今回は2024年1月28日に運行された209系1000番台を使用した団体列車を撮影に出かけました。
運行区間は上野~取手間であり、常磐線内で撮影をすることとし、活動内容は常磐線沿線の駅での撮影を中心としたものとなります。
団体列車の概要
まずは今回の目的となる団体列車の概要の説明からですが、その前にこの団体列車が運行されるに至った経緯をご理解いただくために、団体列車に使われる209系1000番台についての解説から入っていくとしましょう。
209系1000番台は元々は常磐緩行線で使われていた車両で、後に中央線へ転属し、現在は中央線で走っています。
209系自体は千葉県内のローカル線を中心にまだまだそれなりの数が走っている車両ですが、1000番台がその中で特徴的なのは「GTO素子」を搭載しているということです。
やや専門的な話になるものの解説しますと、素子というのはここでは半導体の種類みたいなものだと思って頂ければOKで、電車のモーターを制御するVVVFインバータと呼ばれる装置に組み込まれているスイッチの役割を果たすものとなります。
209系1000番台が搭載しているGTO素子というのはVVVFインバータが出始めた初期に使われていた素子であり、現在主流なのはIGBT素子と呼ばれるタイプとなっており、登場時にはGTO素子を搭載していた電車も、VVVFインバータの更新の際にIGBT素子に置き換えられることが多く、今ではこのGTO素子を搭載した電車は希少になりつつあります。
209系についても登場時はGTO素子でしたが、そのほとんどが現在ではIGBT素子に変更されており、GTO素子のまま残されているのは1000番台の2編成のみとなっています。
そして、このGTO素子が尊ばれる理由としては、単に数が減っているというだけでなく、「独特なモーター音を奏でる」というのがあり、特に音鉄と呼ばれるタイプの鉄道ファンからは支持を集めているわけです。
このように音鉄から注目されていた209系1000番台ですが、そんな背景もあり、今回の団体列車が走ったわけです。
この団体列車は「録音専用列車」と銘打って音鉄をターゲットに実施されたツアーであり、モーター音を録音するためだけのツアーというわけですね。
モーター音自体は通常の営業運転時にも聞くことが出来ますが、営業運転中となると他の乗客も当然乗り合わせるわけで、中には会話をしたりイヤホンから音漏れさせたり・・・と音鉄視点では様々なノイズが発生することは避けられず、完全にモーター音だけを綺麗に録音するというのはたまたま誰もノイズを発しないという奇跡的なシチュエーションに遭遇するという強運を持たない限り不可能なところ、このツアーに参加すれば確実に綺麗な録音を確保できるという音鉄にとっては夢のようなツアーだったわけです。
私もちょっと興味は惹かれましたが、参加しようか悩んでいるうちに完売となってしまいましたので、参加は諦めて撮影に徹することにしたのでした。
ちなみに、209系1000番台については、常磐緩行線時代、そして中央線転属後も乗りに行っていますので、普段の姿に興味がある方はそちらも合わせてご覧下さい。
撮影レポート
それではここからはいよいよ本編ということで、撮影のレポートに入っていきます。
ツアーは午前の部と午後の部の2部制で行われており、つまりは2往復走るわけですが、詳細な運行時刻は非公表だったため、ツアーの集合・解散時刻などから逆算して大体の予想を元に動いているので、撮影も場当たり的に動いていきます。
まずは北千住駅を目指しますが、その途中でなんと209系とすれ違いましたw
予想していた時間よりかなり早く上野駅に向かっていったようでした。
過ぎてしまったものは仕方ないので、今度は取手駅へ引き返すところを北千住駅で待ち構えたいと思います。
というわけで北千住駅へやってきました。
奥には東武特急「スペーシア」がいますね。
とりあえず上野方面ホームへ行ってそこで待ち構えたいと思います。
ここなら綺麗な編成写真が狙えますし、中線は待避列車しか使わないので、被りのリスクも小さいでしょう。
↑まずは練習がてら特急を撮りましたが、なんとリバイバル塗装でした。
さて、あとは209系を待つばかりと思っていたのですが、本来は当駅で待避をしない普通列車が、特急列車の遅延のためにこの日に限り待避するとのことで、その間に209系が来てしまったら困るということで、慌てて下りホームへ移動しました。
↑まずはE231系を撮影です。
そして、「団体列車が参ります」というアナウンスがあり、いよいよ209系のお出ましのようです。
この時点で中線にはまだ列車がいたので、やっぱり下りホームへ移動して正解でしたね。
やってきました!
ほぼ同時に中線にいた普通列車が発車してきましたが、今更移動しても・・・ということでこのまま行きます。
209系自体が通常は常磐線を走らない車両ですし、中央線のオレンジの帯もまた珍しいです。
常磐緩行線を走っていた頃も北千住駅自体には乗り入れていたものの、常磐緩行線(東京メトロ千代田線)は地下ホームなので地上の快速線ホームには乗り入れていませんでした。
↑そして、発車です。
あとは209系を追いかけて我孫子駅へ移動します。
団体列車は一度取手駅まで行ってから我孫子駅へ引き換えしてくるので、我孫子駅で待っていれば撮れるだろうという算段です。
我孫子駅では既に大勢のファンが待っていましたが、なんとか撮れそうなスペースが残っていたのでそこで待機です。
ここはツアーの集合・解散の場所ですから時間が読みやすいことに加えて、駅の構造的に撮影しやすいので集まったんでしょうね。
↑というわけで入線シーンです。
写真でも撮りました。
我孫子駅はこの車両にとっても馴染み深い駅ですし、さながら里帰りですね。
右側にいた成田線のE231系が動き出したので並べてみました。
↑そして、209系が発車していきます。
一旦車両基地へ引き上げてから午後の部まで待機するようです。
私も午後の部までは暇になるので・・・
唐揚げそばを頂きます!
我孫子駅に来たら食べない選択はありませんねw
私と同じ考えなのか、撮影を終えたファンが殺到していて結構な行列でしたが、これは並んででも食べる価値があると思います。
食後は駅を出て少し歩いたところで209系が車庫から駅へ出てくるところを狙います。
我孫子駅周辺って線路沿いにびっしりと私有地が続いていて、線路際まで道路が近寄っている場所を探すのに苦労しましたw
209系がいつ出てくるかは分からないので、常磐線の列車を撮ったりしつつ待ちます。
↑動画も撮っていきます。
↑特急も来ました。
遠目に209系の姿を発見!
ゆっくりと近づいてきているので構えて待っていたんですが・・・
↑駅へ戻るとちょうど発車するところでした。
これから午後の部が始まりますが、一度取手駅まで行ってから上野へ折り返すので、常磐緩行線だけが停まる駅のどこかで上野へ向かうところを撮影しようと思います。
というわけで常磐緩行線に乗り換えです。
かつての209系1000番台の活躍の舞台ですから、209系に乗ったときのことを思い出します。
というわけでやってきたのは馬橋駅です。
ここで通過を狙いますが、常磐緩行線下りとかぶるリスクがあるのがネック・・・まあ、そのあたりは運否天賦ですね。
時々やってくる列車を撮りつつ、それ以外は暇だったんですが、馬橋駅だけにウマ娘をやりながら暇つぶしましたw
209系が来るまでは練習がてら色々撮ります。
まずはE231系
あとは動画もまとめてご紹介してきましょう。
↑下りE531系
↑上りE531系
↑貨物列車もやってきました。
↑上りE231系
↑下りE231系
↑下り特急
↑上り特急
といったところで、そろそろ・・・
↑209系の通過です!
無事に被られることもなく撮れました。
快速線を走る209系はレアですし、よかったです。
あとはもう1回くらい撮影できればと思いますのでとりあえず上野方面へ向かいます。
折り返し時刻が不明ですが、向かう途中ですれ違ってしまったらそのときはその時ということで・・・
結局日暮里駅で降りました。
上野駅まで行くことも考えましたが、上野駅ではホームが閉鎖されて撮影できないという情報もあったので日暮里駅にしました。
↑E257系が通りがかったので撮りました。
この時間に高崎線・宇都宮線の特急はなかったので回送だったのでしょう。
↑そして209系の通過です。
無事に最後の撮影をこなせたので、これにて活動終了です。
久々に”撮る”メインの活動でしたが、いかがでしたか?
泊りがけの遠征も楽しいですが、こういう手軽な活動もまたいいものだと再確認しました。
それでは!