが、東急と相鉄の直通が始まると東急目黒線もまた大きく変化することが見込まれるため、あまり乗る機会もない目黒線を使いたかったのと、日吉から先は横浜市営地下鉄と相鉄線で活動が完結するため現地への往復の交通費が安くあがるというのもありましたw
というわけで、目黒線で日吉にやってきました。
目黒線は都営三田線と東京メトロ南北線の2路線と直通をしており、東急のほか、東京都交通局・東京メトロと3社局の車両が乗り入れる路線ですが、相鉄直通が実現すれば4社局の車両が混じって走るようになるんですかね。
開業予定は2022年度下期とのことで、まだ3年ほどありますが、それでももう東急の駅でもPRが始まっていました。
暗いときとはいえ以前に訪れているのと、結構大きな駅ということもあって細かい撮影はしませんが、入口部分です。
大きい駅だと全部の出入り口を網羅するだけで息が上がってしまいますw
駅前にグリーンラインの駅の入口がありました。
このままこの階段を降りていけばグリーンラインへ行けますがまだ時間もありますのでもう少し駅前をぶらつきます。
駅前には並木道が続いていますが、あちら側は慶應義塾大学の日吉キャンパスとなっています。
駅を出てすぐ目の前がキャンパスだなんて羨ましい限りですが、慶応と聞いた途端に、駅周辺を歩いている若者たちが別世界の住民に思えてきますw
道路を渡った側から駅舎を撮影です。
工事中なのか、部分的に防音の幌がかけられていますが、それでもかなり大きな駅舎ですよね。
言わずもがなで駅ビルと一体化したものですが、駅の中だけで大半の用事が済んでしまいそうな便利な駅です。
まずはグリーンライン
まず最初は横浜市営地下鉄グリーンラインから活動開始です。
こちらがグリーンラインの日吉駅の入口です。
東急の駅側にも出入り口がありましたが、こちらは専ら慶應義塾大学の学生向けのようです。
もちろん一般の出入り口という扱いであり、出入り口があるのは慶応の敷地内ではないので誰でも自由に利用できますが・・・
拡大してもらわないと分かりづらいかもしれませんが、駅の入口にも慶應義塾大学のロゴマークが書かれていたりします。
と、思ったらまだ入口じゃなかったみたいですw
何このフェイントw
入口の脇にあった自販機ですが、よく見ると電車のイラストが描かれているんですね。
コンコースへは長ーいエスカレーターを下っていきます。
駅がやたらと地下深くにあるのは最近開業した地下鉄あるあるですよね。
気になったのがこれです。
民地と県道に跨ってコンコースが設けられているようで、その区別をつけるためか、こんな看板がありました。
地下にいると地上に何があるかなんて気にしないですが、管理者としてはその部分の地権者が誰かというのは重要な問題なのでしょうね。
タイルを利用してモザイクアートの要領で壁画になっていました。
地下駅ってどうしても画一的なデザインになりがちで、こういう部分でしか個性を主張できないっていうのもありますよね。
若干スペースを持て余し気味な券売機w
ここで横浜市営地下鉄の1日乗車券を購入します。
横浜市交通局では、地下鉄単独、市バス単独、更に地下鉄と市バス両方が使える1日券をそれぞれ発売しており、地下鉄のみは740円、バスのみは600円、両方有効なやつは830円となっています。
私は今回は地下鉄しか乗らないので740円の1日乗車券をチョイスしました。
グリーンラインは基本的に区間便の設定はなく、全列車が終点の中山まで行くので行先の欄はいらない気もしますが、一応・・・ということなんでしょうか。
入口からコンコースもかなり下りましたが、ホームへは更に下っていきます。
一体どんだけ地下深いんだこの駅w
あと、地下鉄ということで剛体架線が採用されています。
剛体架線というのは、硬い棒状の金属を架線として利用する方式で、通常の架線と違ってたわんだりしないため省スペースで設置できるメリットがあってトンネルのスペースを節約したい要求が強い地下鉄に採用例が多い方式ですが、一方で架線がたわまないことはパンタグラフからの振動を吸収できないということでもあり高速運転には向かないデメリットもあります。
↑いよいよグリーンラインの電車がやってきました。
こちらがグリーンラインの電車です。
10000形という形式で、グリーンライン唯一の形式になっています。
更に種別まで・・・
快速運転があるブルーラインはともかく、グリーンラインは全列車が各駅停車なのだからこれこそいらないのでは?w
早速乗車しましたが、ご覧のように車内はちょっと窮屈です。
それはグリーンラインが「ミニ地下鉄」という規格で建設されており、車両も普通の地下鉄より小さいからです。
さて、ここで恒例の解説から入りますが、グリーンラインは日吉駅と中山駅を結ぶ全長13.1kmの地下鉄路線であり、鉄輪式リニアモーターによる駆動を採用しているミニ地下鉄となっています。
「リニアモーター」というと現在建設が進められているリニア中央新幹線や愛知県のLinimo(愛知高速交通)のように浮上しながら走行するものをイメージしがちですが、リニアモーターという言葉自体には浮上するというニュアンスは含まれておらず、それじゃあリニアモーターって何なんだといえば、普通のモーターが回転運動という形で運動エネルギーを出力するのに対して、リニアモーターは水平方向に運動エネルギーを出力します。
つまり、普通のモーターは回転を車輪に伝えて車輪の回転が摩擦によりレールに伝わることで電車を走らせますが、リニアモーターの場合はレールと車体に設置された電磁石と磁石の力で直接電車を走らせます。
メリットとしては、車体側に大きくかさばるモーターを設置しなくて良いことと、車輪とレールの摩擦には依存しない方式なので急勾配に強いということがあり、ミニ地下鉄では省スペースであり、地下の構造物を避けながら建設する都合上急勾配が多く存在するという事情から好都合なシステムなわけです。
このメリットを生かしてグリーンラインでは58‰の急勾配が存在しますが、難なく通過できています。また、最高速度は80km/hとなっており、鉄輪式リニアモーターを採用する路線としては国内最高速の営業速度らしいです。
それから、「グリーンライン」という名前についてですが、これは愛称であり、正式には「横浜市高速鉄道4号線」という堅苦しい名前がありますが、一般向けの案内では専ら「グリーンライン」のみが使われるため、正式名称を知らないという人がほとんどではないでしょうかw
歴史から行くと、横浜市が「横浜環状鉄道」という構想のもと整備した路線の1つであり、グリーンラインの開業は2008年のことでしたが、構想自体は1960年代から存在していたようです。
なお、「横浜環状鉄道」のうち、「グリーンライン」として実現した区間はほんの僅かな区間であり、構想の全体像は日吉から先は鶴見まで、中山から先は二俣川、東戸塚、上大岡、根岸を経てみなとみらい地区へ延伸するという壮大な計画のようです。
現在でもこの構想は立ち消えたわけではないようですが、既に報道されているようにもう1つの横浜市営地下鉄の路線「ブルーライン」が新百合ヶ丘駅へ延伸されることが決まっており、今のところはそちらの整備が優先であり、グリーンラインは「長期的に取り組む路線」という位置づけで具体的に延伸計画が進んでいるわけではないようです。
元々短い路線なのにその半分ほどで降りてしまうのであっという間でしたがセンター北駅に到着です。
写真で分かるように当駅は地上駅となっており、グリーンライン鉄輪式リニアを採用した路線では唯一地上区間が存在する路線だそうですよ。(非営業区間を入れれば福岡の七隈線の車両基地は地上にあります)
ホームです。グリーンラインとしては1面2線のみですが、ブルーラインも乗り入れるためそれを合わせれば2面4線ということになりますかね。
もっとも、規格が全然違う路線なので同じ名前の別の駅が隣接しているくらいに考えたほうがいいかもしれませんが。
ここの駅名標もやっぱりシンプルです。
ところで「センター北」とはいうけれど、何の「センター」があるんだ?ということで調べると、港北ニュータウンの「タウンセンター地区」に立地することから由来するようです。
ホームの端の部分ですが、柵で仕切られて入れないスペースがあります。グリーンラインは現在4両編成で運行中ですが、将来的に6両編成にする計画もあるようで、ホームの有効長は6両分確保されているようですね。
先程からグリーンラインはリニアモーターで動いているという説明をしましたが、レールの間にある板状の装置がリニアモーターの「リアクションプレート」です。これと車体に設置されたコイルの間で磁力の吸引・反発力が生まれて電車を走らせます。
コンコースです。ブルーラインとの乗り継ぎもここから行います。
ここにも電車のイラスト入りの自販機がありました。
ただ、よく見ると行先表示器が「センター北」となっていますね。ちゃんと設置される駅の駅名が入るようになっていて、単なる使い回しではないようです。
グリーンラインとブルーラインの乗り継ぎ駅ということで両路線の案内を並べてみました。
ちなみに、1駅隣りのセンター南駅でもグリーンラインとブルーラインは接続していて、つまりはセンター北~センター南間はグリーンラインとブルーラインが並走していることになります。
外へ出ると観覧車がお出迎えです。
「ニュータウン」にふさわしい光景ですね。
構内をぶらついているとこんなキャラがいました。
横浜市交通局のイメージキャラクターで「はまりん」というそうです。
お次はブルーライン
グリーンラインは半分ほど乗り残していますが、それは復路に立ち寄るとして、お次はブルーラインです。
ブルーラインは途中駅止まりの区間便や快速なんかもあるため、グリーンラインよりは発車標の意義が大きいですね。
線路の写真ですが、グリーンラインと違うところがあります。
それはなんでしょうか?
なんてクイズっぽく書いてしまいましたが、答えは「架線がない」です。
電車なのに架線がないってどういうことかというと・・・
答えはやっぱり線路にあります。
線路の奥側にもう1本レールみたいなものがあって「高電圧危険」と書いてあるのが分かるでしょうか?
あれが架線の代わりになるもので、「サードレール方式」もしくは「第三軌条方式」と呼ばれるものです。
これは架線の代わりに列車が走るレールとは別に設置したレールから電気を取り入れるもので、パンタグラフがいらない分スペースが節約できるとして初期の地下鉄では多く採用されました。
しかし、地上に高電圧が流れるレールを設置することから、地上を走る路線への採用は踏切などから侵入した公衆が感電するなどのリスクが排除できないなどの問題から難しく、また、地下鉄も地上を走る私鉄やJRと直通運転することが増えると、それらと異なる規格では不都合だということもあって、地下鉄路線であってもサードレール方式を採用する例は少なくなり、地下鉄の純粋な新路線(既存路線の延伸や既にサードレール方式を採用する路線と直通することが前提の新線は別)としてはこのブルーラインが最後のサードレール方式の採用例になったようです。
そうそう、構内でこんな表示を見つけました。
「グリーンライン」は正式には「横浜市高速鉄道4号線」という名前なのは既述の通りですが、これは3号線とあります。
グリーンラインが4号線でブルーラインが3号線・・・あれ?1と2はどこだ?
その答えですが、1号線は既に開業していますが、3号線ともども「ブルーライン」として一体的に運行されています。当駅を含む関内~あざみ野間が3号線で、逆に関内から湘南台の区間が1号線です。
なぜ別々の路線なのかと言うと、3号線は元々関内から更に伸びて本牧方面を目指した計画だったのですが、地下鉄工事で地上の道路も交通規制を受け渋滞が発生すると港湾地区の貨物輸送に支障が出るので着工を延期してほしいという陳情が港湾関係の団体などから出されて首都高速の整備が完了してから着工するということで話がまとまっていたのが、みなとみらい21計画が発表されて現在のみなとみらい線となる新線の計画が浮上すると本牧方面の地下鉄構想はみなとみらい線と重複してしまうことから消滅し、関内駅で1号線と接続することからそのまま直通運転して一体の路線として運行されるようになりました。
それから、2号線についてですが、こちらは神奈川新町駅から屏風浦駅への京急線のバイパス路線として計画されましたが、京急が自力で輸送力増強を実現したため不要となり計画自体が白紙になりました。そのため、横浜市営地下鉄としては2号線は欠番になっている形ですね。
電車も撮ります。
ブルーラインは現在3000形という形式で統一されていますが、1次車~5次車までそれぞれ外観が異なり、実質5形式が存在しているような状態です。
写真は1次車となる「3000A形」です。
↑そして、乗車するあざみ野行きが入線です。
今度は3000R形と呼ばれる3次車のようです。
あざみ野からは「快速」で湘南台へ
あざみ野にやってきたらここから一気にブルーラインを完乗するわけですが、その前にあざみ野駅を簡単にレポートしていきます。
↑乗ってきた電車の折返しを見送ります。
ホームは単純な構造だったのでとりあえず外へ出ることにしてエスカレーターを登ります。
3本も並列で設置されていますが、田園都市線との乗り継ぎ駅ですし、ラッシュ時はこれでも足りないくらい人が押し寄せるんでしょうね。
改札の脇にあったこの端末ですが、どうやら子供が駅に到着したことを保護者等へメールで知らせるサービスのための端末のようですね。
っていうか、改札機へのタッチと連動じゃないんですか?w
これじゃあタッチし忘れて意味をなさない事例が続出しそうw
もっとじっくり見ていきたいところですが、時間もないのでこれくらいで戻ります。
ここで、ブルーラインの快速についての解説です。
ブルーラインでは2015年より快速運転を開始しており、日中時間帯に30分ヘッドで運転されています。
停車駅はあざみ野~新羽間と戸塚~湘南台間は各駅に停車し、実際に快速運転をする新羽~戸塚間では、新横浜、横浜、桜木町、関内、上大岡、上永谷に停車しており、上永谷以外は他の鉄道路線と接続する駅が停車駅に選ばれています。
近年は都営浅草線・都営新宿線・東京メトロ副都心線・東京メトロ東西線など、通過駅のある種別が運転される地下鉄もいくつか例がありますが、ブルーラインはほぼ全線に渡って通過運転をする上、かなり停車駅を絞っているという点では希少な例ではないでしょうか。
特に上大岡~戸塚間は5駅連続、横浜~新横浜間は4駅連続で通過するなど、地上を走る路線の優等列車にも劣らぬ速達ぶりです。
所要時間では、全区間通しの各駅停車との比較ではあざみ野~湘南台間で各駅停車が69分を要するのに対して快速は60分で走破しており、9分の短縮効果があります。
実際にはあざみ野~湘南台間を乗り通すのは乗りつぶし目的の鉄くらいのものでしょうが、それでも郊外から横浜駅やみなとみらい地区を目指すならば5分程度の時短が見込めて時間が合えば便利な列車だと思います。
私が乗車した時は郊外ではそんなに利用者が多くなかったのですが、新横浜から上大岡あたりまでの横浜の中心部を走る区間ではそこそこ利用者がいたように思います。また、新横浜では新幹線から乗り継いできたであろうスーツケースを引く人たちもいました。
終端部です。ホームの少し先まで線路が続いていますね。
将来的に延伸できるようにと言う配慮なのでしょうか。
横浜市営地下鉄と相鉄はどちらも地下駅となっており、外へ出ることなく直結したコンコースで行き来できます。
気になったのがこれですが、このベンチすっごく座り心地が悪そうw
長居させないためにあえてなんでしょうか?w
「指向性スピーカー」という特殊なスピーカーだそうです。
ようするに、特定の方向にだけ音を出して、その方向にいる人以外には聞こえないというもので、どのように聞こえるのか試してみたかったですが稼働停止中だったようです・・・
これは実験的な意味合いが強いようですが、例えばその場その場に合わせた音声ガイドを流すといった使い方はありそうですね。
せっかくなので外へも出ました。まずは西口です。
地下駅ということで駅舎は撮れないので入口部分です。
横浜市営地下鉄と相鉄はここから出入りします。
再びコンコースに戻り続いては東口を目指します。
奥は小田急線の改札ですね。
発車標ですが、電車ではなくてバスのものでした。
こうして一覧でまとめて情報が提供されてるのは便利ですよね。
こちらも東口同様に駅前ロータリーが整備されており、奥には小田急江ノ島線の湘南台駅が見えます。
それでは、そろそろお次のお目当てである相鉄へ乗るべく、相鉄乗り場へ行きます。
いよいよ初めての相鉄
今回の旅のメインと言ってもいい相鉄にいよいよ乗車です。
相鉄という会社については知名度も高いでしょうし、そんなに細かい解説は不要でしょうが、正式名称を「相模鉄道」といって、横浜~海老名間の相鉄本線と、二俣川から分岐して湘南台へ至るいずみ野線という支線からなるシンプルな路線網なためその気になれば半日で完乗できると思います。
歴史から見ていくと、相模鉄道という会社の原点は現在のJR相模線となっている区間であり、茅ヶ崎~寒川間の開業が端緒でした。その後、厚木から分岐して二俣川、そして横浜を目指す神中鉄道という私鉄が現在の相鉄本線となる路線を建設したのが、相鉄本線という路線の始まりとなりますが、相模線は東海道本線と中央本線を短絡するルートとして戦時体制下に国有化され、逆に神中鉄道は相模鉄道に買収されて相模鉄道神中線となりますが、急増した輸送量に対応しきれなくなり親会社だった東急に経営を委託することになり、一時は東急線となりました。戦後東急傘下から離脱して再び相鉄として独立の道を歩むこととなり、高度成長期という時流にも乗って発展を遂げますが、長らく「準大手私鉄」というカテゴリーに甘んじていました。それが1990年に現存ネットワーク内で初の支線となるいずみ野線の開業を機に「大手私鉄」の仲間入りを果たしました。このように創業の地を国鉄に取り上げられながらも新天地で発展を遂げた経緯を持つ会社ですが、大手私鉄の中では一番最後の認定であり、路線長や駅数といった指標では大手私鉄の中で最下位になってしまいます。(ただし、営業利益や保有車両数では西鉄が最下位となり相鉄は下から2番目の15位となるようです)
余談ですが、国有化された相模線は長らく非電化のローカル線という扱いのままであり、一方で開業させた相模鉄道は今や大手私鉄となっていたことから国鉄末期に創業時の経営母体だった相鉄に相模線を返還するという案が浮上したことがあり、相鉄側も一時検討はしたものの、結局は実現しませんでした。当時の相模線は赤字路線であり、いくら創業の地とはいえ、わざわざ国鉄の赤字路線を引き受けたいとは思わなかったという合理的な判断の結果だったのでしょうね。
結局、国鉄の路線のままJR東日本へと移管されましたが、4年後の1991年には電化されある程度の輸送改善は図られるようになりました。
それから、相鉄を語る上で外すことの出来ない計画がありますね。それは「神奈川東部方面線」です。
こう書くとピンと来ない人もいるかも知れませんが、「相鉄・JR直通線」や「相鉄・東急直通線」「相鉄新横浜線」という名前でならニュースなどで見たことがあるのではないでしょうか?
この記事の冒頭でも早速触れていましたよね。
この計画は相鉄本線の西谷駅から分岐する支線を建設し、JRの東海道貨物線横浜羽沢駅付近に接続してJR線と直通する「相鉄・JR直通線」、そしてこの支線を更に延伸して新横浜駅を経て日吉駅に至る「相鉄・東急直通線」の2つの計画から成り、まず2019年度中にJRへの直通線が開業して東海道貨物線・品鶴線を経て埼京線の大宮・川越まで直通運転が開始される計画となっています。
これが実現すると相鉄線内の運行形態がどう変化するのか楽しみですが、同時に今の運行形態で相鉄に乗れるのは残り僅かということでもありますから、今のうちに・・・というわけですw
それでは、相鉄の券売機できっぷを買います。
今回は相鉄全線乗り放題の1日乗車券を活用します。これがなんと620円というお手軽プライス!
ただし、発売は年末年始、春季、夏季などに限られていていつでも使えるわけではありません。
とはいっても、横浜~湘南台を往復するだけでも700円かかるので一般利用者でも利用区間次第では一往復だけで元が取れてしまう格安設定なんですよね。
沿線住民の方でも湘南台や海老名から横浜へ往復する場合は、この1日券が発売されている次期ならばこっちの方がお得なこともあります。
そもそも、大手私鉄は全線有効のフリー乗車券をあまり発売しない傾向はありますから、全線有効のフリー乗車券があるという点でもすごいですし、たったの620円で全線乗り潰せてしまう大手私鉄というのもまたお手軽な大手私鉄ですねw
前置きが長くなりましたが改札口です。
相鉄の1日乗車券は普通の磁気券なのでそのまま自動改札機に通せます。
駅名標は「そうにゃんだい」というw
相鉄の公式キャラクターが「そうにゃん」なのでそれに掛けたのでしょうが、案外違和感がないのがすごいw
あと、駅ナンバリングが「SO28」となっていますが、実際の湘南台駅の駅ナンバリングは「SO37」であり、「SO28」というのは28=”ニャ”という語呂合わせみたいです。芸が細かいですねw
ホームは1面2線の地下駅となっています。
終着駅にしては手狭な感もありますが、いずみ野線は構想では当駅からさらに延伸して平塚を目指す計画があるようですから、その関係でしょうか。
「そうにゃんだい」じゃない方の本物の駅名標です。
相鉄の駅名標をちゃんと撮影するのは初めてですが、青を基調としたシンプルなデザインですね。
私にとってファーストコンタクトになる相鉄の電車は9000系というやつでした。
考えてみればほとんどの大手私鉄は地下鉄などと直通していて、更には他の私鉄やJRとも直通していたりもするので、その会社の路線そのものには乗ったことがなくとも、その会社の車両には他社の区間で乗ったことがあるなんてケースも珍しくなかったのですが、相鉄の場合、他社線との直通が今度開業する神奈川東部方面線まで一切なく、相鉄線に乗らなければ相鉄の電車にも乗れないという状態でしたからね。
さて、このまま乗車!・・・とはいかずこれは見送ります。
↑というわけで、発車シーンです。
乗るのはこれです。
公式キャラクター「そうにゃん」がラッピングされた「そうにゃんトレイン」でしたが、「そうにゃんトレイン」だから選んだのではなく・・・
お目当ては「特急」という種別です。
実は相鉄には長らく「特急」という種別は存在せず、大手私鉄で唯一特急を運行していない鉄道会社という状況が続いていましたが、2014年改正から登場した相鉄の最上位種別です。
実はこの種別の登場と「神奈川東部方面線」は関係があり、元々相鉄では従来横浜駅経由で東京都心方面へ向かっていた旅客が神奈川東部方面線を介して直接JR線などに向かうようになると西谷~横浜間では旅客の減少が見込まれて、横浜駅周辺の空洞化を避けるべく、相鉄沿線から横浜駅への速達列車として「特急」を運行することとなりました。
特急は相鉄本線、いずみ野線両方で運行され、相鉄の全区間を走る種別となっていますが、特徴的なのは急行や快速といった種別が各駅停車になる二俣川~海老名間、二俣川~湘南台間でも通過運転を行うことであり、横浜~海老名間の系統は二俣川、大和、海老名にのみ停車、横浜~湘南台間の系統は二俣川、いずみ野、湘南台となっています。
運行が日中に限られるものの、湘南台→横浜では快速が29分を要するのに対して特急は24分、海老名→横浜では急行が32分を要するのに対して特急は25分で結ぶなど、元々路線長が長くないのでそこまで劇的な短縮とは言えないかもしれないですが、やっぱり全区間で通過運転をする優等列車というのは魅力を感じますよね。
この特急に乗って一気に横浜へ行きます。
いずみ野・二俣川・横浜しか止まらないのであっという間に感じました。
やっぱり所要時間よりも停車駅の数で体感の時間って変わってきますよね。
計画変更の理由はあとで明かすとして、相鉄一のターミナル駅横浜駅を軽く見ていきます。
流石に改札口もこの規模!
ホームもさぞ大規模なんだろうなと思ったのですが、意外とコンパクトな4面3線です。
櫛形ホームになっているのはターミナル駅らしいといえばらしいですが、ピーク時には1時間あたり25本もの列車が押し寄せ、1分違いで立て続けに発車する時間帯もある相鉄線のダイヤを思えばやっぱり手狭ですよね。
ていうか、西鉄の福岡(天神)駅と同じですねw
特急で海老名へ行くのをやめた理由というのは、これです。
7000系という車両ですが、相鉄では現役最古参の車両であり、制御装置は抵抗制御だったりします。
乗車予定の列車とは別でしたが、7000系に乗りたので変更しましたw
面白いのが側面の方向幕でして、種別名の下に「いずみ野線」と小さく書かれています。
これは、側面は種別のみの表示しか出来ず、二俣川から先、海老名方面に行く電車との誤乗を防ぐ意味でこのように表示しているようです。
それならば、最初から側面にも行先を表示すればいいじゃないかとも思いますが、以前の相鉄は横浜駅からいずみ野線方面は各駅停車のみ、海老名方面は急行のみというシンプルな運行形態だった時期があり、その頃は種別と運行区間がほぼ対応していたので、慣れた利用者ならば種別さえ分かればいずみ野線方面なのか海老名方面なのか区別できたというわけですね。
それでは乗車します。
国鉄型車両でもおなじみの扇風機ですが、設置位置が変わっていて先頭車の貫通通路の真上にありますw
普通はドアのあるあたりの天井だったりしますが、面白いですよね。
この扇風機は壁のスイッチで乗客がON/OFFすることが出来ます。
車内に鏡を設置しているのも相鉄の伝統だそうで、近年の車両では設置しないものもあるようですが、古い車両にはほぼ必ず鏡があるようです。
横浜というオシャレな街に出かける前に車内で身だしなみをチェックしてもらおうってことなんでしょうか?
更に面白いのがこれです。なんだただの窓じゃないか?と思うかもしれませんが、貼ってあるステッカーに注目です。
そして、窓の横にはこんなボタンが・・・
もう答えは出ましたね。実は相鉄の電車の一部は自動車で言う「パワーウインドウ」を装備していて、スイッチ操作で開閉できるのです。
停車中に少しだけ動かしてみましたが、動きは自動車のパワーウインドウそのものです。
流石の相鉄も近年の車両ではこの自動窓は装備していないようですが、この車両が登場した当時は非冷房の車両も普通に走っていたでしょうし、スイッチひとつで窓が開くことには、今では想像もつかないようなメリットがあったのかもしれませんね。
と、車内だけでも特徴が簡単に見つかる相鉄の電車ですが、この7000系でとりあえず湘南台へ1往復します。
各駅停車だったので時間はかかりますが、古参車両は乗れるときに乗っておかないといつ無くなるか分かりませんからね。
湘南台へ到着です。既に1日乗車券の元は取れたことになりますが、まだまだ乗り回しますw
というわけで、このままこの7000系で横浜へ折り返します。
今度は「いずみ野線」という表示が入っていない種別幕に変わりました。
確かに横浜方面への列車ならば区別する必要はないですが、細かいところはちゃんとしているんですね。
↑7000系の発車シーンを見送ります。
それにしても、隣の平沼橋駅って横浜駅のホームから見えるくらい近いんですね。
平沼橋駅で列車交換みたいになっていますが、実際優等種別でも平沼橋駅で停止信号を受けて停車することが多いみたいです。
お次は8000系の特急で湘南台へ向かいます。
急遽7000系に乗ることにした関係で海老名方面の特急には乗れなくなってしまいましたが、まあまたチャンスもあるでしょうw
快速についてですが、基本的には横浜~湘南台間での運転であり、いずみ野線内は各駅停車、二俣川~横浜間では星川、鶴ヶ峰の2駅のみ停車します。
一部海老名方面の運転もあるのですが、その場合も停車駅は同じであり、二俣川~海老名間は急行と同じく各駅停車です。
横浜へ戻ったら最後は急行で海老名へ1往復です。それをやっておかないと相鉄本線の海老名~二俣川間を未乗のまま帰ることになってしまいますからねw
急行についてですが、横浜~海老名間のみの運行であり、横浜から二俣川までは途中駅をすべて通過して、二俣川から海老名では途中駅にすべて停車するという極めてシンプルでわかりやすい停車駅設定になっています。
相鉄の主力種別ともいえ、ほぼ終日に渡って運行されていますが、いずみ野線方面への運行はなく、全て海老名方面への運行となっています。
海老名へやってきました。
これにて相鉄完乗を果たした・・・と思ったら実は相鉄には相鉄本線といずみ野線の他にもう1つ路線があるんですよね。
それは「厚木線」という路線であり、当駅とかしわ台駅の間にある相模国分信号所から分岐してJR相模線の厚木駅付近に繋がっているものであり、現在の相鉄本線となった神中鉄道は厚木駅から建設が始まっていますが、後に海老名駅へ乗り入れるようになると旅客列車は小田急線を介して厚木へ乗り入れるようになり、以後厚木線は貨物線としてのみ使われているため一般人は乗車することが出来ない鉄道となっています。かつては在日米軍の厚木基地への燃料輸送で使われていたのですが、1998年をもって廃止され現在では相鉄は貨物輸送をやっていません。
ではなぜ廃止されずに残っているかと言うと、JR線と繋がっていることを活かして新型車両を搬入する際に「甲種車両輸送」のルートとして重宝されているわけです。
もしこの「甲種車両輸送」に関係者のコネなどで乗ることができれば、名実ともに相鉄完乗となりますが、そうでなければ、相鉄本線・いずみ野線の2路線を乗った時点で完乗とみなして構わないと言えますね。
というわけで、私もこれにて相鉄完乗を宣言させて頂きますw
ところで、調べてみると2015年に「相鉄厚木線乗車体験会」なるイベントがあったみたいです。全くのノーマークでした・・・w
またやってくれないかな?w
縦型も撮ったらこれ以上は撮りません。
どうせ暗いですし、すぐに折り返す行程ですから撮る時間もありませんw
本当に今回はひたすら乗ってばっかりの旅です。
乗ってきた8000系です。
折返しもこれかなと思っていたのですが・・・
隣りにいたこの電車が先発するようです。
実はこれも湘南台への各駅停車で1往復乗ったのと同じ7000系ですが、12次車以降は従来車と比べて外観が大きく異なるため通称「新7000系」と呼ばれているようです。
見た目だけでなく、制御装置もVVVFインバータとなるなど、もはや別形式と言ってもいいくらい違います。
横浜に到着!
快速湘南台行きとして折り返すのでこのまま湘南台へ行って相鉄線の活動は〆ることにします。
快速幕を撮ったら相鉄編は終了!
ですが、ブラウザバックは早いですよ?まだ乗りつぶせていない区間がありますよねw
横浜市営地下鉄を経て帰路へ
とりあえず帰路は湘南台からブルーラインに乗ってセンター北駅へ戻るところからとなります。
ここから東京都心を目指すならば小田急江ノ島線を使うのが早いでしょうが、せっかくフリーきっぷもありますしね。そして、何よりまだ乗っていない区間も残っています。
再びブルーラインです。もう快速は運転されていない時間帯ですし、行きと帰りは種別を変えてみたいので各駅停車です。
それにしても、所要時間としてみれば10分も変わらないはずなのですが、各駅停車というだけで実際以上に長く感じましたw
センター北駅で乗り換えたのはグリーンラインです。
帰り道は日吉のほうが近いですが、往路でセンター北~中山間を残してきてしまったのでここで回収です。
横浜線との乗り換え駅でもある中山駅にやってきたらグリーンライン完乗!
つまりは、横浜市営地下鉄も完乗!
ホームすら撮らずに折り返して日吉からは東急で帰路に就きます。
シメは隣のホームにやってきた通勤特急新宿三丁目行きの幕w
基本的に東横線の特急・通勤特急は飯能、ないし川越市方面まで乗り入れるのですが、夜遅い時間帯は新宿三丁目で折り返す設定があるようですね。
というわけで、今回のレポートは以上です。
次回も関東近郊での単発ネタとなりますのでしばらくお待ち下さい。