熊本電鉄200形最終日を取材

今回はタイトルにもある通り、熊本電鉄200形のラストランに伴い熊本遠征となりました。
なお、ラストランは2019年7月30日のことであり、2ヶ月近く遅れての執筆となっております。そのため記事中での記述は特記がない限りは7月30日時点での情報ですので予めご了承下さい。
ちなみに、YouTubeの方では200形の動画を先行して公開していたので私が200形のラストランには出向いていたことを勘付いていた方もいるかもしれませんね。

今回の活動内容

今回は200形ラストランという情報をキャッチしてとりあえずその日に合わせて航空券やホテルを手配したっきり、ほとんどノープランで現地まで行ってしまったわけですが、とりあえず200形に乗車&撮影することだけは確定であとは成り行き任せですねw
実際、初日となる今日は200形がメインで、それ以外の活動はほとんどなかったので、200形最終日のレポートという認識で大丈夫だと思います。

まずは熊本へ飛ぶ

何はともあれ、まずは熊本へ移動しなければ始まりませんから、記事はそこから始まります。
今回は・・・というかもはや私にとって長距離移動の定番になりつつありますが、LCCのジェットスターを利用します。
朝早い便だったこともあり、前日の夜にバスで成田空港に到着して、ターミナルで夜を明かしていたわけですが、そのバスについては別記事でレポートしています。そちらもよろしければ併せてご覧ください。


搭乗手続きをサクッと済ませてターミナルで搭乗開始を待つ間に窓から撮りました。
この機体もすっかり見慣れましたね。


あれが、私を熊本まで連れて行ってくれる機体のようですね。


いよいよ搭乗です。ボーディングブリッジを使わずにバスで連れて行かれる搭乗方法もLCC慣れするとむしろ当然に思えてきますw


空港内で飛行機を移動させるのに使われるトーイングカーですね。


↑座席指定なしにも関わらず窓際を撮れたのでこれまた恒例ですが機窓を撮りました。
成田空港離陸時のものとなります。
え?前も撮ってたって?前回はバニラエアで今回はジェットスターなので別扱いですw


みるみる上昇して東京湾をあっという間に横断していきます。
眼下に見えるは羽田空港でしょうか?


おそらく浜名湖だと思われます。


ちょっとうとうとしているともう九州まで来ていたようで、おそらく大分県の国東半島ですかね。


ということは大分空港?

大分と熊本は陸路だと結構遠いですが、飛行機だとあっという間と言っていいい距離感ですね。ということは熊本も近いわけですが九州は曇り空のようで、なかなか地上が見えてきません。


↑そろそろ着陸かと思って動画撮影を始めたのですが、ちょっと早く開始しすぎたというw
でも、雲海がきれいだったので単体で上げておきますね。
何気に、離着陸時以外の機窓を動画で公開するのは初めてのことですね。


↑今度こそ着陸です。
阿蘇山が見えることを期待していましたがそれは見えず・・・
でも、適度に田園風景と市街が組み合わさった景色もなかなかいいです。


熊本空港に到着!


ターミナルへの通路からいい感じで撮れました。


くまモンが出迎えてくれました。
今はご当地ゆるキャラブームも一巡した感もありますが、くまモンだけはすっかり定着しましたよね。


熊本空港から各地へのバスの案内がありました。
鉄道の乗り入れこそありませんが、県内各地へバスの便があります。


ネタと呼べそうなのがこの路線で、熊本空港と肥後大津駅を結ぶ「空港ライナー」でして、なんと運賃無料です。
前述のように熊本空港に鉄道は乗り入れていませんが、JR豊肥本線が比較的近いところを通っているため、バスで肥後大津駅まで行って電車で熊本市の中心部へ向かうことが出来るようにこの「空港ライナー」が導入されました。
もちろん、JRの運賃は必要ですが、時間が読みやすいのはメリットですよね。
2011年から試験的に運行開始され、2017年からは正式な運行になったようです。

また、せっかく近くまで鉄道が来ていることを生かして、豊肥本線から分岐する支線を空港まで建設して空港アクセス鉄道とする構想もあったようで、光の森駅や三里木駅から分岐させる案が有力だったようですが、結局頓挫してしまったようです。


空港前のバス乗り場です。到着口からすぐなので分かりやすいです。


結局、さっき見た「空港ライナー」には乗らないで、熊本市内行きのリムジンバスにしました。
熊本空港を使うこと自体初めてであり、そのリムジンバスもまた初めて乗車するからです。
このような乗車券が券売機で発売されており、車内で運賃を支払う必要はありません。


そして、やってきたのは・・・まさかの2ドア車w
ていうか、普通の路線バスにしか見えないw
これで「リムジンバス」なんですかね・・・ちなみに、熊本県下では最大のバス事業者の「九州産交バス」が担当します。


熊本市内行きの乗り場に停まったので間違いなさそうです。
それにしても、結構な人数が並んでいますが、これ座れないフラグなんじゃ?w


方向幕はこんな感じ
「空1」という系統番号まで付いていてますます普通の路線バスっぽいですが、あくまでリムジンバスのようです。

早速乗り込みます。
車内に入るとやっぱりリムジンバスということで普通の路線バスとは違って大きな荷物置き場が用意されていたり、座席が基本的に2人がけだったりしましたが、混んでいたので撮影はできずw
なんとか座席にはありつけましたが、やっぱり混んでおり2人がけに相席する形になりました。

熊本市も今や政令指定都市となったわけですが、都市高速のようなものはないため、熊本市内までひたすら一般道です。
しばらく郊外の道路を走ると熊本の市街地へと入っていき市電とも並行すると交通センター(記事執筆時点では「桜町バスターミナル」に改称)となり、熊本の中心地に差し掛かります。このあたりで降りる人も多く、残りは私とともに熊本駅で降りていきました。


熊本駅で下車します。バスはこのまま西部車庫というところまで運行されますが、そこまで行ってもバスの営業所があるだけですし、今回のメインはあくまでも熊本電鉄ですからね。
ちなみに、熊本電鉄に行くならより手前の桜町バスターミナルで降りて乗り換えれば藤崎宮前や北熊本までバスでショートカットすることも出来ましたが、ある目的から一旦熊本駅に来ました。


後ろにいたのも九州産交バスですが、天草へ向かう快速「あまくさ号」でした。
鉄道ルートでは三角線が途中まで並行しますが、天草諸島の手前の三角で終わってしまうので、天草へは陸路ではバスしかありません。
“陸路では”なんて書きましたが、実は天草エアラインという航空会社が熊本空港と天草空港を結ぶ航路に就航しており、飛行機でも行くことが出来るんですね。


こちらも産交バスです。


それではぼちぼち熊本駅へ!
熊本は私の出身地福岡から近いこともあって、乗り鉄という趣味を始めたばかりの頃からよく訪れていた場所であり、庭は言いすぎかもしれませんが、ホームグラウンドと言ってもいい場所です。
その玄関口たる熊本駅も当然何度も利用したことがあるんですが、それは新幹線が通る前の話・・・随分変わってしまいました。


熊本は路面電車の走る街ということで、昔は福岡から一番近い路面電車として楽しんだものです。


新幹線が通ってから随分と駅舎も変わりました。


コンコースもこの通りです。
う~ん、もう全然違う駅だなこれw


ここにもくまモン発見!
そういえば、私がよく熊本へ行っていた頃にはまだくまモンもいませんでした。


で、お目当てはこれです。
熊本ラーメン!
博多ラーメンと同じくとんこつラーメンとなっていますが、麺の太さやトッピングなど差異もあるようです。

お腹も膨れたらいよいよ活動のメインへと入っていきますが、その前にすることがありました。
それは「わくわく1dayパス」の購入です。熊本には熊本市電を初め、私鉄の熊本電鉄に加えて、九州産交バス・熊本電鉄バス・熊本都市バスといった路線バスが走っていますが、これら全て共通利用できる1日乗車券が発売されており、それが「わくわく1dayパス」なんです。
今回は熊本電鉄にも乗りますし、熊本電鉄の駅までは市電かバスで移動する必要もあるため、1日乗車券を持っていたほうが行動の自由が効いていいだろうということでとりあえず買っておくことにしました。
「わくわく1dayパス」には3種類ありまして、区間指定1、区間指定2、熊本県内があります。それぞれ700円、900円、2000円となっており、値段が高いほど乗車可能な範囲が広くなります。
バスについてはかなり細かく決められているため詳しくは公式サイトなどを確認してもらうとして、鉄道に関しては市電は全ての券種で全線利用可能であり、熊本電鉄は区間指定1では堀川以南、区間指定2では須屋以南、熊本県内では全線が利用可能となっています。
今回は熊本電鉄については200形の運用が上熊本線(上熊本~北熊本)のみということが公式発表により確定していますから、堀川以北へ行くことはなく、一番安い区間指定1を購入です。


とりあえず上熊本駅へ向かうことにします。JRに乗れば1駅で到達できますが、JRは「わくわく1dayパス」には含まれないのでここはパスを活用して市電で移動です。


市電の場合、熊本駅と上熊本駅を直通する系統はないので辛島町で乗り換えとなります。


今度はB系統上熊本行きです。


上熊本駅前に到着です。
ちなみに、市電の停留所としては「上熊本駅前」が正式名称ですが、2019年10月1日より「上熊本」に改名されるらしいです。
理由としては熊本駅と誤認しやすいということらしいですが、だったら何故今更というのはありますねw
思うのは、新幹線開業前の特急「リレーつばめ」の半分ほどと「有明」の全列車は上熊本にも停車していたので博多方面へ移動するつもりで熊本駅へ行くつもりが間違って上熊本駅に来てしまったとしてもそのまま特急に乗ることが出来ていたのが、新幹線開業で特急がなくなり上熊本からは新幹線にも乗れないことから問題が表面化したというのはありそうです。
それにしたって2011年に新幹線が開業しているわけですから8年も経っていることになりますけどね。


そして、目の前にはJRの上熊本駅があります。
ここも新幹線開業に前後して鹿児島本線も高架化された流れで駅舎が建て替えられており、私が知る姿ではなくなっています。

というところで、既に4000字を使っていますから、いい加減にメインの熊本電鉄へと進めていくとしましょう。

最後の熊本電鉄200形を徹底取材!

ここへ来てようやくの本題ですが、まずは熊本電鉄200形について解説しておきましょう。
200形は南海電鉄22000系を譲り受けて使用している電車であり、1998年に熊本電鉄へやってきました。実は南海からの譲渡は当初予定外だったのですが、ではどうして南海から熊本電鉄へ移籍することになったのかというと、元々熊本電鉄では東京都交通局から6000形を譲り受けて従来からの老朽車両の置き換えをするつもりでおり、実際に2編成譲り受けました。しかし、東京都交通局ではそれ以上の廃車予定はなく、一方で熊本電鉄では車両の老朽化は深刻であり早急に別の車両に置き換える必要があり、そんな中で白羽の矢が立ったのが南海22000系だったわけです。ただし、6000形より小柄な車体ゆえに基本的に予備車扱いとなっており、いつ運行されるかは分からない存在であり、私も熊本電鉄には何度か乗っていながら1度も乗車したことがない形式だったのです。
一方で小柄な車体という点は上熊本線でも走れるというメリットにもなり、6000形が入線できない上熊本線でかつて走っていた5000形(通称青ガエル)が検査で運用できない場合や、5000形が非冷房ゆえに夏場を中心に200形が代走することも多く、上熊本線を主な活躍の場としてきました。
ラストランも慣れ親しんだ上熊本線で迎えることになったわけですが、私は北熊本駅の車庫にいるところを撮ったことがあるくらいなので今日はとにかく乗車&撮影ですね。


そんなわけで熊本電鉄の上熊本駅にやってきました。
立派なJRの駅の目と鼻の先にありますが、ご覧のような簡素な作りで路面電車の電停のほうがよほど立派なんじゃないかと思うほどですw
しかしながら、熊本電鉄で唯一他の鉄道線と接続する駅でもありますし、地元以外で熊本電鉄に乗りに行く場合は上熊本から乗ることが多く、乗り鉄にとっては熊本電鉄の玄関口という感じでしょうか。


前はもうちょっとくたびれた看板が付いていた気がしますがお色直ししたんですかね。


入口はこちらです。
東京メトロから01系を譲り受けたことをアピールしたいのか、路線図の上に写真まで付けていますねw
前はこんな親切な案内じゃなかったです・・・w


この部分だけは昔の案内そのままのようです。


熊本電鉄は基本的に車内で運賃を精算する方式なので当駅も無人駅となっており、ホームへ入るのに改札はありません。
ホームは1面1線とシンプルそのものな配線です。


な、なんだと・・・ICカード用改札機だと・・・w
私が知っている熊本電鉄はICカードなんて使えませんが、2015年から「くまモンのIC CARD」と称して熊本県内のバス各社と熊本電鉄で使えるローカルなICカード乗車券が導入されたようです。
なお、市電については「でんでんnimoca」というnimocaの亜種とも言えるカードを導入したため市電と熊電・バスで利用可能なICカードが異なることになりましたが、現在は「くまモンのIC CARD」を持っていれば熊本市電限定ではありますが、「でんでんnimoca」と片利用が可能になり、逆にnimocaで「くまモンのIC CARD」の片利用も可能となったため、「くまモンのIC CARD」か「でんでんnimoca」のいずれかを持っていれば熊本の主な交通機関はたいてい利用可能となりました。nimocaは全国相互利用サービスに含まれるのでSuicaやPASMOでもOKってことですね。
しかし、時々思うのが、やたらめったらICカードを乱立させても、利用者も分かりづらいし、事業者サイドにしても余計なコストが掛かってるだけなんじゃないかと思ったりもします。色々事情はあるのかもしれませんがね・・・


乗り方の案内までありました。
ICカードが導入されてまだ浅いので利用方法の周知ということなんですかね。


駅名標もすっかり新しくなっちゃって・・・


ちょうどJRの列車が通りがかりましたが、私が知っている鹿児島本線は地上を走っていたはず・・・

なんて、かつて熊本電鉄に乗ったことを思い出しつつそろそろ列車の時間なので撮影の準備をしつつ待ちましょう。


↑入線シーンをどうぞ


お待たせしました。
こちらが今回のメイン、熊本電鉄200形です。
南海時代を知っている人は形だけでも懐かしいでしょうが、この塗装は熊本電鉄独自のものであり、かつては他の形式もこの塗装で走っていることが多かったですが、5000形は東急時代の緑色に戻され、6000形についてもこの塗装は採用されなかったため、いわゆる「熊電カラー」として残る最後の形式でもありました。


熊本電鉄は全部ワンマン列車なのでこの表記もあります。


ワンマン運転に対応するべく乗車口を示す表示も付いています。
これは200形に限った話でありませんが、移籍に際しては西鉄の筑紫工場でワンマン化改造が施されています。


なお、乗れない扉はこのように表示されます。


まだ時間もあるので一旦ホームを出て近くの道路上から撮影しました。


ラストランを記念するヘッドマークが付いていました。


こんなところにもラストランのメッセージが・・・


車内には「思い出メッセージ」が掲示されていました。
よく利用していたであろう地元の方だったり、私みたいに遠方から駆けつけたであろう方まで様々ですね。


特製の吊り広告まで用意されていました。


運転台です。
この日はラストランとあって車内にも何名も同業者がいて入れ代わり立ち代わりで撮っているのであまりじっくりは撮れませんでしたw
でも、激パというほどでもないので、まだ最終日にしてはいい方ですね。


運転台の中にあった行き先表示板ですが、これは普段掲げている方のやつでしょうから、ラストランの表記がついたやつはその裏面にこしらえたんでしょうね。
熊本電鉄も粋なことをしてくれます。


この200形の中でもネタと言えるのが、つり革の広告部分に南海時代の広告がそのまま残されていることですね。
実態としては南海時代のつり革をそのまま再利用したが、面倒くさいので広告もそのままにしたってだけだと思いますが、ファンにとっては南海から来た電車だということを証明してくれる証拠のようで嬉しいポイントです。

といった具合でそろそろ発車です。車内は案の定鉄道ファンが多いですが、意外と静かな車内であり、200形最初で最後の録音は納得できるクオリティになりそうでした。
実はこれで車内が騒がしかったら1日乗車券を活用する形で上熊本~北熊本をもう1往復しようかとも思っていたんですが、それはしなくて済みそうです。

あと、テレビの取材も来ていました。腕章を見るとRKKとあり、地元のローカル局のようでしたが、インタビューするでもなく車内の様子や車窓風景なんかを撮っているようでした。
流石に在京キー局が直々に取材に来るなんてことはないようですが、ローカル局が扱うには丁度いいニュースなんでしょうね。


北熊本駅にやってきましたが、ここはすぐに折り返すので撮影はこれだけです。
私同様に1日乗車券で回っているのかすぐに折り返し乗車する人もいましたw
このまま上熊本へ戻ります。1往復きれいな録音も録れたのであとはひたすら撮影です。


↑ホーム脇の歩道上から発車シーンを撮影です。


あとは沿線で撮影するべく場所を探しながら歩くといい感じで撮れそうな踏切を発見!
先程発車したばかりで25分くらいは戻ってこないでしょうから近くにあったドン・キホーテで涼みがてら飲み物を買ったりして時間を潰しました。


それにしても、道路のど真ん中にも警報機があるのは面白いです。
架線柱を建てるついでだったのかもしれませんが、なかなかない配置ですよね。


と、そこへ熊本都市バスが通りました。


↑いよいよ通過です。今や貴重な電鈴式の警報音もいいですね。

次は北熊本行きとして折り返してくるのを撮るわけですが、同じ場所で撮ってもつまらないので場所を移動します。
線路伝いに歩いて良さげな場所を見つけたのでそこで待機です。


↑今度はより近づいて撮れる場所で迫力ありますね。

続いては上熊本駅の隣の韓々坂駅に行こうと思いますが、距離的に一旦上熊本駅に戻って電車に乗るより、このまま歩いてしまったほうが早そうだったので歩きます。
上熊本線は駅間が短いから出来る芸当ですね。


こちらが韓々坂駅です。
1面1線とこれまたシンプルな駅です。


ホーム中央部にわずかながら屋根付きの待合スペースがあります。


ここの駅名標はかなり年季が入ったものであり、昔から変わっていないようです。


待合スペースだと思っていたものはICカード用の改札機でしたw


なんだか駅取材の流れになっていましたが、実は韓々坂駅の目玉はここなんです。
といっても”今は”ただの踏切ですが・・・


意味深な書き方をしましたが、その踏切の方にも出入り口がありました。
小さな駅ですが2箇所出入り口があることになりますね。
まあ、改札もない無人駅ですから出入り口を作ることに制約はないとも言えますけどね。


それにしても、この部分のホームもまた、年季がすごいですね。


↑ここで上熊本行きを撮影です。


↑それでは、そろそろ意味深な書き方の種明かしと行きましょう。
そのネタは列車が入ってきたときに見ることが出来ます。
そう、なんと停車した列車は踏切を塞いでしまうのですw
何故こんなことになるかといえば、韓々坂駅のホームが1両分しかないからであり、2両編成の列車が運用に入るとはみ出た2両目が踏切を塞いでしまうのです。
5000形が現役だった頃は1両編成でありこの光景は発生せず、たまにあった200形による代走時にのみ見られるレアな光景でしたが、5000形が引退して2両編成の列車しかいなくなると毎回のように見られる日常的な光景になりましたw
まあ、列車本数も少ないですし、交差する道路もそんなに交通量があるわけではなさそうなので問題にはならないのでしょうね。

動画を撮り終えてからでも何とか乗れたのでそのまま北熊本駅へ移動します。
もちろんまだ他の場所でも撮影するつもりですが、炎天下の中徒歩移動して、日陰もない場所で列車を待ったりしている間に体感温度はみるみる上昇して、しかも住宅地に入り込んだせいかコンビニはおろか自販機すらも見当たらない状況が続き、このままでは熱中症になると判断して、北熊本駅にマクドナルドがあることを知っていたのでそこでクールダウンしようと考えたのでした。
今日は終電まで200形の運用があることは把握済みですし、これで数本逃してもまだ撮影チャンスはありますしね。


というわけで北熊本駅です。
そういえば、駅名的にJRの駅だと勘違いする人がいますが、JRの駅は北熊本駅ではなくて上熊本駅です。
また、どちらの駅も上熊本線の起終点という関係だから余計に紛らわしいですね。


側線には東京メトロの03系がいました。
今は1編成だけですが、将来的には更に増えるようです。


奥にはくまモンラッピングになっているものの東京メトロ時代の塗装を残す01形と、既に引退している5000形「青ガエル」がいました。
5000形も引退から3年余りが立ちましたが、今でもこうして車庫には保存されておりその姿を見ることが出来るのは嬉しいですね。
また、この5101A号車は前は塗装が剥げてボロボロという痛ましい姿でしたが、ファン有志によるクラウドファンディングで資金を集めて再塗装がされてご覧のような綺麗な姿を取り戻しました。


↑そこへ6000形が入線してきました。
熊本電鉄の主力車種といえ、今でも本線に限ればこればっかりですが、今後01形や03形に置き換えられる形で数を減らしていくんでしょうね。


↑そして、今度は200形の発車です。先程は乗車したためここでの発車シーンは撮れていませんでしたからね。
そういえば、01形、03形は東京メトロ、5000形は東急、6000形は東京都交通局からの移籍車であり、全て東京出身の電車ということになりますが、200形だけは南海から来たわけで唯一東京出身じゃないことになりますね。


ホームを出ようと思ったらここにもくまモンがw
そりゃあラッピング電車を走らせるくらいだから、ホームにもいますよねw


外へ出ましてこちらが駅舎です。


看板は白地のシンプルなものでした。


右側部分は「くまでんショップ」となっており、グッズなどを売っているようです。
なお、昔は熊本電鉄タクシーが入居していたようです。


そして、ここにもくまモンw
中が気になりもしましたが、もう暑さにダウン寸前というところまで追い詰められていたので目の前のマクドナルドへ避難しました。
冷房の効いた店内で冷たいシェークを飲みつつクールダウン!
とりあえずは熱中症の危機は脱せられたでしょう。

というわけで、ぼちぼち行動再開します。


↑ホームへ入るとちょうど01形がやってきました。


もちろん写真でも撮ります。
そういえば、この塗装は銀座線の初期の塗装だと思いますが、最新型の1000形にも採用されているので1000形に見えてきますw
流石に登場したばかりの1000形がもう地方私鉄へ譲渡なんてありえない話ですが、あと何十年かしたら01形の後継車としてここへやってくることもあるかもしれませんね。


そして、本日の主役の200形です。こうポンポンやってくると今日がラストランということを忘れそうですが、こうしてホームに停まっている姿はおそらく見納めでしょうね。


その隣に6000形のくまモン電車が入ってきました。


お、並びましたね。
それでは200形に乗って移動開始です。


そんなこんなでやってきたのは池田駅です。
池田駅はちょうど上熊本線の中間地点とも言える駅ですが、ここへやってきたのはここでしか撮れないアングルで撮れる場所があるからです。


↑ここで乗ってきた列車の発車を見送ります。


ご覧のように駅のすぐそばにトンネルがあるのですが、そのトンネルの上にも道路が通っており、そこから列車を見下ろすように撮れるのです。


ここはしっかりした待合スペースがありますね。
公衆電話までありますが、携帯を持たない子供とかが駅についたことを家族に連絡して迎えに来てもらうなんてシーンもあったりするのでしょうか。


ICカード用の改札機
・・・っていうか、ずっと思っていたんですが、これって路線バスとか路面電車の車内についているやつと同じですよねw

それでは駅はこれくらいにして早速トンネルの上の丘へ上がるとしましょう。
ここまで結構な歩数を歩いていることもあって登り坂は堪えましたが撮影のためなら何のこれしきです。


丘の上からの景色です。
列車がいなくても絵になるいい景色ですね。


やってきました。


縦でもいいですね。


↑丘の上からも発車を見送ります。
・・・こちら側の斜面はもろに日光を浴びるので灼熱地獄でした。

マックでのクールダウンの効果もここまでのようで、疲労と暑さでだいぶやられていますが、今度は頑張って丘を越えて反対側のトンネル出口付近からもう1本撮りたいと思います。
理由として、今度の折返しとなる上熊本行きを撮る場合、丘の上からとってもあまりいい絵になりそうにないというのもありましたし、このあとは北熊本駅へ行きたかったので列車に乗って上熊本に出ても意味がないというのもありました。

列車だとあっという間に通過してしまう短いトンネルも、丘を越えて行こうと思うと意外と高低差がありましてきつかったですが、何とか到着。
今度は逆に日陰となるのでちょっとだけ快適になりました。


↑今度は住宅地の中を走るロケーションとなっており、なんというか、アニメの中に描かれてそうな鉄道風景だと思いました。
というわけで、あえて望遠で抜くのではなく全景を入れてみました。

それでは再び移動です。距離的には池田駅に引き返したほうが近そうでしたがまたあの坂を登るのかと思うとうんざりしてしまい、むしろ下り坂になる打越駅へ向かったほうが楽なのではないかと考えて打越駅へ向かうことにしました。


今度は重力を味方につけて快調に進むともう打越駅の看板が出てきました。


こちらが打越駅です。何やら工事中みたいですが、駅としては普通に営業中のようです。
・・・ふと思い出したのですが、そういえば打越駅で昨年ぐらいに火災があって駅舎が焼失したという出来事があったのでその復旧工事だったんですかね。


当然ここにもICカード用の改札機があります。


ベンチもありましてちょっと休憩させてもらいました。


駅のすぐそばには線路に踏み板があることから踏切があるように見えますが、実はあの踏切は公道とはつながっていないようであり、写真で左手にある建物への出入りのためだけの踏切のようです。
踏切を通らないと出入りできない建物というのもすごいですね。


ところで、例の建物ですが、どうやら民家じゃなくて何か武術関係の道場みたいなところのようです。
詳しいことはよく分かりませんでしたが、以前訪れたときも気勢を上げるような声やドタバタという物音も聞こえていたのでずっと気になっている存在でした。


そういえば、駅名標が見当たらないと思ったらこんなところに転がっていました。
工事の邪魔になるとかで一時的に撤去しているんですかね。

それではこの駅で200形を待ち構えます。


↑入線シーンです。


実はここもホームの有効長が足りないため2両編成だと例の道場への踏切を塞いで停まります。
もしあの道場の関係者が電車に乗ろうとして発車ギリギリだったとしたら踏切を塞がれてホームへたどり着けないので乗り遅れるってことになってしまいますね・・・

さて、このままこの列車に飛び乗ってもよかったのですが、もう1箇所撮影してみたいポイントがあったので最後にそちらへ向かうとしましょう。


それは打越駅近くにあるこの橋です。
そんなに大きな橋ではないですが、川を渡る姿も収めておきたいですしね。


↑というわけで動画をどうぞ


ここからでも打越駅に停まっているところを撮れました。

このあとは打越駅に戻って200形に揺られて北熊本駅へ向かいます。
他にも撮影場所を探してみようかとも思ったのですが、そろそろ体力的に限界・・・w


↑北熊本駅では01形の入線に遭遇しました。


この01形で北熊本駅を後にします。
もう200形とは本当にお別れになりそうでしたが、時間がないのでさっさと乗り換えてしまいます。
乗ったり、撮ったし、録ったのでもう悔いはないでしょう。


くまモン電車ということで車内にもくまモンがいます。


それにしてもくまモンだらけw
ただ、外国人観光客が多く車内が騒がしかったので、熊本電鉄移籍後は初めて乗車する01形ですが録音はちょっと残念な結果に・・・
まあ、これからまた乗る機会もあるであろう形式ですしいいでしょう。
しかし、外国人観光客がこんなに来るのはやっぱりくまモン効果なんですかね。
熊本電鉄の沿線にこんなに観光客が押し寄せるような観光スポットはなかったと思いますし・・・

おまけ

これにて200形関係の部分は終わりですが、1つおまけがあります。


私は北熊本駅から1駅、お隣の黒髪町駅で下車します。
終点は藤崎宮前駅というところであり、そこまで行ったほうがホテルがある辛島町や市電に乗り換えられる水道町へも近いですが、ある目的があったのでここで降りました。


↑駅を離れる前に乗ってきた列車を撮影です。
すぐ出ていってしまったので最初のほうがちょっと切れてしまいましたw


お目当てはここです。え?ただの道路じゃないかって?
よく見て下さい。ただの道路には存在しないはずのものが写っています。


答え合わせをするとなんと線路が通っているのです。
この線路は先程乗車していた熊本電鉄藤崎線の続きであり、黒髪町駅~藤崎宮前駅間に当たります。
路面電車ではなく一般の鉄道である熊本電鉄が何故こんなふうに路上を走っているのかというと、元々は路面電車として建設されていたからです。
後に軌道から鉄道へ変更されていますが、その名残でこんな区間が残っているわけです。
似たような例として江ノ電がありますね。

更に付け加えると今は藤崎宮前駅が終点ですが、かつてはそのまま路面電車として上熊本駅まで続いていました。
藤崎宮前駅~上熊本駅間は熊本市に譲渡されて熊本市電坪井線として運行されていましたが、1970年に廃止されました。


もっと近づいてみましょう。
え?線路に入って大丈夫なのかって?ここはあくまで路肩ですので立入は問題ありません。
証拠に線路右側にも民家が立ち並んでいるのが分かるかと思います。
もしここが立入禁止ならこれらの民家の住民は自分の家に出入りする度に法令違反をしていることになってしまいますからね。
・・・とはいえ、列車が通過するときはここに立っていたくはないですけどねw


藤崎宮前方の線路です。
軌道敷にはバラストが敷かれているため完全な併用軌道ともいい難いですが、やっぱり道路上を堂々と通っているのは不思議な光景ですよね。

それではあとは列車を待ちます。


↑先程乗車した01形の折返しです。
しかし、地下鉄で活躍していた01形がまさか併用軌道を走るとはw


↑続いて6000形です。
こちらも元都営三田線の車両でしたが、私にとっては三田線時代を知らない分、01形ほどの違和感はありませんね。


↑御代志行きの折返しを撮ったら撤収とします。

これにて活動終了です。ホテルは辛島町にとったのでそこまで移動しないといけませんが、電車に乗ってもどうせ藤崎宮前駅までしか行けず、またバスに乗り換えるか、歩いて水道町まで出て市電に乗るかしかないので、数百メートル隔てて並行する国道3号線に出てから直接バスに乗ってしまうことにしました。
「わくわく1dayパス」には路線バスも含まれていますし有効活用ですw


やってきたのは熊本電鉄バスです。
社名から分かる通り熊本電鉄の系列ですが、面白いのが車内の自動放送が男性の声なんですよね。
鉄道業界でも自動放送で男性の声というとJR北海道か、JR東日本の新幹線・特急列車くらいしか思いつきませんが、バスで男性の声って私の知る限りは熊本電鉄バスくらいなのではないかと思います。
ちなみに、熊本電鉄の電車も以前は男性の声であり、バスと同じ声が使われていましたが、今日乗車したときには女性の声に変わっていたのでいつの間にやら放送装置が更新されていたようですね。


交通センターにやってきました。
ここ交通センターは熊本のほとんどのバスが集まると言ってもいいターミナルで、以前は高速バスは交通センターが起終点で熊本駅へは乗り入れないものも多かったくらいですが、新幹線開業後は熊本駅まで延伸される路線が増えています。
ちなみに、周辺の再開発に合わせて2019年9月11日より「桜町バスターミナル」と改称の上リニューアルされ、これに合わせる形でバス自体にも変化が生じまして、今まで熊本市周辺の路線バスは首都圏のバスのように漢字+数字の系統番号を採用していましたが、増加する外国人観光客にも分かりやすいようにとアルファベット+数字に改められました。


そんなわけで今回の訪問時の交通センターはリニューアルの途上であり仮営業みたいな感じですが、やっぱり手狭な感じはしますね。
リニューアルが始まる前の交通センターにも行ったことがありますが、それはそれは大規模なもので、しかも全て地平に設置されていてガラスで仕切られているわけでもなかったので出入りするバスを見ているだけで楽しい場所でした。


このポンチョは熊本城周遊バスです。
完全に観光客向けのバスですね。


九州産交バスですが、た、玉名行き!?
玉名というと結構遠い気がしますが、意外なロングラン路線があったものですね。
・・・また、乗りたい路線が増えたw


顔みたいなデザインのこのバスは熊本バスです。
かつては熊延鉄道という鉄道会社であり、熊本市の南熊本駅と現在の美里町にあった砥用駅を結んでいましたが、1964年をもって鉄道の方は廃止されました。
社名は本と岡を結ぶことを目指していたことにちなみますが、延岡まで繋がることはありませんでした。
しかし、地方だと鉄道を廃止した後も鉄道時代の社名のままのバス会社(旭川電気軌道とか)が結構ありますが、ここは廃止と同時に現在の熊本バスに改めており、そのへんはしっかりしていますね。


最後に九州産交バスの高速バスです。
人吉へ向かうそのまんまの名前の「ひとよし号」です。
実は何度か廃止されていますが、その度に復活している不死鳥のような路線だったりします。
熊本~人吉にはJRも通っており、現在は特急「かわせみ・やませみ」や「いさぶろう・しんぺい」が走っていますが、これらは観光列車という意味合いが強く、指定席主体の運行なので、実用的な移動手段としては微妙・・・
かつては特急「九州横断特急」「くまがわ」があり、こちらは自由席もあったので実用的な移動手段としても使えましたが、なくなってしまいましたしねぇ・・・
産交バスももしかしたらこんな状況を考慮して「ひとよし号」の復活を決めたのかもしれません。

さて、それではホテルへチェックインとします。
まだ明るいうちに活動を終えることが出来るのは、私の旅としてはかなり楽な部類に入りますが、猛暑と歩き回ったせいで疲労はだいぶ溜まっています。ホテルでしっかり休みたいと思います。


ホテルで一休みしたらアーケード街へ繰り出して馬刺しをつまみに晩酌としました。
時間的にはまだ上熊本線の最終より前であり、200形の”本当の”ラストランを見送りに行くことも可能でしたが、どうせ真っ暗な中での撮影になるし、さよならセレモニーみたいなものも特に実施されないみたいだったのでホテルでゆっくりしました。

ということで活動は以上です。
ホテルを取った以上は明日も熊本で活動するのですが、全く別の活動となるのでまた別のタイトルが付いた記事でレポートします。しばらくお待ち下さい。

~追記~
翌日の活動のレポートはこちら

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つばめ501号(管理人) について

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