熊本で乗り鉄&乗りバス旅

今回は熊本地区での乗り鉄と乗りバスです。
時系列としては「熊本電鉄200形最終日を取材」の続きとなりますが、内容が大きく違うので別のタイトルとしています。
なお、この旅は2019年7月31日に実施したものであり、記事内での記述はその当時のものとしてご覧下さい。

今回の活動内容

昨日に引き続いて熊本での活動ですが、実は今日もほとんどノープランであり、とりあえず熊本電鉄01形と03形には絶対に乗りたいという考えがあり、あとは余った時間で乗りバスしようという感じでした。
なので、あえてここでは活動内容を明かさないで、読み進めながら把握してもらう形を取ろうと思いますw

とりあえず熊本電鉄へ向かう

ホテルを出た私はとりあえず市電に乗って上熊本へ出ることにしました。
まずは上熊本線で03形に遭遇することを期待しての乗車です。


というわけで市電に乗って上熊本へやってきました。
市電の車内で昨日もお世話になった「わくわく1dayパス」を買っておきます。
いくらノープランでも熊本電鉄やバスを乗り回すことは確定していますから、買っておいたほうが動きやすいですしね。
ちなみに、今度はほぼ全ての路線バスで終点まで乗車可能になるように県内版(2000円)をチョイスです。これで今日は熊本中どこでも行き放題!w


昨日もここから熊本電鉄に乗り換えたわけですが、習性でつい駅舎を撮ってしまいますw


いました!元東京メトロの03形です。

それでは乗車するわけですが、ここで熊本電鉄について基本的な情報を押さえておきましょう。
まず、路線についてですが、熊本電鉄には2つの路線があり、菊池線と藤崎線からなります。菊池線は上熊本から北熊本を経て御代志まで、藤崎線は北熊本から分岐して藤崎宮前までとなっていますが、これは正式な路線名の話であり、運行系統としては菊池線は北熊本を境にして完全に分断されており、上熊本~北熊本と北熊本~御代志で実質別路線のようになっています。一方で藤崎線は菊池線の御代志方面とほぼ一体的に運行されており、上熊本~北熊本間の系統を「上熊本線」、御代志~藤崎宮前間の系統を「本線」と呼ぶこともあります。本記事でも「上熊本線」「本線」の呼称で行きたいと思います。
余談になりますが、「上熊本線」というと、正式名称としては熊本市電の辛島町~上熊本駅前間につけられている正式な路線名だったりするのですが、市電の方は運行系統の名前であるA系統(田崎橋・熊本駅前~健軍町)とB系統(上熊本駅前~健軍町)で案内されることがほとんどで、正式な路線名では呼ばれないので熊本電鉄の方を上熊本線と呼んでも支障はないようです。

また、熊本電鉄は全て普通列車であり、快速や急行と言った優等種別は存在しません。運行間隔については上熊本線は終日30分間隔、本線は基本は30分間隔でラッシュ時やイベント開催時などに15分間隔となります。

付近の鉄道網との関係ですが、直接他の鉄道と接続があるのは上熊本のみとなっており、本線の熊本市側のターミナルとなっている藤崎宮前駅には鉄道としては熊本電鉄のみが乗り入れており、市電の水道町電停までは一応徒歩圏内ですが、1kmほど離れており、水道町や熊本市中心部へ直通できるバスのほうが利便性が高いと言えるでしょう。

それでは、ぼちぼちレポートの続きと行きましょう。


熊電110周年の記念ヘッドマークが付いていました。


一瞬東京メトロのロゴがそのまま残っているのかと思いましたが、よく見ると熊本電鉄の社紋であり、右側の表記も”Kumamoto dentetsu”になっていますねw


社紋だけだと注意深く見ないと東京メトロのロゴだと思っちゃいそうw


流石に平成生まれの車両だけあってワンハンドルマスコンですね。


メトロ時代にはあり得なかった運賃表示器


この路線図のデザインはどことなく東京メトロに寄せてる?w


あと、気になったのがこの号車ですが、なんと8号車!
もちろん熊本電鉄移籍時に2両編成に組み替えられているので8号車なんて本来はおかしいんですが、あえてメトロ時代の8両編成時の号車のままにしているんでしょうね。

このまま北熊本まで乗車です。それにしても、私が知るかつての熊本電鉄ではあり得なかったVVVFインバータの音を聞きながらの乗車というのもめちゃくちゃ新鮮ですw


10分程度の乗車でもう北熊本駅です。
北熊本駅には車庫がありまして、こうしていろんな車両が見られるのですが、昨日ラストランを迎えた200形もいますね。
更には見るからに古そうな茶色い電車も見えますが、こちらはモハ71形という車両で、なんと戦時中から活躍する電車です。
現在は車籍を持っておらず車庫内での入換用としてのみ使われていますが、イベント時には車庫内限定ですが乗車しての走行もさせており、事実上の動態保存と言えますね。
3年前に引退した5000形もそのまま車庫内に残されていますし、200形も当分は車庫内で余生を送るものと思われます。
熊本電鉄ってここ最近の例では車両を引退させても即座に解体というわけではなくて車庫内に残すことが多いので、ファンにとってはありがたい会社です。


01形発見!
あれにも乗りたいのですが、1本は車庫内にいるということは、稼働しているのは1本だけのようです。
本線は数編成で回す運用なのでちょうど来てくれるかどうかは運ゲーですが、果たして・・・


キター!
まさかの一発で来るという幸運に感謝しつつ乗り換えます。
ん?これって・・・


元メトロ車同士の並びだぁ!

東京に住んでいる人が特に知識もなくたまたまこの駅に来たらさぞ驚くことでしょうねw
というわけで”日比谷線”から”銀座線”に乗り換えて藤崎宮前へ向かいたいと思います。


藤崎宮前に来ました。このまま折り返しますが折返しまで少し時間がありますし、そのまま車内にいるわけにも行かないので一旦下車して外観撮影です。


それにしても、03形でも見たメトロっぽい見た目の社紋は01形でもやっていたんですねw


まだ乗れないのかなぁ・・・なんて思って眺めていたのですが・・・
か、回送だって!?

どうやら藤崎宮前到着後は北熊本まで回送されて入庫してしまう運用だったようです。
このまま御代志まで1往復するつもりだったのが見事に計画破綻w
もう1本も車庫にいることを既に確認してしまっていますから、これは当分01形は走らないってことですよね。
全く乗れなかったわけではないですが、ある程度まとまった区間で録音を録っておきたかったのはありますのでやっぱり残念・・・


いくら愚痴をこぼしたところで車両の運用が変わるわけではないのでとりあえず外へ出ました。
ご覧のように立派な駅ビルを持つ藤崎宮前駅ですが、かつてはテナントとしてパチンコ店やレストラン、温泉施設などが入居していたもののいずれもなくなってしまったようであり、現在は駅として使われている部分以外は駐車場になっているようです。

これで電車でそのまま都心部へ行けるんだったらパークアンドライドで利用価値がありそうですが、逆に電車はここで終わりですからねぇ・・・


駅名にもなっている「藤崎八旛宮」ですが、本当に駅のすぐ近くにありまして駅を出てすぐに鳥居が見えてきます。
藤崎八旛宮で例大祭があるときは熊本電鉄も特別ダイヤを組んで増発し参拝客輸送に当たります。

また、駅周辺も十分中心市街地と呼んでいいほど開けていますから、買い物などで藤崎宮前駅を利用する利用者もいるようです。
藤崎宮前周辺に用事があるなら電車で、もっと遠くの水道町や通町筋、辛島町や熊本駅なんかに用事があればバスというふうに使い分けている人もいるのかもしれませんね。

乗りバス編スタート

さて、01形がしばらく運用がないとわかった以上はもう藤崎宮前駅へいても意味がありません。全くのノープランではありますが、とりあえず乗りバスを始めたいと思います。
ふらりと国道3号線に出てちょうどやってきたバスに飛び乗って熊本駅まで移動しました。


利用したのは産交バスでした。


熊本駅にやってきましたが、朝食はホテルのサービスでゆっくり食べましたし、ここは特にすることもなく乗り換えます。


なんとなくバスを待っているとこんなバスがやってきました。
「教習車」とありますが、教習所の車ではなくて、どうやら新人のバス運転士さんの訓練用の車みたいですね。


続いては天草から来た「あまくさ号」ですが・・・


なんと種別は超快速です。
2015年に北越急行が「スノーラビット」の種別名として採用し話題になった超快速ですが、九州産交バスでは1968年より超快速の呼称を使用していたので歴史が違いますw
なお、「あまくさ号」自体は快速がメインであり、このうち停車する停留所を絞り、また、一部区間は国道ではなく自動車専用道路を通行することで所要時間を短縮した系統が超快速となります。
これもいつか乗ってみたいと思っているんですが、まだ乗れていない路線の1つです。


続いてやってきたこの路線に乗ってしまいました。
今度は熊本電鉄バスですが、実は熊本電鉄そのものにも関わりのある路線だったりします。

北1系統 熊本駅→菊池温泉

というわけで乗りバスの最初は北1系統です。なお、2019年9月11日より熊本周辺の路線バスの系統番号が改められており、現在はC1-1、C1-2として運行されていますが、私が乗車した時点での系統番号である北1系統を記事では使用しています。予めご了承下さい。

さて、この北1系統ですが、車庫のある蓮台寺入口というところを起点に、熊本駅、交通センター(9月11日以降は桜町バスターミナル)、藤崎宮前、堀川、御代志などを経て菊池市へ至る路線です。菊池と聞いて気づいた人もいるかも知れませんが、実は熊本電鉄の上熊本~御代志間の路線名も「菊池線」なんですよね。
これはもちろん関係がありまして、実は熊本電鉄は元々菊池市まで通じており、菊池線という路線名も元々は上熊本~菊池間の路線だったことに由来しています。1986年に御代志~菊池間の鉄道は廃止されてしまいますが、この代替バスとして走っているのがこの北1系統なんです。
途中の経路が若干異なる北3と合わせて菊池市と熊本市を結ぶ役割を担っています。


それでは発車です。マニア席が取れたので展望風景を撮りつつ行きます。
最初は市電と並行しつつ熊本市内を走ります。


熊本市内はバスの路線数も多く団子状態で走ることも多いです。


熊本のシンボルの熊本城が見えました。


この足場は熊本地震で壊れてしまった箇所の復旧工事のものでしょうか。


交通センターも過ぎて通町筋を抜けて進むと水道町手前で左折し国道3号へ進みます。
バスレーンも整備されており、交通量の割にはスムーズな走行でした。


国道3号へ入りました。
この道路は福岡の門司と鹿児島を結ぶ九州を代表する国道の1つであり、キロポストも壮大なものになっています。


一見するとどこにでもある幹線道路の風景のようですが、ここに熊本ならではの景色が隠れています。
一番左の車線に注目してほしいのですが、なんと一番左に右折レーンがあるのです。
どういうことかというと、路線バスが多く右折する場所ではバスレーンから最小限の進路変更でスムーズに右折が出来るようにとバス専用の右折レーンを左側に設けているのです。
この場合、直進と右折は信号機によって別々のタイミングで進むように制御されているため、安全面も問題ありません。


藤崎宮前や北熊本といった駅の近くを通り熊本電鉄の電車と並行しつつ進みます。また、ここから御代志まではほぼ電車と並行して走ることになります。


更に進むと北1系統は国道3号を外れて右折していきます。
そのまま国道3号を進むと山鹿市を経て福岡県へと続きますが、山鹿方面への路線も九州産交バスによって運行されています。


国道を逸れると一気に狭い道路に入っていきます。
バス同士のすれ違いもちょっと気を使いそうです。


電車とも遭遇!


その先で更に道は狭く・・・狭隘路線の顔もあるようですね。


多少は広がりましたが、まだまだバスにとっては手狭であろう道幅が続きます。
そういえば、案内標識に菊池の文字が出てきましたね。


九州自動車道と交差します。
熊本電鉄だと三ツ石駅のところで九州道と交差するのでその辺りのようですね。


バスとのすれ違いはつい撮ってしまいますw


またしても電車と遭遇!


電車の終点となる御代志駅に差し掛かりました。
御代志駅については駅前広場にバスが乗り入れており、一旦道路を外れます。
特に熊本市内方面へのバスは電車と対面乗り換えが出来るため便利になっていますし、菊池方面でも多少移動しなくてはいけませんが、それでも道路を渡らなくていいのは便利ですよね。
ここで数名乗車がありましたが、電車からの乗り換え利用者でしょうね。


ここからは電車が既に廃止になっている区間であり、現在はバスしか走らない区間になります。
なんだかんだ市街地が続いていた御代志までと比べると田園風景が増えてきて郊外の景色になってきます。
もう熊本都市圏からは出てしまったようですね。


すっかり都市間道路の風景になってきました。
ところで、かつての鉄道の廃線跡が見えないかななんて思いながら乗っていたのですが、残念ながらバスの車窓から見える範囲には分かりやすい廃線跡はないようです。


またしてもバスとすれ違いました。
それにしても随分頻繁にすれ違うなと思って調べると、北1と一部のみルートが違う北3を合わせると20分ヘッドで走っているようで、地方でしかも都市間の路線としては意外に本数が多いですよね。


菊池まであと6kmまで近づきました。
ところで、その先は日田の地名が出ていますが、大分県へつながっているんですね。鉄道が通っていない場所はどうも地理間隔があやふやですw
なお、かつて久大本線の恵良駅から分岐して小国というところまで繋がっていた国鉄宮原線は菊池まで延伸する構想があったらしく、実現していれば熊本と日田は鉄道でももっと近かったかもしれません。


峠というほどでもないちょっとした丘を越えると視界が開けました。


しばらく進むと街の中へと入っていきました。
ここが菊池の市街地のようです。想像していたよりも都会でしたw


こちら、菊池市の交通ターミナルとなっている「菊池プラザ」です。
実はここがかつての熊本電鉄の菊池駅であり、駅舎をそのまま転用しているようです。
これはかなり分かりやすい鉄道時代の遺構ですかね。
主力の熊本市方面の路線を始め、産交バスの肥後大津駅・山鹿方面の路線などと接続しており、乗り継ぎ拠点となっています。

菊池プラザが終点ではなくもう少し路線は続くのですが、ほとんど降りてしまい貸切状態になりましたw


また道が狭くなりますが、昔ながらの町並みって感じですね。


そして、終点の「菊池温泉・市民広場前」に到着です。


こちらは電鉄バスのポール


こちらは九州産交バスです。


バス停周辺は駐車場となっており、駐車場の中にバス停があるという感じです。


観光客向けの施設も併設されています。
駐車場はこれらの施設を利用する人のために用意されているんでしょうね。


嬉しいことに足湯がありました。


日光を避けられる東屋付きだったのでしばらくバス待ちがあるので足湯を堪能していくことにしました。
普段の旅だとそもそも時間がなかったりしてあってもスルーが多い足湯ですが、足だけでも温泉に浸かると気持ちがいいですね。
昨日の疲れが若干残っていたのですが、温泉効果か足が軽くなった気がします。


嘶く騎馬像がありました。
熊本といえば馬というイメージがありますから納得の配置です。(そういえば昨晩は馬を食べたっけw)

それでは折返しとなります。今度は微妙に経路が違う北3系統ですが、基本的には先程のリプレイとなるので今度はマニア席にも座らずに大人しく後ろで乗車時間を過ごしました。


道中にある辻久保というバス停です。
ここはかつて電車の辻久保駅が存在した場所であり、現在は一部が熊本電鉄バスの辻久保営業所として転用されています。
こういう鉄道時代の駅名を引き継いだバス停名や施設があるとなんだか嬉しくなりますね。


ここは御代志駅です。
現在の電車の終点であることは往路の記事でも触れましたが、熊本市内行きのバスから見ると、まるで列車の車窓かと見まごうほどホームに寄せて停まってくれます。
本当に電車と対面乗り換えが出来ますね。
何名か乗り換え利用者もいましたが、藤崎宮前や上熊本方面が目的地であり、バスの渋滞を避けたい人が乗り換えルートを選んでいるんですかね。


御代志の1つ先は再春荘前というバス停であり、同名の駅が熊本電鉄にも存在することからも完全に並行していることが分かりますね。
ただ、注目してほしいポイントはそれとは別だったりします。


はい、この次のバス停の案内の部分です。
電波高専前となっていますが、これは実はちょっと古い情報です。
確かに昔は電波高専前というバス停名であり、駅名も同じく電波高専前駅でしたが、名前の由来となった学校が改名されたのに合わせて駅名・バス停名ともに「熊本高専前」と改められました。
恐らく隣の停留所名の表記までは気が回らずに見落としてしまったんでしょうが、こういうのを見つけるのはマニア的には面白いですw

あとはそのまま乗車していきます。今度は熊本駅で降りないで終点の蓮台寺入口まで行ってみます。
どんなところかという興味もありましたが、ごく普通の郊外の景色があっただけでしたw


こちらがバス停です。
熊本電鉄バスの車庫か折り返し所が隣接するようであり、熊本電鉄バスについてはここを終点とする系統が多いですが、産交バスについてはもう少し先にある西部車庫というところまで運行する系統が多くなっています。


私を菊池からここまで運んでくれたバスはあっさり引き上げていきました。
このあと乗る路線はここからでは乗れないので移動したいのですが、西部車庫へ行ける産交バスはなかなかやってきません・・・


電鉄バス・・・w


産交バスだけど高速バスというw

そのあと無事に普通の路線バスの産交バスがやってきてくれましたが、こんな場所から乗る人は珍しいのか、ちょっと運転士さんに変な顔をされたような気がしますw

次の路線は前述の通り西部車庫からしか乗れないのでその路線のレポートということで一旦項を区切りたいと思います。
なお、西部車庫前からしか乗れないというのは大ヒントであり、熊本のバス事情に詳しい方ならもう次に乗る路線が分かっているかもしれませんね。
その答えは・・・

東バイパスライナー

見出しでもうネタバレしていますが、次に乗るバスは「東バイパスライナー」というものです。
なんだか高速バスっぽい名前でもありますが、あくまで一般の路線バス扱いで運行されています。
先に概要を述べておくと、西部車庫から済生会病院・熊本中央病院・市民病院・日赤病院といった医療機関を経由しつつ長嶺団地へ至る路線であり、最大の特色は熊本駅・交通センターといった都心部の駅やターミナルに立ち寄らずに、名前の通り国道57号の熊本東バイパスをメインに走行するルート設定となっています。
目的としては沿線に点在する医療機関を受診する人の交通アクセスの強化や、熊本市中心部から放射状へ伸びる各バス路線相互の乗り換えに使えるようにという環状線的役割を期待しているようですね。
これに近いコンセプトの路線として、福岡で西鉄バスが運行する700系統がありますね。あちらも定着しているようですが、今後あえて都心部を通らないルート設定のバスが全国に広まっていくでしょうか。

この路線は2008年より構想が具体化し、2009年から試験運行という形で熊本市交通局・熊本都市バス・熊本電鉄バス・熊本バス・九州産交バスの5社局共同運行という形で始まり、翌2010年からは正式な運行となりました。現在は熊本市交通局・熊本電鉄バスは運行から撤退しており、残る九州産交バス・熊本バス・熊本都市バスの3社で共同運行されています。
運行本数は1日あたり11往復であり、平日のみの運行となっており、土日祝日は運行されません。

また、このように複数のバス会社で共同運行する形のため、現金やICカードで利用する場合は普通の路線バスと同じですが、定期券については東バイパスライナー専用のものが発売されており、それ以外の各社単独の定期券などではその会社の担当便であったとしても利用できません。
フリー乗車券などについては、九州一円のバスが乗り放題になる「SUNQパス」や、今回私が使っている「わくわく1dayパス」は東バイパスライナーも対象となっており利用可能です。
面白いのは、「わくわく1dayパス」については本来熊本バスは対象外という扱いになっているものの、東バイパスライナーについては例外的に熊本バスの担当便であっても乗車可能となっているようです。
同じ路線なのに使える便と使えない便が混在するのは利用者にとって分かりづらいということでの特例扱いなんですかね。


そんなわけでレポートを再開しますが、西部車庫のバス停はこんな長閑な景色の中にありました。


待合室は意外にもしっかりした作りでエアコンまで入っているほどの快適性でした。


そして、この建物が営業所です。
停留所名は「西部車庫」ですが、営業所の名前としては熊本営業所というらしく、九州産交バス本体の高速バス・路線バスに、子会社の「産交バス」の営業所も同居する形であり、更には「九州産交バス」と「産交バス」の本社まで入居しています。
敷地面積は38200平方メートルで最大で180台ほどのバスを収容できる九州最大規模のバス営業所だそうです。
市内路線ばかりでなく、都市間高速バスや長距離夜行バスも担当しているため出入りするバスを眺めているだけでも楽しそうですね。

そうそう「九州産交バス」と「産交バス」ってどう違うんだって話ですが、まず大本となるのは「九州産交バス」の方でこちらが本体と言えます。本体の方は高速・都市間バスや熊本市周辺の一般路線のみを管轄しており、それ以外の地域の一般路線は「産交バス」という子会社が担当しており、いろんなバス会社で見られる地域ごとの分社化ってやつですね。
昔はもっと細かく分社化していたようですが、今は集約されて「産交バス」が唯一子会社のバス会社となるようです。
まあ、この記事でも「九州産交バス」と「産交バス」はかなり混用していますし、普通に利用するだけならそこまで厳密に区別しなくてもいいかと思いますw


流石に営業所だけあって掲示物がすごいですね。


路線図を発見!
こういうのってずっと眺めていられますw
もちろんこれから乗る「東バイパスライナー」も載っていますよ。
気になる人は拡大してどういうルートなのか確認してみるのもいいでしょう。


ところで気になるのがここです。
熊本駅や交通センターを経由して長嶺団地へ至る路線も別に存在するので、所要時間・運賃は交通センター経由と東バイパスライナーで別々に表記されているのですが、所要時間では5分、運賃では日赤病院までは同額なものの、長嶺団地まで行くと東バイパスライナーのほうが10円高く設定されているんですね。
そもそも西部車庫から長嶺団地へ乗り通すのはほぼマニアくらいでしょうけどねw


もちろん東バイパスライナー単独の案内もありました。


あと、バスロケーションシステムも完備しています。
まだ東バイパスライナーの時間まで少しありますし、お腹も空いたので一旦営業所を後にします。


やってきたのは営業所近くにあった「ヒライ」です。
「ヒライ」は熊本や福岡などで展開する弁当店で、一部店舗では店内で料理の提供もしているということなのでここでお昼ごはんにします。
名物というわけでもなかったので写真は撮り忘れましたが、価格も手頃ですし地元にあったら普段遣いしたいお店だと思いました。

お腹も膨れたら営業所に戻っていよいよ東バイパスライナーです。
東バイパスライナーは前述の通り3社で共同運行されていますが、果たしてどの会社が来るでしょうか・・・?


これは・・・熊本バス!
実は乗ったことがないバス会社だったのでファーストコンタクトとなりました。


側面の案内にも「東バイパスライナー」の文字が入っているのはいいですねぇ!

それでは乗車します。
ここから乗るのは私だけみたいですw

西部車庫を出た東バイパスライナーは一旦熊本駅方面の道路へ進みますが、すぐに右折して逸れていきます。


県道227号で川を渡ります。バスにはちょっと手狭な幅員の橋ですね。


と思ったら対抗のバスとかち合いました。
ここは焦らず橋の手前で余裕のすれ違いでした。


しばらくは狭い道路が続きます。
もちろんまだ東バイパスではありません。


そうこうするうち更に道路は狭くなってきました。
路線バスですから所定経路のはずであり心配はありませんが、ここがバスのルートだなんてにわかに信じがたい光景ですね。


そんな狭隘区間を抜けてたどり着いたのは西熊本駅です。
JR鹿児島本線にある駅であり、熊本と川尻の間にある駅ですが、2016年に開業したばかりのまだまだ新しい駅です。
実は東バイパスライナーの運行開始よりあとに開業したため、あとから経由地に加わった経緯があります。

なお、東バイパスライナー以外のバスは駅付近のバス停から利用可能ではあるものの西熊本駅そのものには乗り入れていないため、現状では西熊本駅に乗り入れる唯一のバスが東バイパスライナーとなっています。


立派な高架橋に沿って住宅地を進みます。


今まで狭いところばかり走っていましたが、ようやく広い道路に出ました。
この先は近見という交差点であり、国道3号と交差しますが、国道3号の八代方面はこれから走行する国道57号との重複区間であり、この近見からようやく単独区間となり、いよいよ「熊本東バイパス」と呼ばれる区間が始まります。


案内標識にも57号線の案内が出ていますが、行先が大分・阿蘇となっているのにお気づきでしょうか?
実は国道57号は長崎市から諫早市・島原市と来て海上区間を挟み、三角・宇土・熊本・阿蘇・大分と続くスケールの大きな国道なのです。
長崎から始まり大分まで行ってしまうのですからまさしく九州を横断していますね。
そのうち、熊本市周辺部分は従来からあった国道のバイパスとして「熊本東バイパス」が整備されましたが、ちょうど熊本市の環状線として機能する立地だったこともあり、国道3号の熊本北バイパスと熊本西環状道路を合わせて熊本環状道路を構成しています。
そのためこんな立派な陸橋が整備されていたりするわけですね。


よく整備された郊外道路の景色が続きます。


一旦バイパスを外れて熊本中央病院に立ち寄ります。
通院を主な利用目的の1つに掲げるだけあり、ちゃんと病院の構内まで乗り入れます。


ちなみに、病院の向かいはゆめタウンでした。
病院に用事がなくてもゆめタウンに出かけるために東バイパスライナーに乗る人もいるかも知れませんね。


すごいのが、病院への取り付け道路とバイパス本線はこのような高速道路のインターチェンジを思わせるランプウェイで繋がっており、平面交差せずに全方向へ行けるようになっています。
一般道でここまで整備されているのはかなり恵まれていますよね。


あくまで一般道ということでか合流部分の加速帯は短いのは仕方ないですかねw


ちょっと混み合ってきましたが、そろそろ市民病院です。
熊本市電にも「神水・市民病院前」という電停がありますが、ちょうど市電と交差する地点になります。
それにしても、熊本市電には何度も乗ったことがありますが、ここで東バイパスと交差していたのは知りませんでしたねw


市電と交差しました。


西鉄の高速バスとも並走しつつ更に東バイパスを進みます。


最後はバイパスを外れて国体道路へと入りいよいよ終点の長嶺団地が見えてきました。


ここにて東バイパスライナーの旅は終わり!
どうやら、観光バスが客扱い中だったらしく邪魔そうに熊本バスが走り去っていきましたw

さて、このあとですが、今朝入庫してしまった01形がまた夕方のラッシュに合わせて稼働することを期待して、再び熊本電鉄に乗ろうということは決めていたのですが、ここからだと交通センター方面のバスに乗ってしまったほうが言うまでもなく近道です。
しかし、それだとまだラッシュが始まるより前に藤崎宮前に着いてしまってかなり暇を持て余しそう・・・
というわけで、折返しも東バイパスライナーに乗って西部車庫まで乗車して、西部車庫から藤崎宮前を通るバスに乗り継ぐルートを選びましたw


折返しを待つ間に駅取材ならぬバス停取材ですw
バスの終点にしているくらいだから専用の敷地が用意されており、ちょっとしたターミナルになっていました。


駅名標代わりにバス停のポールを・・・


熊本都市バスのちっちゃいやつが来ました。
ローカル路線に使われているんですかね。


待合室は流石に冷房はありませんが、この日照りの中では屋根があるだけでも幸せです。

さて、そんなこんなで折返しの時間ですが、今度はどのバス会社が来るかなぁ?
多分さっきの熊本バスがどこかで転回して戻ってくるんだと思いますが、意外と別のバスだったら面白いですね。
果たして・・・


予想通り熊本バスが来ました。
西部車庫行きになっていますし、どうみても東バイパスライナーですね。


反対側も一応撮っておきます。


側面を撮ったら乗車します。

今度も同じ運転士さんでしたが、この路線はマニアに人気だったりするのか、私みたいにただただ乗り回す人もそんなに珍しくはないということなのか特にノーリアクションでしたね。
今度はマニア席じゃなくて後ろでおとなしくしますけどw
車窓なんかはさっきのリプレイでしかないのでレポートしませんが、客層としては学生の姿が結構見られたのが印象的でした。
自宅と学校の配置によっては東バイパスライナーが通学に便利という人もいるんですかね。
最終が19時台であり、部活とかで帰りが遅くなると利用できなくなるということと、土日祝日は運転されないのでやっぱり部活とかで土日に学校に行きたい場合は不便もあるでしょうが、通学路線という顔もあることはちょっと意外でした。
書くことはこれくらいで記事は西部車庫に飛びます。


西部車庫に到着すると幕は回送になり産交バスに紛れて車庫内へ消えていきました。
高速バスだと共同運行相手の車庫を間借りするのはよくあるので、全然違う会社のバスがいてもそんなに違和感ないですが、普通の路線バスでやられるとちょっと新鮮ですね。

さて、このあとはバスで藤崎宮前へ出て、01形を追いかけます。

熊本電鉄01形を追って

産交バスの路線バスで藤崎宮前へ出て再び熊本電鉄に乗ります。
実は夕方のラッシュが始まるくらいの時間帯に北熊本始発の藤崎宮前行きが何本かあることを調査済みであり、その時間に合わせてやってきましたが、果たして01形は来てくれるでしょうか?


まあ、そうなるなw


あ、でもefWING搭載車だったのでやっぱり乗ってみることにw
efWINGってなんぞや?って方もいるでしょうから解説しておくと、efWINGというのは、川崎重工業車両カンパニーが開発した台車の名前であり、炭素繊維強化プラスチックで作られているのが最大の特徴です。従来の金属製の台車と比べて強度を保ちつつ大幅な軽量化が実現し、脱線に対する安全性も高められているとのことです。

これを日本で最初に導入したのが熊本電鉄であり、6000形の一部の編成の台車をこのefWINGに換装しています。
台車というと鉄道車両の中でも縁の下の力持ち的存在であり、一般にはあまり注目を浴びることのないパーツかもしれませんが、熊本電鉄では車体にefWINGの文字を入れるなど結構プッシュしています。
また、当初乗ろうと思っていた01形も熊本電鉄への転籍に合わせて台車をこのefWINGに換装しているようです。

ちなみに、熊本電鉄以外でこのefWINGを採用した例としてはJR四国があり、121系のリニューアル版である7200系の台車として採用されています。


別のときに撮ったやつですが、写真をどうぞ
よく見るとefWINGの文字が入っている他、普通の台車より簡素な構造になっているのも分かるかと思います。
台車はどうしても駆動系に近いので摩耗した鉄粉などを浴びて茶色くなってしまうんですが、登場したばかりの頃は黒い見た目だったみたいです。


くまモン電車となっており、車内もこの通り


ドア部分


色違いもありました。
あ、やけに人が少ないとお思いでしょうが、御代志到着寸前に撮ったやつです。
藤崎宮前出発時点では流石に座席がほぼ埋まる程度には混んでいましたよ。


御代志に到着です。
efWINGに換装された6000形には初めて乗ったわけですが、走行音としてはそんなに違いは感じられませんでした。乗り心地はかなり改善されているのでしょうが、熊本電鉄だとそこまでスピードを出す場面があまりないということもあってかイマイチ実感できずw
まあ、熊本電鉄としても今のところはごく一部の編成でのみの導入であり試験的な意味合いが強いのでしょうが、そのうちこのefWINGが鉄道車両の台車のスタンダードになる日も来るのかもしれませんね。


折返しは北熊本行きとなるようです。


忘れるところだった駅名標
・・・ひらがなで書かれると広島県の方の三次を思い浮かべてしまいますw


熊本電鉄バスがやってきました。


電車とバスの並び


↑この6000形は一旦見送ります。
これは後続の列車に01形が充当されている可能性を信じてのことです。


列車を待つ間にホームを撮ります。
それにしても、ホーム上にバス停のポールが立っているのは何だか不思議な光景w


以前訪問した頃にはなかったものはやっぱりこのICカード用改札機ですね。


終端部です。
前述の通りかつては菊池まで続いていた線路ですから、この車止めの向こう側はかつての線路敷ということになりますが、見た限り道路や建物などに転用されてしまっているようであり、廃線跡らしき痕跡は全く見受けられませんでした。
まあ、乗り鉄が多く訪れるであろう終着駅にそんな分かりやすく廃線跡が残っていたらもっと話題になって私の耳にも入っていそうなものですし、九州にいた頃はホームグラウンドのような場所だった熊本にあってそれを知らずにいたとも考えづらいですしねw


遠目からホーム全景です。
駅舎はないので本当にホームだけがある感じです。
5月に北海道へ行ったこともあってこういうローカル駅はたくさん見てきましたが、北海道だとどんなに利用の少ない小さな駅でも雨風をしのげる待合室くらいは必ず用意されていましたが、ここは屋根があるだけで待合室のようなものはありませんね。
まあ、自販機もありますし、すぐそばに公衆トイレもあるので九州の気候からすれば恵まれたほうでしょうけど。


もう日没寸前であり、刻一刻と闇が迫ってきていますが、これくらいの時間帯に撮るバスって方向幕が映えて好きですw

さてさて、そろそろ次の列車がやってきますが、果たして・・・?


↑キター!01形です!


私の勘は的中し01形に乗れることになりました。
この時間帯の藤崎宮前方面はあまり利用者はいないはずですから録音環境もかなり期待できそうです。


一応反対側も・・・
よく見ると、くまモンの表情が違うんですね。


こちらも車内を撮っておきましょう。
さっきの6000形と同様くまモンだらけですが、やっぱり6000形よりは小柄な車体なのが分かりますね。


ドア付近にくまモンがいるのも同じです。


別バージョン


虹とくまモン


熊本城とくまモン


この路線図はもちろん熊本電鉄のものですが、03形と同じく東京メトロっぽい雰囲気のものになっていますね。


車番も忘れずに


こ、これは・・・東京メトロ時代の広告がそのまま残っていました。
200形と同じようなことをメトロ車でもやってくれているようですね。


北熊本で下車します。
01形と03形の並びだけ撮ったら時間もないのですぐに乗り換えです。
もうだいぶ遅くなってしまったのでそろそろ帰りたいですしね。


上熊本線に乗り換えて03形です。
実は上熊本線は最終が早目なのであまり遅くまで動いていると北熊本→上熊本で03形の録音を収録する機会を失ってしまうというのもありました。


ここでもメトロ時代の痕跡がないか探したらありました。
こういう細かい部分でメトロ時代を残してくれるのは嬉しいものです。

この時間では当然ガラガラで私以外には数名しか乗っていない状態で上熊本まで乗車です。既に車窓も見られないのでただ乗っているだけですw


上熊本に到着!
ところで、今回は何泊なのかも事前にお知らせしておらず、今日中に東京に戻るにしては随分暗くなるまで活動しているなと思っていた人もいるかも知れませんが、実はもう1泊しますw
ホテルは昨晩泊まったところに連泊なので辛島町へ戻ります。

実は冒頭の書き出してホテルを出るときに「チェックアウト」という単語を使わなかったのですが、これは連泊というニュアンスをさりげなく含めていましたw


最後まで「わくわく1dayパス」を活用して市電でホテルへ戻ります。


ガラガラだったので車内撮影もさせてもらいましたが、床が木製というのは路面電車としても今や貴重ですよね。


あと、降車ボタンがどうみても市販品のスイッチだったのが面白かったので撮りましたw
他の部分は普通の降車ボタンだったので故障したもののスペアがなかったとかで市販品で代用したとかありそうですね。

このあとはただホテルへ戻って休んだだけなのでレポートは以上となります。
翌日もやっぱり活動しているのですが、それは別記事として追ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。

後書きみたいなものを付け加えると、夕飯は普通のチェーン店だったので写真はありませんw
夜遅くて名物を出すようなお店はもうやっていなかったし、昨晩の馬刺しで散財しすぎましたので節約ですw
~追記~
翌日の活動はこちら

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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