今回はとある遠征の中で杉崎高速バスが運行するSG701便を利用しましたので、その乗車レポートです。
なお、時系列としては「西日本乗りバス旅2024(1日目/宿44・アーバンパークライナー)」の続きとなります。
杉崎高速バスSG701便の概要
まずこの記事の主題となる杉崎高速バスSG701便についてですが、「杉崎高速バス」についてはこれで3度目の乗車であり、過去記事で解説済みなのでSG701便に絞っての解説としたいと思います。
SG701便は首都圏と北陸を結ぶ便となっており、首都圏では横浜駅東口(22:05)・東京駅鍛冶橋駐車場(23:20)・大宮駅西口(24:10)で乗車扱い、北陸では富山駅北口(6:35)・金沢駅西口(7:45)・福井駅東口(9:40)で降車扱いをする路線となっています。
ちなみに、予約時の画面ではなぜか富山・金沢までの利用と福井までの利用ではまるで別路線であるかのようにページが別れていたのですが、これはもしかすると富山・金沢までの利用者と福井までの利用者でそれぞれ座席を割り振っていて、予約システム上は別路線扱いにしているのかもしれません。
そうすれば福井までの利用者で満席になってしまい、富山・金沢への利用者が利用できないとか、その逆を防げるということでしょうが、だとすると富山と金沢を分けていないのが謎ですねw
富山・金沢は運賃が同額なのが、福井まで乗ると運賃が少し高くなるのでその関係もあるかもしれません。
設備についてはスタンダードと称する4列シートで、夜行バスとしてはごく一般的なものといえますね。
運賃は日程によって変動するため一概に言えませんが、安い時期に割引運賃を使えば5000円以下で乗れるので、安く移動したい層にはおすすめといえるでしょう。
北陸方面はLCCも飛んでいませんし、第三セクターへの転換のせいで18きっぷでの移動も困難になっているので、安く移動する手段としては夜行バスくらいしか選択肢がないのもありますし、貴重な選択肢の1つですね。
ただし、繁忙期になると運賃がバグレベルで高騰するのもこの手の旧ツアーバス系のバスの特徴でして、このSG701便も連休とかになると割引を使っても15000円、正規運賃では17600円と通常時の3倍以上になりますし、実をいうと新幹線と大差ない金額だったりします。
新幹線も早めに予約すれば割引がありますし、特に福井の場合は始発の北陸新幹線に乗った方が早く到達できるので、運賃が新幹線と大差ない時期に高速バスを利用するのはコスパが悪いと言わざるを得ないかもしれません。
強いて言えば高速バスが有利になるのは、住んでいる地域が東京や大宮といった新幹線の駅から離れていて、始発列車の時間までに駅へ行くのが難しいという人で、どうしても現地前泊以外で朝一番に辿り着きたいという場面くらいでしょうか。
今回は大宮駅西口から金沢駅北口までの利用として、その模様をレポートしていきます。
乗車レポート
それでは早速乗車レポートです。
杉崎高速バスのような旧高速ツアーバス系のバスは乗り場が分かりづらいことに定評がありますが、大宮駅については西武などの大手バス事業者の路線と比べて著しく不便ということはありません。
というか、大宮駅のバス事情そのものがよくないというのもありますがw
というのは、大宮駅って新幹線も乗り入れる大きな駅ながら、高速バスについては案外バリエーションが少なく、本数が多いものに絞ると羽田空港や成田空港へのリムジンバスくらいで、あとは河口湖や東京ディズニーリゾートへの行楽路線があったりする他は夜行路線が中心です。
そんな状態なので、大宮駅周辺のバスターミナルは一般路線バスを対象としたものしかなく高速路線は駅から少し離れた路上で客扱いをするケースが多くなっていて、主力の羽田空港行きですら、駅前ロータリーには乗り入れずにそごう大宮店前の路上を発着する始末なのです。
杉崎高速バスを始めとした旧高速ツアーバス系のバスはそのそごう大宮店前から更に数百メートル進んだ路上ですが、どのみち駅を出ないといけないわけですから、乗り換えの利便性はどっこいどっこいといったところでしょうね。
そんなわけで大宮駅西口から乗車しますが、発車直前の到着となってしまったこともあって、乗車前の撮影は出来ませんでした。
関東では最後の乗車地点ということで、大宮駅での乗車扱いが終わればあとは富山までノンストップですが、途中でサービスエリアなどでの開放休憩があります。
全部で4回あり、1回目が埼玉県の高坂サービスエリア、2回目が長野県の松代パーキングエリア、3回目が富山県の有磯海サービスエリアとなっていて、金沢駅出発後に4回目の休憩があるようですが、今回は金沢で降りてしまうので実質的には休憩は3回ですね。
あと、過去記事をご覧になったことがある方は気になっているであろう、あの自動放送ですが、今回もありませんでした。
前回利用した時は別会社に運行を委託する便だったようなので、それで自動放送がなかったのだと納得できましたが、今回は杉崎高速バスの自社便だったようなので、なんでなかったのか謎です。
もしかしたら、もうあの自動放送は使われなくなっているのかもしれません。
乗車して1時間ほどの走行で高坂サービスエリアです。
関越自動車道を経由するわけですが、気になったのは大宮から関越自動車道へのルートですね。
実は大宮周辺には高速道路のインターチェンジがなく、最寄りの関越自動車道のインターチェンジは川越インターチェンジだと思われますが、そこまで20kmほど一般道を走らないといけないのがネックです。
一方で首都高速ならば大宮駅からもほど近い与野や新都心西といった場所に出入口がありますが、首都高から関越自動車道へ出るには美女木から外環自動車道へ、大泉から関越自動車道というルートになり、一旦東京都内へ入らないといけません。
距離にしても国道16号を通って川越ICへ向かうと20kmほどなのが、首都高・外環道を経て関越道に入るルートだと40kmほどとなり、なんとほぼ倍の遠回りとなります。
となるといくら高速道路でも倍近い遠回りではその時短効果はほぼ皆無となり、国道16号で川越ICへ出るのと変わらない所要時間になるようです。
で、実際にどっちを使っていたのかというと、実際の乗車中はカーテンが閉められていた上に発車直後に消灯してしまい携帯を出して地図アプリのGPSで確かめることも出来なかったのですが、Googleマップのタイムラインには大まかな移動経路が保存されていたのでそれを確認したところ、どうやら首都高・外環道を使っていたようです。
所要時間がほぼ変わらないのなら、距離も短く通行料も安くなる国道16号を選ぶのが合理的だと思いますが、時間が読みやすいことを意識しての高速道路経由なのかもしれませんね。
そういえば、以前に利用した「ウィラーエクスプレス」も池袋から新宿へ向かうのに、わざわざ遠回りなのに首都高速を使っていたので、高速バス業界では所要時間的なメリットがなくても高速道路を選ぶのは一般的なのかもしれません。
夜行バスならではの理由としては高速道路の方が信号による停車がない分、発進&停車が減らせて乗り心地が良くなって乗客により快適に寝てもらうというメリットはありそうです。
車内はほぼ満席で、私は通路側の席だったのですが、スタンダードという普通の4列シートなので快適性はお世辞にもよいとは言えませんが、そもそも快適性を求める人が選ぶ交通手段ではないですしねw
札の部分に行先や便名を表示するのは旧ツアーバス系あるあるですね。
あとはサービスエリアでトイレを済ませたり飲み物を調達したりしましたが、施設の方は撮影しなかったようです。
このあとはほとんど寝ていて、気がついたら2回目の休憩箇所でした。
寝ている人への配慮でアナウンスはありませんが、少しだけ照明がつき、前部のカーテンが開くことをもって休憩の合図とし、気付いた人だけ降りて下さいというスタンスのようです。
休憩なんていらないから少しでも長く寝たいという人にはいいやり方だと思いますが、自分が窓側に座っていて、通路側の人が休憩に気づかず寝ていた場合なんか、悪いと思いながらも起こして一度席を立ってもらうか、外へ出るのを諦めるかの2択になってしまいますよね。
杉崎高速バスでは好きな座席を選ぶには追加料金がいるので、自分は休憩では絶対降りたいから通路側とか、逆に休憩時に起こされたくないから窓際とか指定するならば追加料金が必要となります。
まあ、夜行バスなんて寝台特急などと比べれば快適性は劣る乗り物ですし、そこまで徹底して安眠を求めるならばもう少し高くなりますが3列独立シートのバス(東京→金沢なら「きまっし号」とか)にするか、新幹線の始発で現地入りすると言った選択肢を選んだほうがいいでしょう。
続いての休憩は長野県の松代パーキングエリアです。
松代というと、かつて長野電鉄屋代線が通っていたことで聞き覚えがある地名でしたが、現在は長野市の一部になっています。
土の部分は軽く雪化粧でした。
東京で3月というともう春という感覚ですが、長野だとまだ雪が残っているんですね。
バスですが、大型車用のスペースが一杯でやむなく乗用車用のスペースに駐めたみたいですねw
東名高速のような幹線ならともかく、上信越自動車道のような路線でも深夜で駐車枠がいっぱいなんてことがあるんですね。
それでは再びバスが走り出して、私も眠りにつきました。
続いての休憩は有磯海サービスエリアです。
私にとっては初めて聞く名前で、どこにあるのかすらピンときませんでしたが、もう富山県内になるようです。
上下線で位置が異なるため、それぞれで所在地が異なるのですが、下り線は魚津市、上り線は滑川市になるようです。
ところで、実は「有磯海」という地名は存在しないらしく、では何が由来なのかというと、大伴家持が詠んだ歌にちなむもので、富山湾のことらしいです。
ただし、サービスエリア自体は海からは離れた位置にあって、周辺は田園地帯のようです。
まあ、今回は深夜帯・・・いや早朝という時間帯の訪問だったので景色は全然見ていないのですがw
バスの写真ですが、空が白み始めていますね。
時刻は既に6時前だったので、朝が始まっています。
このあとは富山駅にも立ち寄りつつ金沢を目指しますが、再び寝落ちしており、富山到着時の乗り降りのざわめきで1度目を覚ましたものの、すぐに再び寝落ちして、気づけばまもなく金沢という放送が流れていましたw
そして、金沢駅に到着です。
旧ツアーバス系ですが、ちゃんと駅前で降ろしてくれるので、金沢については利便性は高いですね。
ちなみに、金沢駅では旧ツアーバス系は北口、それ以外の富山地方鉄道などの高速路線バス系は南口という感じで棲み分けているようですが、いずれにせよ駅前ロータリーを発着するので利便性に大差はないでしょう。
行先表示ですが、富山・金沢・福井と併記されていました。
まあ、この時点で既に富山は過ぎているのですが、金沢からは乗車できないので別に問題ないんでしょう。
最後に北口の駅舎を撮って記事を〆たいと思います。
ちなみに、金沢駅の名物とも言える鼓門は南口の方なので、北口からは見えませんw
このあとは、金沢からまた別の活動が始まっていきますが、それは別記事としてお届けしようと思いますので、この記事はここで一旦区切ります。