分割してお送りしているレポート記事の3つ目です。直接この記事に来られた方は、是非1日目、2日目も合わせてご覧ください。
記事は順番に読むことを想定して書いていますので、順番通りご覧いただくことをおすすめします。
今日の予定
今日は三岐鉄道の三岐線と北勢線を一部駅に立ち寄りながら取材し、名古屋へ向かって名古屋市営地下鉄の乗りつぶし後、名古屋市内で宿泊します。
起床
今日は西鉄8000系さんも一緒なので、昨日よりはプレッシャーがありませんが、普通に起きれました。体が旅モードになっているんですかねw
なお、今日は6時半頃の電車に乗らなければならず、ホテルを6時15分くらいには出ないといけないというこの旅では一番早い朝となっています。
そのため、6時半より提供されるホテルの朝食サービスも利用できず・・・まあ元々朝食サービスがあるとは知らずチェックインの時に言われて初めて知ったんですがねw
こんなに朝早くなってしまった理由は、元々は三岐線の起点である富田で宿をとる予定だったのが、富田界隈でいい宿が見つからず、近くで大きな街である桑名に泊まることになり桑名→富田の移動分早くなってしまったことに加えて、もともと富田で3分連絡で乗り継ぐ行程だったのが、西鉄8000系さんの指摘で三岐鉄道のフリーきっぷを現地購入する関係でこの時間では乗り継げないことが判明し、利用する列車を1本早くしたためです。
あとから考えてみれば、桑名に泊まるなら北勢線を先に乗車すればのんびり出られましたが、旅先での大幅な行程変更はあまりしたくないですし後の祭りですねw
皆さん、旅の行程は出発前によく練っておきましょうw
今日もスタート!
そんなわけで眠いですが今日も頑張って行きましょう。
まずは早朝で人気のない桑名駅の撮影です。
ホテルを早めにチェックアウトしたため、予定より早い列車に乗れてしまって富田では時間が余ることになり、半分だけですが駅の撮影も出来ました。
この辺りは捕鯨が盛んなのか、鯨を模したデザインですね。
潮まで吹いていて面白いですw
周辺もぶらついたら駅に戻ります。三岐鉄道のフリーきっぷも無事に購入していざ乗り込みます。
こちらが三岐線です。なお、三岐線はほとんど西武鉄道からの譲渡車なので西武ファン垂涎の路線ですね。
まずは大矢知
三岐線最初の下車駅は大矢知です。
駅舎はまあありがちな感じですが、目を引くのが海抜表示ですね。3.11以来各地で津波への警戒が強化されているのか、最近やたらと見かけるようになりました。
ところで、平日の朝なので登校途中の高校生も増えて来ました。この時間帯は撮影が難しくなりますね。
保々駅
当駅は車両基地も置かれ三岐線の拠点駅です。以前は当駅止まりの列車が多数存在したようですが、現在では多くが終点西藤原まで延長されるようになり、当駅止まりは朝夕の数本だけになったようです。
その数本だけの保々行きに乗車し保々駅です。構内も広いのであちこち見ていて飽きませんね。
構内に停車していた貨物列車です。この三岐線を語る上で欠かせないのが貨物輸送を行なっていることでしょう。かつては私鉄も多くが貨物輸送をしていましたが、今ではほぼJR貨物の寡占状態で、末端の僅かな区間を一部の私鉄が担っているにすぎないわけですが、三岐線もそんな末端を担う鉄道の1つなんです。
それから駅舎です。
デザインとしては大矢知と変わらないようなw
ここは構内を楽しむ駅ですね。
大安駅
縁起のよさそうな駅名ですが、「たいあん」ではなく「だいあん」と読みます。
レンガ造り風の駅舎で、やけに立派ですがこれは地元自治体の出資で建設されたらしく、図書館と三岐観光という旅行会社が併設されています。
この図書館、駅に併設というだけあって、鉄道関係の書籍が充実しているそうですが、時間の都合で図書館の中へは行きませんでした。
ちなみに余談ですが、お隣は三里(みさと)駅、エヴァファンなら反応しそうですねw
ネタ的に訪問してもよかったのですが今度エヴァの映画が発表されるときにとっておきましょうw
丹生川駅
この駅の特徴はなんといっても貨物鉄道博物館。
最近は鉄道をテーマにした博物館もあちこちにありますが、貨物に特化した博物館はここぐらいではないでしょうか。
なお、三岐鉄道は敷地や建物を提供しただけで、実際の展示品の搬入や運営やボランティアによって行われているようです。今はかしいかえんに移転しましたが、筑前山家駅構内に北九州線の車両が保存されているのと同じような感じでしょうか。
なお、時間の関係で前だけ見て終わりですw
そして、駅です。
ここも特に特徴はありませんねw
もともと西鉄8000系さんほど駅に造詣のない私に駅ネタの記事はきついですw
伊勢治田駅
この駅は駅名に旧国名を冠していますが、これはJRの八田駅や近鉄八田駅との混同を避けるためでしょうね。
会社が違うとはいえ、発音が同じ駅は紛らわしいですからねw
駅舎は特に特徴がないようですが、構内にはヤードがあり貨車も見ることができます。
立地について書くと、実は同じ三岐鉄道の北勢線とは員弁川を隔てて並行しており、北勢線の終着阿下喜駅までは2kmしかありません。足が丈夫な方なら歩ける距離ですし、コミュニティバスで行くこともできるようです。
ただし、この事実に気づいたのは乗車中に何気なくスマホで地図を眺めているとき。
ネタのつもりで西鉄8000系さんにも教えましたが、するとこのまま北勢線に移動すれば行程を巻くことができて早く帰れると真剣に徒歩移動ルートを検討し始めてしまいましたw
私は三岐線の上り方面の録音も欲しいですし、近鉄富田駅の取材が半分しかできていないので予定通りの行程にしたくて、意見の対立が生まれましたが、私が大荷物を抱えていて2kmの道のりを歩くのは辛いという点でご理解をいただき、予定通りの行程になりました。
これも行く前に気づいていればよかったですねw
東藤原駅
脱線事故があったため何かと有名になった東藤原駅です。
太平洋セメント藤原工場に隣接していて、この工場向けの貨物列車が発着します。
なお、脱線事故を受けて構内の改修工事が行われていて、ついでということなのか、駅前まで工事が行われていました。
工事中なので機械の音が響いていますが、完成後はさぞ立派な駅前広場になるんでしょうね。
工場勤務者はともかく、出入り業者が電車を使って工場へ行くとは思えないんですが、これだけの立派な設備に見合うだけの利用があるんですかね。
西藤原駅
三岐線の終点、西藤原駅です。ここまでくれば三岐線は完乗です。
そんな記念すべき駅ですが、早速こんなものが出迎えてくれました。
廃止した側線を活用して車両を展示しているんですね。
SLだけでなく、ディーゼル機関車も。
更に駅前にはミニ鉄道が走る公園も。
私達が訪問した日は運転がない日だったようですが、休日を中心にミニ列車が走るようです。
そして、インパクト大だったのが駅舎。
SLの形をしているんです。基礎部分にも動輪の絵が描かれて細部にもこだわっていますね。
中は簡易郵便局と駅の事務所、待合所となっています。
郵便局が駅に併設というのも珍しいですよね。それ以前に簡易郵便局自体が私にとっては物珍しいです。
旅行貯金が趣味の人にとっては最高の立地でしょうね。乗り鉄と兼ねている人なんてもはや天国でしょうw
見所満載な駅でしたが、ひと通り見終えて折り返しの列車を待つ間、待合所で事前に買っておいたパンを食べることにしました。
ちゃんと座って食べられるのでいい休憩時間にもなりました。
私がトイレに行こうと改札の横を通ると駅員さんに呼び止められ、何だろうと思っていると、「どこから来られましたか?」とよくある質問をされたわけですが、今までと違っていたのは駅員さんが硬券をくれたことです。
ご存じない方のために説明すると、硬券とは今では主流の裏が黒くて薄っぺらいきっぷが普及する前に使用されていた、厚紙に印刷されたきっぷです。
硬券は地方の路線でわずかに残るのみなんですが、観光客向けにあえて残しているところもあるんですね。
そんな硬券を、我々が鉄道ファンだということで、記念にどうぞとくれたんです。
もちろん使用済みのきっぷとしては効力のないものでしたが、硬券自体が貴重ですから嬉しいプレゼントです。
2人で来ていたので一人2枚ずつ、合計4枚くれました。
見所満載の駅に親切な駅員さん、これほど印象に残る駅は初めてです。
こんな駅ならぜひいつの日か再訪したいですね。
北勢線へ
これにて三岐線の行程は終了し、今度は北勢線に向かいます。
同じ三岐鉄道の路線ですが、両線は直接接続しておらず、前述の伊勢治田~阿下喜の徒歩orバス移動か、近鉄富田~桑名を近鉄名古屋線で移動しないといけません。
今回は当初の計画通り一旦近鉄富田に戻り、残りの取材を完成させて、桑名へ移動後、隣接する西桑名駅から北勢線に乗ります。
この北勢線の歴史に少し触れると、北勢鉄道という会社が建設し、三重交通へ統合、その後三重電気鉄道を経て近鉄に移管され、採算悪化のため廃止の話が出たものの、三岐鉄道が引き継ぐことになり、その際、大幅な近代化や合理化が進められ、現在に至ります。
そういった経緯のために同じ会社の路線でありながら相互に接続していないんですね。
桑名駅・西桑名駅
宿泊地に戻ってくるというのはなんとも変な気分ですが行程の都合ですから仕方ないですね。
もしホテルに忘れ物でもしていれば、今取りにいけますが幸い忘れ物はなかったようですw
北勢線は隣同士でありながら駅名が違う西桑名駅からとなります。似たような例にJR倉敷駅に隣接しながら倉敷市駅を名乗っている水島臨海鉄道の水島本線がありますね。
昼間の様子も撮影です。写真でも分かるように雲行きが怪しいですw
乗ってばかりの旅なら、雨もまた違った景色が見れるので悪くはないんですが、基本的に外で過ごす駅メインの旅は辛いですから勘弁して欲しいですね。
本降りになる前にホームに逃げ込み、列車を待ちます。
やってきました。こちらも昨日乗車した内部・八王子線と同様ナローゲージなのでこんな縦長な車両になっています。
デザインが201系っぽい気もしますねw
阿下喜駅
まずは一気に終点を目指します。途中駅にも立ち寄りますが、三岐線とは逆に最初に終点まで行って、戻りながら駅を巡る行程になっています。
こちらはモダンな感じですね。駅前のロータリーはちょっとしたバスセンターになっていて交通結節点という側面もあるようです。
ここでも改札を出るときに駅員さんが「三岐線には行かれましたか?」と気さくに話しかけてくれました。やっぱり旅は車両や駅だけでなく、人との出会いも魅力ですよね。
そして、ホームから見えて気になったので行ってみるとこんなものが。
昔北勢線で走っていたんですかね。ここに保存されている経緯は知りませんがここもしっかり見どころがありました。
楚原駅
1駅飛ばして楚原駅です。
駅舎は近鉄時代からのものだそうですが、それよりも自転車の多さに目が行きましたね。写真では一部しか写っていませんが実際にはすごい台数でした。
駅の近辺に高校があって、そこの生徒の利用がメインだとか。当駅止まりの列車があるのも納得ですね。
なお、やはり余談ですがお隣は大泉駅ですw
こちらは藩士が反応するでしょうかw
ネタ的には訪問してもよかったんですが、探せば他にもありそうなのでスルーw
東員駅
念のため書くと「とういん」と読みます。
変わっているなと思っていましたが、今ではひらがな表記になっている「いなべ市」は漢字では「員弁」と書き、東の員弁で東員ってことですかね。
関東だと成田の東に成東がありますが、そのパターンかもしれませんね。
雨ニモ負ケタ?
元ネタとは正反対ですが、東員の次は在良に訪問する予定でした。
しかし、東員の時点でバケツをひっくり返したようなという比喩がぴったりなほどの土砂降りで、疲れもピークになっていた我々は在良を断念することにしました。
駅にこだわりの強い西鉄8000系さんにとっては断腸の思いだったようですが、ホテルに早くチェックインできるということで了承してくれました。
せっかくの駅も土砂降りじゃ台無しですしね。
一路名古屋へ
そのまま西桑名へ行き、桑名駅から名古屋へ向かいます。近鉄名古屋線・JR関西本線の両方が使えますが、近鉄線も今日はフリーきっぷがないので運賃の安いJRを利用します。
快速みえを利用しますがなんと桑名を出ると次は終点名古屋です。
特急並みの停車駅数ですよね。ちなみに、予定の1本前のみえに乗れました。
ちょうど先頭車同士が連結されている箇所に乗ったので、運転台の速度計が見えたんですが、最高速度は120km/h出てました。気動車としてはかなり速い部類ですね。しかし、単線区間があるために離合待ちの運転停車も何度かあり、ここで近鉄に水を開けられているのかなと思いました。
名古屋駅
時刻は6時過ぎ、小腹が空くが夕飯にはちょっと早いかなという時間帯です。
しかし、このあとは地下鉄に乗りっぱなしになり、駅での滞在時間が少ないため、チェックインまで飲まず食わずになる可能性が高いです。
そのため、名古屋駅構内の吉野家で夕飯にしました。吉野家のメインであるはずの牛丼を差し置き、カレーを食べようと思っていた私ですが、行ったお店は牛丼専門店とのことで、カレーはないようです。仕方なしで頼んだ牛鮭定食でしたが結構行けましたね。食わず嫌いをしていたようですw
腹ごしらえがすんだら地下鉄に行きます。昨夏の名古屋の旅において、名城線・名港線・上飯田線・鶴舞線は完乗しており、残った東山線と桜通線を今回完乗し、名古屋市営地下鉄を完乗します。
東山線
まずは東山線に手を付けます。一旦南下し高畑駅へ行きます。
てっきり「たかはた」だと思っていましたが、実は「たかばた」と読むようです。
駅名に限らず、固有名詞は擬音、濁音の有無が難しいところですね。
地下鉄の場合は全体的に暗いので構内の撮影はブレとの勝負でもありますが、そこは経験が物を言い(?)無事に取材出来ました。
本当は取材などせずに着発で折り返すつもりでしたが、せっかく時間が余ったのだからと、西鉄8000系さんたっての希望で簡単ながら取材をすることにしました。
藤が丘へ
ここからは折り返して一気に反対側の終点、藤が丘を目指します。
ここは愛・地球博のときのリニモへの乗換駅となっていたので、名古屋在住でない方でも聞いたことのある駅名かもしれませんね。
名古屋までは近鉄名古屋線や関西本線が並行しているためかガラガラでしたが、名古屋で一気に混み合います。
伏見までは桜通線が実質的なバイパスになっていますが、それでもすごい混雑でしたね。
JR各線を始め新幹線に名鉄・近鉄が集まる名古屋駅と名古屋の都心部である栄を結んでいることや、需要に対してトンネル断面の制約で小型な車両が使われていることもあって、名古屋市営地下鉄最大の混雑路線だそうです。
公営の地下鉄としては国内2位の黒字路線だとか。
その他、当路線の特色としては末端区間が地上を走る高架になっていることですね。
東京メトロ東西線や都営新宿線なんかでも見られますが、地下鉄なのに地上を走るギャップが面白いですw
そんな東山線に揺られて藤が丘につきました。
ここは昨夏の名古屋の旅でもリニモへの乗車の時に立ち寄っているため、駅は地下鉄のホームぐらいしか初見のものはありません。
そのため、比較的すぐの折り返しですね。前にもネタにしましたが、地下鉄が地上でリニモが地下というあべこべな駅ですw
ここから折り返して今池で桜通線に乗り換えます。
乗り換えだけなので特に取材はしません。
桜通線
本日最後の乗りつぶしである桜通線です。
車両のデザインがどうも丸ノ内線っぽいですw
まずは徳重に向かいます。野並~徳重間は2年前に開通したばかりの新しい路線のようです。
福岡の七隈線よりも新しいことになりますね。
徳重も簡単に取材します。ところで徳重駅といえば、名鉄犬山線にもありましたよね。過去形なのは廃止になったわけではなく、現在は「徳重・名古屋芸大前」という名前に変わっているからです。
とはいえ、今でも徳重と呼ぶ人も多いでしょうし、同じ名古屋都市圏にあって紛らわしくはないですかね。
実際、私も名古屋の地理に疎いために、名鉄犬山線の徳重に繋がっているんだと思っていました。
今回はたまたま地下鉄だけの乗りつぶしで犬山線に乗り継ごうとは思っていなかったのでよかったですが、犬山線に乗り継げると思って行程を組んでいたら大変でしたね。
列車の行き先にも出てくる駅名としてはいかがなものかと思います。
本日最後
その紛らわしい徳重から一気に中村区役所へ行きます。
もうラッシュも終わりつつあるのか混雑は大したことありませんでしたが、やはり名古屋に近づくほど混んできますね。名古屋の都会ぶりを実感します。
しかし、名古屋でほぼ降りてしまい、終点の中村区役所まで行く人はかなりの少数派。
名古屋駅から1区間だけ伸びていますが、どうせならもう少し先まで伸ばすか、いっそのこと名古屋駅止まりでよかったような気がしますw
少々悪口を書きましたが、1区間伸びているおかげで我々は助かりました。
というのは、今回泊まるホテルの最寄駅は中村区役所駅。名古屋駅から歩くとかなりありますが、中村区役所駅からはすぐです。
やっぱり1区間だけでも存在意義がありますねw
チェックイン
少し早めの夕食をとったので小腹がすいてきてしまい、明日の朝食を確保することも兼ねて、ホテルの真向かいにあるサークルKに行くことにしました。
真向かいといってもそこに通っているのは片側3車線もある大通り。
中央分離帯が物理的に横断を妨げているので少し遠回りして歩道橋を渡ります。
名古屋はモータリゼーションを早くから予想し、大通りの整備を進めたそうですが、歩行者にはちょっと不便な街ですかね。
無事に買い物もすみ、ホテルで軽い夜食の後、恒例の充電をしながら眠りにつきました。