「区間急行太田行き」さよなら乗車

今回は2020年6月6日の改正をもって運行が終了する東武鉄道の区間急行太田行きに乗車しましたのでそのレポートです。
前回の活動は3月半ばであり、それ以降は新型コロナウイルスの影響で自粛を強いられしばらく活動はしていませんでしたが、緊急事態宣言の解除もあって、遠征はもう少し控えることとしつつも近場の活動は徐々に再開していくこととして、この活動をもってブログの更新も再開ということになりました。
本当ならば、ラストランに間に合うように執筆したかったのですが、結局ラストラン後になってしまいましたw

「区間急行太田行き」について

今回の活動内容は「区間急行太田行き」がメインなので、いつもならここで行程の内容を説明するところですが、その代わりに今回お目当ての列車について説明したいと思います。
まず、前提として東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の運行形態について説明しておくと、東武伊勢崎線は浅草~伊勢崎間を結ぶ路線ですが、その運行系統は細かく分かれており、日中は押上を経て東京メトロ半蔵門線に直通する急行列車が久喜~押上間を走っており、他に北千住から東京メトロ日比谷線に入る各駅停車が東武動物公園(一部は日光線に入り南栗橋まで)まで走るのですが、本来の都心側ターミナルの浅草駅については、特急列車を別にすると浅草~北千住間のシャトル便のような普通列車が走るのみとまるで支線のような扱いになっています。
それが早朝や夕ラッシュから深夜帯になると浅草駅を起点に「区間急行」と「区間準急」という種別が運行されており、「区間急行」は北千住~東武動物公園間で急行運転をしてそれ以外は各駅停車、「区間準急」は北千住~越谷間で急行運転をします。
区間急行は北春日部や東武動物公園、南栗橋などで折り返す列車も一部ありますが、日中の急行が乗り入れる最北端である久喜を通り越して群馬県の館林まで足を伸ばす系統が存在し、更に6月6日改正以前は太田まで行く系統も存在していたのでした。
特急「りょうもう」以外で太田と東京都内を直通できる貴重な列車でしたが、東武鉄道としてもできれば特急に乗ってもらいたいのが本音だったのか、はたまた太田~浅草で2時間程度かかる所要時間ゆえ想定したほど直通利用する利用者が少なかったのか分かりませんが、太田発着の区間急行が無くなったことで特急以外で都内から直通で行ける最北端は館林となりました。

というわけで、今回の活動はこの太田行き区間急行に乗って太田まで行ってとんぼ返りするというごくシンプルな活動になっています。
まあ、いくら緊急事態宣言が解除されたとは言え、まだ色んな場所を行ったり来たりするような行程はリスクが高いという判断もありましたしね。

早朝の浅草駅より行動開始

3月半ばの活動を最後に2ヶ月半の自粛期間を経ての活動再開だったので、近所の電車に乗るだけでもちょっと違和感がありましたが、浅草まで出る間にいつもの旅モードに切り替わっていたのでした。

そして、今回乗車するのは早朝の6時過ぎに出る太田行きであり、苦手な早起きをしなければならない点では2ヶ月半ぶりの活動には相応らしくない気もしましたが、逆に電車が空いている早朝ならば人も少なくいわゆる三密を避けることができますし、撮影や録音といった趣味的な意味でも好都合ですしまあいいでしょう。


都営浅草線で浅草入りしたのですが、都内の駅でこうも閑散としていると撮影欲が湧いてきて、あまり乗り換え時間がないにも関わらずホームを撮り始めてしまいましたw


駅名標も忘れずに


この柱に取り付けられた駅名標は都営地下鉄ならではですよね。


開削工法ならではの上下線の間に立つ柱も開業時期の古い地下鉄らしくて好きです。


それでは改札を出ます。


ちょっと下がってまた上がるという謎な階段がありましたが、この真上を地下鉄の本線が通っているとかでしょうかね。


外へ出ると東京スカイツリーがお出迎え!
結局いまだに登ったことはないのですが、都内のいろいろな場所から見えるため、すっかり東京名所の1つとして定着しましたね。


神社か何かの建物に見えますが、東京メトロの浅草駅の入り口です。
今回は都営浅草線をアクセスに使いましたが、東武の浅草駅を目指すなら一番乗り換えが便利なのは東京メトロです。


こんなものを発見!
地下鉄直上はメトロの管轄で、地下鉄が通らない路上は国道事務所の管轄ってことでしょうか。


浅草のシンボルの1つと言ってもいいであろう東武の浅草駅です。


「東武電車」のりばという表記がちょっと気になりますね。
個人的には「○○電車」という呼び方は関西地方に特有(京阪電車や阪神電車など)のもので、関東ではマイナーなイメージがあるんですが、東武のことを東武電車と呼ぶのは少なくとも私の周辺ではほぼ見かけません。
単に「東武」と呼ぶか、鉄道を指すことを明確にしたければ略さずに「東武鉄道」と呼んだり「東武線」と呼んだりでしょうか。
まあ、公式が使っているんだから「東武電車」も間違いではないんでしょうけどねw


いつもなら誰も写り込まないように撮るのは困難な浅草駅の階段ですが、早朝ならこの通り!


まずは発車標を押さえましょう。
早朝はほとんど全て区間急行であり、この時間帯か夕ラッシュ以降の深夜帯に来ないと見られない光景です。
なお、よく見ると中国語での案内だったんですが、「太田」の表記が日本語と全く同じだったのでブログで使うまで気づかなかったというw


続いて英語の案内


改札口も流石に閑散としていますね。


改札口の発車標も・・・ってこれも中国語だw


今度こそちゃんと日本語の案内を撮ったらもう既に入線していたので行先表示などを押さえて乗車しましょう。


何度も訪れている駅ですが、習性でつい駅名標を撮ってしまいましたw


それではお待ちかねの行先表示です。
先頭部も撮りたかったですが、浅草駅のホームは有効長が短く先頭部を撮れる場所がなかったので断念・・・
こんなことなら浅草線の駅でのんびりしていないでさっさと東武の浅草駅に移動して入線を撮ればよかった・・・

これ以上ホームですることもないので乗り込みます。
流石に一般利用者は少なくガラガラですが、同業者の姿が多数見受けられました。
特に先頭車はかぶりつきを楽しみたいのか人気でしたね。
皆さん、私同様に長い自粛で鉄分不足だったんでしょうねw


車内の案内ももちろん撮ります。


↑動画でも撮りました。

あとは発車を待つのみです。車内はカメラ片手にあれこれ撮って回る人やスピーカーにマイクを向けて放送収録を狙う音鉄など、濃厚な空間になっていましたが、私も録音はもちろん行います。


↑浅草からとうきょうスカイツリーまでは車窓を動画で撮りました。
他にも車窓を撮っている方がそこそこいましたが、彼らみたいに全区間撮影できるほどのメモリ容量と機材を持ち合わせていないので1区間だけw

北千住までは各駅停車ですが、カーブが多く線形の悪い区間なこともあり特急でもノロノロ運転ですから、そんなに遅い感じはしません。
そんな各駅停車区間を終えて北千住からは複々線の開始とともに急行運転が始まります。
北千住を出ると西新井と来て都県境を越えて草加からは埼玉県です。
日比谷線から直通してくる各駅停車と時折並走しながら進みますが、かつての主力だった20000系や03系はもうおらず、代わりに70000系や13000系ばかりが見えます。少し乗らないうちに東武伊勢崎線も随分雰囲気が変わりましたねぇ・・・
更に新越谷・越谷・せんげん台・春日部・東武動物公園と来て急行運転はここまでで、あとは太田までひたすら各駅停車です。
ところで、東武動物公園から先は区間急行といえども各駅に停まるわけですが、案内がどうなるかと思ったら予想通り「太田行き」とだけ案内されていました。
ただし、途中の停車駅では「区間急行太田行き」と言ってくれていたのでまあよしとしましょうw

和戸を経て久喜に到着すると、JR宇都宮線との接続駅だけあってある程度乗車がありますが、それでもまだまだ座席の半分も埋まっていない程度です。


久喜を出て、日中は都内への直通はない区間に入りますが、最初の停車駅がこの「鷲宮」です。
アニメ好きの方にはおなじみの地名ですよねw


車窓からも見える位置にアニメのキャラクターが!?
実はここ鷲宮はアニメ「らき☆すた」の舞台の1つであり、いわゆる聖地となっており、同作のファンが訪れる他、この壁画のように街としてもアニメで地域おこしをしているようです。
かくいう私も、以前に聖地巡礼したことがあります。


「らき☆すた」ネタもあったら列車は加須・羽生と進んでいき、川俣駅からは群馬県に入ります。
その2駅先が館林なので、館林止まりの区間急行だと群馬県にちょっとだけ乗り入れてますって感じですが、太田まで行くこの列車ならちゃんと群馬県まで行っていますと主張できますねw

館林は佐野線・小泉線と分岐するターミナル駅となっていますが、特に停車時間もなくすぐに発車していきました。

館林を出て1駅目の多々良駅ですが、ここでは対向の特急列車との離合のため停車時間があるとのことで、ホームに出て撮影することにしました。
同じ考えの同業者が多く、多々良駅のホームではしばし撮影会となりましたw


しばらく待つと「りょうもう」が通過していきました。
しかし、北千住~北越谷間は私鉄最長の複々線区間を持っていながら、群馬県まで来ると伊勢崎線は単線になってしまうんですねw


車内に戻る前に区間急行も撮ります。
浅草で先頭部を撮れなかったリベンジのつもりでしたが、肝心の「区間急行」の表示が入らないというw


仕方がないので側面だけ撮って乗り込みます。

多々良の次の県(あがた)からは足利市となりますが、足利市は栃木県にあるので、この区間急行は群馬県だけでなく栃木県も通ることになり、東京都・埼玉県・群馬県・栃木県の1都3県を跨ぐ列車ということになりますが、私鉄1社で完結する特別料金不要の列車でこれですから、すごいことですよねぇ~。

それが6月6日の改正からは館林以北への乗り入れがなくなるわけで、つまりは伊勢崎線で栃木県と東京都内を特急料金なしで行き来できる直通列車もなくなるわけですね。


東京周辺ではすっかりレア車種となった8000系(850型)とは頻繁にすれ違いますが、今回は区間急行として走る10000系の方がレア車といえますね。

館林を過ぎたあたりから沿線で撮り鉄している人を多く見かけたのですが、改正後はこの区間に10000系が乗り入れないことを考えれば撮り鉄が集まるのも当然といったところでしょうか。


すっかりのどかな景色を見つつぼんやりしているともう太田はすぐそこまで迫っていました。
2時間は長いと思っていましたが、乗っているとあっという間でしたね。


太田では絶対に「区間急行太田行き」の案内を撮ってやろうと思っていたら、タッチの差で表示を消されてしまうというw


太田では4分後に折り返すスケジュールなのでとりあえずSuicaで運賃を精算するために改札を出ますが、すぐにUターンするというw
まあ、訪れたことのある駅ですから駅前に出なくても別にいいですが・・・


折返しももちろん「区間急行」に乗ります。


今度は別の編成が待っていました。
幕車なのがいいですね!


幕部分をアップで


側面の幕も撮ったら乗り込みます。

往路と同じく10000系に変わりはありませんが、行先表示が往路ではLEDだったのに対して、今度は方向幕であることからもわかるように、リニューアルがされていないタイプであり、自動放送もありません。
ちょっとした変化も楽しみつつ浅草へ引き返すとしましょう。

往路と同じく区間急行ですが、今度はそれほど同業者の姿を見かけませんでした。
恐らくは浅草から乗って戻るならば4分折り返しになってしまって太田での滞在時間が確保できない上に、案内としては「区間急行浅草行き」であり、これは今後も館林発の列車としては残るのでレア度が低いということなんですかね。


館林では「りょうもう」の待避があるようで、停車時間があるのでホームに出て撮影です。


というわけで10000系外観撮影です。
まあ、館林からの浅草行きは今後も見られるんですけどねw


行き先部分をアップで


駅名標と絡めてみましょう。


側線にいた10000系と駅名標


「りょうもう」がやってきたので並びを撮ります。


「りょうもう」単体でも撮ったら車内に戻ります。

長い長い各駅停車区間も東武動物公園で終わり、いよいよ急行運転が始まります。
時刻は9時を回っており、車内も利用者は増えつつありますが、混雑というほどでもなく、春日部までやってきました。


「クレヨンしんちゃん」の舞台でもある春日部だけに、駅名標もこの通り!w

あとは急行運転ということで快調に進み北千住まで行きました。そこそこ乗ってきますが、全然混雑というほどではなく録音環境の面でもいい感じです。
最後はまた各駅停車に戻ってしまいますが、最後の太田発の区間急行の余韻だということで我慢しましょうw


4時間前にも渡った隅田川を渡って浅草に戻っていました。


名物の急カーブを通って浅草駅に進入します。


↑到着したら方向幕回転を撮影です。
LEDでは楽しめないシーンですから、これも今や貴重な体験ですね。


到着するとすぐに幕は変わってしまい、普通北千住行きになりました。
これからは日中のダイヤに切り替わるわけですね。


ちなみに、隣のホームには竹ノ塚行きが停まっていました。
実はこれも今度のダイヤ改正で消滅する列車の1つであり、今後は浅草~北千住間に短縮されるようです。
これも放送を収録している人の姿が見られましたね。
なお、日比谷線から直通の各駅停車としては竹ノ塚行きは存続するので、こちらはわざわざ乗りに行かなくてもいいかなという感じで、撮影のみとしました。


去り際を追って撮影しました。
ああ、太田行きもこんな感じで撮りたかったw

といったところで、今回の活動は以上となります。
ところで、この6月6日の改正では「しもつけ」の廃止が一番の注目ポイントでしたが、その「しもつけ」は新型コロナウイルスの影響で運休扱いが続いていた状態でラストラン予定日を迎えてしまったため、乗りたかったけれども乗れずに終わってしまったという方も多いでしょうね。
私は一度だけ乗ったことがあったのがせめてもの救いですが、「しもつけ」のラストランを見送れないならばせめて区間急行太田行きだけでもという感じで今回の活動となりましたから、「しもつけ」が予定通りの形でラストランだったら最終日ではないにせよ乗りに行っていた可能性が高く、そうなるとこの区間急行太田行きは乗らずじまいだったかも?

どうしても「なくなるもの」ばかり追いかけてしまいがちですが、東武では「THライナー」の運行開始という目玉もありますし、そちらもいつか乗ってみたいと想います。

という感じで記事は締めますが、実はこのあと別の場所に取材に出かけているのでそのレポートも追ってしたいと思います。
~追記~
このあと行った場所はこちら

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つばめ501号(管理人) について

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