1泊2日で実施した鹿児島遠征の2日目です。なお、1日目をご覧になっていない方はそちらからご覧頂くことをおすすめします。
本日の行程
2日目となる今日は鹿児島中央駅から「オーシャンライナーさつま」に乗車して出水へ向かうことから始まります。
出水到着後は折返しまでの暇つぶしに一旦普通列車で川内へ引き返して再び出水まで1往復乗車して、出水からは「オーシャンライナーさつま」で鹿児島中央駅に戻ってきます。
鹿児島中央駅到着をもってメインの活動は終了であり、実質的には「オーシャンライナーさつま」に乗るだけと言えます。
鹿児島中央駅からは鹿児島空港へ向かって空路で帰京するわけですが、普通に鹿児島中央駅からリムジンバスに乗ってもつまらないので、日豊本線で帖佐へ行きそこから路線バスで鹿児島空港を目指すというひねりを入れてありますw
鹿児島中央駅へ歩く
昨晩の宿は天文館の近くであり、鹿児島中央駅までは微妙に離れていることもあって市電で移動しようかとも思ったのですが、「オーシャンライナーさつま」は9時41分の出発であり、ホテルでのんびり朝食をとってなお余裕のある出発だったので運動がてら歩いていくことにしました。
見知らぬ土地を歩くというのもいい気分転換になりますしね。
市電のルートに沿って歩いているので当然ながら市電の姿を何度も見ました。
何気なく撮ったこの写真ですが、よく見ると「ジェットスター」の広告ラッピング車だったんですね。
確かに鹿児島にも就航しているジェットスターですが、路面電車にまで広告を出していたとは意外です。
このちょっと変わった姿のバスは「カゴシマシティビュー」という観光用の周遊バスです。
近道だと思って路地に入っていくとこんなものを見つけました。
ただのゴミ捨て場と思うなかれ・・・
桜島が描かれているのが大ヒントですが、鹿児島市は活火山である桜島にあまりに近いため日常的に火山灰が市街地にも降り注ぐため、火山灰専用のゴミ袋「克灰袋」というのを市が配布しているんだそうです。
こうしてみるとただの黄色いゴミ袋に見えますが、一般ごみを入れるゴミ袋とは明確に区別されていて、克灰袋に一般ごみを入れて出すことは出来ません。
火山灰が降るなんてかなり非日常的な出来事に思えますが、鹿児島市民の方にとってはもはや雨が降るのと同じくらい日常的なことなんでしょうね。
鹿児島市ならではの光景を見たら先へ進みます。
聞き覚えのある名前が書かれた看板は「東郷平八郎誕生地」とありました。
日本海海戦での東郷ターンで知られる東郷平八郎ゆかりの地が鹿児島だとは知らなかったですが、旅先での偶然の発見が学びにつながるのもいいですね。
ちゃんと解説があるのも素晴らしいです。
ただ、裏通りのような場所にあるので、私はたまたま駅への近道と思って歩いていて遭遇しましたが、事前情報無しでここにたどり着くのはハードルが高そうです。
鹿児島のローカルネタや歴史なんかを挟みつつ、ぼちぼち鹿児島中央駅にたどり着きました。
「オーシャンライナーさつま」で出水へ
それでは、いよいよ今回の遠征のメインと言ってもいい「オーシャンライナーさつま」の乗車レポートへと入っていきます。
まず最初に「オーシャンライナーさつま」について解説を入れますと、2008年から土休日ダイヤ限定で運転されている快速列車であり、鹿児島中央駅と出水駅の間を結んでいました。(記事執筆が間に合わずダイヤ改正後の公開になってしまったので過去形です。以後の内容は2019年春の改正以前のものとして御覧下さい)それが2019年春の改正でJR線への直通運転を中止し川内~出水間に運転区間が短縮されることとなり、今回の遠征を決めた経緯があります。
停車駅は鹿児島中央を出ると、伊集院、串木野、川内、上川内、阿久根、折口、野田郷、高尾野、出水となっており、かつての特急「つばめ」の停車駅に上川内、折口、野田郷、高尾野を追加した設定となっており、出水~阿久根間では西出水を通過するだけでほぼ各駅停車ですが、阿久根~鹿児島中央ではかつての特急停車駅に上川内を加えただけであり、新幹線に役目を譲った特急の後を継ぐ列車とも言えますね。
なお、2016年まで鹿児島中央~川内間で運転されていた「川内エクスプレス」は鹿児島中央・伊集院・湯之元・市来・串木野・隈之城・川内と停車していたため、特急なのに快速より停車駅が多い列車でしたw
改正後は川内~出水間の運転に短縮され、西出水にも停車するようになるため、阿久根~上川内間はノンストップで、それ以外は各駅停車という設定になります。
姉妹列車として「スーパーおれんじ」というのもあり、こちらは熊本~出水間を結んでおり、停車駅は熊本・八代・日奈久温泉・佐敷・水俣・出水となっており、やはりかつての特急停車駅に絞った停車になっていました。「スーパーおれんじ」も同じく今春のダイヤ改正よりJR線への直通を中止し、八代~出水間に短縮されますが、こちらは停車駅に変更はないようです。
このように新幹線と完全に並行する上、第三セクターとJRを直通する快速列車という点でもネタですが、使用されるのは肥薩おれんじ鉄道の車両であり、肥薩おれんじ鉄道の普通列車と同じHSOR-100形という単行気動車が使われます。これがかつての特急並の停車駅で本線を爆走するのだからやはりネタですねw
ホームに行くと415系がいました。朝ラッシュも終わりの時間帯なのであとは夕方までお昼寝ですかね。
さて、それではいよいよ「オーシャンライナーさつま」のお出ましです。
↑入線シーン
ファミマといえば東武野田線?
いえいえ、これがホントの「ファミマ」ですw
向こうも向こうで正式にコラボしちゃってますがw
鹿児島中央行きとして走ってきたので、幕はまだ鹿児島中央のまま
この幕ももうじき見納めですね。
列車名はなんと前面のガラスのところに掲示していますw
高速バスじゃないんだからw
↑ここでさっきの415系が回送されていきました。
↑発車標の停車駅案内を撮っておきます。
これで駅での取材は終わり!
早速乗り込むとしましょう。
1両しかないので混み合うかなとも思いましたが、普通にボックス席に座れる程度の混雑でした。
また、客層は運転区間短縮が近いためかマニアっぽい人もちらほら・・・
そして、定刻通り出発となり、電化区間なのにエンジン音を唸らせながら鹿児島中央駅を後にします。
ワンマン運転のためJR線内でも自動放送が流れますが、肥薩おれんじ鉄道の音声なのに「JR九州をご利用下さいましてありがとうございます」って言ってるのはネタでしたw
鹿児島県内の鹿児島本線は何箇所かJR転換後に設置された新駅ができている区間もありますが、全体的に駅間が長く国鉄の地方幹線という雰囲気そのままの区間が多いのですが、ただでさえ長めの駅間を通過運転しながら進むため、走りっぱなしになり特急に乗っているみたいな気分になります。
鹿児島市街もあっという間に終わってこんな長閑な景色が続きます。
九州新幹線開業前の特急「つばめ」に乗っていた旅人たちが見た景色でもあるわけですが、そんな「つばめ」にも思いを馳せつつ行きます。
伊集院、串木野と停車していきますが、思ったほどは乗り降りがなかったのには驚きました。
まあ、どちらかといえば午前中に鹿児島中央へ向かい、夕方に川内・出水方面に帰る流動が主流でしょうから、この午前の出水行きの列車は回送を兼ねているようなもので需要はそんなにないのかもしれませんね。
あと、スピードですが、スマホのGPSでスピード測定が出来るアプリで計測した結果、おおむね80km程度で巡行し、所々でHSOR-100形の最高速度である95kmあたりまで加速するという感じで、特急だとしたら物足りない走りですが、NDCシリーズの限界に挑戦ってことでw
そして、JRと肥薩おれんじ鉄道の境界になる川内に到着です。
ここで半分以上が降りていき、また同じくらいの人数が降りていくという感じで大部分の乗客が入れ替わりました。
JRと肥薩おれんじ鉄道は運賃が別立てですから、川内をまたぐ利用だと運賃が割高になるのに加えて、急ぐ人は九州新幹線を使うところでしょうから、出水や阿久根から鹿児島中央というこの列車の主眼とも言える利用は案外少数派なのかもしれません。実際、今回の改正でJRへの直通を取りやめてしまうわけですし、それが実情なのかもしれません。
ちなみに、出水~鹿児島中央を九州新幹線に乗ると3200円(自由席)ですが、肥薩おれんじ鉄道と鹿児島本線を合わせた運賃は2390円であり、たった810円足せば新幹線に乗れると思えばまあ新幹線を選びますよねw
せっかくやるならば割引きっぷでも出せばよかったのにと思いますが、JR九州的には新幹線に乗ってもらいたいのが本音でしょうし、肥薩おれんじ鉄道としもあまり極端な割引をしてはせっかく都市間輸送の需要を取り込めても儲けが出なければ本末転倒ですしね。
そうそう、川内駅からは肥薩おれんじ鉄道となるわけですが、ここで車内改札でもするのかと思えばそのまま普通に発車していったのに驚きました。
実は昔乗った松浦鉄道とJRとの直通便に乗った時は境界の佐世保駅で車内改札をしていたのでそれと同じイメージだったんですよね。
肥薩おれんじ鉄道区間に入るとすぐに川内川を渡ります。
漢字表記すると回文になる川内川ですが、軽巡洋艦「川内」の由来だったりします。
そんな川内川を渡ると夜戦がしたくなる!?w
しばらく行くと車窓には東シナ海が広がります。
生憎の雨でしたが、やっぱり海の景色はいいですね。
再び道路との絡みを撮ったら車窓シリーズはこれくらいにしましょう。
上川内からのノンストップ運転も終わり阿久根に到着です。
ブルートレインの客車が見えたので思わず撮りましたが、阿久根駅に隣接してかつて営業していた「あくねツーリングSTAYsion」というライダーハウスの名残のようです。
かつては寝台客車という特徴を生かして車内に宿泊することが出来たようですが、今はライダーハウスとしては使われていないようで車両だけが残っているみたいです。
この客車はかつて寝台特急「なは」で使われていたものであり、「なは」は最後まで西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)に乗り入れていた寝台特急であり、阿久根駅にも停車していたのでゆかりのある車両と言えますね。
可愛らしいイラストが出迎えてくれた折口駅です。
ちょっと変わった名前ですが、駅周辺の地名がそのまま「折口」であり、海岸へ降りられる坂道(降り口)が多い場所だったことから「降り口」→「折口」となったという由来なんだとか。
例えば、駅員さんに当駅周辺のスポットへ行きたいと尋ねたとして、「折口で降りて下さい」なんて言われたら「降り口?一体どこの駅の降り口ですか?」「いや、だから折口です」とかいう押し問答になりそうw
ノーマルの駅名標も一応・・・
そういえば、当ブログで肥薩おれんじ鉄道をちゃんと取り上げるのってこれが初めてだった気がしますし、駅名標を貼るのもこれが初めてでしょうね。
というわけで、当ブログの「ファースト肥薩おれんじ鉄道駅名標」は折口駅となりました。
折口から野田郷、高尾野と来て西出水だけ通過したら終点の出水となります。
それにしても西出水だけ仲間はずれみたいに通過駅にされているのは何なんでしょうね。
西出水駅は周辺に高校が点在していることもあって通学時間帯には大変混み合うそうですが、「オーシャンライナーさつま」が走る土休日はあまり高校生の利用者が見込めないから通過ということなんでしょうか。
それが改正後は停車するようになったのは部活などで土日にも登校する生徒の便宜を図ったってことでしょうかね。
といったところで、出水に到着です。
出水駅
「しゅっすい」じゃなくて「いずみ」と読む出水駅です。
ところで、ここではてっきり駅できっぷを回収だと思ったのですが、下車時に運転士さんに渡す形のようでした。
出水駅自体は肥薩おれんじ鉄道の中心と言える規模の駅であり、当然職員もいますが、改札業務はしていないようですね。
で、問題は私が使っていたのはコンビニで事前購入できる1日乗車券であり、高速バスなどのチケットと同じようにコンビニの端末で申し込み、店頭のレジで支払うと店頭備え付けのプリンターで印刷されたチケットが渡されるアレなんですが、購入時点では利用日が決まっておらず、最初に乗車した列車の車内で日付の印を入れてもらうようにと書いてありました。
そのため、運転士さんに入れてもらうつもりだったのですが、そのチケットを見せると日付を入れることなくどうぞと下車を促されてしまいました。
どうも、運転士さんも正しい取扱を分かっていなかったっぽい雰囲気でしたが、ちゃんと正規にきっぷを買って乗っているわけですからここは堂々と降りさせてもらいましょう。
結局鹿児島中央駅では撮らなかった出水表示をここで回収します。
隣には「くまモン」が描かれたHSOR-100形がいました。
こちらは八代行きの列車であり、こちらに乗り継ぐ人が大半でしたが、私はあえて八代行きではなくて川内行きで引き返すことにしました。
理由としては福岡にいた頃に熊本側は何度か乗っていて録音も揃っていた一方、鹿児島側はなかなか乗る機会がなく、この機会に録音を集めたかったという理由があります。
熊本を走る鉄道ですから「くまモン」がいるのはある意味当然とも言えますが、やっぱり人気なんですね。
↑ちょうど発車するところだったので動画を撮りました。
ホームです。
2面3線の国鉄型配線となっており、かつての鹿児島本線だった名残を感じさせます。
現在でも当駅折返しの列車が設定されるなどしており、肥薩おれんじ鉄道の主要駅という地位は揺るぎませんが、1両かせいぜい2両のディーゼルカーが乗り入れるだけになりましたからその長い有効長の大半は遊休施設と化していますね。
このホームに787系「つばめ」が停まっている光景、見てみたかったです・・・
出水市は鶴が渡来する場所としても知られており、ホームにも鶴がいました。
10月中旬から3月頃にかけて越冬のため鶴がやってくるため、これを見に出水を訪れる観光客も多いようです。
ホームからは階段を使って出入りします。
実はこの先は跨線橋ではなく、九州新幹線の駅舎と直結した自由通路となっており、肥薩おれんじ鉄道の駅舎へ向かうにはこの自由通路を通って行かないといけません。
この構造のためホームへは出入り自由であり、そのため列車ごとの改札という扱いにしているのでしょうね。
その自由通路から駅構内を見下ろします。
右側に見える1番線のみが駅舎に直結しています。
隣にある立派な方の駅舎は言わずもがなで九州新幹線の駅舎です。
まずは肥薩おれんじ鉄道のホームがある側の西口へやってきました。
新幹線駅への入り口も兼ねているためエスカレーターまで完備しています。
と、ここで見つけたこんな看板。
え?天草って熊本県じゃ?
と思ったら、出水から橋で繋がっている長島へバスが出ており、その長島にある蔵之元港からは、天草(牛深)行きのフェリーに連絡できるため、天草への連絡ルートとして機能しているようです。
出水から蔵之元港へバスで行って、フェリーで牛深へ、そして更にバスで熊本を目指すなんて旅も面白そうです。
駅前広場です。当駅のバスターミナル機能は西口側に集約されており、全ての路線バスがこの西口から出発となります。
現在は鹿児島空港行きのエアポートシャトルを筆頭に、前述の長島(蔵之元港)行き、高尾野や水俣などへのローカル路線、市内を巡る「出水ふれあいバス」といったラインナップとなっていますが、かつてはJRバス北薩線が当駅まで乗り入れていて宮之城を経て鹿児島駅まで通じていたそうです。
現在出水へ乗り入れる系統こそ廃止されましたが、北薩線自体は運行が続いています。
と、そこへエアポートシャトルがやってきました。
鹿児島空港って地方空港にしては県内各地へのバスのネットワークがすごいですよね。
鹿児島県にとって鹿児島空港は東京や大阪といった主要都市へのアクセスの役割だけでなく、奄美や屋久島、種子島など離島への交通路という役割もあるから余計なんでしょうか。
尤も、私が訪問した頃にはもう鶴は飛び立ってしまっていたようで運行は終了していましたがw
駅前にあったこれはただのバスターミナルではなく、南国交通の出水営業所だそうです。
大抵営業所って駅からは離れた郊外にポツンとあるものですが、駅前に堂々とあるのは地方ならではですよね。
そして、鉄ならば見逃してはいけないものがあります。
さっきの写真にも見切れていましたね。
それは・・・SLです!
屋根まで着いていて塗装もバッチリされていると、見学に入場料がいるような博物館や資料館を別とすれば申し分ない保存状態だと思います。
ただ、レールまでピカピカなので逆に作り物っぽさが出てしまっている気も・・・w
やっぱり、レールは茶色で上面だけ磨かれて輝いているのが一番ですよね。
それでは、正面の顔を拝みます。
C56形という機関車であり、「高原のポニー」の愛称もある機関車ですが、九州地方ではここでしか見られないようです。
※薩摩川内市内の「ドリームエコランド」という施設でも動型機が保存されているという情報もありましたが、現在閉園しているようで、現在も残っているのか不明であり、残っていたとしても一般人が自由に見学できる状態ではないと判断したため除外しています。
まあ、私が解説するより公式に用意してくれた解説のほうが早くて正確でしょうw(丸投げ)
運転台の機器類も固定されていて動かすことこそできませんが、綺麗に残っていました。
椅子もそのままであり、座って機関士気分を味わうのも良さげですが、座って壊しでもしたら怖いので結局撮るだけにしましたw
しかし、この椅子で長時間乗務するとしたら私なら腰痛になる自信がありますw
SLは前方視界が悪いとは聞きますが、こうしてみると見えない部分のほうが多いんじゃないでしょうか。
カーブや速度制限は頭に入っているとしても、信号や踏切の確認をこれで出来るものなのでしょうか。
SLも見終えたので、駅前広場の脇にあった公園のようなスペースにやってきました。
その脇にあるのはなんと駅舎です。
ただし、正確に表現するならば”元”駅舎だった建物ということになりますが・・・
というのも、現在は駅としての営業には使われてはおらず、肥薩おれんじ鉄道の事務所という感じで使われているようだからです。
でも、駅名はそのまま残っていました。
脇に空いたスペースはかつてJRのロゴが書いてあったんでしょうかね。
普通に照明もついているので知らないと駅だと思って入っていきそうですw
しかし、その正体は「肥薩おれんじ鉄道営業部」という完全に職員の聖域です。
「営業部」とはありますが、ここの門を叩いてもきっぷを売ってはくれませんし、じゃあ何をしているのかといえば公式サイトの運営やら、イベントの計画、立案・・・といった完全に事務方の仕事のようです。
その”元”駅舎の隣にあるこちらが現在の肥薩おれんじ鉄道出水駅の駅舎です。
あんまり小ぢんまりしているので本当に駅かと疑いたくなりますが、ちゃんと書いてある通り、ここが駅ですよ。
内部は待合スペースときっぷ発売窓口があるのみで簡素な作りでした。
前述の通り、当駅はきっぷの発売こそしていますが、改札機能は列車の中に集約しているようなので、写真にあるのは「改札口」ではなくて「ホームへの通路」ということになります。
普通に改札っぽい雰囲気だし、すぐ脇に窓口があって職員の方の目があったので本当に素通りしてホームへ入っていいのか躊躇してしまいましたw
ホームへ入りました。
奥に跨線橋が見えますが、あちらは九州新幹線開業前から存在していて、現在は使われていないようです。(ロープで封鎖されていました)
何故に銀河鉄道999なのかと思いましたが、2009年に鹿児島県と日本宇宙少年団がタイアップして、同年に起きた皆既日食を記念して銀河鉄道999のショートアニメが制作され、鹿児島で限定公開されたことがあったみたいです。
かれこれ10年前の話であり、皆既日食で世間が騒がしかったのを微かに覚えている程度ですが、公開当時は999フィーバーだったんですかね。
ホームの反対側を見ます。
先程も通った自由通路が見えていますが、跨線橋が通れないので、向こうのホームへ行くには結局あの自由通路を通る必要がありますw
というわけで、きっぷを買う必要がなく2・3番線から出る列車に乗る場合はまっすぐ自由通路に来てここから入りましょう。
あ、そういえば九州新幹線側の駅舎を見ないうちにタイムアップになりましたw
SLに時間を裂きすぎましたね・・・w
ホームへ降りると別バージョンのくまモン列車がいました。
一体何両あるんだw
あと、JR時代のものであろう、熊本方面の乗り場案内を発見
今でも乗り継げば熊本へも行かれますが、「スーパーおれんじ」の直通中止で八代か新八代までしか行けなくなりますからね。
↑と、そこへ入ってきたのは!?
肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」でした。
車体こそHSOR-100形を改造したものですが、名前の通り車内で本格的な料理を提供するというコンセプトの列車で、「パッケージプラン」と呼ばれる旅行商品扱いのプランでは、全区間乗車が基本であり料理も込みの値段となる他、「乗車のみプラン」と呼ばれる乗車区間の運賃に1400円の座席指定料金を追加すると乗車できるプランがあり、こちらは名前の通り「乗車のみ」なので食事や飲み物は料金に入っておらず、車内での飲食は車内販売などを利用しての別料金となるみたいです。
私の場合、「乗ること」こそがメインであり、「食事」は脇役みたいになってしまうのできっと向いていない列車でしょうけど、昨今の車内で食事を提供するタイプの観光列車の元祖とも言える列車であり、最近だと西鉄が「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」という列車を登場させることでも話題になりましたね。
それでは、普通列車に乗って川内へ行きます。
川内へ1往復
というわけで、折返しの「オーシャンライナーさつま」を待つ間の暇つぶしで川内へ1往復します。
1日乗車券さまさまですね。
今度は各駅停車なので意外に長く感じましたが、それ以上に驚いたのは車内が混み合っていたことです。
客層的に高校生ではないですし、何かな思っていると何やら車内全体に向かって色々と解説する人が現れて、「なんだこの集団?」と思っていたら阿久根駅でぞろぞろ通りていきました。
どうやら、肥薩おれんじ鉄道を舞台にした映画「かぞくいろ」のロケ地巡りのツアーだったようです。
ローカル鉄道が全国的に注目されるまたとない機会ですし、肥薩おれんじ鉄道としても全力で乗っかっているようですねw
JRの駅名標ですがちょっと古ぼけていました。
既に肥薩おれんじ鉄道に移管されている上川内駅も乗っているので肥薩おれんじ鉄道発足以前からの駅名標なんでしょうね。
新しそうなこちらにはさも当駅が終着駅みたいに片方だけ隣の駅が載っていました。
ちなみに、肥薩おれんじ鉄道の乗り場はJRのホームの一部を区切るように独立して存在しており、中間改札もあります。
肥薩おれんじ鉄道ではICカード乗車券は利用できませんが、川内まではSUGOCAエリア内なのでSUGOCAで乗ってきてそのまま肥薩おれんじ鉄道に乗り継ぐ人向けに簡易改札機があります。
それでは、階段を上がって一旦外へ出ます。
実は当初の予定では、すぐに出水へ折り返して出水でお昼ご飯の予定でしたが、川内には「きびなごラーメン」なる名物があることを知り、それを食べるため予定変更してここでは1本見送って昼食を食べてから出水へ戻ることにしました。
折返しの出水の滞在時間がほとんどなくなりますが、先程じっくり見ているのでいいでしょう(新幹線側の駅舎を見ていない?何のことやらさっぱり・・・w
改札を出ました。自動改札は新幹線側だけで、在来線と肥薩おれんじ鉄道の利用者は有人改札しかありませんw
肥薩おれんじ鉄道に乗る場合も一旦JRの改札を通過してから改めてホーム上の中間改札を通るという2ステップを踏む必要がありますが、完全にJRの改札口なので肥薩おれんじ鉄道のきっぷで通れるのか心配になりましたw(もちろん通れましたが)
薩摩川内市に伝わる伝統行事「川内大綱引」というのがあるそうで、その綱が展示されていました。
JR九州だけでなく、ちゃんと肥薩おれんじ鉄道の名前もあるのがいいですね。
何気なく撮ったこの銅像ですが、「鳥追舟」という能の舞台がここ川内だということであるようです。
郷土の偉人とかではなくて能関係の銅像というのも珍しいですね。
雨も降り始めたこともあって駅の方はこれくらいで、ここでお昼ご飯です。
ここで時間を取ることを決めた理由でもある「きびなごラーメン」です。
機能のお昼ご飯はとんこつラーメンであり、こってり系だったので今日はさっぱり系です。
腹ごしらえも済んだところで駅に戻ってきました。
今度も肥薩おれんじ鉄道の普通列車で出水へ戻りますが、またもやラッピング列車のようです。
なんでも、芦北町出身の漫画家の村枝賢一さんという方がデザインした「葦北鉄砲隊」のラッピング列車らしいです。
先程川内行きとして走ってきて、今度は新八代行きとなるようですね。
「おれんじ食堂」は観光列車ですが、種別は「快速」なんですね。
このあとは出水まで引き返して再度「オーシャンライナーさつま」で鹿児島中央駅へ向かって帰路に就きます。
「オーシャンライナーさつま」で鹿児島中央駅へ
普通列車で出水まで行ったら折り返す形で「オーシャンライナーさつま」に乗ったら今回の活動は実質終了です。
行先は川内から1駅JRに乗り入れる隈之城行きでした。
そういえば、快速列車のJR直通は無くなりますが、普通列車の隈之城直通は維持されるみたいですね。
こっちもこっちでいずれ取材したいです。
私が乗る「オーシャンライナーさつま」はこっちです。
肥薩おれんじ鉄道は車両型式がHSOR-100形だけなのでいくら撮ろうが車両型式は1つだけということになりますが、ほとんどがラッピングされているので、オリジナル塗装って逆に貴重だったりしますw
鹿児島中央幕は見納めですからね。朝も撮りましたがしっかり記録しておきましょう。
出水行きで乗ったときと変わりはないですが、列車名も撮っておきます。
なお、列車名自体は肥薩おれんじ鉄道内完結の快速として存続するので見納めではありません。
それでは、発車です。最初はすごく録音環境が良くて嬉しかったのですが、一番肝心な川内から先のJR区間でざわざわし始めるというw
あと、出水行き以上に運転停車が多くて快速っぽさがあまり感じられなかった気もw
運賃表示器の「鹿児島中央」の表示を撮りたかったのですが、うまく写らずw
↑最後に折返しシーンを撮ったら肥薩おれんじ鉄道編は終了であとは帰るだけです。
帰るまでが遠征です
あとは帰るだけとはいいますが、まだ鹿児島県にいるわけで東京まで帰るだけでも大移動です。
冒頭での予告どおり、あえて鹿児島中央駅からのリムジンバスではなくて、帖佐から路線バスに乗ることにしていたので日豊本線に乗り換えるわけですが・・・
なんとキハ40系がいるではありませんか!?
実は鹿児島中央駅発吉松経由都城行きという列車であり、隼人まで日豊本線を走行して、そこから肥薩線・吉都線を通る列車です。
肥薩線・吉都線は非電化なので必然的に気動車が充当されるわけですが、日豊本線への直通はそんなに本数もないのでレアな運用です。
キハ40系なのでサボが使われていますが、まっすぐ日豊本線を進むわけではないため、ぐるっと大回りする感じで線が引かれているのは直感的で分かりやすいですね。
と、ここで突然の思いつきが・・・
予定では帖佐からバスに乗るつもりでしたが、レアな日豊本線でのキハ運用とあってはぜひ肥薩線分岐駅の隼人まで乗り通してしまいたいもの・・・いろいろ調べて隼人からも鹿児島空港へ行くバスが出ていることがわかったのですが、既に最終が出た後・・・どうしてもキハ40系で隼人まで行きたいくて執念深く調べた結果、国分からのバスなら今からでも最終に間に合う上、隼人まで今の列車に乗っていき、後続の国分行きを待っていればいい感じで接続できることが判明したためこのまま国分まで行きます。
切符は帖佐までで買ってしまっていますが、乗越精算すればいいでしょうw
急な予定変更で調べ物をしているうちに列車は錦江湾に沿って走るようになっていました。
並走する道路は国道10号ですね。
乗ってきた列車です。
ここで長時間停車かと思ったら意外とすぐに発車するみたいです。
こういう支線区直通列車って、分岐駅でやたらと長く止まって、結局後続列車に追いつかれるという直通の意味がないやん!って突っ込みたくなるダイヤが多いんですがここはちゃんと使えるダイヤになっていますね。
↑せっかくなので出発は動画で撮りました。
どうせ暗くて写真に撮るのは限界がありますしねw
お次にやってきた国分行きは415系でした。
ラッシュ時だし来るかもと思っていたら本当に来てラッキーです。
そういえば、前回の九州遠征の時は国分行きの普通列車で415系にあたったものの、隼人で降りていたので隼人~国分間だけ乗れていない状態でしたが、ついでにそれも回収できてしまいました。
国分に到着ですが、ここでは乗り継ぎがタイトな上に乗越精算をしなければいけないので撮影はこれだけにしてさっさと改札へ向かいました。
無事に精算を済ませて駅前に出ました。
既に真っ暗なのでもう細かい取材は断念しますが、せっかく来たので駅舎を1枚だけ撮りました。
あとはバスで鹿児島空港へ向かうわけですが、発車時刻となっても姿を現さず・・・
まさか実は今日は運行しない日だったとか、バス停が違ったとかいろんな可能性を考えつつ、スマホで調べてその不安を解消する作業を続けていましたが、そのバスは国分駅が始発ではないため、遅延する可能性は普通にありますし、大人しく待つとしましょう。
ただ、私以外にバスを待っていると思っていた人たちはみんな家族の送迎の車を待っていたようで次々と乗り付ける乗用車に吸い込まれていき、結局バス停に待っているのは私だけになった上、もしここで鹿児島空港へのバスに乗れないとなると、もはやこの時間では鹿児島中央駅からのバスしか動いておらず、そのルートでは飛行機に間に合わない事になりますから、高額な出費を覚悟して当駅からタクシーを飛ばすか、飛行機を断念してもう1泊するかの究極の選択を迫られることになりますから、やはり不安は募るばかり・・・
しかし、「待たせたな!旦那!」と言わんばかりに勢いよくロータリーに飛び込んできたバスを見て、募った不安は一瞬にして解消されました。
バスの中には私の他にもう1名お客さんがいましたが、出で立ちからしてこれから飛行機に乗る風じゃないので、地元の方かなと思っていたのですが、結局空港まで乗り通していて驚きました。
たまたま空港のそばにお住まいの地元民か、空港で働いている方だったのかもしれませんね。
あと、路線としての感想ですが、暗くて車窓が全く見えなかったので詳しくは書けないものの、市街地を抜けると意外と本格的な山道になっていて鹿児島空港がいかに山の中にあるか実感しましたね。
私を東京(というか成田)へ送り届けてくれるのはLCCのジェットスターです。
単純に運賃が安かったというのもありますが、鹿児島空港から東京方面へは現地でたっぷり活動してから帰るのにありがたい時間帯に飛んでいるんですよね。
スカイマークは最終便が早く、ジェットスター以外で遅い時間帯となるとJAL、ANA、ソラシドエアのどれかとなります。
↑座席未指定にも関わらず窓際に座れたので夜ですが着陸時の機窓です。
↑続いて駐機場からターミナルへの連絡バスの展望風景です。
成田空港からは都心まで京成線です。
スカイアクセス線経由のアクセス特急はちょうど走らない時間帯だったこともあって、遠回りですがちょっとだけ安い京成本線の列車に乗ります。
朝夕しか走らない通勤特急だったので乗り鉄的には当たりですね。
なお、この通勤特急上野行きが成田空港から京成本線経由で東京都心へ出られる最終列車です。
↑列車を待つ間、「スカイライナー」が先発しますが、京成本線ホームは”通過”するのでホームドア稼働前の過渡的な光景を記録すべく動画を撮りました。
これにて鹿児島遠征は完結となります。
次回もまた遠征ですが、どこへ、何を目的に出かけるのかはレポートを公開してのお楽しみということで!