今回は長崎市にある長崎西洋館内にある「長崎路面電車資料館」を訪問しましたのでそのレポートとなります。
時系列としては「長崎遠征第2弾(2日目/415系乗車編)」の途中となり、単独でのレポート記事の需要が多いと思って別記事にしましたが、遠征のレポートの方も興味がありましたらぜひご覧ください。
長崎路面電車資料館とは
まず最初にこのレポートのテーマとなる長崎路面電車資料館について解説しておきましょう。
長崎路面電車資料館は長崎電気軌道が運営する鉄道資料館でして、長崎西洋館内にテナントとして入居しています。
開館時間は11時00分~17時00分、休館日は入居する長崎西洋館の営業日に準じており、12月31日・1月1日・5月と11月の第3火曜日となっています。
入館料は無料で、事前予約なども不要となっています。
長崎西洋館は原爆資料館電停の目の前にあり、アクセスもしやすいのが魅力ですが、気がかりなのは入居する長崎西洋館が2023年5月での閉鎖が決まっており、長崎路面電車資料館のその後について2022年9月現在、特に発表がないということなんですよね。
長崎西洋館を運営する長崎電気軌道では、施設を売却する可能性も含めて検討中としており、閉鎖後の処遇が決まっていないようです。
理想は建物ごと別の事業者が買い取って今まで通り商業施設として営業し、長崎路面電車資料館も1つのテナントとして維持されることですが、最悪現在地での運営継続が難しくても貴重な収蔵品も多いことですし、移転してでも何らかの形で残して欲しいと思います。
というわけで、2023年5月以降の処遇がはっきりしていないため、長崎へ旅行する予定のある方はぜひコースに組み込むことをおすすめします。
それではレポートへ
前置きはこれくらいにして早速本題のレポートに入っていきたいと思います。
↑乗ってきた電車の発車シーンです。
動画をご覧になると分かりますが、実は路面電車がトンネルみたいな空間に入っていくように見える部分は既に長崎西洋館の建物なんです。
このように長崎西洋館の建物の中を電車が通過するという珍しい光景もまた、ここの名物の1つですが、もしこの建物が解体されることになれば見納めになってしまいますね・・・
本当に不思議な光景ですねぇ。
もはや長崎名所の1つと言っていい場所だと思いますし、なんとか残してもらえればいいのですが・・・
こちらが長崎西洋館です。
名前の通り洋館っぽい見た目ですね。
よく見るとエレベーターの表示盤はなんと針で表示するタイプでした。
こんなの古い映画とかでしか見たこと無いぞw
そして、上に上がるとありました。
ここが長崎路面電車資料館のようです。
看板のイラストに使われているのは168号車ですね。
この168号車は長崎電気軌道が保存車両として保有している車両で、国内最古の木造ボギー車となっています。
そのため普段は運行されていませんが、路面電車の日などの特定日に特別運行という形で運行されることがあり、現在でも乗車することが出来る貴重な1両です。
なお、当ブログでも特別運行の際に乗車したことがあり、レポートもしていますのでぜひご覧ください。
電停の看板みたいなデザインの看板でした。
まあ、路面電車資料館としては模範解答なデザインだと思いますw
中に入りました。
本当に店舗用スペースをそのまま資料館にしている感じですね。
あと、入館無料なのは知っていましたが、特に受付とかもなく勝手に入って勝手に見てというスタンスのようです。
入口で出迎えてくれたのは3000形の模型でした。
今や5000形・6000形というより新しい車両もデビューしているわけですが、それでも未だに長崎電気軌道といえば3000形というイメージがありますね。
周りは長崎電気軌道に関する様々なパネル展示があっていました。
長崎電気軌道の歴史についても紹介されていました。
まずは戦前ですが、流石は歴史のある会社ですね。
普段はスタッフの方がいるのか、カウンターがありました。
何かあったとき用なのかインターホンはありますが、スタッフすら置かないとは本当に放任主義ですね。
一応監視カメラはあるみたいなので、展示品にいたずらとかする人がいたらすぐに駆けつけられる体制なのかもしれませんね。
ちょっとした図書コーナーもありました。
時間があれば見ていきたいところですが、今回は遠征の途中での訪問なのでそこまでの時間はありません・・・
裏側を見るとマスコンなどの運転機器の実物が装着されていました。
これはただの顔出しパネルと呼ぶにはもったいないクオリティですね。
こちらはマスコンです。
マスコンとは自動車で言うアクセルに相当するもので、これによって加速を制御します。
↑実際に触って動かせるようだったので動画でもどうぞ
こちらは手ブレーキというものです。
このレバーを回転させることで、ネジの原理で車輪を固定してブレーキをかけるという原始的なものですが、基本的には停車中に勝手に動き出すことのないようにするために使うもので、自動車で言うところのパーキングブレーキ的な役割ですね。
↑こちらも動画でもご紹介します。
方向幕ですが、右側のダイヤルを回すと動かせるみたいです。
電動ですら無いなんてすごいですね。
↑こちらも動画でもどうぞ
これはよく分かりませんでしたw
アンペアがどうとか書いてある気がするので、もしかしたらブレーカーかもしれません。
↑引くと鐘が鳴ります。
これは次の電停に停車するのか通過するのかといった連絡を運転士と車掌の間でするためのもので、この鐘が鳴る音にちなんで、路面電車のことを「チンチン電車」と呼んだりもするようです。
続いて路線図です。
電停名が今と違っている部分があったり、まだ開通していない路線もあったりと歴史を感じますね。
昭和30年のものですが、中途半端に立体的に書いてあるためちょっと見づらいようなw
続いて昭和40年のものです。
ここまでくればほぼ現在の路線図に近づいてきましたね。
そして、平成30年です。
路線図そのものにはほぼ変化がないように思えますが、車いすで乗降可能な電停の案内が追加されているのが平成という時代を象徴していますね。
他にもこのような貴重な物品も展示されています。
昔の方向幕って布製だったんですね。
これは軌道敷内通行可の標識ですね。
こういう標識って警察が管理するものだと思いますが、路面電車関係の標識は鉄道会社側で管理することもあるんですかね。
長崎電鉄バスと書いてありますが、かつて長崎電気軌道ではバス事業もしていたのです。
今は長崎電気軌道は路面電車専業ですが、バス事業は長崎バスに譲渡したようです。
これは路面電車によく使われる集電装置の「ビューゲル」という奴ですね。
電鈴と室内灯
他にも色々ありましたが数が多いので割愛w
細かく見たい方は是非現地へ!
あと、ジオラマもありました。
長崎らしい起伏の激しいレイアウトになっていました。
こういうちらっと線路が見えるのもいいですね。
一部の界隈では「電チラ」というみたいですね。
長崎駅のようです。
新幹線ホームも再現しているようですが、停まっているのは実際に運用されているN700Sではなくて、800系でした。
まあ、西九州新幹線のN700Sの模型がまだ入手できていないんでしょうw
平和の像もありました。
こういう名所があるとジオラマのリアルさが増しますよね。
といったところでレポートはこれくらいで〆ようと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
よければ、長崎遠征シリーズのレポートも併せてご覧下さい。
また、次回ですが今度は北海道へ遠征しましたのでそのレポートでお会いしましょう。
それでは!