国内最後のトレーラーバス「青春号」に乗車!

今回は2023年3月31日をもって運行終了する西東京バスのトレーラーバス「青春号」に乗ってきましたのでそのレポートです。
なお、JR東日本パスによる活動のレポートがまだ途中ですが、「青春号」の引退に記事公開を間に合わせたかったため、順番を前後して後悔してます。

西東京バス「青春号」とは

まず最初にこの記事の主題となる西東京バスの「青春号」について解説してから本題に入っていきたいと思います。

「青春号」は西東京バスが運行するトレーラーバスの愛称であり、トレーラーバスというのは読んで字の如くトレーラーのバスです。
現在、日本でトレーラーといえば貨物を運ぶトラックの一種という認識で、バスの一種という認識はないと思いますが、日本でも1950年代までは増え続ける需要に対応するためにトレーラーバスが使用されていました。
それが使用されなくなったきっかけは1950年に発生した京浜急行電鉄(現在の京浜急行バス)での火災事故であり、トレーラーバスは運転席と客室が完全に分離している構造なのですが、それが災いして、客室で発生した火災に運転士が気づくのが遅れて、50名近い死傷者を出すこととなり、トレーラーバスの安全性が疑問視されるようになり、更にトレーラーバスではない通常のバスも大型化が進んだこともあり、国内でトレーラーバスは廃れることになりました。

なお、近年採用例が増えている「連節バス」との違いについてですが、トレーラーバスのうち、「青春号」も該当するセミトレーラータイプというものは運転席と客室が完全に分離しており、容易に切り離すことが出来ますが、「連節バス」は整備工場などで特殊な作業をしないと切り離しができず、1両目と2両目の間は自由に行き来することが出来ます。
免許制度の上でも違いがあり、トレーラーバスの場合は運転するには大型二種免許のみならず、けん引二種免許が必要になりますが、連節バスは切り離しができないということからけん引免許は不要となっています。

そんな「青春号」ですが、実は国内で現役で稼働するトレーラーバスとしては唯一の存在となっており、前述の通り連節バスではけん引二種免許は不要なため、「青春号」は国内で唯一運転するのにけん引二種免許が必要な車両ともなっています。
「青春号」が引退した後は国内にけん引二種免許を必要とする車両が消滅することになりますが、けん引二種免許という免許は形だけ存続するのか、これを機に廃止されるのかも注目ですね。

2023年時点での「青春号」についての情報ですが、武蔵五日市駅からつるつる温泉までを結ぶ五20系統に専用で運用されており、「青春号」が使用される便は公式サイトの時刻表などで確認できます。
この手の特殊なバスは観光に特化したものかと思えば、一般の車両で運行される便と同様に途中の全てのバス停に停車するなど、運用面では一般の路線バスと同様に使われているのも面白いですね。

解説はこれくらいでそろそろ本編に入っていきたいと思います。

乗車レポート

というわけでお待たせしました。いよいよ乗車レポートです。

JRを乗り継いで武蔵五日市駅にやってきた私は駅前で「青春号」の登場を待ちます。
最初はてっきり駅前にある営業所内に待機していると思っていたのですが、時刻表を確認すると今はつるつる温泉から武蔵五日市駅へ向けて走行中のようで、到着を待ちたいと思います。

https://youtu.be/ZdrpOBzjL2A
↑やってきました!
写真などでは見たことがありますが、想像上に遊園地のアトラクション感がありましたw


乗客を降ろしている間に撮影をこなします。
「機関車バス」とも呼ばれることもある「青春号」は蒸気機関車を模したデザインになっています。
それにしても、観光客向けに変わったデザインのバスにしようというところまでは理解できるんですが、あえて運行面で特殊な扱いが必要になるトレーラーバスにしたのかはちょっと謎ですよね。
機関車ということで列車みたいに折り曲がる構造を取り入れたかったとか、全国唯一のトレーラーバスということが売りになると判断したのかは分かりませんが、五20系統は一般の車両でも運行されているので、トレーラーバスでないと通れない場所があるといった事情はなさそうです。


五20系統専用に使われていることもあり、方向幕はなく、車体に直接運行区間を表示する形式です。


この部分がトラクタ、つまり運転席の部分です。
蒸気機関車っぽいデザインになっているため、車輪を模したデザインが側面に施されていますが、本物の車輪は2軸だけですね。
トラクタ部分は運転席となっており、乗客は乗ることは出来ません。


アングルを変えてもう1枚


出入り口です。
今や貴重な折戸である他、ワンステップになっていますね。


鉄道で言うところの”サボ”がついていますね。
あと、何気にICカード対応となっており、Suica・PASMOなどが使えます。
これは一般の路線バスと同様に運行されているので必要でしょうね。


連結部ですが、幌がついていて内部は見えないようになっていますね。


後ろからも撮りました。
ところで、注目してほしいのはナンバープレートなんですが、先頭側は「八王子200 か11-24」だったのが、後ろ側は「八王子200 え・・・4」となっていて、違うナンバープレートになっています。
これはトレーラーバスが先頭部と客車部を切り離せるという構造から、それぞれが1つの車両と扱われていて、別々のナンバープレートが付いているわけです。

https://youtu.be/u8R8-M9lbbM
↑降車場所から一旦待機場所へ引き上げていくようです。

それではあとは乗り場にて発車を待ちます。
この日は平日ですが、引退が迫るタイミングだったため混み合うかもしれず、早めに並んでおくことにします。


この3番乗り場から出ます。
昭和チックなフォントがいいですね。


乗り込みました。
車内は昔の鉄道の客車をイメージしたのかレトロ風な内装ですね。


出入り口は中央に1箇所のみとなっています。


最後尾部分です。
この位置に非常口があるのは珍しいですよね。


トレーラーという特殊な構造のため、普通のバスとは異なった揺れ方をするためかこんな注意書きがありました。


一般の路線バスと同じよう整理券発行機と乗車用ICカードリーダーがあります。


ドアの脇にはこんなスペースがあります。
これは車掌台というやつで、「青春号」はトレーラーバスなので運転士さんが運賃収受などの業務を行うことが難しいため、客車部には車掌さんが乗務しています。
昔の路線バスには車掌さんがいたようですが、今や貴重な光景ですね。


料金機の金庫ですが、「青春号トレーラーバス」と書いてありますね。


車内には一般の路線バス同様の案内モニターがあります。
これって最近のタイプだと思いますが、「青春号」引退後は別のバスに転用するんですかね。


あと、路線バスなので降車ボタンもあります。


客室から運転席を見るとこんな感じです。
完全に別の空間となっており、バスというより電車に乗っている感覚ですね。


この鐘みたいなものは単にデザイン上の目的で着けたんですかね?

といったところで車内のご紹介はこれくらいで、そろそろ発車時刻です。
なお、車内の写真は乗車したときや降車直前など様々なタイミングで撮影したものをまとめてご紹介しましたので、写真の時系列はまちまちですのでご了承下さい。


↑車窓を撮りました。
普通のバスで言う前面展望ですが、前には運転席部分のトラクタがあるので、独特の景色になりますね。
ちょうど、機関車のすぐ後ろの客車に乗ったときの長めに似ているでしょうか。

それでは発車です。
時間帯のおかげか乗客は数名のみであり、ゆったりと乗車することが出来ました。
駅を出ていきなり左折するシーンがありますが、早速トラクタが大きく曲がる様子が見られ、トレーラーバス特有の景色にテンションが上がりました。

運行中に気づいた点ですが、時折ブザーの音が聞こえたのですが、これは降車ボタンが押され降りるお客さんがいるときは車掌さんから運転士さんへ向けて、次のバス停に停まって下さいという意味のブザー合図を送り、逆にバス停で待っている人がいるために停車する場合は運転士さんから車掌さんへブザー合図を送るという運用になって言えるようです。
これは運転席と客室が完全に分離しているトレーラーバスならではですね。
ちなみに、路面電車でも昔は車掌さんがいてこのような合図をしていたのですが、ブザーではなく鐘を鳴らして合図しており、この鐘の「チンチン」という音がチンチン電車という呼び方の由来だそうですよ。

駅を離れると徐々に長閑な景色となり、東京にいながらローカルバスを楽しめる路線でもあるなと思いました。


渓谷沿いを進むトレーラーバスという眺めもいいですね。


「つるつる温泉入口」という交差点に差し掛かりました。
終点も近いですね。


いよいよ「つるつる温泉」の看板が見えてきました。


そして、終点のつるつる温泉に到着です。


こちらが「つるつる温泉」です。
日帰り温泉施設であり、食堂もあるようですが、この日は定休日でした。


バス停部分には屋根付きの待合スペースがありました。
右側の石(?)で出来た椅子はデザインが面白いですね。


目の前のロータリーはバス専用となっており、一般車の駐車は禁止となっているようです。


バス停のポールです。


「青春号」の写真が貼ってありました。
つるつる温泉とは切っても切れない関係の車両ですしね。


もちろんここでも「青春号」を撮ります。
つるつる温泉では車体が折れた状態で停まるので、よりトレーラーらしい姿で撮影することが出来ますね。


トラクタ単体で


客車の先頭部が見えるのは折れている状態ならではです。

それではこのまま折り返し乗車します。
つるつる温泉が営業していれば1本見送ってから温泉を楽しむことも考えましたが、お休みでしたからね・・・

今度は登山者風の人たちで混み合っていて、つるつる温泉以外にも需要があるんですね。
今度は先程のリプレイなので道中は割愛して武蔵五日市駅まで戻りました。


というわけで武蔵五日市駅に戻ってきました。

https://youtu.be/6nxVo9tWkJE
↑降車場所から待機場所への引き上げの様子です。


待機場所へ移動したところで1枚撮影します。


普通の西東京バスも来ました。
見慣れない塗装ですが、新しい塗装のようですね。


時間になり乗り場に「青春号」がやってきました。

https://youtu.be/kzB3alHmR54
↑最後に発車シーンを撮って活動終了です。

さて、あとは帰るだけかと思いきや・・・?

おまけ

普通にJRで帰ってもよかったのですが、京王八王子駅行きのバスがあるみたいなので、それに乗って八王子経由で帰ることにしました。
暇つぶしに乗りバスというわけですね。


こんな幟がありました。
多摩都市モノレールをあきる野へ延伸させようということみたいですが、これは既に決定している箱根ヶ崎駅への延伸の更に先の区間をどうするかという話で、あきる野市を経て八王子へ繋げる構想もあるみたいです。


京王八王子駅行きはこの2番乗り場から発車します。


バスがやってきました。


行先をアップで


側面の幕


前からも撮ります。


非公式側から


それでは乗り込みました。
系統番号は「秋04」となっています。


マニア席が開放されていたので座ったのですが、高い位置にあるためか路線バスでは珍しいシートベルトを装備していました。


↑マニア席に座れたので前面展望を撮りました。
※前面展望のみ4月9日にプレミア公開とします。
それ以前に本記事をご覧の方は申し訳ありませんが公開までしばらくお待ち下さい。

さて、この秋04系統ですが、秋川街道を進み武蔵五日市駅と京王八王子駅を結ぶ路線となっており、経路はシンプルな1本道となっています。
最初は長閑な景色であり、ちょっとした峠越えもありましたが、後半は八王子近郊の景色となり、渋滞にハマる場面もあるなど、街の路線バスという顔になっていきました。
乗客も最初はガラガラだったのが徐々に混み合っていき、最後は満員状態でした。
最初はローカルバスで、あとから都市のバスという複数の顔を持っていて、乗車時間も1時間程度と乗り応えがありましたので、八王子や武蔵五日市を訪れる機会があれば是非乗ってみて下さい。


京王八王子駅に到着しました。


京王八王子駅のバス停は意外にもこんな小さな停留所でした。
ここはもっぱら降車用として使われているようですが、終点にしてはあっけない感じですよね。


あとは徒歩でJR八王子駅へ向かいますが、こんなシーンに出会いました。
これは右折すると京王八王子駅があるという交差点ですが、右折レーンが狭すぎてバスが対向車線にはみ出しているのです。
東京だと無理やり2車線化したために車線の幅が極端に狭い場所ってありますが、ここもその1つですね。


分かりやすいように対向のバスがいない状態でも撮影してみましたが、かなりはみ出ていますね。
対向車からしたら邪魔かもしれませんが、中央線をはみ出さないようにすると今度は左側の車線を塞いでしまって直進・左折する車の流れを遮ってしまいますから、これがこの場所での最適解なのでしょう。


JR八王子駅へやってきて、あとはJRで帰路に就きました。
ちなみに、乗ってきたバスはJR八王子駅も経由しますが、全区間乗車したいということで終点の京王八王子駅まで乗りましたw

というわけでこれにてレポートを〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

それでは!

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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国内最後のトレーラーバス「青春号」に乗車! への2件のフィードバック

  1. 遠藤 のコメント:

    見慣れないと言っていた青色のバスは新しい塗装ではなく古い塗装でもない、多摩バス時代の塗装になります。そのため西東京バスの表示の下にうっすらと「多摩バス」の文字が見えるバスがあります

  2. 遠藤 のコメント:

    青春号は日の出町の商工会の青春号を活用した町おこし隊に譲渡され、第2の人生を送っています

    ちなみに見慣れないと言っていた青色のバスは新しい塗装ではなく古い塗装でもない、多摩バス時代の塗装になります。そのため車体の西東京バスの表示の下にうっすらと「多摩バス」の文字が見えるバスがあります

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