豊肥本線代行バスを取材

今回は昨年の九州北部豪雨の影響で不通となっている豊肥本線の宮地~豊後竹田間で運行されている代行バスと現地の現状を取材するべく、九州満喫きっぷを使用して熊本県とちょこっとだけ大分県を目指して旅をしました。

西鉄で南下

今回は18きっぷではなく満喫きっぷなので西鉄も使えます。
しかも、西鉄に関しては特急にも乗れるという大盤振る舞いなので助かりますね。
最近はだいぶん改善されてきましたが、JRは南に向かう快速が少ないですからねw
そんなわけで、西鉄特急で一気に大牟田に向かいます。

サプライズ!

駅前のコンビニで昼食用のパンを買ってJR側の改札を通りホームに行くとDE10+50系客車、すなわち先月乗車した快速「人吉」号の編成がやってきました。
急いでそのホームに撮影に行きました。後尾側を撮り終えて先頭に行こうとしたら発車してしまい撮れませんでしたが、同じ編成を撮ったことがあるのでよしとしましょうw
しかし、誰も乗っていなかったので回送なのは間違いないでしょうが、何故この時間に大牟田にいたんですかね。検査の送り込みとかでしょうか。

またお前か

大牟田からは熊本行き普通に乗り換えますが、実はこの列車は博多始発なんですね。
西鉄が使えない18きっぷのときは笹原からこの列車を使っています。
そして、この列車には以前から一貫して415系が充当されているんです。
いい加減に置き換えられただろうと思っていましたが、やっぱり415系でしたw
普通ならレア車種が来てラッキーと思うところですが何度も乗っているのでもはやまたお前かというリアクションしか出てきません。

豊肥本線で東へ

熊本からは豊肥本線に乗り換えますが代行バスが出発する阿蘇駅まではまだまだあります。肥後大津までは815系です。
そういえば、この区間に設定されている快速「豊肥ライナー」は今度の改正で廃止になるみたいですね。
今回乗るのは普通列車ですが、豊肥ライナーも乗ったことがあります。結構早くて単線の割に頑張っているなと思っていましたが残念です。
この区間の録音はあるものの、とりあえず録ってみようかと一応レコーダを回していたんですが、新水前寺から幼稚園生グループが大量乗車で車内はさながら幼稚園バス状態となり断念w

ローカル色が濃く

肥後大津までは電化されていて、本数も結構ありますが、肥後大津を過ぎると非電化となり本数もかなり減ります。
当駅を境にローカル色が一気に濃くなりますね。
次に乗る列車はキハ147形ですが、隣のホームで連絡なので乗り換えは便利です。
肥後大津から次の瀬田までの区間は録音の状態が良くないので録ります。
1番最初は乗り合わせたおじさんが気さくに話しかけてきて、楽しかったのですが録音としては残念な結果に、2回目は乗り合わせた地元のおばあさんが井戸端会議を始めてしまいやはり残念な結果になり、今回は3回目の挑戦ですが3度目の正直ということなのか、車内には騒ぐ人はおらず録音環境は素晴らしかったです。
あまりに環境がいいので、既にまともな録音がある瀬田より先も録音を続けました。
立野では12分間の停車があり、絶賛井戸端会議中のおばあさんが乗ってきてヒヤリとしましたが、対向の肥後大津行きを待つ間、寒いのでこちらの列車に乗ってきただけのようで助かりました。
ところで、車中からはがけ崩れの痕跡と思われるものが見えました。
九州北部豪雨の被害を受けられた方などに配慮し、記事上での画像の掲載は控え、リンクのみを貼る形にしますので、ご覧になりたい方はリンクをクリックして下さい。
豊肥本線 立野~赤水間のがけ崩れの痕跡

代行バスに乗車

そんなわけでやってきました阿蘇駅。
当駅から代行バスに乗って豊後竹田に行きますが、不通区間は宮地からなのに何故当駅始発なのか疑問ですね。
ダイヤを見ると、私が乗ってきた普通列車からは30分近い待ち時間があって接続がいいとは言いかねますし、その後続のあそぼーい!が到着する2分前には発車してしまうのでタッチの差で利用できません。
阿蘇駅起点の別の路線バスからの乗り継ぎ客に配慮しているんでしょうかね。
その代行バスですがなかなかやって来ません。来るバスは一般の路線バスばかり、そしてようやくやってきたバスはローザというマイクロバスでした。
bus1
最初、旅館か何かの送迎バスかと思いましたが、代行バスであることを示すこんな表示を見つけました。
bus2
このバスは地元の観光バス会社の七条観光バスのもので、普段団体輸送をする時の表示をそのまま使っているようですね。
しかし、「JR九州様」なら分かりますが「JR鉄道代行バス様」はちょっと違和感を覚えますね。

出発

発車時間になりましてバスは阿蘇駅を後にしますが、乗客はなんと私ただ一人。
発車前はラジオがかかっていましたが、発車時間になると切られました。
地方のバス会社だと営業中であっても構わずラジオをかけている運転士を見かけることがありますが、停車中だけかけて発車したら切るというのは初めてのパターンです。
このバスはこのあと宮地駅に立ち寄ったあとは終点の豊後竹田駅までノンストップです。
特急に相当する便なので特急券が必要かと思えばそんなことはなく、普通乗車券のみで利用できます。停車駅にかかわらず全て普通列車扱いなんでしょうね。
不謹慎かもしれませんが、普通列車しか使えない18きっぱーや満喫きっぷ利用者にとっては宮地~豊後竹田間で利用できる便の選択肢が増えることになるので、焼け太りではありませんがある意味で棚ぼたですね。
流石に自動放送はありませんが運転士さんが時々マイクで案内してくれていました。
私一人だけなのでなんだか気まずいですがw
しばらく国道を進んで宮地駅です。流石にここからは誰かしら乗ってくるだろうと思っていたものの、結局誰も来ず最後まで私一人が確定しました。
この先も国道を進みます。

被害の爪痕が・・・

ここまでは阿蘇のカルデラの中を走っていたので平坦の穏やかな道でしたが、ここからは外輪山を越える形になるため急激に高度を増していきます。
ヘアピンカーブを通過していくと被害の爪あとを目の当たりにしました。
なお、例によってリンクのみの掲載とします。
国道の被害の痕跡
どうもこの区間はもともと山の稜線に添って道路が通っていたようですが、道路ごと斜面が崩壊したため急遽当該部分をバイパスする橋をかけて復旧させたみたいですね。
そういえば、豪雨の直後は大分~熊本を結ぶ「やまびこ」というバスも国道が不通だったために大分・九州自動車道経由に迂回していました。この箇所が原因だったんでしょうね。
現在でも完全な復旧は出来ていないのか、片側交互通行の規制が行われている箇所が何箇所もありました。
福岡市周辺では「すごい大雨だったなぁ」程度の認識でしたが、これほど大きな被害が出ていたとは思わず驚きました。これは豊肥本線が夏まで復旧できないのも納得ですね。
山を登りきり平坦な道に戻りしばらく快調に走ると走行音に変化が起きました。
周期的に音階が変化しているんですね。そう、メロディロードです。最近各地で見かけるようになったメロディロードですが、バスに乗ってこれを体験するとは思いませんでした。
ちなみに、曲目は滝廉太郎氏作曲の「花」でした。同氏が豊後竹田にゆかりがあることによるようです。

豊後竹田に到着

バスの終点、豊後竹田駅に到着しましたので運転士に切符を見せて下車しました。
すると駅員が出てきて、「列車乗り換えですか?」と尋ねて来ました。
列車に乗るのに違いはありませんが、1本見送るので「違います」と答えると「きっぷだけ見せて下さい」と言われました。
どうやらバスの運転士は改札業務には関わらず、到着した駅で駅員がチェックする仕組みみたいですね。
とりあえず、せっかく来たので駅舎を撮りました。
Bungo-Taketa-sta
岡城にちなんでお城をモチーフにしたデザインだそうです。
ちなみに、ホームはこんな感じ
home
駅の裏手には崖が迫っていて、訪問した日には水が流れていなかったようですが滝もあるそうです。駅舎自体も変わっていて裏手には滝も流れる崖があるなんて、なかなかないですよね。
駅好きな西鉄8000系さんが来たら喜びそうですw

時間つぶし

当駅では1時間近く滞在するため、結構時間を持て余してしまいます。
そこで、こんな時に私がよくやるのが散策です。ぶらぶらと歩きまわって景色を楽しんだりします。列車に乗るか駅にいるかしかないガッツリした鉄旅もいいですが、こんなのんびりした「旅らしい旅」もまた一興ですね。
竹田の街は城下町をモチーフにしたデザインになっていて趣がありました。
滞在時間が長くなったのは乗り換えの都合でしたが来れてよかったです。
そして、小腹も空いてきたのでコンビニでも見つけて何かを買おうと思います。
いつもならあてもなくぶらぶら歩いて、たまたま見つけたコンビニに入るという流れですが、今回はスマホという文明の利器がありますので検索をかけるとすぐに見つかりました。
1kmほど歩いた所で15分もあれば着くようなので時間つぶしに持ってこいだということでそこへ行きました。
歩いている途中、先ほど乗った代行バスの折り返し便が追い抜いて行きましたが今度は結構乗っていました。私一人だったのはたまたまということですかね。
それから、歩いていてこんなものを見つけました。
bridge
豊肥本線の鉄橋ですが、これは宮地方面の線路なので不通区間です。1日も早くここを再び列車が通るといいですね。

朝地駅へ

散策兼買い物も終わり列車で1駅、朝地駅に向かいます。
次の代行バスまで時間があくのでどこか別の駅に行ってみようというわけで行程に入れてみました。
列車はキハ220系を2つ連結した2両編成ですがガラガラでした。まあこれから増えていくんでしょう。
朝地駅ですが、ちょっとした集落の中にある無人駅で、駅舎の一部が地域のコミュニティセンターのようになっていて、カルチャースクールが行われているのか、地元の方が出入りされていました。以前は乗車券の委託販売もあったらしいですが、今は駅業務については完全な無人駅です。
とりあえず駅舎です。
Asaji-sta
簡素ですが最近の駅にありがちな感じですね。中には窓口の跡がありましたが、結構新しい感じで最近まで使われていたことを実感しますね。
あと、こんなものを発見。
object
芸術作品のオブジェクトみたいですが、私にはちょっと理解出来ませんw

再び代行バス

列車で1駅立ち戻り再び代行バスです。今度はキハ200系2両編成ですが高校生が多く混み合っていました。
ちょうど高校生の下校時間帯なんですね。旅行は平日でしたのでそれもあるでしょう。
しかし、ほとんどは駅に着くとそのまま歩いて街へ消えていき、バスに乗り換えたのはごく一部でした。
ちなみに、今度のバスはこれです。
bus3
大野竹田バスという会社のバスで、今度は路線バス用の車両です。
ちなみに、この大野竹田バスですが、大分バスの完全子会社だそうです。
今度の便は豊後竹田~宮地間の各駅に立ち寄り、阿蘇駅へは行かずに宮地止まりです。
しばらくは国道を進みますが途中で別れて狭い道を分け入ったりしながら各駅に立ち寄ります。
だんだんと地形が険しくなりヘアピンカーブがあったり狭隘区間があったりと、ただただ運転士さんの技量に感心するばかりでした。
対向車が来たら離合できないんじゃないかという区間も多々あり、乗っているだけの私でさえヒヤヒヤしていました。
ちなみに、豊後竹田発車の時点では高校生を中心に利用者が結構いましたが、途中駅で降りる人が殆どで宮地まで乗り通したのは私ともう一人の女性だけでした。

あとは帰るだけ

これであとは帰るだけです。宮地駅のホームは高校生を中心にごった返していまして、やってきたキハ147形は録音を持っているため大人しく乗車時間を過ごしました。
流石に疲れが出てきたのか気づいたら寝ていて、いつの間にか肥後大津についていました。
ここでは2分連絡で熊本行きに乗り継げます。
ここも座席だけ確保して大人しくしています。ところで、乗り合わせたおじさんが偉い剣幕で電話をしていたのには驚きました。
どうも職場の上司との電話のようですが、サボった、サボらないで言い合いをしていたようです。
車内での通話自体がマナー違反ですが、どうしても車内で通話せざるを得ないとしたら、せめて声の大きさは気を使ってほしいものですね。
あまりに大声だったので、私以外の乗客もちらちらとその人のことを見ていました。

熊本ダッシュ!

大垣ダッシュにひっかけて見出しをつけてみましたが、豊肥本線の到着の2分後に乗り換える銀水行きが発車します。
豊肥本線の着く0B番のりばから、鹿児島本線の発車する5番のりばまでは跨線橋を渡って行かなければならず走らないと間に合いません。
私と同じ乗り継ぎをすると思われる人たちもやはり走っていましたが、あと2分くらい発車を遅らせてくれたら余裕を持って乗り継げるんですけどね。
これだと足の不自由な方やお年寄りは乗り継げないと思います。
私は息を切らしながらも何とか間に合ったものの流石に空席はなく立つ羽目に・・・
植木あたりでだいぶん空いてきたので座らせてもらい、大牟田まで過ごしました。それにしても録音しなくていいのも逆に暇で仕方ないですねw

西鉄特急でラストスパート

大牟田からはやはり西鉄特急です。今回は快速に接続があるのでJRだけで帰路についてもいいのですが、せっかく私鉄も乗れるきっぷで西鉄に乗らないのは損する気がするので西鉄ですw
普段は30分くらい待ち時間がありますが、今回は20分弱ということで乗り継ぎが比較的いいパターンになります。
更によかったのは特急が5000形だったこと。ラッシュ時対応の運用なんでしょうけど、普段は8000形の特急ばかりに当たるのでラッキーです。
そのまま一気に福岡(天神)まで行きました。地元の駅へ行くには二日市で普通に乗り換えになるんですが、せっかくの乗り放題きっぷなので、普段なかなか乗れない特急の二日市~福岡(天神)を満喫することにしました。
地元の駅を通過するってなかなかない体験だと思いますのでよかったです。
福岡(天神)からは折り返して普通列車です。直後の普通は特急入線と同時に発車するため乗り継ぎ不可能というわけでしばらく待ち時間があります。
その間に一旦出場してコンコースの店でおみやげを買って帰りました。

スマホでしてみよう

今回はスマホを手に入れて初めての旅だったわけですが、色々試してみました。
まずはナビ。
私のスマホはAndloidでして、標準でGoogleのナビアプリが入っているんですが、これは豊後竹田で役立ちました。コンビニの場所を調べそこへの行き方をナビゲートしてもらいました。これで見知らぬ土地も怖くありませんw
それから、My Tracksというアプリです。
これはGPSを利用して位置情報の記録を連続的に取れるアプリです。
公式ではランニングやドライブでのコースの記録に、ということを謳っていますが、今回は代行バスのルートの記録に役立ちました。
以前にも美祢線や平成筑豊鉄道の代行バスに乗りに行っていますが、運行ルートって鉄道が復旧してバスが走らなくなるとわからなくなってしまうんですよね。
土地勘がないために頭で覚えるのも難しいですしね。
このアプリは地図上に線を引くように記録してくれるので、あとからバスのルートをトレースするのも簡単です。
更に途中の速度や標高なども記録できるので、快調に飛ばしていた区間や渋滞にはまりがちだった区間も一目瞭然です。
事後的な閲覧のみならず、リアルタイムでも楽しめます。GPSの精度の問題で目安程度ではありますが、現在の速度も分かってしまうんですね。
地図も現在位置に連動して動いてくれるので自分が今なんという場所にいるのか、とか車窓から見えるあれは何なんだろうといった疑問もすぐに解決します。
このアプリはプリインストールではありませんが、Google Playで無償配布されていますので興味のある方はDLされてみて下さい。
そして最後は歩数計。
これは標準機能で搭載されているようですが、常に持ち歩いているスマホでの計測は便利ですね。更に1時間単位で履歴も保存されるので、あとで見返せば、この時間は散策をしていたな、とかこの時間は乗っているだけで動かなかったなとか分かりますw
ちなみに、今日の旅全体での歩数は11114歩でした。今日は乗ることがメインの旅でしたが、それでもこれだけの歩数になるということは、駅取材系だと凄まじいことになるんでしょうね。
ところで、1日1万歩を目安に、という話を聞きますが、毎日やるのはしんどいですねw

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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