「ELレトロぐんま桐生号」に乗車!

今回は2024年3月24日・30日に運行された臨時列車「ELレトロぐんま桐生号」に乗車してきましたのでそのレポートです。
なお、公開まではだいぶ時間が経ってしまいましたw
メインは乗車ですが、この往路にあたる「SLレトロぐんま桐生号」も撮影していますので、前半は「SLレトロぐんま桐生号」の撮影、後半は「ELレトロぐんま桐生号」の乗車という内容になります。

「SL・ELレトロぐんま桐生号」の概要と活動内容

まずはこの記事の主題となる「SLレトロぐんま桐生号」と「ELレトロぐんま桐生号」の概要から説明しようと思います。
この2つの列車はいずれも2024年3月24日と3月30日の2日間に渡って運行された臨時列車で、C61形蒸気機関車とEF65形電気機関車が牽引する旧型客車という編成で運行されました。
運行区間は高崎~桐生間で、桐生行きが「SLレトロぐんま桐生号」、高崎行きが「ELレトロぐんま桐生号」の愛称で運行され、往路はC61形が先頭、復路はEF65形が先頭となり、先頭を務める機関車によって愛称を変えているようです。
全車指定席の快速列車として設定され、指定席券を入手できれば誰でも乗車できました。
ちなみに、2023年度より高崎支社では客車による臨時列車については旧型客車を使用するものは「レトロぐんま◯◯」、12系客車を使用するものは「ぐんま◯◯」の愛称が付けられるようになり、列車名だけで使用する客車が分かりやすいようになりました。

似たような列車として「EL両毛号/ELあしかが号」が2月23日に運行されたばかりでしたが、あちらはSLではなく電気機関車のみでの牽引だったのと、客車が旧型客車ではなくて12系客車であったこと、そして運行区間が高崎~足利間だったという違いがありました。
前回は指定席券を入手できずに撮影だけでしたが、今回は復路にあたる「ELレトロぐんま桐生号」のみですが指定席券を入手できたので乗車することとし、両毛線では久々のSLの運行ということもあって撮影もすることになりました。
乗るだけならば大回り乗車をしながら乗車して運賃を数百円で収めることができましたが、撮影もするため余っていた青春18きっぷを利用することとし、運賃という意味では10倍近い出費になりましたが、両毛線を走るSLと聞けば撮らない手はありませんでした。
ところで、運行が2日間あったならば1日は乗車、1日は撮影で分けるという手もあったのですが、2回目の運行日だった30日は別の臨時列車に乗る予定があったためそれはできませんでした。

そして活動内容ですが、まずは高崎線・両毛線を乗り継いで前橋へ向かい、前橋駅で入線してくる「SLレトロぐんま桐生号」を撮影後、両毛線普通列車で駒形駅へ先回りして「SLレトロぐんま桐生号」の通過を撮影、更に両毛線普通列車で追いかけて国定駅でも「SLレトロぐんま桐生号」を撮影して桐生駅へ向かいます。
桐生駅でも折り返し待ちの列車が停車していれば撮影し、最後は「ELレトロぐんま桐生号」に乗って高崎駅まで戻って帰路に就くという内容です。
前回の「EL両毛号」と同様に途中駅での長時間停車が多かったので普通列車で追いかけながら何度か撮影するという行程が成立しました。

「SLレトロぐんま桐生号」を撮る

それでは本編スタートです。
まずは前橋駅での撮影です。


これは高崎駅での撮影ですが、発車標には「SLレトロぐんま桐生号」が出ていました。
長い列車名ですが「臨時」とかでお茶を濁さずにちゃんと表示してくれているのがいいですね。


乗ってきた列車ですが、「SLレトロぐんま桐生号」を出迎えるためにゆるキャラが来ていて、211系が盛大にお出迎えされていましたw


このゆるキャラは「ころとん」といって前橋市の公認マスコットキャラクターなんだとか。
前橋市が豚肉料理が名物であることにちなんで豚のキャラクターのようですね。


向かいのホームには回送列車がいました。


↑その発車シーンです。


ところで、対向列車の発車標ですが、「時刻変更」と出ていました。
実は所定時刻に発車すると「SLレトロぐんま桐生号」と単線区間内ですれ違うことになってしまうので、時刻変更は不可避なんですよね。
ちなみに、この列車は新前橋駅で数分停車するダイヤなので、高崎駅到着時刻には影響しないようです。
私も撮影に向けて両毛線のダイヤグラムを自作していたんですが、この列車が単線区間内で「SLレトロぐんま桐生号」とすれ違うことには気づいていました。
でも発車標に「時刻変更」と出るとは知りませんでした。


ホームから山が見えました。
方角からして榛名山かな?


ここで211系を撮影です。
「SLレトロぐんま桐生号」の前にアングルなどの確認も兼ねてというわけです。


もう少し寄せて

ここで「SLレトロぐんま桐生号」を撮るわけですが、現代的な高架橋を走るSLというギャップも面白そうです。


↑そしていよいよ本番の「SLレトロぐんま桐生号」です!


写真でも撮りました。
前回の「EL両毛号」が昭和中期の列車の再現だとすれば、「SLレトロぐんま桐生号」は昭和初期くらいの再現でしょうか。
ヘッドマークも付いていて撮り甲斐があります。


入線してからも写真で撮ります。
まずは最後尾側の機関車です。


最後尾側もヘッドマーク付きでした。
これはかなり気合いが入っていますね。


「ころとん」と旧型客車


ホーム上の発車標はイラスト付きでした。
ここの駅にもドット職人がいるようですね。


そして、先頭のSLですが・・・こんなアングルしか無理でした。


実は機関車周辺は出発セレモニーの関係者席となっていて、一般客は入れなかったのです。


ホーム上規制のお知らせも出ていました。
乗降に支障がなくてもちゃんと告示してくれるのは撮影する側としては助かります。

元々前橋駅では到着の撮影だけの予定でしたが、そういうわけで前橋駅で発車を撮るのは厳しそうですね。


「SL・ELレトロぐんま桐生号」のポスターもありました。

駒形駅にて

それではここで普通列車に乗って駒形駅へ先回りです。
実は「SLレトロぐんま桐生号」は前橋駅で普通列車を待避する形になるのです。


↑駒形駅で乗ってきた列車の発車を撮りました。
211系でもただの211系ではなくて、「矢絣柄」と呼ばれる塗装です。


駅の脇の路上からいい感じで撮れそうだったのでここで撮影することにしました。
周りには大勢の人が待っていて、SLの注目度の高さが伺えました。
ほとんどは地元の方とお見受けしたので、鉄道ファンのみならず注目されているようですね。


↑「SLレトロぐんま桐生号」の通過です!


写真でも撮りました。


駅前には「駒形屋」なるお店がありました。
調べてみるとタバコ屋だそうですが、駅周辺にはコンビニもないので唯一の商店ということになります。


駅舎です。
2011年に供用開始された橋上駅で、今風の駅舎です。


正面からもう1枚


駅前広場はロータリーになっていました。
路線バスも乗り入れていて、大胡駅・前橋・高崎方面へ路線があるようですが、本数は少なくむしろ送迎マイカーの方が多いくらいです。


こちらがバス停ですが、路線廃止のお知らせも出ていて、地方のバスの厳しさを痛感します。


続いて南口です。
橋上駅あるあるですが、北口とそっくりな見た目です。


駅前には大きな駐輪場がありますが、こちら側に路線バスの乗り入れはないようです。


自由通路です。


きっぷ売り場です。


ちゃんとした券売機があるにも関わらず乗車駅証明書発行機もありました。
割引運賃など券売機で買えないきっぷを利用する人は証明書をとって着駅で精算してもらうということですかね?


そして改札口です。


コンコースでは高崎・前橋方面への案内がかなり強調されていました。
ほとんどの利用者が高崎方面へ向かう人なんでしょうね。


ホームは島式+単式2面3線の国鉄型配線ですが、中線は回送列車などのみが使用していて営業列車の発着がないため柵で塞がれていました。


乗り場案内はラインカラーである黄色の背景になっていました。


ここで駅名標です。


縦型


今風の薄型の駅名標もありました。


ホームの端部分です。


こうしてみると中線が塞がれていることが分かりやすいと思います。


小山方面の案内


古風な見た目のものもありました。


停止位置目標ですが、「電」とは電車による列車という意味です。
現代の両毛線ではほぼ全ての列車が該当しますが、昔は客車列車もあった名残なんでしょうね。


ここで対向列車の到着です。


↑発車シーンです。

あとは桐生方面の列車を待ち、それに乗って国定駅へ向かいます。
伊勢崎駅で「SLレトロぐんま桐生号」を追い抜く形になり、また先回りする形になります。

国定駅にて

続いては国定駅です。
ここでは対向列車との行き違いのため「SLレトロぐんま桐生号」が運転停車することとなっており、入線から発車までの間じっくり撮影できる予定です。
入線は跨線橋の上から撮ることにしました。


↑入線シーンです。


写真でも撮りました。
見下ろすようなアングルもまたいいですね。


ここで駅名標です。


縦型


先頭へ行って撮影です。
ここは遮蔽物もなく編成写真が撮れました。


機関車をアップで


ヘッドマークをアップで


↑停車中ということでドレーンの様子です。
「ドレーン」というのは蒸気機関車特有の操作でして、蒸気機関車は蒸気をシリンダーに送り込むことで車輪に動力を伝えて走るわけですが、しばらく停車していた場合などにシリンダーの温度が下がってしまうと蒸気が水に変わってしまうことになります。
シリンダーの中に水が溜まってしまうとスムーズに走ることができなくなり、最悪シリンダーが破損してしまうため、溜まった水を外部へ吹き飛ばす操作が「ドレーン」なわけです。


↑そして発車です。
大きな汽笛を鳴らしてから出発なので音量注意ですが、迫力ある発車シーンとなりました。


後追いで写真も撮りました。


それではホームです。
島式+単式2面3線の国鉄型配線ですが、駒形駅とは違って中線も使える状態で維持されています。
しかし、営業列車が中線を使うことは基本的にはないようで、回送列車が使うことがある程度のようです。


駅舎は1番線に接する形で設置されており、橋上駅だった駒形駅とは違っています。


乗り場案内はホーローの古いものが残っていました。
柱も木製ですし、レトロな雰囲気です。


改札口です。
ICカード用の簡易改札機があるのみで自動改札機はありません。
有人駅となっており、紙の切符の人は窓口で駅員さんが集改札をする昔ながらのスタイルです。


駅舎内から見た改札口です。


きっぷ売り場です。
券売機は1台だけですが、みどりの窓口はありません。


駅舎です。
貴重な木造駅舎が残っています。


隣にあるこの階段は自由通路で、駅舎がない南口からも駅を利用できるようになっています。


南口には立派な駅前ロータリーが整備されていました。
路線バスも南口のみに発着しており、境町駅へのコミュニティバスが出ていますが、本数は1日に2~3本程度と非常に少ないです。


バス停がこちら


周辺のガイドマップがありましたが、色褪せてしまっていました。


この石碑は国定忠治という人物についてのもので、江戸時代の天保の飢饉で農民を救済したエピソードで知られているそうで、当時の国定村の出身なんだとか。

それでは普通列車で桐生へ向かい、撮影がてら昼食とします。

桐生駅にて

桐生駅では昼食を食べてから「ELレトロぐんま桐生号」に乗りますが、恐らくは折り返しに向けて待機中であろう「ELレトロぐんま桐生号」を撮れることでしょう。


というわけで桐生駅にやってきました。


いました!


駅長さん(?)がマイクを持ち撮影に望んでいました。
テレビ局か何かの取材だったのか、社内向け資料としての撮影だったのかは分かりませんが、桐生駅にとっては一大イベントだったのは間違いないですね。


なんとなく東横インと絡めてみました。
SLが現役だった時代に東横インのようなビジネスホテルは無かったでしょうし、現代に生きるSLという感じの写真を目指してみました。

一旦どこかへ引き上げていくならばそれを撮ろうかと思っていたのですが、しばらく待ってみても動き出す様子もないのでこのまま「ELレトロぐんま桐生号」としての発車まで動かないと判断して駅を出ることにしました。


改札を出るとすごい行列が!?
どうやら皆さん入場券を求めて券売機に並んでいるようです。
今はSuicaを入場券として使えるようになっていて、そのままタッチして入場してからまた出てくれば入場券相当分が差し引かれるのですが、それを知らずに紙の入場券を買おうとしているんですかね。
まあ、このサービスが始まるまではSuicaを入場券として使えないという決まりでしたからその認識のままの人が多いんでしょうね。
桐生市も車社会でしょうから普段は列車を使わないという人も多そうで、余計に知らないんでしょう。


こんな体験があっていたようです。
1000円を高いと見ると安いと見るかは人それぞれでしょうが、2回とも満員御礼となっていました。


線路を模した導線案内がありました。


北口と南口への動線は分岐器になっていました。


過去に訪れている駅ですが一応駅前くらいは見ていきましょう。

このあとはせっかく来たので桐生名物のソースカツ丼でも頂こうかと有名な「志多美屋」に行こうかとも思ったのですが、滞在時間的に混み合っていて待たされたらアウトなので、今回は別の店を探すことにしました。


店を探しがてら街歩きです。
昔ながらの商店街という雰囲気ですね。


JRの高架橋を潜ったり


こんな狭い路地も通りました。
一応車道のようですが軽自動車専用サイズですねw


そうしてたどり着いたのは「来々軒」という中華屋さんです。
中華屋さんですがソースカツ丼も提供しているということで入ってみることにしました。
レトロな佇まいで、出前用と思われるスーパーカブがいい味出していますね。


入店し出てきたソースカツ丼がこちらです。
専門店ではないのでどうなのかなとか思っていたんですが普通に美味しかったです。
お値段もお手頃でしたし、また桐生を訪れる機会があれば行ってみたいと思いました。

今回は撮影も同日にこなす都合で青春18きっぷを利用してきましたが、大回り乗車だったら改札から出られなかったのでこのソースカツ丼も食べられなかったわけで、やっぱり大回り乗車にしなくてよかったですw


こちらは「絹撚記念館」だそうで、生糸の産地として栄えた北関東の歴史に関する展示をしているそうで、「旧模範工場桐生撚糸合資会社事務所棟」として市指定文化財にもなっているそうです。
滞在時間的に今回は入館しませんでしたが、駅からも近いので手軽に訪れられる観光スポットの1つですね。


ふと高架を見上げるとSLが見えました!


そのまま進むと電気機関車も見えました。


アングルを変えて


こんなブースがありました。
東武鉄道の「SL大樹」のPRを兼ねているらしく、子供を対象に制服を着て記念撮影が出来るようです。
東武鉄道としてはSL目当てに集まった桐生市民に「SL大樹」をPRして乗りに来てもらおうという意図なんですかね。

それでは再び改札に入りまして、「ELレトロぐんま桐生号」に乗っていきます。

「ELレトロぐんま桐生号」に乗る!

ここからはいよいよ「ELレトロぐんま桐生号」に乗っていきます。
使用される旧型客車は私にとって初乗車となるのでその意味でも楽しみです。


ホームへ向かうと出発セレモニーの準備で賑わっていました。


駆けつけていたゆるキャラは桐生市マスコットキャラクターの「キノピー」だそうです。


出発式の準備が進んでいました。
まあ、私は乗車するので出発式を見学するわけには行かないのですがw


鉄道による荷物輸送が盛んだった時代の車両ということで荷物室も備えています。


窓越しに内部を撮ってみました。


車端部の銘板はついつい撮ってしまいますw


古い車両なのに車掌室にはノートパソコンがあるというw
まあ、現代を走るには必須の装備なんでしょうけどね。


客車の側面です。
現代ではまず見ない茶色一色の塗装ですが、私としては「銀河鉄道999」のイメージです。


SL側はかえって人が少なくなっていて撮りやすかったです。


それでは乗り込みますが、乗り口のステップが木でしたw


これはドアなんですが、「半自動ドア」となっています。
現代で「半自動ドア」といった場合は、ドアの開閉をスイッチによって行うもので、主に車内の温度を保つ目的で使用される装備のことですが、旧型客車においては意味が違っていて、元々は完全な手動ドアだったものを車掌室からの遠隔操作でロックできるように改造したものになっています。
旧型客車が現役だった時代のドアは走行中であろうと開けようと思えば開けられるのが当たり前で、発車して動き出した列車に飛び乗ったり、完全に停車しないうちに飛び降りたり、通過列車でも速度が低ければ飛び降り・飛び乗りは当たり前だったりと、今では考えられない光景ですよねw

しかし、現代の保安基準では流石にそれではまずいということで、遠隔でロックできるようにして、停車中のみ開けることが出来るようにしているようです。
ちなみに、閉めるときは停車中は手動で全開状態にするとその状態でロックされますが、遠隔操作でロックを外すことができ、ロックが外れるとドアクローザーにより自動で閉まり、閉まったところで開けることができないようにロックされるため、開けるときだけ手動ということができます。

ところで、そんな手間をかけるならばいっそ普通の自動ドアに改造してしまえば良いのにとも思うのですが、これについては旧型客車がいつか現役を退く事になった場合に静態保存することを念頭に、極力オリジナルの状態を維持する方針なんだとか。


車内です。
車内の大半が木でできていますし、網棚は本当に”網”だったりと、歴史を感じさせます。


乗車したのはスハフ32-2357という車両で、スハ32系と呼ばれる形式の中で唯一現役の車両で、1938年製となんと戦前生まれです。
旧型客車として運行されている中では最も古いんだとか。
この車両にあたったのは全くの偶然ですがよかったです。

ところで、さっきから何度も「旧型客車」と書いてきましたが、正確には「旧型客車」という形式名は存在せず、国鉄で10系客車以前に登場した客車を便宜上そう呼んでいるようです。
特徴としては1両単位で自由に組み合わせて編成できるというのがあり、10系以後の客車は決まった編成単位で運用する前提となっているのとは違いがあります。
高崎支社で「旧型客車」と称して運用している列車はスハフ32形・オハ47形・オハニ36形・スハフ32形の4形式7両となっていて、旧型客車の特徴を活かして様々な編成で運行されているようです。


座席です。
ボックスシートとなっていて、背もたれも垂直でもちろんリクライニングなど無しという仕様であり、現代ではローカル列車では見かけることもありますが、昔はこれで長距離移動をすることもあったでしょうし、昔の鉄道旅行は決して快適なものではなかったんでしょうね。


ブラインドも木製で重厚感があります。
現代の車両だとガラスにUVカット加工がされる代わり装備されていなかったり、装備されていても布製か樹脂製であることがほとんどですが、木製はなかなかないですよね。
当然それなりに重量があり、下げる時はともかく、上げる時は結構な力がいります。
ちなみに、旧型客車でもスハフ32だけがこのスタイルで維持されていて、それ以外は織物風デザインの布製ブラインドとなっているそうです。


照明のデザインも古風ですね。
ちなみに、光源はLEDに変更されていて、そういうところは現代風ですw
技術が進んでLEDでも電球に近い色が出せるようになっているでしょうし、将来的に静態保存されることになってもLEDに変更しただけなら復元も容易でしょうしね。


車内には扇風機が設置されています。
国鉄型車両ではお馴染みですが、中央部のプレートは「JR東日本」に変わっていました。
ちなみに、旧型客車には冷房設備はないので扇風機が唯一の空調ということになりますが、真夏に運行すると乗客が熱中症になりかねないという判断なのか、夏季のSL列車は12系客車を使うことが多いようです。
旧型客車の時代は今ほど気温が上がることもなかったでしょうし、そもそも当時は冷房なんて贅沢品という扱いだったようです。

国内で鉄道車両に冷房が搭載された最初の事例は1936年の南海鉄道(現在の南海電鉄)だそうで、旧型客車が製造された時代にも実例はあったことになりますが、国鉄の前身である鉄道省でも試験的な導入が同時期にあり、有名な特急「燕」に導入されたりもしたようです。
戦時中は冷房は贅沢品だとして使用が中止されるなどしつつ戦後を迎えますが、戦禍を乗り切った冷房車は進駐軍に接収され、日本国民は利用できない時期もあったようです。
戦後復興が進むにつれて一般国民が利用できる列車でも採用され始めますが、やはり特急列車など特別な列車にだけ採用される豪華な設備という時代が長かったようです。
一般的な列車として使用されていたであろう旧型客車には冷房がないのは当然と言えますが、後付で冷房をつけるとしても大規模な改造が必要になってオリジナルを損なうことになりますし、非冷房のまま走り続けるのがいいと思います。

それではそろそろ発車です。
満席ということで他の乗客との相席になりますが、同じボックスになった人たちは皆さん単独行動の鉄道ファンのようです。
3人グループに1人だけ相席となると気まずいですが、これなら気まずさはないですね。


↑ここで車窓をどうぞ
SLや電気機関車の汽笛や客車独特のモーター音やエンジン音がしない静かな走行音なども併せてお楽しみ下さい。
※5月5日プレミア公開予定なので、それ以前にご覧の方は公開までしばらくお待ち下さい。

客車列車ということで「ハイケンスのセレナーデ」のチャイムとともに車内放送が始まりまして、旅の気分を盛り上げてくれます。
発車してしばらくすると乗務員が車内を回って乗車記念証を配る一幕もあり、観光列車らしい雰囲気もありました。

沿線には撮影に励む撮り鉄や手を振る沿線民なんかも見られました。
30分ほどの乗車で伊勢崎ですがここで30分ほど停まるのでその間にホームへ出て撮影することにします。


伊勢崎に到着です。
私のように一旦下車してきた乗客や、撮影や見学目当てで待っていた人たちがごった返してホーム上は賑やかでした。


縦型の駅名標はオリジナルデザインでした。


機関車を撮りますが人が多くてこんな感じが限界でした。


続いてSL側です。
隣には東武鉄道の乗り場があるので並べばよかったですが、停車中に東武の電車がやってくることはありませんでした。


ホーム上では駅員さんによるお出迎えがありました。


桐生では撮り忘れていた発車標です。
こちらもちゃんと列車名が表示されています。


ローマ字表記は種別名だけでした。


↑「ELレトロぐんま桐生号」に関するメッセージが出ていたので動画でも撮りました。


入ってきた211系と並べてみましたが、人が多くてこれが限界でしたw

それでは車内に戻ります。
続いては17分の乗車で前橋ですが、ここでも20分ほど停車時間があります。

あと、車内販売が行われていて、飲み物やお菓子、軽食の他、記念グッズも売られていました。


私が購入したのはこちら
新幹線じゃないけど、シンカンセンスゴイカタイアイスw
本家のはずの新幹線ではなかなか買えなくなってしまいましたからねぇ。


前橋に到着です。


内側の線路に入ってくれたので向かいのホームへ行って編成写真を狙いました。


SL側を先頭にして


211系との並び


コンコースの駅名標ですが、やっぱりドット職人は健在でしたw


ローマ字Ver.

それでは車内に戻ります。
このあとは新前橋に停まってから終点の高崎ですが、新前橋では停車時間がわずかですので外へ出る暇はなく、残りの乗車時間は20分ほどとなりました。
名残惜しい思いもありますが、旧型客車はいまのところ引退の話はないですし、またの機会を待つとしましょう。


高崎駅に到着してSLを撮影です。


電気機関車側に移動して撮影しました。

あとは引き上げを見送ってから撤収とします。
このあとは帰るだけですし、高崎線なら1本や2本逃しても15分か20分も待てば次の列車がありますからねw


↑引き上げシーンです。


後追いで写真です。


留置中の211系と並べて

無事に引き上げの撮影も終わって活動終了です。

ところで、今回乗った「SL/ELレトロぐんま桐生号」なんですが、今のところは2024年3月の2日間のみの運行で終わっていますが、専用ヘッドマークを用意していることや、JR東日本の列車紹介ページ内では「SL/ELレトロぐんま桐生号」の時刻表が掲示されたままになっていることなどを見るに、もしかしたら今後も運行する可能性があるんじゃないかと思っています。
今までは群馬県内のSL列車は横川方面か渋川・水上方面のどちらかというのが定番でしたが、これに桐生方面のコースも加わるという可能性もありそうですね。
そうなれば両毛線の活性化にも繋がりそうですし、期待したいところです。

といったところで記事は〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

次回ですが、冒頭の方でも軽く触れた「ある臨時列車」に乗りに行っていますので、そのレポートでお会いしましょう。

それでは!

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