2泊3日に及ぶ北海道冬の乗り鉄旅行の3日目(最終日)となります。
なお、1日目・2日目をまだご覧になっていない方はそちらからご覧頂くことをお勧めします。
行程の説明
北海道旅行の最終日となる今日は札幌からスタートして、特急「スーパーカムイ」で留萌本線との乗換駅の深川まで移動、そして廃止が決まった留萌本線を終点増毛まで1往復乗車します。その後深川から一旦旭川まで移動して、新千歳空港行きの特急「スーパーカムイ」で新千歳空港まで行き飛行機で東京に戻ります。
最終日はゆっくりスタート
車中泊の上朝5時前には起きなければならなかった初日、そして、ホテル泊とはいえ6時過ぎには出発だった2日目に対して、今回は9時にはホテルを出れば間に合うというのんびりな出発でした。
理由としては留萌本線のダイヤの関係上始発列車を使う極端に早い出発になるか、今回のようにゆっくりな出発になるかの二択だったのですが、ここまでの行程がハードだったので少し楽をすることにしましたw
西鉄8000系さんが一緒だったら始発で行って駅巡りをすると言って譲らなかったでしょうねw
というわけで朝の札幌駅です。まあもう何度も訪れているので物珍しさもなくなってきていますがw
789系です。これで深川まで移動します。
深川駅
いよいよ留萌本線とご対面です!
まずは駅名標
北一已の文字も留萌本線が廃止されてしまうと消されてしまうんでしょうね・・・
↑ここでキハ54系が2両に増結されるようなので連結シーンを撮影です。
このあとは特急が2本ほど到着してから留萌本線増毛行きが発車となります。ということはもう少し遅く出発してもこの列車に間に合ったという事にはなるんですが、深川駅で十分な撮影時間を確保することや直前の列車だと混雑して座れない可能性を考慮してのことでした。
留萌本線
留萌本線は深川駅と増毛駅を結ぶ66.8kmの路線です。”本線”を名乗るJRの路線では2番目に短い距離の路線だそうです。ちなみに、余談ながら1番目は九州の筑豊本線です。
現在では函館本線の支線という方がしっくりくる状況ですが、それでも”本線”を名乗っているのはかつては羽幌線など留萌本線の支線に相当する路線が存在していたからです。それらも全て廃止され現在はいわゆる盲腸線の状況ですね。
さて、今回わざわざ遠路はるばる北海道までやって来た最大の目的と言っても過言ではなかった留萌本線ですが、それは鉄道に関心をお持ちの方ならほとんどの方がご存知のようにJR北海道が留萌本線の留萌~増毛間の廃止を発表しているからです。
国鉄の特定地方交通線でも注目された営業係数(100円の利益を得るのにどれくらいの経費がかかるかという数値)でいうと、比較的利用の多い深川~留萌間でも1316、今回廃止がほぼ決定している留萌~増毛間に至っては4161となっており、日本一の赤字ローカル線と言われた美幸線さえもしのぐ赤字を出しているようです。
沿線は過疎化が進んでいる上、並行して深川留萌自動車道が整備され、留萌や増毛からは札幌や旭川へ向かうバスも運行されているなど留萌本線を取り巻く環境は厳しいようです。
「ノロッコ号」や「SLすずらん号」など観光列車を走らせるなどの取り組みもあったようですが、赤字を解消できるほどの効果はなかったようですね・・・
留萌本線について語るのもこれくらいにして旅を続けていきましょう。
やはりというか、特急がやってくる度にいかにも乗り鉄という感じの人達がまとまって乗り込んできてみるみる混雑していきました。
結局デッキまで溢れるほどの混雑で列車は深川駅を後にします。
複線電化の函館本線と分岐し、単線非電化の留萌本線を進んでいきます。
↑北一已駅付近です。しばらく平野部を進みます。
↑秩父別駅付近です。次第に雪深くなっていきます。
↑石狩沼田駅付近です。
石狩沼田駅です。実はかつて札沼線が当駅まで乗り入れていたんですが、新十津川と当駅の間が廃止され、路線名にのみ痕跡を残しています。
恵比島駅ですが、ここはちょっとした名所だったりします。趣ある駅舎もさることながら、NHK連続テレビ小説「すずらん」のロケ地だという理由からです。
劇中では「明日萌」という駅名で登場するようで、そちらの駅名を再現しています。
駅名標も再現されていました。
これは撮影している人も多かったです。
車窓から見えたのは留萌深川自動車道でした。こうしてみるとあからさまに並行していますね。
高速道路ということで立派なトンネルが掘られていましたが、これではますます鉄道の競争力はなくなりますね・・・
留萌駅
路線名にもなっている留萌に到着しました。停車時間があるようなので少しだけ途中下車します。
駅名標です。色々と並んでいて賑やかです。
ちなみに、日本一の夕陽というのは市内の黄金岬から見える夕陽のことのようです。
2両編成でここまで走ってきた列車は1両切り離されて1両編成になるようです。
現状の利用状況からすれば過剰とも思えるほどの立派な待合室でした。
かつては多数の乗降客で賑わったんでしょうね。
同じ考えの同業者が多数途中下車したため、留萌駅はつかの間の活気に満ちていました。
出札口にもちょっとした行列ができていましたが、記念の入場券を購入する列でした。
かつて留萌本線を走った「SLすずらん」のヘッドマークが展示されていました。
これは恵比島駅でも紹介した連続テレビ小説「すずらん」の放送に合わせて運行されていたものです。
せっかくなので外にも出てみました。
駅舎も結構大きなものでした。
そろそろ列車が出る時間なのでまた留萌本線の旅を続けていきたいと思います。
終着増毛へ
留萌からはカメラのバッテリー残量が少なくなったため撮影が出来なかったのでまずは増毛駅のご紹介から始めたいと思います。
なお、景色の方は復路でちゃんと撮っていますので安心して下さい。
ホームは1面1線しかなく、仮にも”本線”を名乗る路線の終着駅としては寂しいですね・・・
ちょっと小綺麗なこんな看板がありました。観光客が多く利用するような駅でもないので乗り鉄への旅の演出なんですかねw
そして、こちらが駅舎です。
現在では無人駅ですが、かつては旅客・貨物の両方を扱い多くの職員が詰めた主要駅だったようです。
もはや電話ボックス自体が過去のものとなりつつありますが、さらに古風な電話ボックス
どうせすぐに折り返すからと荷物をおいて散策に出てしまう乗り鉄が多いんですかねw
終着駅ということで行き止まりなわけですが、ちょっと簡素すぎませんかね?w
ホーム脇にはかつて広大な貨物側線があった名残であろう敷地があったのですが、特に立ち入り禁止といった表示はなかったので撮影させてもらいました。
バスベイがあるということはバスが来るということであり、当然バス停があります。
ここには乗り入れないようですが沿岸バスの特急「はぼろ」号で増毛と札幌は直結されています。ただし、その「はぼろ」号も現在は留萌市内から札幌市内まで高速道路を利用する系統がメインになっているようで、増毛町内を通る系統は1日1往復しかないようです。
余談ですが、この沿岸バスというバス会社は公式サイトに萌えキャラを起用したり、公式ツイッターの投稿内容が話題になったりして、地元民やバスマニア以外にも知られた存在のようです。
日本海を見つつ戻る
復路ではカバンに忍ばせた予備カメラで車窓を撮りつつ行きました。
メインカメラよりは画質が劣りますが、せっかくなのでまとめてご紹介します。
↑箸別駅付近
↑舎熊駅付近
↑礼受駅付近
↑瀬越駅付近
↑藤山~幌糠間
恐らく最後の乗車になるであろう留萌本線の思い出を刻みつつ、深川に戻ってきました。
深川にて「スーパーカムイ」を待つ
この後なんですが、流石にこれだけで3日目を終えてしまうのは勿体無い気もして、富良野線や根室本線の富良野~滝川間などに乗車する計画もあったんですが、時間的に無理だったので「スーパーカムイ」に乗って帰るだけになりますw
ただし、一旦旭川まで行って、旭川→新千歳空港の全区間乗車を果たしますw
そこへ721系が入ってきました。かつて711系が充当されていた普通列車ですね。
この綺麗な方向幕で旭川幕を見られるのも時代の流れというか、感慨深いものがあります。
まあ道産子じゃない私が言うのもあれですがねw
そして、私の乗る「スーパーカムイ」がやってきましたが、なぜか駅の手前で停まったまま一向に入線する気配がありません。
とりあえずしばらく停車した後入線してきたのですが、車内放送によると非常ボタンが扱われたために停車していたようです。いたずらが誤作動か分かりませんが、大したことがなくて良かったです。
旭川駅
スーパーカムイで1区間、終着旭川に到着しました。
とりあえず「スーパーカムイ」を撮影したらしばらく駅構内をうろつきます。
どのみち車内清掃が終わるまで乗せてもらえませんからねw
それにしても、以前に18きっぷでこの区間を通った時は恐ろしく長かった印象ですが、特急だとあっという間ですねw
普通列車の本数がかなり少ないためか、短距離の特急利用も目立ちました。
札幌ではしばらくの停車時間の後、進行方向が変わり、快速「エアポート」として新千歳空港まで向かいます。この直通運転が廃止になるようでして、実際札幌で乗客の大半が入れ替わっていたので札幌をまたいで利用する人は少ないのかなという印象を受けました。
とはいえ、スーパーカムイ停車駅から新千歳空港を利用する人からしたら飛行機に乗る大荷物を抱えて札幌で乗り換えるのは不便ですよね。
あと、これは前回も感じたことですが、「エアポート」は空港利用者のみならず、札幌近郊の一般利用者も乗ってくるので、特急型車両だと不都合なのかもしれませんね。
新千歳空港
とうとう北海道とお別れです。
ここで785系が見られるのももう見納めですね。
JR北海道の駅名標もしばらく見られないので最後の名残に撮影です。
↑最後に折り返し発車シーンを撮影したら空港のロビーに向かいます。
あとは搭乗手続きを済ませて飛行機で東京へ戻るだけ・・・のはずでしたが・・・
まさかの4日目突入
この旅行は3日間(夜行バスに乗るだけだった初日はノーカン)だけの予定でした。
しかし、搭乗開始時間を過ぎても機体が着陸してくる気配すらありません。
係員に何度も問い合わせをすることで大まかな状況は把握できましたが、向こうからのアナウンスは皆無・・・まあLCCだから仕方ないと割り切るしか無いんでしょうけどね。
ここで対策を考えましたが、LCCの欠点として欠航以外では一度購入した航空券は払い戻しをしないというルールがあるので、もし他社の航空便に切り替えるか、陸路など別の手段を選ぶとすればせっかく買った航空券を放棄することになります。
まあ時間的にはまだ「はまなす」に間に合うので今から航空券を放棄して陸路に切り替えることも考えましたが、結局欠航はしないという係員の話を信じて待つことにしました。
もういっそのこと欠航してくれと内心思い始めていましたが、航空会社側も払い戻しの損失を回避すべく意地でも飛ばす気なんでしょうねw
結局、ようやく飛行機に乗り込めたのは22時手前、逆算すると成田空港着は0時手前くらいになるものと思われます。確か成田空港は23時以降の離着陸が出来ない決まりだった気がしますが、その点も質問したら空港会社に申請して0時まで延長が認められたとのことです。
空港のロビーでスマホを駆使して調べたところ、成田空港から都内へ行ける交通手段は一番遅いリムジンバスでも23時過ぎで終わってしまい、それ以降はタクシーか空港周辺でホテルを手配するくらいしか手はありません。
成田空港に着いたら係員が何やら配っているので受け取ると、クラッカーとミネラルウォーターでした。流石にこんな時間に成田空港に降ろしたのは悪いと思ったんですかねw
更に空港ロビーを都内への始発便が出るまでの滞在場所として開放してくれるとのことで空港ロビーのベンチが今宵の宿となりましたw
4日目の朝
ダウンジャケットを毛布代わりにした寝床も意外と寝付けてしまい、気が付くと始発列車が出た後でしたw
こんな環境で寝過ごせる私はかなり図太いんだろうなと思いつつ、とりあえず京成電鉄の乗り場に移動します。
お目当ては「モーニングライナー」です。京成電鉄の花形列車としえば「スカイライナー」ですが、早朝にはJRで言う湘南ライナーや中央ライナーのように通勤客の着席需要に応える列車として「モーニングライナー」が運転されています。こちらは空港アクセス列車という位置づけではないので成田空港からは発着せず、京成成田から出ますが、普通列車で1駅なので乗り換えて利用します。
車種はスカイライナーと同じくAE形です。ただし、モーニングライナーは京成本線経由なので成田スカイアクセスのように160km/hの俊足を活かす場面はありませんけどねw
こういう列車って沿線に住んでいない限りなかなか乗車するチャンスはありませんからね。方向幕もしっかり押さえます。
結局車内では寝てばかりでしたが、災い転じて福となすの精神で本当の最終日となる4日目も満喫して帰路に就きました。
こうして夜行バスの車中泊だった初日も入れれば実質3泊5日の旅は終りを迎えました。
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