今回はWILLER EXPRESSが運行するNP361便(東京→名古屋)に乗車しましたのでそのレポートです。
今回はこのバスの目的地である名古屋へ向かうための足として利用したのもありますが、夜行バスのレポートは単独での需要も多いと思いましたので別記事としてレポートしたいと思います。
なお、時系列としては「東20系統&渋12系統に乗車!」の続きとなります。
WILLER EXPRESS NP361便について
まず最初に今回乗車するWILLER EXPRESSのNP361便について解説します。
この便は池袋サンシャインとバスタ新宿で乗車扱いを行い、その後は名古屋駅までノンストップという夜行便であり、池袋サンシャインを23時40分、バスタ新宿を24時15分(翌0時15分)に出発し、名古屋駅には翌6時10分に到着するというダイヤになっており、原則として2台運行になっているようです。
2台とも4列シートではありますが、「スタンダード」と「リラックス」の2種類があり、今回はリラックスを利用しました。
なお、スタンダードの便はバスタ新宿には乗り入れないようで、池袋サンシャインからのみ乗車可能のようです。
そして、今回乗車するリラックスについてですが、4列シートながら座席間の仕切り板や頭部を覆うフードが付いていて、一般の4列夜行バスよりもプライバシーが確保されやすく、コロナ禍の昨今にあっては飛沫感染のリスクも低減できるというものになっています。
スタンダードより僅かに運賃が高いですが、差額は100円~1200円の間で、元の運賃が安い閑散期の金曜以外の平日などでは東京~名古屋間を「スタンダード」より100円だけ高い3000円から利用できます。
変動運賃制を採用しているため、利用日によって大幅に運賃が変動しますので、実際に利用する場合は公式サイトなどで運賃を確認してみて下さいね。
また、経路や時刻などもあくまで記事執筆時点での情報ですので、実際にご利用になる際は公式サイトなどで最新の情報を入手の上でご利用下さい。
乗車レポート
それでは早速乗車レポートに入っていきたいと思います。
池袋のランドマークの1つの「サンシャイン60」です。
この「サンシャイン60」を含めた「サンシャインシティ」にある文化会館にはバスターミナルがあり、今回乗車するNP361便もここから発車します。
サンシャインシティの近くには首都高の東池袋出入口があり、自動車でのアクセスには優れるのですが、鉄道でのアクセスは微妙であり、池袋駅から徒歩で15分程度かかります。
むしろ東京メトロ有楽町線の東池袋駅や都電荒川線の東池袋四丁目か向原の方が近く、鉄道でのアクセスならこれらを使った方がいいでしょうね。
そして、こちらがバスターミナルです。
なかなか立派で、池袋駅前、特に東口なんかと比べると余程充実した設備と言えますが、前述の立地の悪さゆえか、池袋を発着する高速バスでもサンシャインではなくて池袋駅前に発着するものが多く、サンシャインを発着するバスのほとんどは旧ツアーバス事業者によるバスとなっています。
旧ツアーバス以外のバスとしては羽田・成田空港への空港リムジンバスや軽井沢・河口湖方面への西武観光バスの路線があるくらいです。
それらの中でもサンシャインにのみ乗り入れて池袋駅には乗り入れないのは成田空港への空港リムジンバスのみとなっていて、他はサンシャインと池袋駅の両方に乗り入れる設定となっているなど、やっぱり立地の悪さがネックと捉えられているようですね。
それが旧ツアーバスの事業者は乗合高速バスに移行するにあたり、従来はその辺の路上で客扱いをしていたのが正式な停留所を設ける必要に迫られたものの、駅前はただでさえバス停に出来る場所が限られる上にその多くが既存事業者のバス停になってしまっていたため、これだけ立派なバスターミナルを備えていながら設備を持て余していたサンシャインに白羽の矢が立ったという感じでしょうか。
このように旧ツアーバス系のバスはターミナル駅に発着していても実際の乗降場所は駅から遠いなんてパターンも多いですが、これが東京駅だと例えば鍛冶橋駐車場は、元々観光バス用の駐車場だったところがバスターミナルと化しただけで、バスターミナルとしての設備が貧弱なのに比べると、サンシャインは元々ちゃんとしたバスターミナルだったわけで、設備は充実していますね。
なお、高速バス以外だと都営バスの池86系統と池袋周辺の周遊バス「IKEBUS」が乗り入れています。
この時間帯は夜行バスの出発のピークで、10分おきに全国各地への夜行バスが出発する時間帯でしたが、それでも乗り場を持て余している感じですよね。
このターミナルの計画が立てられた頃は、バスタ新宿や東京駅八重洲口みたいに多くの路線が乗り入れることを想定していたんでしょうか。
乗り場です。
少し作りが古い感じもしますが、こういう雰囲気のバスターミナルも好きです。
端の部分は広々としていてベンチや自販機もあってここでもバスを待つことが出来ます。
ただし、吹き曝しなので寒い時期は辛いかもw
なお、ちゃんと室内の待合室もあるので寒い時期はそっちを使えばいいでしょう。
発車標は今風のものでした。
旧ツアーバス系の高速バスが多く発着するようになってから新設されたのかもしれませんね。
今回利用するのと同じWILLER EXPRESSですが、こちらは新潟行きです。
こちらのバスは一見するとただの観光バスですが、NP361便のスタンダードの方のようです。
私が乗るのはリラックス便なのでそちらを待ちます。
なんとも派手な塗装のこちらは「たびのすけバス」の通称がある「青垣観光バス」です。
現在運行しているのは東京と京都・大阪・神戸を結ぶ路線のみのようですが、やっぱり旧ツアーバスからの移行組の1つです。
「たびのすけ」は方向幕にまで表示していますが、便名みたいなものなんですかね?w
そろそろ私が乗るバスの時間が近づいてきました。
23時40分発の名古屋行きがそれですが、前述の通り2台運行であり1号車と2号車となっています。
バスがやってきました。
WILLER EXPRESS特有のピンク色のバスですね。
なお、スタンダードの方は委託されたバス会社の塗装のバスが来るみたいで、このピンク色のバスではないようです。
そういえば、以前に乗車した東京→金沢のバスもWILLER EXPRESS扱いだったものの実際に来たのはピンク色ではないバスでしたね。
なんとなく癖で方向幕を撮ってから乗車します。
WILLER EXPRESSに限らず夜行バスというのは予約制が基本で、運賃は事前に決済済みなので、氏名や予約番号を告げてそのまま乗車します。
車内です。
4列ですが仕切り板とフードの存在で、一般の4列バスとは明らかに違いますよね。
座席です。
この仕切り板はコロナ禍を受けてより大きなものに交換されているそうですが、これはよく飲食店などに設けられているようなパーテーションみたいにペラペラのものではなくてしっかりした板なので、体をもたれてもびくともしません。
おかげで通路側の席だったとしてももたれ掛かった姿勢もとれるため普通の4列だと隣の乗客に気を使ってしまうところ、その分快適と言えるでしょうか。
あと、小さいながらヘッドレストもありますし、コンセントやフットレストなどの設備もありますから、4列である以上シート幅はどうしようもないですが、4列でも最大限の快適性を実現したバスと言えると思います。
上部についているフードは可動式になっていて最大まで展開すれば顔を覆うまで広げることが出来るため、アイマスク的に遮光できるのもありますし、他人に寝顔を見られるのが嫌だという人にもいいですね。
ここから乗ってきたのは4~5名と言ったくらいで、流石に普通の平日はそんなに乗らないのかなと思いました。
それでは発車です。
今回乗車したNP361便は池袋サンシャインを出るとバスタ新宿に立ち寄ってから名古屋を目指すのですが、時刻表の上ではこの間を35分掛けて走ることになっています。
池袋から新宿なんて電車で行けば5分もあれば行けるので、7倍もの所要時間をかけていることになりますが、いくらバスとは言えナビアプリで確認すると実際の所要時間は20分ちょっとみたいなので相当に余裕を持たせたダイヤになっているんですかね。
更に驚いたのがバスは池袋駅東口出入口から首都高に乗ってしまったのですw
いくら都内の道路と言っても日付も変わろうかというこの時間帯なら流石に渋滞も少ないでしょうし、ナビアプリで確認しても一般道経由でも首都高経由でも所要時間に大差はなさそうです。
それでいて、一般道経由なら6kmほどの道のりも、首都高を通ると14km近くになり倍以上の遠回りなので、通行料金に加えて余計に燃料を消費するなど、コストにシビアにならざるをえないであろう格安バスのルート設定にしては大盤振る舞いだなと思いました。
まあ、強いて言えばサンシャインから新宿方面へ向かうには池袋駅周辺の繁華街を通って明治通りに抜けるしかないのでこのあたりは深夜でも交通量が多くて時間が読みにくいのが、遠回りでも首都高を回ったほうが時間が読みやすいという利点があるくらいでしょうか。
そして、バスはバスタ新宿に到着しました。
バスタ新宿は割と新しいバスターミナルということもあり、旧ツアーバス系も、JRバスなどの乗合高速バス系も分け隔てなく同じバスターミナルを使えることになっていて、格安バスを利用する場合でも新宿から乗れば駅直結で利便性が高いこともあってか、ここからの乗車が多くゾロゾロ乗ってきてほぼ満席となりました。
この手の格安バスは需要の少ない日は極端に安くしてでも満席にしようという傾向がありますから、いつ乗っても満席ということが多いですけどね。
なお、バスタ新宿には相当余裕を持って到着したようで、客扱いが終わってもしばらく停車していたように思います。
夜行バスだと1名ずつ氏名や予約番号を確認し、更に荷物をトランクに収納するという作業もあるため、大勢の乗車が見込まれるバスタ新宿での停車時間を確保する意味合いで時刻表の上では35分という一見すると長すぎる所要時間を設定しているんでしょうね。
となると、遠回りでも首都高を使うのは遅延のリスクを最小化したいがためであり、バスタ新宿は多くの路線が乗り入れる混雑する場所であるため、遅延して発車時刻までに発車できないと後続のバスに迷惑をかけてしまうというのもあるんでしょう。
この日は朝から活動していたこともあったのでこのあたりで眠気が襲ってきて意識が朦朧としていたため、詳しい経路は不明ですがバスはいつしか東名高速道路に入っていました。
恐らくは山手通りで大橋へ抜けて池尻出入口から首都高3号渋谷線経由でしょうか。
このあとは名古屋駅までノンストップでしたが、このバスはトイレが付いていないこともあってか深夜帯でもこまめに休憩があり、名古屋に着くまでに3回ほど休憩があったように思います。
実はその多くは寝ていて気づかず、後からスマホの位置情報の履歴で分かったという有様だったんですが、休憩箇所は海老名SA・藤枝PA・刈谷PAの3箇所で、御殿場JCTから先は新東名高速道路・伊勢湾岸自動車道を経由していたことがわかりますね。
刈谷PAはパーキングエリアではありますが、大きな売店やフードコートもあり、サービスエリアに匹敵する規模を持っています。
まあ、この時間ではやっていない施設がほとんどですし、バスの停車時間もそんなに長くはないのでトイレと飲み物の買い出しだけ済ませたらバスに戻ります。
観覧車までありました。
他にも温泉もあるらしく、単なる高速道路の休憩施設の域を超えて、これ自体が1つのテーマパーク的な存在になっているようです。
WILLER EXPRESSと同じく旧ツアーバス系のキラキラ号もいました。
ここを休憩に使う夜行バスも多いみたいですね。
それではバスに戻りましてもうひと眠りしたらもうバスは高速を降りて名古屋市内を走っていました。
そして、終点の名古屋駅に到着しました。
ほとんど定刻通りの到着でした。
今回はリラックスを選んだおかげで4列シートの割には快適に乗車できまして、熟睡できたのでここからの活動もばっちりこなせそうです。
それでいて運賃もお手頃なのでコスパがいいと思いました。
こういうところはバス業界全体で見れば新参の事業者ならではの柔軟な発想の賜物と言えましょうか。
バス停にポールも設置されていましたが、この場所は「名古屋駅(則武1丁目)」と案内されています。
恐らくはかつてのツアーバス時代に路上で客扱いをしていた場所を正式にバス停として申請した形なんでしょうね。
本当に路上にポツンとあるだけで、名古屋駅とも少し離れているので、よく知らないと「え?本当にここ名古屋?」と信じられないかもしれませんねw
ちなみに、ここは降車専用となっているので、反対の東京行きのバスは別の場所での乗車となるようですが、その場合は名古屋駅太閤口の近くの路上になるようで、名古屋から乗る場合は駅チカのバス停から乗れるようです。
他の乗客たちの流れに混じり徒歩で名古屋駅まで来ました。
距離で言えば500m足らずなのでそんなに遠いわけではありません。
何か工事をしているなと思ったら、中央新幹線関係のようです。
名古屋駅もリニアを迎えるためにその姿を日々変えていますね。
さて、あとは名古屋での活動が始まるわけですが、それは別記事ということにして、この記事はここで区切りたいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。