「EL両毛号」を撮る!

今回は2024年2月23日に運行された臨時列車「EL両毛号」を撮影に出かけましたので、そのレポートです。
今回は撮影だけなので、お手軽に読んで頂けるレポートになると思います。

「EL両毛号」とは

まずはこの記事の主題となる「EL両毛号」についての解説から入っていきましょう。
「EL両毛号」は2024年2月23日の1日限定で運行された臨時列車で、高崎発足利行きとして運行されました。
これの折り返しに当たる足利発高崎行きの列車は「ELあしかが号」という別の愛称が設定されました。
今回撮影するのは往路の「EL両毛号」の方だけとなりますが、実質的にこの2つは同じ列車と言えるのでいいでしょう。
どっちみち、「ELあしかが号」は夕方の出発で明るい時間帯に撮れる区間は始発駅の足利駅周辺くらいとなるでしょうしね。

列車名に”EL”と着くことからも分かるように、電気機関車が牽引する客車列車として運行されており、EF64形とEF65形のプッシュプルとなっています。
鉄道初心者のためにもう少し掘り下げて説明しますと、”EL”とは”Electric Locomotive”の略であり、日本語に訳せば電気機関車のことです。
ちなみに、蒸気機関車のことを”SL”と呼ぶのは一般的だと思いますが、こちらは”Steam Locomotive”の略となっています。
また「プッシュプル」という言葉についてですが、これは鉄道においては列車の前後に機関車を連結したり、機関車は片方のみなものの反対側の客車などに運転台を設けることで、方向転換の際に機関車の付替えを不要にする運転方法のことであり、「EL両毛号」「ELあしかが号」の場合は両端に機関車を連結する方式に当てはまります。

客車には群馬県内のSL列車でも使われている12系客車が使用されており、国鉄時代の昔懐かしい旅が楽しめる列車となっています。
また、この手の列車は旅行商品扱いの団体列車という形態での運行となることも多い中、全車指定席の快速列車という扱いで運行されたため、指定席券さえ入手できればあとはSuicaや紙の乗車券を用意すればお手軽に乗ることができます。
そう、「指定席券さえ」入手できればw
私もこれは是非乗りたいと”えきねっと”の事前申し込みに参戦するも「お祈りメール」を受信するオチとなり、あとは暇さえあれば”えきねっと”を開いてキャンセルが出て空席が発生していないか確認していたものの、最後まで空席が出ることはなく当日を迎え、乗車は諦めて撮影に徹することとしたのでした。

撮影レポート

説明はこれくらいで、早速レポート本編に入っていくとしましょう。
まずは今回の撮影の予定ですが、大回り乗車の要領でまずは高崎へ向かい、高崎で1回目の撮影をこなします。
その後は両毛線の普通列車で「EL両毛号」を追いかけつつ、伊勢崎・岩宿・足利の3駅で撮影していきます。
これは「EL両毛号」が途中駅で長時間停車する事が多く、普通列車でも余裕で追いつけるダイヤだったおかげで成立したもので、単線の両毛線に臨時列車を設定するとこのようなダイヤにせざるを得なかったんでしょうが、撮影する上では好都合でした。


というわけで高崎線に揺られて高崎にやってきました。
まずは発車標ですが、一般の営業列車扱いなのでちゃんと表示されています。
足利行きというのも定期列車としては存在しない行先ですし、両毛線における快速というのもまたレアです。


ローマ字Ver.
列車名もちゃんと表記されていますね。


続いてホーム上の発車標ですが、路線別に整理され、種別と番線のみ表示するという高崎駅独特のスタイルです。
これだと列車名や行先は分かりませんが、両毛線のところに「快速」と出ているだけでもレアなことです。


一応ローマ字Ver.も

あとは撮影場所を探しつつ入線を待ちますが、既に大勢のファンがホーム上に溢れていて、これは出遅れたかなと焦り始めました。
結局はまあまあ妥協できる程度の場所を確保できたので、そこで大人しく待ちます。
駅員さんもホーム上を巡回し黄色い線から出ないように呼びかけるなど少々ピリピリしたムードでした。
電気機関車が牽引する客車列車という点でもレアですし、運行が1日限りで、しかも三連休初日となればこれだけ殺到してしまうのは致し方なしといったところでしょうか。


↑まずは練習がてらに高崎線のE231系を撮影します。
人混みがすごいですが、カメラを高く掲げればなんとか行けそうです。

あとは本番の「EL両毛号」を今や遅しと待ち構えます。


↑やってきました!
客車列車の風格というべきか、ゆっくりゆっくりと進入してきました。
先頭を務めるのがEF64形のようです。
高崎駅でEF64形というと私は寝台特急「あけぼの」を彷彿としますが、客車は12系なので、世代の方には昔の客車急行列車を思い浮かべるかもしれませんね。


写真も撮りました。
作業員が先頭部に乗っているのも機関車らしさですかね。


もちろん写真でも撮ります。
最後尾はEF65形ですね。
EF65形というと「瀬戸」や「出雲」など西日本方面のブルートレインのイメージですかね。


復路の列車名である「ELあしかが号」のヘッドマークが掲げられていますね。


続いて客車の方向幕ですが、これは「臨時」だけでした。
流石に1日限りの列車のために専用幕を用意するなんてことは出来なかったようですw


先頭からも撮ります。
あとはここで発車を待とうかと思ったんですが、あまりに人が多くてあまりいい動画を撮れる気がしなかったのと、ちょうど隣のホームに上越線の普通列車が停車しており、もうすぐ発車するようでしたので、この先の高崎問屋町か井野で「EL両毛号」の通過を撮る方が面白いのではないかと思って、急遽上越線に飛び乗って移動することにしました。
発車や入線と言った動画はこの先の駅でも撮るチャンスがありますが、通過シーンを撮れるのは恐らくこの1回きりですしね。


というわけで211系に揺られて井野駅にやってきました。
高崎問屋町駅とどちらにするか悩みましたが、井野駅は上下線のホームの間隔が離れていて、その分引きの映像が撮れそうだということで、井野駅にしました。
高崎問屋町駅は国鉄時代には存在しなかった駅ですから、そこを国鉄時代を思わせる列車が通過するという映像も面白いなとは思いましたが、ここは画角優先です。


↑乗ってきた211系の発車シーンです。


駅名標も撮っておきましょう。
ちなみに、表記は違うものの高知県の土讃線にも読み方が同じ伊野駅が存在していますね。
開業は当駅の方が遅いので、群馬井野駅とでも名乗るべきでしょうが、中には読み方どころか表記までもが全く同じ場合でもそのまま重複駅名となっているケースもあるのでこれもその1つなんでしょうね。


縦型


駅構内です。
相対式2面2線とシンプルな構造ですが、上下線の間に間隔があるのが分かるでしょうか?
このためか撮影の名所としても知られているみたいですね。

この構造については元々は中線があったことが想像できますが、調べてみるとそもそも高崎~新前橋間は両毛線の一部として開業し、あとから上越線(当時は上越南線)が開業すると既存の両毛線の線路に並行して上越線の線路を敷いていき、両毛線と上越線の単線が並行するという単線並列だったんだそうです。
そして、上越線側の線路にのみ行き違い用の信号場として井野信号場が開設され、後に両毛線側の線路にのみホームを設置して旅客扱いが始まったという経緯があるようです。
1957年には高崎~新前橋間は上越線の単独区間という扱いになり、単線並列の扱いも通常も複線という扱いになりました。
このような経緯があるので、上下線の間が開いているのは上越線の交換設備があった名残かもしれませんね。


↑そして、いよいよ「EL両毛号」の通過です。
客車列車が上越線を駆け抜けていくのは往年の客車急行のリバイバルのようです。


同時に写真も撮りました。

あとは次の両毛線の列車を待つだけですが・・・


↑ここで特急「草津・四万」の通過です。
なかなかの勢いで通過していきました。


↑それでは次の列車で伊勢崎駅へ向かいます。


途中の前橋駅では「EL両毛号」を追い抜きました。
なので、前橋駅で撮ることも出来ましたが、伊勢崎駅まで行けば入線と発車の両方が撮れるので伊勢崎駅を選びました。


というわけで伊勢崎駅にやってきました。
ホーム上では和太鼓の演奏があっていましたが、これも「EL両毛号」を出迎えるイベントの一部のようです。


↑いよいよ入線です。
国鉄時代からタイムスリップしたような列車が現代的な高架の線路を走ってくるというギャップもいいですね。


ここはホームの有効長ギリギリなので後尾側はこれが限界でした・・・


ホーム上では駅員さんによる横断幕でのお出迎えがありました。
イベント列車ではよくある光景ですが、特別感が出ていいですよね。


駅名標と客車を絡めてみました。


別バージョンの横断幕も用意されていました。
JRだけでなく東武の車両も共演していますね。


隣に立っていたのは田島弥平旧宅PRキャラクターの「くわまる」でした。
今では実質的に伊勢崎市のPRキャラクターともなっているようです。


そして先頭部です。
先程から聞こえていた太鼓の音はここだったんですね。
ホーム上で実物の和太鼓の演奏だなんて、かなり力が入っていますね。
「赤堀ひごろも太鼓」というチームだそうですよ。


↑そして発車シーンです。
和太鼓の生演奏に見送られながらの発車はなかなか見られないレアな光景ですね。
甲高いホイッスルの警笛も機関車らしくていいですね。

それではまた両毛線の普通列車で「EL両毛号」を追いかけます。


岩宿駅にやってきました。


今回はここで追いつく形だったので、既に「EL両毛号」が停車中でした。


↑そして発車です。
今度はホイッスルではなくてタイフォンの警笛を鳴らしていましたが、調べてみるとEF64形を始め、雪国を走る機会のある機関車にはホイッスルだけでなくてタイフォンも装備しているみたいですね。

それでは続いては「EL両毛号」の終点でもある足利駅で最後の撮影です。
途中の山前駅で追い越す形となり、普通列車で先回りして入線を狙います。

足利駅に到着したら撮影場所を確保して入線を待ちます。


↑いよいよ入線です。
足利駅は2面3線国鉄型配線から中線を撤去したという構造なので、上下ホームの間が開いており、意外と撮影向きですよね。


写真でも撮るとこんな感じです。
既に折り返し準備のため尾灯に切り替わっていますね。
このあとは高崎駅へ「ELあしかが号」として折り返すわけですが、当駅には長い時間留置しておけるような線路もないので、一度桐生駅の先にある電留線へ持っていくんでしょうね。


跨線橋からも撮ることが出来ました。


縦向きで


ここでも横断幕とゆるキャラによるお出迎えがありました。


このキャラクターは足利市イメージキャラクターの「たかうじ君」というそうで、言わずもがなで足利尊氏から採ったネーミングで、ビジュアルは足利学校の学校門と足利尊氏の兜をかたどった帽子が印象的です。


さらに足利大学付属高等学校吹奏楽部による演奏もありました。
様々な曲を演奏していましたが、当駅の発車メロディでもある「渡良瀬橋」が印象的でしたね。
動画も一応撮ったんですが、楽曲の著作権の問題もありますし、ここでの公開は差し控えさせて頂きます。
悪しからず。

あとは引き上げを見送ると思いきや、引き上げはこのあとの小山行き普通列車と入れ違いであるようで、これを撮るとなると1本あとの普通列車を待つことになりますが、そうすると1時間はロスなので引き上げシーンは諦めました。
どのみち、当駅の構造上、高崎方に発車する映像を撮ろうと思うと構図に無理が出ますからね。

なので活動はこれにて終了となります。
あとは大回りをしている関係もあって両毛線で小山へ出てから帰路に就きました。
記事もこれにて〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

次回ですが、関東近郊での単発の乗り鉄をしているので、そのレポートでお会いしましょう。
それでは!

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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「EL両毛号」を撮る! への1件のコメント

  1. EL好き のコメント:

    はじめまして。こんばんは…。
    EL両毛、ELあしかがは、4号車は当日びゅうのツアーの貸切で、自分はそちらに乗っていました。
    ちなみに足利駅での、足利大学附属高校吹奏楽部の皆さんの演奏は、FLOWの、Itが、個人的には好きです。

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