北海道乗りつぶし旅2017(3日目)

2泊3日で実施した北海道遠征の最終日となる3日目です。なお、1日目2日目をまだご覧になっていない方はそちらを先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程

最終日となる今日は昨晩宿を取った倶知安から始まります。倶知安から函館本線で長万部に出たら、函館バスの路線バスで函館まで向かい、乗り換え待ちの小休止を挟んでから今度は路線バスで江差へ向かい、これまたバスで木古内に出たら北海道新幹線で帰路に就きます。
つまりは、最終日に関しては実質”乗りバス”旅であり、鉄道を使うのは、函館本線と帰京に使う北海道新幹線だけということになりますw

倶知安から長万部へ

ホテルをチェックアウトしてやってきた朝の倶知安駅。
ここから出る長万部行きの列車で最終日の行程が始まります。


朝の静けさに包まれた倶知安駅


スキーのまちのPRとして雪だるまが鎮座していますが、完全にシーズンオフですねw


右から左に書かれた駅名標は開業時のものの再現でしょうか。


さてさて、駅の撮影も程々にして発車標です。
気になるのが苫小牧行きと「ニセコライナー」ですね。

苫小牧行きですが、これがネタ列車でして、小樽まではキハ201系3両編成で運行され、小樽駅で731系と連結して6両となりますが、札幌駅でキハ201系は切り離されて再び3両で苫小牧まで行くという列車です。電車と気動車の協調運転が実際に行われる列車という意味でも十分ネタですが、札幌以遠まで乗り通すには車両の移動が必要になるというのも微妙にネタですねw
「ニセコライナー」については昨晩乗ったのの逆向きというだけですが、当駅始発ではなく蘭越駅が始発になっているのが違います。
普通苫小牧行きの方は札幌着が8時19分と、札幌市内へ通勤・通学する人の足という意味合いでしょうが、「ニセコライナー」は9時1分着なので、買い物や通院、レジャーといった目的で札幌へ向かう人をターゲットにしているのでしょうね。

さて、いよいよ入場!・・・の前にこなさなければならないミッションがあります。それは乗車券を購入することです。
列車に乗るんだから当たり前のことですが、何しろ前日までは全部18きっぷで乗っていましたからねぇ。
昨日の記事で触れたように長万部に宿を取れていれば、長万部までそのまま18きっぷで乗車できてよかったんですが、長万部への移動を最終日に持ち越した以上18きっぷは使えません。(ちなみに、この区間の運賃は1640円なので18きっぷを無理やり使うとしても赤字ですw)
まあ、経営の厳しいJR北海道への僅かばかりのお布施ということでこれくらい喜んで払いましょうw


これが私の乗る長万部行き普通列車です。
当駅から長万部方面への始発列車となるわけですが、当然のように1両のワンマンカーでした。


隣りにいたキハ201系の普通苫小牧行き
731系との協調運転にも興味を惹かれましたが、それはまた今度として今日は帰路がてら南へ向かうとします。


方向幕のデザインも731系とそっくりですね。


↑こちらが先に発車なので動画撮影

乗り込むと乗客数名という閑散具合で倶知安駅を発車しました。
途中駅から登山者と思われる人が何名か乗ってきましたが、登山には明るくないものの、山中でキャンプでもして朝帰りとかなんですかね。


途中にあった面白い駅
何が面白いかといえば・・・


駅名です。昆布なんて海藻の名前そのままの駅名が何ともシュールですが、実は海藻の昆布が由来ではなく、「トコンポ・ヌプリ」(小さなコブ山の意)というアイヌ語が由来だそうです。「トコンポ・ヌプリ」がどうして昆布になるのか疑問に思わなくもないですが、そのまま強引に漢字を当てて難読地名にするくらいなら日本人に馴染みのある漢字を使ったと言ったところですかね。


ガス灯を模した(?)と思われる街頭もありました。


続いては蘭越駅です。「ニセコライナー」の始発駅でもあり、かつては急行停車駅だったこともある蘭越駅ですが、駅名しりとりを嗜む方には馴染みのある駅名かもしれませんね。
なぜなら、日本国内で現役の駅として「ら」で始まる駅は非常に少なく10駅程度しか存在しないからです。余談ですが、同じく「ら」で始まる蘭島駅も同じ函館本線の駅ですし、蘭留、ラベンダー畑も路線こそ違えど北海道内の駅ですから、10駅ほどしかない「ら」で始まる駅のうち4駅が北海道にあるという事実も興味深いですよね。
やはり北海道の地名は独特なものが多いという傍証ですかね。

途中の駅名ネタで間を持たせる形になりましたが、函館本線は過去に乗っており、道中でも特段書くこともなかったので悪しからずw

というわけで、長万部にやって来ました。


長万部駅では隣に函館行きの普通列車が待っていました。


サボです。
このまま函館まで行くならこの列車に乗ればいいわけですが、「乗りバス」ですから乗りません。


↑貨物列車がやって来たので動画撮影
DF200形はほぼ道内でしか見られませんからねぇ。
恐らく今回の遠征では最後の遭遇かな。


北海道には外国人観光客がかなり多いのは今までの北海道旅行で身をもって実感していますが、全て英語の時刻表が掲示されるというのもすごいですね。
ただ、北海道が日本ではなくなってしまうようで寂しい思いもちょっとだけします。


新幹線が来たら長万部駅も立派に建て替えられるのでしょうが、ありきたりなデザインの駅になってしまったら何だかつまらないななんて、まだまだ先の北海道新幹線札幌延伸時の妄想をしたりw


駅前のバス停からもこれから乗る函館行きのバスに乗ることができますが、あえてここからは乗りませんw
実はこの路線は長万部駅が起点ではなく、少し離れた長万部ターミナルというバス停が起点になっており、かつ、発車までまだ40分程度あるので徒歩で長万部ターミナルまで移動することにしたのです。
というわけで、徒歩での移動を開始します。


温泉近道なんて看板が出ていますが、実は温泉街は駅の裏手にありまして、歩行者のみが利用可能な陸橋を通ると近道なんです。


今では珍しくなったSLのデザインの踏切注意の標識


ちょうど函館本線と室蘭本線が分岐する箇所に踏切が位置するため、2本の線路を跨ぐ割には長い踏切ですね。


その先にあった「温泉入口」というバス停。
路線バスで長万部温泉へ向かう場合は駅ではなくここが最寄りなんでしょうね。


それにしても、道路情報板まで英語なんですねw


道央自動車道の長万部ICが見えてきたらそろそろ長万部ターミナルです。
ところで、道央自動車道の英語表記が”HOKKAIDO EXPWY”なのには驚きました。道央自動車道は七飯から名寄まで、まさしく北海道を縦貫する高速道路ですし、東北自動車道、北陸自動車道、中国自動車道、九州自動車道など地方の名前をそのまま付ける例は多いので、それ自体は普通だとして、じゃあなんで日本語の名称を北海道自動車道にしなかったんですかねw
考えられるのは東北道、北陸道・・・のように省略した場合、北海道道となり、これだと都道府県である北海道道と表記が重複してしまうし、”道”の字が連続する形になり好ましくないと判断されたとかでしょうか。
理由はともかく、唯一日本語名と英語名が異なる高速道路だそうですよ。


そして、やってきました。「長万部ターミナル」・・・
え?こんなのただの空き地じゃないのかって?
いえいえ、間違いなくこれが「長万部ターミナル」です。ちゃんとバスも停まってるでしょ?w


、ちゃんと待合所もありました。
が・・・ターミナルという名前から想像した場所とは明らかに異なるのは正直なところw
恐らくは駅前にバスの待機場所を確保出来なかった等の理由でここを起終点として「ターミナル」を名乗っているんでしょうけど、都市部のバスだったら「○○折返所」とか「○○操車場」とかの名前をつけられていても良さそうですね。
尤も、「ターミナル」という言葉自体は終点といった意味合いがあるだけですから、ここがバスの終点ならば「ターミナル」と呼んでも嘘はついていませんねw


それにしても、函館までは3時間ほどの乗車になるわけですが、流石にトップドア車が来ますよねぇ~。
なんか、「函館バスセンター」って書いてある気もするけど、あの普通の路線バスタイプの車両じゃないですよね?w

そして、数分後・・・発車時間になりましたがバスは出てこず・・・
もしかして時間を間違えた?それとも乗り場がここじゃないとか?などと不安になると地元の方とお見受けするおばちゃんがやってきて「バスに乗られるんですか?」と声をかけてきました。
観光客がバスに乗るとしても普通は駅からでしょうから、この長万部ターミナルから乗車するのは珍しかったんでしょうね。
いずれにせよ、私以外に利用者がいるということは時間も場所も間違えていないということは確定して一安心。

結局定刻を1~2分過ぎてバスがやって来ました。
時刻表を見るに長万部駅までは余裕をもったダイヤになっているようで、およそ2kmの道のりに5分を確保していました。
信号が多く渋滞も見込まれる都市部ならともかく、信号もほとんどなく道も空いているここで2kmに5分なら定刻に出たら時間が余ってしまうのであえて数分遅れで出るようにしているのかもしれませんね。

函館バス 長万部ターミナル→函館バスセンター

というわけで、3時間にも及ぶバス旅がここ長万部ターミナルから始まりました。
ごく普通の路線バスタイプの車両ですから、ちょっと駅まで15分程度乗車するだけのような気分ですが、このまま3時間乗りっぱなしで函館まで乗り通しますからねw

さて、ここから乗る函館-長万部線(路線名や愛称がよく分からないので暫定的にこう呼びます)ですが、名前の通り函館~長万部間を結ぶ路線バスで1日あたり4往復が運行されています。北海道の地理に詳しい方ならこれだけでもどれだけの長大路線かお分かり頂けるものと思いますが、そうでない方のために距離で表すとおよそ110kmにもなります。
日本一長い路線バスとして知られる八木新宮線の距離が166.9kmですから、それの3分の2程度と考えれば、より長さが実感できますかね。
ただ、残念なことに日本一長いのが八木新宮線であることは間違いないですが、2番目以降が明示された情報を見つけることが出来ず、函館-長万部線が何番目に長いのかは分かりませんでしたが、上位には確実に入っているでしょうね。
もっとも、バス会社自体が日本一であることを宣伝している八木新宮線とは異なって、こちらはバス会社側もそれほどアピールしていないこともあってか、ネット上での注目度は低そうです。


長万部といえば蟹というイメージが強いですが、大きな蟹の看板が車窓から見えました。
ああ、蟹食べたいw

その先もちょいちょい乗車がありつつ国道5号を南下していきます。
長距離トラックや高速バスは高速道路にシフトしてしまって見かけませんし、一般車も高速道路にだいぶ流れているのか交通量は少なく見えましたが、ここは函館と札幌を結ぶ重要な国道です。


その途中にあった「北豊津信号所前」という停留所ですが、昨春まで駅として営業していた北豊津駅の最寄りとなるバス停です。
調べてみたところ、駅廃止以前から「北豊津信号所前」という名称だったようで、函館本線が開業した時点では信号場だったため「北豊津信号所前」という名称になり、駅になった後もそのまま使われていて、結局駅が廃止になり停留所名と矛盾がない状態になったという皮肉な経緯があるようです。


それにしても、地方・・・それも寒冷地のバス停ってやたらと豪華な待合室が用意されていたりしますよね。
真冬の地吹雪の中、野ざらしで待たせる訳にはいかないという配慮なんでしょうね。


そして、バスは八雲市街に差し掛かりますが、一旦国道を外れて市街地を通っていきます。
一時的に混雑を見せた車内も、八雲町内で次々降りていき、再び閑散としたローカルバスの雰囲気が戻ってきたのでした。
長万部の住民は病院や買い物といった用事を八雲で済ませているようですね。


八雲市街を抜けて再び国道5号に復帰すると海の景色が広がりました。
このあたりは函館本線からも海の景色が楽しめますから期待していましたが、予想通りの景色にテンション上がってきました!


その先はずっと海沿いで景色も素晴らしいものでした。
列車よりもゆったりしたバスだからこそ、のんびりと景色を楽しめますね。
乗用車より高い視点から楽しめるのもバス旅の魅力です。


そして、バスは森町に差し掛かりました。
函館本線で言えば、八雲の次の特急停車駅であり、八雲以来の大きな街になりますが、そこへ向けての乗車もちょいちょいありました。
この路線は函館-長万部間の都市間輸送が主目的ではなく、沿線のローカル輸送が主目的なのは乗っていてよく分かりましたが、そういう性格の路線がこの平成の世まで廃止や系統分断されずに生き残ってきたことがすごいと思います。八木新宮線の場合は鉄道が存在しない地域の足ということで存続できた部分も大きいでしょうが、函館-長万部線に関しては函館本線と完全に並行しちゃってますしねぇ。
考えられるのは、函館本線の駅間距離が長く、沿線だけども駅からは遠いという集落の需要をバスがこまめに取り込む形でうまく住み分けが出来てきたのかなと言う所です。ただ、駅で降りる人もそこそこいたので函館を目指す人は列車に乗り換えることが多いのかもしれません。


道路マニア的な絶景?w


海の向こうに見えた山は駒ケ岳ですかね。
煙は噴煙なのかただの雲なのか分かりませんが、渡島富士なんて呼ばれることも納得の富士山に似た山体ですね。


函館本線と完全並走です。
トンネルからちょうど列車が出てきてくれたら画になりますが思うようには行きませんでしたw


このバス停、降りたその場で、あるいはバスを待つ間に撮り鉄できるバス停なんじゃ・・・?w


森駅前では名物いかめしの看板の見つけました。


そして、森案内所というところでバスはしばらく停車するようです。
乗客の休憩も兼ねており、トイレのための下車が認められているようですが、ここはパスして車内で大人しく過ごします。
今思えば降りてバスの撮影でもすればよかったかも・・・
ちなみに、森あたりからの乗車も若干あり、森~函館間では都市間輸送の役割も一定程度担っているようですね。
この区間では朝の急行便の設定もあるようですし、距離的にはバスでも競争力を持てる条件ではあるのでしょう。


森町の市街地を抜けるとバスは一転して山の中を進みます。
鉄道で言えば函館本線の山線と並走するルートなんですね。
渡島富士こそ駒ケ岳もより近づいていきます。


国道をトラクターが走る光景は農村らしい光景でしたw

その先から国道の交通量が一気に増えます。それは高速道路が大沼までしか開通していないからですw
実は大沼公園IC~七飯IC間は未だ工事中であり高速道路を利用する車も大沼以南は国道を使わざるをえないわけですね。


森~函館間に位置して交通量も多いながら峠越えとなるためか、シェルターも完備していました。


そして、車窓に広がったのが有名な大沼です。
函館本線にも大沼公園駅があり、特急停車駅でもありますから鉄道界隈でも名の知れた存在だと思います。


峠を越えて函館市街に入ってくると道も車内もそこそこ混雑を見せ始め、町のバスの顔へと変貌していきました。
ちなみに、バス停名の「ガス会社前」ですが、かつて函館市電がこのあたりまで伸びていて、「ガス会社前電停」が存在しましたが廃止されました。バス停名に残っていることに興味を持って取り上げてみましたw

バスはいよいよ函館市中心部へ入りました。函館駅前では私以外の全員が下車してしまい、終点の函館バスセンターまで乗り通すのは私だけのようですw
函館市電とも並走しつつバスは函館バスセンターに到着し、3時間のバス旅はここにて終了です。


最後にもう1回バスを撮影します。
それにしても、こんな普通の路線バスで110km移動して3時間も乗っていたのが信じられませんねw


函館バスセンターのバス停です。え?まさかのポール1本だけ?w


と思ったら目の前に立派な建物がありました。やっぱりバスセンターの名前は伊達じゃないね!
と関心しようとしたら、気付いてしまいました。
これ・・・営業所だw
長万部ターミナルと違って、駅から外れているとはいえ市街地ではありますし、多くの路線が乗り入れているので、乗り換えに使えないこともないという意味ではバスセンターで間違いないんでしょうが、駅とは別にバスセンターが独立してあると思っていた私はとんだ拍子抜けでしたw

教訓:北海道では「ターミナル」や「バスセンター」という名称に騙されてはいけない

なんていう名言(迷言?)を残したところで、函館駅に向けて歩き始めます。
実は次のバスまで1時間半ほど開くのですが、バスセンター周辺でその間暇をつぶせそうもないのでw
じゃあ、函館駅で降りればよかったという話になりますが、函館バスセンターがどんなところかという好奇心に負けましたw

最後に函館-長万部線のまとめとして、JRと比較してみたいと思います。
まず所要時間です。函館-長万部線は便にもよるでしょうが今回乗車した便で3時間6分、函館本線は普通列車で最速3時間6分ですが、ほとんどの便は途中駅で30分程度停車するダイヤのようですから実質3時間半以上・・・
ちなみに、特急の場合は1時間20分程度のようです。

続いて運賃ですが、函館-長万部線が1880円、JRの普通運賃が2160円、特急券は自由席で1800円なので特急利用時は3960円となります。
急ぐ場合は特急一択でしょうが、特に急がず安く移動したいという場合は、所要時間ではバスも列車も互角ですし、運賃ではむしろ列車のほうが高いという結果になり、函館~長万部をバスで移動するのって案外合理的な選択なのかもしれないと思いました。

あとは差額280円に対して、乗り心地や定時性の価値を見出だせるかどうかで列車とバスを使い分ければいいかと思います。
私個人としては鉄道もバスも好きですし、JR北海道も地方のバス会社も共に経営が厳しいのも知っていますから、どっちかだけの味方はできず複雑ですが、どっちも乗ってあげて下さい!w

函館でのお楽しみ

函館バスセンターから徒歩で函館駅を目指すことになったわけですがそこでは1つ楽しみが・・・


函館市電なんかも撮りつつ15分程度で駅まで到達できました。
さて、函館駅は十分撮影しているし、何をするかというと・・・


はい、ウニ丼を頂きました。函館駅近くには朝市があり、多くの海鮮丼のお店が軒を連ねているのです。
久慈駅での屈辱を晴らそうというわけではありませんが、これは食べずに帰る手はないw
初日は旭川ラーメンと帯広豚丼、2日目は札幌ラーメンにマルセイバターサンドアイスと来て、最終日はウニ丼と鉄道旅でありながらグルメ旅の様相も呈してきましたねw


残った時間はメモリアルシップ摩周丸を見学・・・したかったですが、バスが15分程度遅延したことや海鮮丼のお店を決めるのに迷ってしまい時間を使ってしまったために前回に引き続き外観だけになりました。
次は・・・次こそは中も見学するぞ!

というわけで、お次は江差へ向かいますが、今度は起点の函館バスセンターまで歩くなんてことはせずに普通に函館駅前から乗車します。

函館バス 函館駅前→江差ターミナル

それではお次の乗りバスです。


江差は長万部よりは近いとはいえ、76kmほどの道のりで2時間半ほどの乗車になりますから流石にトップドア車でした。
逆に言えば、函館-長万部線が普通の路線バスタイプだったことのほうがおかしいんですけどねw

それでは早速乗車です。乗車率は半分程度と言った所で函館駅前を発車しました。江差線が廃止された今、函館と江差を行き来出来る唯一の公共交通機関となっていますが、鉄道ルートとは異なり、新函館北斗駅付近を経て峠越えで江差へ向かう国道227号を経由するルートになっています。江差線廃止以前からこの路線は存在していたわけですが、鉄道で函館~江差を移動する人って少数派だったんですかね。


函館本線の線路群をまたいでいきます。
函館-長万部線は函館市内から北斗市内にかけては国道5号を経由していましたが、当路線では函館市内から227号を利用しており函館本線の西側を進む形になります。


元々江差線だった道南いさりび鉄道の七重浜駅付近を通りますが、鉄道と寄り添うのはここまでで、一旦西へ進む鉄道とは別れてバスは北に進路をとります。

道南いさりび鉄道を跨ぐと郊外のバイパス道路となり、快走路が続きますが、途中でバイパスを外れて旧道と思われる道を経由する箇所もありました。


北海道新幹線の高架をくぐれば新函館北斗駅が近づいてきました。


函館駅からおよそ1時間かかってようやく新函館北斗駅です。
列車なら20分もかからないんですが、函館市内もこまめにバス停が設置されていて、市内バスと変わらない路線環境なのにトップドア車である上、市街地だけに流れの悪い箇所もあるためにこうなってしまうんでしょうね。
逆に言えば、江差まで少しでも早く移動したいという人は列車で新函館北斗駅まで行って当路線に乗り継げば、接続パターンにもよるでしょうが30分程度は所要時間を短縮できる可能性がありますね。

あと、個人的な話になりますが、実は新函館北斗駅の駅舎を外から見たのはこれが初だったりします。
今までも何度か利用している駅ではありますが、いずれも短時間で乗り換えただけで駅前に出る時間を得られなかったためですね。


すっごーい!ジャパリバスの整備が出来るフレンズなんだね!
というネタをぶっこまざるを得なかった広告を見つけちゃいましたw


あと、車内でとても懐かしいイラストを見かけましたのでご紹介。
西鉄が導入するICカード乗車券 nimocaのポスターですが、実は本家は九州でありながらここ北海道でも函館市電と函館バスが採用しており、当路線でも利用可能だったようです。
nimoca はSuicaやPASMOとも相互利用していますから首都圏在住の人が手持ちのSuica・PASMOを持って函館市電や函館バスに乗車可能ということでもありますから便利ではありますが、なんでわざわざ九州のカードに乗っかったのか未だに謎ですw
ちなみに、一応本家とは別名称で「ICAS nimoca」という名称を使っているようですが、キャラクターは共通なんですね。


北斗市内までは普通の市街地の道路だった227号も一気に山へ分け入っていきました。


沿線にダム湖が見えましたが、鶉ダムというそうです。
ちなみに、鶉は「うずら」と読みます。私も初見では読めなかった・・・w


そんな鶉ダムを過ぎると今までは民家もほとんど見当たらない山中だった景色から耕作地が広がる人里の景色へと変貌しました。
厚沢部町に差し掛かったようです。ちなみに、函館~江差間を走破する系統は5往復が運行されていますが、厚沢部町内と江差間を結ぶ区間便的な系統が2往復程度走っているようです。尤も、休日運休のところを見るに学生の通学用の便なんでしょうね。


厚沢部町の中心とも言える厚沢部停留所に到着です。
これも何気に難読地名だと思いますが、「あっさぶ」と読みます。
鉄道がない街だけに存在を知ったのがこの旅がきっかけという有様でしたが、思ったよりは開けていた印象でした。
ここで揃わないものは江差へ出掛け、江差でも揃わないものはバスで2時間かけて函館へ行くっていうのがここのスタイルなんですかね。(もちろん勝手な想像です)


厚沢部町の市街地を抜けると道の駅を発見。
そのままズバリ「あっさぶ」という名前のようですがバスは立ち寄らず素通りしますw


気づけば車窓に海が広がりました。ついに峠を越えて日本海側に出たわけですね。
つい「やったぁ!海だぁ!」と叫びたくなりましたw

海を見たら江差町へと入っていきます。奥尻島へのフェリーが出る「姥神町フェリー前」なんて停留所も過ぎると江差町の中心部へと差し掛かります。
鉄道で1度だけ訪れていますが、駅周辺を少しぶらついただけだったのでどんな町かは全然印象に残っていなかったのが正直なところでした。意外に坂の多い町という印象を受けましたね。あと、携帯で旧江差駅の位置を調べると中心部からは外れた位置に駅があったようで、これでは鉄道が使われないのも無理はなかったのかなとも納得してしまいました。


そして、函館から2時間半の乗車で到着した江差ターミナルです。

江差ターミナルにて

さてさて、江差ターミナルといういかにもバスターミナルっぽい名前のバス停ですが、その実態は・・・?


バスの後ろには車庫か工場のような建物がありますねぇ。


なんかバスがたくさんいますし、ここはやはり・・・


はい、営業所でしたw


それにしても、かなり年季の入った建物ですね。


本格的なストーブが設置されているのは流石は北海道です。


ここにも「ICAS nimoca」の張り紙が出ていましたが、これってもしかしてWord製?w


北海道新幹線が描かれていないばかりか、今はなき江差線もそのまま描かれているなど、明らかにデータが古い路線図ですが、函館バスも手広く路線を広げているんですね。
こうやって見てしまうと、また乗りバスしたくなっちゃうw


このマイクロバスは江差町営福祉バスだそうです。

といった所でそろそろ次のバスの時間です。
以上、駅取材ならぬバス営業所取材でしたw

函館バス 江差ターミナル→木古内駅

ここから乗車するのは江差-木古内線(これまた正式な路線名がよく分からないのでこれで行きますw)でして、結んでいる区間からして明らかですが、JR江差線の廃止代替バスです。
元々この路線に乗ってみたかったのがあっての今回の行程だったりしますが、函館-長万部線、函館-江差線だけで既に1万字使っており、既にお腹いっぱい感もあるかもしれませんが、もう少しお付き合い下さい。

さて、流石に元々列車が通っていたルートなんだし、大型バスだよね・・・?


え?なんかポンチョ来たんですけどw
どうやらこれが廃止代替バスのようです。

というわけで、まさかのポンチョで木古内を目指すことになりましたw

さて、この廃止代替バスですが、当初は江差ターミナル~木古内駅間での運行だったようですが、そのまま江差町中心部への直通需要が多かったのか、江差病院(通学時間帯のみ江差高校)まで延伸されて現在に至るようです。
ちなみに、先程乗ってきた函館-江差線も江差高校を経由して江差ターミナルまで運行しますからルートが完全に重複しているようにも思えますが、江差町内でのルートを微妙に変えて一応住み分けは考えているようですね。


発車してまず目を引いたのが車内のモニターで江差線の歴史などを紹介するスライドが出ていたことです。
2014年に江差線が廃止されて早3年が経ち、鉄道ファンと地元の方以外はここに鉄道が通っていたことを知らずに訪れる人も一定数いそうですし、こうしてちょっとでも痕跡を残してくれるのはうれしいですね。


バスの車窓から見えた草むらのような場所ですが、鉄道ファンならば反応せざるを得ない物を見つけてしまいました。
オレンジ色に黒の斜線が入った標識は「停車場接近標」という鉄道標識であり、つまりはこの草むらと化している場所はかつての江差線の線路敷(ようするに廃線跡)ということになりますね。
逆に言えば標識が見えなければここが線路敷だったとは分からなかったわけで、たった3年でそこまで景色を変えてしまう自然の力にも驚かされます。


通行する道路は北海道道5号江差木古内線というそのままズバリな名称の道路です。道道ということで国道よりは格下の扱いの道路ですが、江差町もある檜山振興局管内から北海道新幹線を利用する場合、当路線を介して木古内駅へ出るのが最短ルートとなるため、今後重要性を増すルートになりそうですね。


更に走ると江差線の廃鉄橋も見えました。こちらは結構分かりやすく残っていますし、注意深く見ていなくても気づけそうです。


かつての江差線の駅であった湯ノ岱駅です。駅舎もそのまま残されていたのはいい意味で予想外でした。
バス停の待合室か何かに活用している、あるいはする予定があるとかですかね。

あと、余談ですがかつて宮越~湯ノ岱間に天ノ川駅というロマンチックな名前の駅もどきの構造物が存在していました。江差線の振興、存続を目指して地元の手により設置され、ホームを模した盛土に駅名標を模した看板を設置するなど、見かけは駅そのものですが、正式な駅ではなく1度も列車が停まったことがないそうです。江差線現役当時は湯ノ岱駅から無料シャトルバスを運行することもあるなど力を入れていたようですが、江差線の振興・存続という目的は残念ながら果たすことは出来ず江差線そのものが廃線になり、廃止から1年ほどを経て天ノ川駅も撤去されたんだそうで、現在は無くなってしまいました。


もう少し進んで旧神明駅ですが、ここはなんとホームの一部とその部分のレールが残っていました。
駅などは真っ先に撤去されているだろうと思っていましたが、レールまで残っていたのは本当にびっくり。
やけに綺麗に維持されているのを見るに、鉄道記念物のような形で駅を活用する計画でもあるのかもしれませんね。


その後も車窓からガーター桁など鉄道の遺構が見える度に喜々としてシャッターを切っていました。
私は廃線探訪の趣味はないつもりですが、過去に乗ったことのある路線が廃止になったその後の様子というのは率直に興味があったりします。


江差線の痕跡を探していると1時間20分ほどの乗車時間はあっという間で、北海道新幹線の高架が見えてきました。


道南いさりび鉄道の踏切を越えて木古内駅へ向かいますが、国保病院前というところへ立ち寄るために一旦駅から外れる経路になるようです。


とうとう木古内駅へ到着し、あとは木古内駅の取材をしたら実質この旅は終わったようなものですね。名残惜しさも感じつつ取材を進めていきます。

が、その前にこの路線についての総括をします。
まず思ったのが木古内側の利用者の少なさです。江差ターミナルの時点では概ね座席が埋まるくらい(そもそも定員が少ないポンチョですからそれでも10人いるかどうかでしょうけど)は乗っていたんですが、ほとんどが江差に近いバス停で降りてしまい、終点の木古内まで乗り通したのは私の他には1人だけで、その方も恐らく鉄道かバスのマニアとお見受けしました。そもそもJRが鉄道維持を断念するような区間ですから利用者が少ないのは仕方ないとしても、流石に利用者2名ではバス路線としてさえ長期的に見れば維持が難しくなってくるのではないかと心配になりました。
そして、江差町から函館市内へは函館-江差線がメインルートでしょうから、当路線が使われないのは仕方ないですが、木古内へ出られるメリットである道南いさりび鉄道や北海道新幹線への接続がうまく行っていないのが課題ではないかと感じました。
実際、時刻表を見てみると新幹線を含めて列車との接続時間は一部を除いては30分~1時間程度開いてしまっているパターンが多く、かつての江差線の駅があった地区の人たちが函館へ出る利便を考慮すれば、道南いさりび鉄道との接続、また江差町から北海道新幹線へのアクセスを考えれば、特に東京方面の新幹線との接続を考慮したダイヤ設定をしなければせっかくの代替バスも機能しないように思えてなりません。

北海道最後の駅取材 木古内駅

今回の北海道遠征では実質最後の駅取材となる木古内駅です。ここから新幹線に乗ってあとは東京へ帰るだけということで、本当に旅が終わってしまう寂しさが込み上げてきます。


というわけで駅舎です。北海道新幹線開業前、つまりはまだJR江差線の駅だった時代にも訪れているんですが、その当時の面影は完全になくなっていました。


新幹線を歓迎する幟


駅に隣接して何やら施設があるようなので行ってみます。


道の駅でした。
北海道新幹線の開業に先立つ2015年12月にオープンした道の駅だそうで、バスの待合室、観光案内所、レンタカーなども整備されているそうです。
本来はドライバーのための休憩設備というのが本分のはずの道の駅なのに、鉄道・バス利用者向けの施設のほうが目立つのが気になりますが、新幹線駅に必要なものを道の駅という扱いでまとめて整備してしまおうという感じだったんですかね。


「松前号」というのは函館と松前を結ぶバス路線の愛称ですが、快速なのか急行なのかはっきりしてほしいですねw
余談ですが、松前にもかつて鉄道が通じており、松前線と呼ばれていました。そこを走る急行列車で「松前」という列車があったそうなので、その代替を担うバスとも言えますね。


遠目から道南いさりび鉄道の列車を撮影したらそろそろ駅へ入りましょう。


案内看板


新幹線マジックで一気に設備がグレードアップしましたね。


新幹線駅へ向かう前に道南いさりび鉄道の方へも少しだけお邪魔します。


なかなかに印象的な看板ですね。


というわけで、道南いさりび鉄道の木古内駅です。


現在はJR線ではなくなっているので当然ですが18きっぷではオプション券を買わない限り乗れませんのでこのような注意書きがありました。


券売機は一応タッチパネルを備えているようですが、やはり簡易型ですねw


JR時代の駅名標が展示されていました。


サボやらSLの模型も


最近の駅での展示のトレンド(?)のプラレールレイアウトも置いてありました。
それにしても、青函トンネルを再現しようとした努力は認めるとして、これだと下北半島から函館まで橋梁で津軽海峡を越える鉄道ルートがあるみたいに見えますねw


あと、ベンチも木でした。
あえて、塗装もせず木の温もりが楽しめる仕上げになっていて思わず感触を確かめたくなりました。


「道南スギ」と焼き印が入れてありますが、北海道でも道南エリアがスギの北限になるそうで、ブランドとして売り出し中のようですよ。
どうりで看板まで木を使ってPRしていたんですね。


道南いさりび鉄道の顔出しパネルを撮ったらそろそろ撤収。
実は道南いさりび鉄道に転換されてからは乗っておらず、いずれ乗り直しをしたいのですが、今回は新幹線の時間もありますので後ろ髪を引かれつつ新幹線乗り場へ移動します。


新幹線乗り場へはこんな通路でつながっています。
ターミナル駅のそれと比べたら明らかに細いですが、都会の無機質さとは対象的に木の温かみがある新幹線駅というのもいいですね。


↑ちょうどEH800形の貨物列車通過シーンに遭遇しました。


そういえば、EH800形をまともに撮ったことがないのでキャプチャも貼っておきます。


道南いさりび鉄道のホーム部分はJR時代からほとんど変わらないようですね。


車庫も見たら今度こそ新幹線乗り場へw


H5系のモザイクアート


ここにも顔出しパネルがありました。


こちらはタイルアートだそうです。


まだ時間があるので新幹線ホームがある方の北口にも出てみることに。


こちらは新幹線側だけにJRのロゴが付いています。


各地の新幹線駅あるあるですが、新幹線が来ると駅舎がやたらと立派になりますよねぇ。


駅の案内標識のイラストがちゃんとE5系(H5系?)だったのは関心


というわけでようやく改札口まで来ました。


それにしても、すっかすかな時刻表ですねw
ローカル線の時刻表だと言われても納得してしまいそうですが、3時間も列車が来な時間帯があるのが恐ろしいw


テレビをそのまま発車案内に使っているようですが、普通にテレビの本職を全う中のものが隣りにあるためになんか面白いw


時刻表からして構内に売店がないのは予想していましたが、トイレすらないとはw


新函館北斗方面の12番線への階段です。
次が終点の新函館北斗ですからその1駅しか掲載されていませんが、札幌延伸の暁には札幌の文字も加わるんですかね。


私の乗る東京方面のホームへ入りました。てっきり通過線のない2面2線だと思っていたんですが、よく見ると東京方面だけは通過線を備えていたんですね。
ただ、現在のダイヤ設定では活用する機会はなさそうですけどね。札幌延伸後を見据えての構造なんでしょうか。


そうそう、駅名標は忘れてはいけませんね。


縦型

と一通り撮ったところで気になることが1つ。
実はこの日、折しも大規模太陽フレアが地球に到達するとされていた日であり、北海道でもオーロラが見られるかもなんて情報が出ていました。
そんな日に偶然北海道旅行をしていたなんて奇跡に感謝して、出来ることならそれを拝んでみたいと思っていたわけです。
というわけで、新幹線ホームから窓を覗き込んでみました。


うーん、まだ明るさが残っていて単なる夕焼けにしか見えない・・・w


諦めきれず私の乗る新幹線の到着ギリギリまで粘って撮ったのがこれです。
オーロラだと言われればそう見えるし、夕焼けだと言われればそうも見える・・・どっちだと考えるかは皆さんの判断に委ねますw


そして、私を東京まで連れ帰ってくれるE5系が入線してきました。あとは快適な座席に座っているだけで4時間後には東京駅にいるわけで旅が終わったようなものですね。

というわけで、乗車中は完全スルーで東京駅まで飛ばしちゃいますw


東京駅に到着したのは23時04分、北海道新幹線の東京行き最終便だったわけですが、上越新幹線を含めても23時ちょうどの高崎行きが最終であり、この時間から東京駅を出る新幹線はもうありません。


編成案内も当然空白です。

というわけで、ほとんどバスの話で終わりましたが、北海道遠征最終日は以上!
もって北海道遠征シリーズも完結です。
最後までお付き合いありがとうございました。

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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