4泊5日(車中泊含む)で実施した四国・九州遠征の2日目です。
なお、1日目をご覧になっていない方はそちらを先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
2日目となる今日は、昨晩宿泊した岡山からまずは下津井電鉄の路線バスで児島駅へ、そこから琴参バスの瀬戸大橋線で坂出まで1往復したらJR瀬戸大橋線で岡山へ行って、そのまま特急「南風」で高知へ、特急「あしずり」に乗り継いで宿毛まで行ってゴールです。
前半は岡山近辺での乗りバス、後半は岡山から宿毛までひたすら移動という感じですね。
下津井電鉄D80系統 天満屋バスセンター→JR児島駅
まず最初の乗りバスは下津井電鉄が運行するD80系統で、天満屋バスセンターからJR岡山駅、イオンモール岡山前、大元駅、汗入、興除営業所、植松駅、上の町駅を経由して児島駅まで向かう系統です。
汗入止まりのD89系統や興除営業所止まりのD88系統と合わせて興除線と呼ばれています。
宿泊したホテルは岡山電気軌道の路面電車の遠征だったので天満屋バスセンターまで歩く道すがらに路面電車が見えました。
バスセンターが近づくと頻繁にバスを見ることが出来ました。
こちらは中鉄バスで、元々は中国鉄道という名前で鉄道事業も営んでいました。
現在のJR津山線や吉備線の前身に当たる鉄道を経営していましたが、国有化を経てJRに引き継がれています。
続いては岡山電気軌道のバス部門とも言える岡電バスです。
ところで、さっきからバスの写真を見て違和感がありませんか?
答え合わせるをすると実は先程のバスは2台共道路の右側を走っているんですね。
まさかの逆走!?
と思ったらこの道路は一方通行だったんですね。
それなら右側を走ることも問題はありません。
そして、バスの起点である天満屋バスセンターが見えてきました。
このようにたくさんの乗り場が並んでいて、いかにもバスターミナルという光景です。
全部で17の乗り場があり、岡電バス、両備バス、中鉄バス、備北バス、そして今回乗車する下津井電鉄も乗り入れており、まさに岡山のバスの中心です。
ただし、宇野自動車だけは自社単独のバスターミナルを持っているため天満屋バスセンターには乗り入れません。
バスターミナルなので当然ですが周辺道路は路線バス以外駐停車禁止の規制がかけられています。
というか、普通はバスターミナル内には路線バス以外はそもそも乗り入れ禁止という例が多いと思いますが、ここは乗り入れ自体は認められているんでしょうか?
よく見るとバスターミナルに隣接して立体駐車場もあるので、駐車場を利用する車両のために乗り入れはOKってことなんでしょう。
乗り場は島状になっている外周に設けられていて、その内側に待合室などがあり、コンビニやカフェ、高速バスのチケットやバス定期券の発売窓口があります。
ところで、「天満屋バスセンター」は、正式には「天満屋バスステーション」というんですが、この「天満屋」というのは岡山を地盤にする百貨店であり、元々この天満屋と一体化したバスターミナルとして設けられたことからこの名称になりました。
名前にもなっている天満屋の発案で設置されたバスターミナルであることから、バス会社の隔てなく乗り入れており、現在は宇野自動車以外の全てのバス会社が乗り入れています。
デパートとバスターミナルが一体化している例としては国内初であり、天満屋バスステーションの成功後、鹿児島の山形屋、広島のそごうなどに波及しましたが、結局はデパートとは独立したバスターミナルに発展する例も多く、現在でもデパートバスターミナルの形態を保っている珍しい例と言えます。
ただし、天満屋バスステーションについても現在は天満屋本体とは別の施設となっていて、天満屋岡山本店とは連絡通路で繋がってはいるものの、バスステーションの建物には「Be Wing」という事実上の天満屋の別館となる商業スペースがあるのみで、天満屋そのものとは隣接してはいますが別れています。
あと、バスの案内所はいろんなバス会社が乗り入れることもあってか1つに集約するのではなく、このような小さなものが乗り場ごとに設けられているのも特徴です。
勝山まで行くバスもあるんですね。
これもいずれに乗ってみたいです。
そして、この13番乗り場から私が乗るD80系統も出発します。
時刻表です。
最も本数がある汗入までは少なくとも毎時1本は確保されているようですが、児島駅まで走り通すのは1日にわずか3本~4本しかありません。
あとは撮りバスしつつバスを待ちます。
こちらは両備バスです。両備バス(両備ホールディングス)も岡電バス(岡山電気軌道)と同じ両備グループの一員ですが、岡山市内の市内路線は岡電バス、郊外や周辺都市まで乗り入れる路線は両備バスというふうに棲み分けているようですね。
↑幕車が来たので方向幕回転シーンを・・・
それではD80系統で児島への旅を始めるとしましょう。
この時点では7~8名の乗客を乗せてバスは天満屋バスセンターを後にしました。
しばらくは岡山電気軌道の路面電車に並行しつつ岡山駅まで行きます。
路面電車だと東山本線なら県庁通り、清輝橋線ならば郵便局前が最寄りとなりますが、いずれも若干の徒歩移動があり、電車との接続はありまり考慮されていません。
ターミナルが奥まったところにあるのも理由でしょうが、ほとんどのバスは岡山駅にも立ち寄るので鉄道との連絡は岡山駅ですればいいという感じなんでしょう。
このバスターミナルの立地は熊本の桜町バスターミナルにも似ていますね。
岡山駅まではほとんどのバスが同じ経路なので団子運転になりますw
それにしても、あのオブジェはいつも気になりますw
岡山駅で大勢乗り込んできて車内はかなり混み合ってきました。
時間亭には朝のラッシュですから当然ですが、客層は高校生がメインで通学で使っているんでしょうね。
イオンモール岡山前に立ち寄ります。
といっても駅からも至近距離なので普通に歩いていけるんですけどねw
バスも配置されてはいるようですが、本社機能がメインなのか敷地はそれほど広くありませんでした。
大元駅でJR宇野線と交差します。
バス停もあるので乗り換えが可能ですがここで乗り換える人はいないようでした。
その先に汗入というバス停があります。
ここで折り返すバスも多く設定されており、ここまでは比較的利用者が多い区間ということなんでしょうね。
ところで一見変わった地名の「汗入」という地名ですが読み方は「あせり」だそうで、興除新田を開拓する際に埋立地だったために井戸を掘っても塩水しか出ず、農業用水を確保するために汗入用水という用水路を建設したんですが、固い岩盤のために難工事となり、工事に携わった人々の汗が染み込んでいった様子から「汗入」という地名になったんだとか。
地名はその土地の歴史を記録するといいますが、まさにその通りですね。
備中箕島駅付近で再びJR宇野線と交差します。
その先は2車線確保されてはいますが大型車同士ではすれ違いに気を使う道幅が続きます。
対向からバスがやってくると路肩に寄せて停車して道を譲り合うシーンもありました。
バスは興除営業所に到着しました。
ここは観光バスの車庫も兼ねていて規模は大きいようです。
この路線の名称は「興除線」であり、興除営業所止まりのバスも多いため、岡山市民にとっては馴染み深い地名かもしれませんが、これも地味に難読ですよね。
読み方は「こうじょ」だそうで、元々は興除村だったものが岡山市に編入合併され、今は地区名の1つです。
興除という名前はさっきの興除新田という名前にも出てきましたが、まさしくこの「興除新田」が興除という地名の由来であり、中国の管子という書物に出てくる「興利除害」という言葉から命名されたそうです。
このバスは興除営業所で終わりではなくそのまま児島駅まで行きますが、一旦車庫内に入っていきました。
すると、ちょうど観光バスの車両が待機していました。
この時点で乗客は私の他に数名だけになっていましたが、運転士さんは「トイレは大丈夫ですか?」と声を掛け、誰もトイレに行かないことを確認するとそのまま出発します。
てっきり乗務員交代でもするのかと思ったらトイレ休憩のために車庫内に一度入るみたいですね。
バス停です。
ここから先は1日3.5往復の閑散区間が始まります。
彦崎付近で宇野線と3度目の交差です。
このように興除線は宇野線と付かず離れずのルートを選んでいるのですが、宇野線はこの先宇野へ向かい、バスは児島ヘ向かうのでこれが最後の交差です。
また、彦崎はいわゆる宇野みなと線の区間であり、瀬戸大橋線に向かう「マリンライナー」などの四国方面の列車は通りません。
丸亀製麺がありました。
全国展開するチェーン店ですが、実はその発祥は兵庫県だったりしますw
このあとは瀬戸大橋を渡って坂出まで行きますからそこで本場の讃岐うどんを頂くとしましょう。
熊野神社入口というところで、倉敷方面から児島行きのバスと合流する形となり、こちらは30分ヘッド程度の本数が出ているため、閑散区間はここまでということになります。
水島IC付近からは瀬戸中央自動車道と並行し、福江に到着です。
このあたりには廃線になった下津井電鉄線の福田駅があったようですが、バスの車窓からは痕跡らしきものは見つけられませんでした。
調べてみると廃線跡の一部が自転車道として整備されているらしいので、機会があればレンタサイクルでも借りて辿ってみるのも楽しそうです。
上の町駅で瀬戸大橋線と交差します。
このあたりは意外と起伏の激しい地形で、バスも山を避けるように走ってきましたが、瀬戸大橋線は本州と四国を結ぶ幹線として整備されたこともありトンネルと高架橋を多用して一直線に結んでいます。
実は今乗っている岡山-児島間のバスは長らく下津井電鉄のドル箱路線であり、鉄道事業が不振になった後もバス事業の収益で赤字補てんが出来るほどだったそうですが、JR瀬戸大橋線が開業して岡山と児島が鉄道で結ばれるようになると利用客は鉄道に流れ、この興除線も利用者の多い岡山近郊の区間は1時間に1本程度あるものの、児島まで行くのは1日4本にまで減ってしまったわけです。
今まで見てきた車窓を見ても道路は遠回りですし、渋滞する箇所もあってとても鉄道とは勝負にならないなと感じました。
今でも倉敷~児島間は鉄道で行くと一旦岡山に出て乗り換えなければならないこともあってバスの競争力も保たれていて本数が多いですが岡山~児島間では全面的に競合しますからねぇ・・・
このまま児島駅に入るかと思ったら児島中央病院入口から一旦国道を逸れて瀬戸大橋線と交差しました。
児島市民交流センターや天満屋ハピータウンを経由してから児島駅に到着しました。
あえて遠回りしてでも公共施設や商業施設を経由することで少しでも鉄道と差別化しようという戦略なのかもしれませんね。
児島駅に到着です。
ところで、1つ驚いたのが下電バスってSuicaも使えるんですね
正確に言うと「Hareca」という岡山県内の路面電車とバスで使えるICカード乗車券に対応しており、HarecaがSuicaなどの全国で相互利用できる各種ICカードにも片利用の形で利用可能ということになっています。
とはいっても、バスだと1時間45分ほどかかって運賃が1020円なのに対して、JRなら快速「マリンライナー」で所要時間23分で、運賃は510円で済むため、わざわざバスで岡山~児島間を移動するのはよほどの物好きかバスマニアくらいだと思いますがw
さて、ここからは・・・
琴参バス瀬戸大橋線
続いては乗車するのは琴参バスが運行する瀬戸大橋線です。
瀬戸大橋線というとJRの路線名にも同名のものがありますが、それとは無関係で、あくまでバス路線の名前です。
瀬戸大橋には高速道路しか通っていないので、この路線も当然高速道路を通るわけですが、高速バスとしては扱われていないようで、使用される車両も一般の路線バスと同じ車両です。
また、児島と坂出ならJRで移動できるわけですがこの路線の目的は沿線にある櫃石島・岩黒島・与島の3島の住民の足としての役割であり、そもそも児島と坂出を移動する人向けの路線ではないわけです。
元々は瀬戸中央自動車道のパーキングエリアもある与島を境に児島方面は先程も乗った下電バス、坂出方面は琴参バスが運行する2つの路線を総称した言い方でしたが、2021年をもって下電バスが瀬戸大橋線から撤退することになり、児島方面への住民の足がなくなることとなり、従来から坂出側を運行していた琴参バスが下電バスの運行区間も引き継ぐ形で坂出駅と児島駅を結ぶ路線となりました。
実は下電バスが運行していた時代に坂出~与島間で乗車していたんですが、その時は当時から琴参バスが運行していた坂出~与島間には乗車しなかったのでその区間に乗ることも兼ねて改めて乗りに来ました。
下電バス時代の瀬戸大橋線にも興味がある方はその時の記事も公開していますのでよろしければご覧下さい。
さて、児島駅では元々乗り換え時間があまりなく、しかも少し遅延しての到着だったためトイレにだけ行ったらすぐに乗り場に戻ってきたわけですが、琴参バスがいたもののまだ幕は出ていませんでした。
乗車が始まるまでの間に路線図を眺めます。
櫃石島、岩黒島、与島の3島を経由しつつ四国へ渡るため複乗区間が多いのも特徴です。
これらの島には道路地図を見てもインターチェンジなどが無いように見えますが、実は島民や業務などで島へ行く必要のある車両のみが利用できる特殊なインターチェンジが存在しており、瀬戸大橋線もそれを利用しています。
あと、時刻表を撮るのを忘れましたが、本数は平日は5往復、土休日は4往復と決して多いとは言えませんが、沿線3島の島民の貴重な足になっています。
その下にあった掲示ですが、これは昨日乗車した「ルミナス・マスカット号」が統合される前に「ルミナス号」として走っていた頃には児島駅にも立ち寄っていたのが無くなったのでそのお知らせですね。
考えてみれば昨日は児島までバスで行ければそれはそれで便利だったんですが、無くなったものは仕方ないですね。
経由地に「瀬戸大橋」とか「与島PA」とか出ているのは普通の路線バスとは違いますね。
「高速道路上を時速60キロメートル以下で走行します。お先にどうぞ」という表示です。
前述の通り、高速道路を経由するものの車両は一般の路線バスと同じであり、路線バス用の車両は基本的に高速道路を通行できないんだそうですが、路線バスとしての営業運転である場合、高速道路であっても最高時速を60km以下とすることで特例的に認められる運用になっているそうで、このバスも高速道路を60km/hで走るため後続車への注意喚起の意味でもこういう表示をしているみたいです。
法律上、高速道路の最低速度は50km/hなので、60km/hでの走行は法律上問題ありませんが、他の車が100km/hで走る所を60km/hでは逆に危ない気もしますがねぇ。
まあ、路線バスの車両はそんなにスピードを出すような設計にはなっているんでしょうし、やむを得ないんでしょうね。
高速道路を走るためか路線バスにしては珍しくシートベルトも設置されています。
↑車窓は動画でどうぞ
前述の通り、与島までは下電バスで乗ったことがあり、運行経路はおおむね下電バス時代を踏襲しているようですが、一応改めてレポートしていきます。
児島駅を出ると天満屋ハピータウンなどを経由してしばらく市街地を走ったら児島ICから瀬戸中央自動車道に入ります。
児島ICにもバス停があるんですが、入口の手前にあるため一旦Uターンする形になり、再びUターンして入口へ向かうので、まるで1周するような経路になっていて、その途中に信号もあるのでここだけでかなり時間がかかっていました。
車窓は動画で撮っているため写真は少なめになりますが、バスは児島ICから瀬戸中央自動車道に入ります。
この時は横風が強くて速度規制がかかっていたため、他の車の速度も控えめで60km/hでもそんなに遅くは感じませんでしたが、普通に100km/hで走れるときだったら次から次へと追い越されまくるんでしょうねw
高速道路上にある鷲羽山北では松山・高知方面の高速バスに乗り継げますが、その高速バスもそれほど本数がないですし、そもそも児島や坂出から高知や松山へ向かうならば特急列車のほうが便利でしょう。
高速道路に入って5分も経ったかどうかというところでもう高速道路を降りてバスは櫃石島に立ち寄ります。
実は櫃石島から既に香川県に入っており、島としての四国にはまだ上陸していませんが、四国地方には入ったことになります。
櫃石島の島内には櫃石島・櫃石小学校前・櫃石の3つのバス停があり、経路としては櫃石まで行ったらUターンして来た道を引き返す複乗区間になっています。
さて、続いては岩黒島に立ち寄ります。
岩黒島は高速道路上にあるバス停に停車するのみで、島内への出入りはバス停に併設されたエレベーターを利用する形になっていますが、1日2本の坂出行きのみ島内にも乗り入れて岩黒漁港というバス停にも立ち寄ります。
このように島内へ入る本数が限られていて、しかも坂出行きのみという扱いになっている理由ですが、岩黒島は小さな島で、用地の関係上坂出方面にしか出入りできるランプが設置できなかったため、仮にバスを島内に乗り入れさせても坂出行きしか停車できず、乗り入れる2往復はマイクロバスでの運行みたいですから、島へ下りるランプは大型車が通れないのかもしれませんね。
ちなみに、岩黒漁港への乗り入れは下電バス撤退後に始まったことのようです。
岩黒島を出ると続いては与島です。
与島はパーキングエリアもあるため、瀬戸大橋を車で通ったことがある方なら名前くらい覚えているかもしれませんが、一般車が乗り入れられるのはパーキングエリアの範囲内だけで、パーキングエリアから出ることが出来るのはやはり島民や業務関係の車両に限られています。
パーキングエリア内にある与島パーキングエリアバス停に立ち寄ったと思ったら一旦一般道へ出て島内に7箇所あるバス停に細かく立ち寄っていきます。
与島はパーキングエリアを作れるくらい広い島ですから、住民もそれなりに多いんでしょうね。
ちなみに、下電バスが運行していた頃は塩浜の次の与島第二駐車場というバス停が終点で、それ以外の与島内のバス停は琴参バスのみが乗り入れていました。
その与島第二駐車場はバス停としては廃止になり代替停留所も特に設けられていないようですが、与島第二駐車場はバスの折返しの都合で設定されていたような節もありそうなので、必要ないという判断になったんでしょうか。
海沿いの絶景を見つつ浦城まで行ったらそこでUターンしてもと来た道を引き返して与島パーキングエリアに戻ります。
途中にはかなりの狭隘区間もあり、島民以外原則乗り入れできないため交通量が少ないことで何とかなっている感じですが、もっと交通量が多かったら誘導員を配置するとかしないと運行が難しいのではないかという箇所もありました。
与島を出ると四国上陸まで高速を降りることはなく坂出の市街地に出ます。
ただ、坂出周辺は変に遠回りすることもなく素直に駅を目指していました。
そういえば、下電バスの運行があった時代の琴参バス瀬戸大橋線は坂出駅から更に回生病院前まで乗り入れていた記憶がありますが、琴参バスが児島まで行くようになったのと引き換えに坂出駅が終点になったようです。
まあ、私の性格上、バスが回生病院前行きだったらそこまで乗らないと気が済まなかったでしょうし、折返しまでの間に昼食を食べる都合を考えれば駅止まりになってくれてよかったかもしれませんw
坂出駅に到着しました。
なお、琴参バスはICカード乗車券を導入していないため昔ながらの現金払いで運賃を支払いましたw
停まっていたのは屋島観光のバスでした。
なお、路線バスはやっていないようです。
琴参バスですがポンチョがいました。
流石に瀬戸大橋線には入らないんだと思いますが、高速道路を走るポンチョも見てみたいかもw
瀬戸大橋線の路線図です。
こうしてみると島を巡っていることが分かりやすいですね。
時刻表です。
1日5往復で、土日は最終便が運休になるため4往復になります。
また小型車で運行するのか中型車で運行するのかも書かれており、小型車で運行するバスだけが岩黒漁港に乗り入れるのも分かりやすいです。
駅前にイオンがあって買い物にも便利です。
私もここで飲み物などを調達しました。
自販機もありますが、スーパーなどで買った方が安いですからねw
気になったのがこの交差点名の案内標識ですが、「JR四国坂出駅前」と書いてあります。
別に間違いではありませんし、おかしいわけではないのですが、JRの駅の場合は単に駅名だけ表記するか、私鉄の駅と区別する必要があるような場合でも「JR」とだけ書いて、わざわざJR四国などと書くのは珍しい気がしました。
帰りもバスなので構内には入りませんがコンコースには行ってみるとしましょう。
きっぷ売り場です。
指定席券売機もあり、特急券などもここで買えます。
ただ、肝心の改札口は未だに昔ながらのラッチでしたw
ICOCAエリア内なのでICカード用の簡易改札機はありますけどね。
久米通賢という人物についての看板でした。
あの伊能忠敬よりも先に実測地図を作った人物であり、この看板にあるように塩田開発にも貢献し、私財を投じてまで工事を完遂したそうです。
また、日本初の国産マッチを発明するなどし、「讃岐のエジソン」ともとも呼ばれているようです。
以上、旅で学ぶ社会科でしたw
そして、お昼ごはんはもちろん讃岐うどんです。
ちょうど駅の中にうどん屋があって助かりました。
これは明太バター釜玉といううどんです。
それでは帰りのバスを待ちます。
もちろんこのポンチョは瀬戸大橋線ではありません。
ところで、気になったのが瀬戸大橋線で「小型」と表記されている便は何の車種を使うんでしょうね。
本当にポンチョだったらネタですがw
地域のコミュニティバス的な路線なんでしょうが、ハイエースコミューターでした。
小型便ってまさかこれ?w
私が乗る便は「中型」と書いてあったので普通のバスが来るだろうと思いましたが、往路と同じようなバスでした。
ただ、ナンバーが違うので別の車両のようですが・・・
横を撮ったら乗り込みます。
今度も車窓を動画で撮ろうかとも思いましたが、今回の遠征は長丁場であり、今後の活動でも車窓を撮る機会があるので、序盤から飛ばしすぎてSDカードの容量が足りなくなっても困るとここは撮らないことにしました。
瀬戸大橋からは瀬戸内海が見渡せるので船の征く姿もよく見えます。
列車だと下層になってトラスが邪魔になりますし、自分の運転では脇見運転になってしまうということで、車窓をじっくり楽しむならバスが一番かもしれませんね。
この景色を見ていると無意識に「瀬戸の花嫁」を脳内再生してしまいますw
このループ構造のランプで与島パーキングエリアへ降りていきます。
与島パーキングエリアです。
ここは一般車も普通に利用できるので、見たことがある方も多いでしょう。
この古びた建物は乗り物の廃車体などを転用している感じですが、バスにしては大きいし、鉄道が通ったことがない与島に列車の廃車体があるのも不自然だし、そう考えると船の一部分を転用したんですかね?
バス停のポールです。
ここでバスはUターンして与島パーキングエリアに引き返していきます。
与島パーキングエリアに戻ってきましたが、ここは上下集約型のパーキングエリアであるため両方向へ流入可能です。
なので、道を間違えると反対方向へ行ってしまうので要注意です。
逆に瀬戸大橋を渡りきらずに与島PAでUターンして引き返すことも可能ですが、ここにも中間の料金所があって与島に立ち寄ったことは分かるようになっているので通行料は与島経由で計算されます。
与島を経由したかどうかを確認するためのチェックゲートです。
ここは出入口ではないので通行料を徴収することはありませんが、ここで引き返した車を把握する意味で設置しているようです。
与島パーキングエリアから高速道の本線に戻ります。
今度はあのループを登っていくわけですね。
その後は岩黒島を経て櫃石島です。
こちらは櫃石島のゲートで、島民や業務車両などだけが持っている専用カードを入れないと開かない仕組みで一般車の誤進入を防いでいます。
本州上陸してすぐにある鷲羽山北バス停で1人降りていったんですが、出で立ちが高速バスに乗り継ぐ人には見えず、降りるやいなやバス停を出てどこかへ歩いていったので地元の方だったようです。
鷲羽山北を日常的に使っている人もいるんですね。
それにしても、坂出北ICからは普通車でも3600円もするんですね。
ただし、これは現金車の料金で、ETCだと平日1700円・休日1650円になるそうです。
バスの通行料がどれくらいなのかは分かりませんが、途中のインターで出たり入ったりしているので1回の運行でどれくらいの通行料を払うんでしょうか。
流石に島民のための足ですし、何かしらの減免措置があったりするのかもしれませんが、通行料というコストもかかっている割には運賃は全区間乗っても750円なので安いですよね。
インターチェンジの案内標識ですが、情報量がすごいw
下津井電鉄の由来である下津井の名前もあります。
後ろからも撮ったらあまり時間がないのでさっさと乗り換えます。
このあとは一旦岡山へ行ってから「南風」で高知へ向かいますが、流石に時間が足りないのでバスで岡山へ行くことは叶わず、普通にJRで岡山へ行きます。
一旦岡山へ
続いてはJR瀬戸大橋線で岡山へ向かいます。
この後乗る「南風」も児島に停まるので別に児島から乗ってもいいのですが、全区間乗車したいという理由で一旦岡山へ行きます。
今回はフリーきっぷでもなんでもないのでその都度運賃が発生するわけで鉄道マニア以外にはまったくもって理解不能な行動だと思いますw
児島と言えばジーンズが有名ですが、駅でも大々的にPRしていますw
待っていたのは115系でした。
瀬戸大橋線は特急や快速「マリンライナー」などがひっきりなしに走っていますが、案外途中駅での待避はほとんどなく、普通列車が先発する時間帯なら岡山まで行く場合も普通列車が先着列車になるので、普通列車を乗り通す人も珍しくないんですが、児島から乗る人はそれほど多くないようで空いていました。
なので、私もこの列車で行きます。
115系に乗れるのは今や貴重ですしね。
↑発車は動画で
キハ187系「スーパーいなば」もいました。
まだ時間があったのでその乗り場へ行って撮影しました。
特急形にしては珍しく四角い車体が特徴的ですね。
↑発車シーンです。
↑381系の回送も発車です。
これも今や「やくも」だけでしか走っていない貴重な車両になりましたね。
↑115系の入線
↑今度は発車
なんか、岡山にいると115系が貴重じゃないように感じてくるw
これくらいで一旦改札を出てから、次の長時間乗車に備えて飲み物と軽食を調達したら「南風」の旅が始まります。
特急「南風」&「あしずり」で宿毛へ
続いては特急「南風」で高知へ、更に乗り継いで特急「あしずり」で宿毛まで行きます。
昨日も同じ列車ではないですが「南風」には乗っているので岡山での撮影はこれだけw
↑車窓です。岡山~高知で2時間半程度ありますので、モバイル回線などの方はデータ容量にご注意の上ご覧下さい。
さて、ここで「南風」について解説しておきましょう。
「南風」は瀬戸大橋開通前の1972年に宇高連絡船に接続する列車として高松~中村間で運行開始した特急で「しおかぜ」と並んで四国初の特急列車でした。
瀬戸大橋が開通すると運行経路を岡山~中村に変更し、高松発着の系統は「しまんと」に改称されました。
1997年には宿毛駅まで乗り入れる列車も設定されるようになりましたが、2021年春改正で「南風」の全列車が岡山~高知間の運行となり、中村・宿毛方面への直通はなくなりました。
この改正直前まであった岡山~宿毛間の列車は全区間乗ると4時間半ほどかかり、その走行距離318kmは在来線特急としては当時全国9位であり、JR四国の特急としては最長だったようです。
残念ながらこの四国最長列車はもう体験できませんが、今回は高知で乗り換える形にはなりますがこれと同じルートを移動します。
といったところで乗車レポートに進みましょう。
岡山を発車すると児島までノンストップで走り、そこから目玉の1つの瀬戸大橋を渡って宇多津へ至ります。
宇多津では一部列車が高松からの特急「しまんと」と分割併合を行います。
「南風」が1日に14往復あるのに対して、「しまんと」は高知止まりが4往復しかないので、分割併合をしない時間帯のほうが多いくらいで、私が乗った列車は分割併合をしない列車でしたが、そういう列車では高松から快速「サンポート南風リレー」を運行し、宇多津で接続するダイヤが組まれており、高松からの利用者にも配慮しています。
丸亀・多度津と進んだら予讃線から土讃線に入り、海沿いを離れて山へ向かうようになります。
善通寺、琴平とこまめに停まっていきますが、このあたりで降りる人も多かったです。
普通列車だと「マリンライナー」で坂出に出て乗り換えるしかないので短距離でも特急を使う人が一定数いるんでしょうね。
ちなみに、以前は岡山~琴平間や岡山~観音寺間を走る普通列車も設定されていたんですが、数年前の改正で消滅しました。
琴平を出ると人口も少ない閑散区間になり、普通列車も少ない18キッパー泣かせの区間が始まります。
車窓も山がちなものに変化していくあたりであり、その間に県境を超えて徳島県池田町に入ります。
佃駅で徳島線と合流したら阿波池田駅です。
名勝の大歩危は車窓からも案内されますが、鉄道からだと落石覆いが連続するためあまりよく見えません。
むしろ昨日乗ったバスからの方がよく見えたかもしれませんね。
山を抜けると高知県最初の停車駅の土佐山田です。
龍河洞やアンパンマンミュージアムなどへの玄関口であり、観光利用が多い駅でしょうが、私が乗った時間は夕方で観光へ出かけるには遅い時間帯だったため観光客はいませんでした。
珍名駅として知られる後免駅では土佐くろしお鉄道ごめんなはり線と接続し、いよいよ終点の高知です。
てっきり「あしずり」は既に隣に入線して待っているかと思ったらこれから入線するようです。
↑「あしずり」がやってきました。
てっきり「あしずり」は2000系だと思っていたんですが、2700系も入るんですね。
どうせ同じ車両なら直通してくれればいいのにw
宿毛行きですが、この宿毛行きがレアなんですよね。
詳しくは後述します。
「あしずり」はほとんどの列車が2両編成であり、指定席は半室のみという扱いなので同じ車両に指定席と自由席が混在する場合があり、このような案内がされていました。
更に、指定席の座席は分かりやすいように座席カバーにも指定席と書かれています。
それでは発車です。
そろそろ夕方で、宿毛に着くまでには確実に日没になるので今回は動画は撮りません。
ここで「あしずり」についての解説です。
「あしずり」は高知~中村・宿毛間を結ぶ特急列車で、元々は特急「南風」に対して急行「あしずり」として共存していました。
その後は高知に置いてある車両を中村へ送り込むための列車という意味合いで下りのみ片道1本だけ設定されるなど、マイナーな扱いが長く続きましたが、2011年春改正より上り列車が設定されるようになったのを皮切りに、「南風」「しまんと」の高知以南を系統分断する形で「あしずり」は増発されることとなり、2021年春改正より「南風」の高知以南への乗り入れが無くなったこともあって、今や「あしずり」は高知以南の主力列車となりました。
中村止まりの列車では115.1km、宿毛まで行く列車でも138.7kmの運行距離となり、そこそこの距離を走る列車ですが、高知県内で完結する運行となっており、高知県の大きさを実感しますね。
また、基本の運行区間は高知~中村間であり、宿毛まで行く列車は「あしずり」に限れば1往復しかありません。
残りは「しまんと」の宿毛始発が1本あるだけなので、中村~宿毛間の特急は1.5往復しかないことになります。
昔はもっと宿毛へ乗り入れる特急が多かったと記憶していますが、やはり宿毛駅に特急列車が突っ込む事故があってから乗り入れが大幅に減ってしまったんでしょうか。
意外だったのが高校生も結構乗っていたことで、通学にも利用されているみたいですね。
土讃線も本数がそれほどないですし、都市から離れると高校が少なくて長距離通学をするケースも多いということでしょうか。
このように通学需要にも応えるためか「あしずり」の停車駅は多めに設定されていて、旭・朝倉・伊野・佐川・多ノ郷・須崎・土佐久礼・窪川・土佐佐賀・土佐入野・中村・平田・宿毛と停車していきます。
特に高知付近は1駅おきに停まるというくらい停車駅が多いんですよね。
さて、列車はいつしか土佐くろしお鉄道に入って中村に到着しました。
中村はほとんどの特急の終点となる駅で、四万十市の中心駅でして、ここで降りる人が多かったです。
また、特急「あしずり」の由来である足摺岬へのバスも中村駅から出ます。
そして、ここから先が特急が1.5往復しかない区間に入るわけですが、驚いたのは走行中にきっぷの回収と車内の清掃を始めたことです。
実は動物との接触のため急停車して少し遅延していたこともあって特例的な運用だったのかもしれませんが、中村から先まで乗車する人が少ないことを物語ることでもありますねw
平田に停車したら次は終点宿毛です。
前述の通り、宿毛駅では2005年に特急列車が駅に突っ込む事故が発生しており、その関係なのか宿毛駅にはかなり速度を落として進入していたように思いました、
宿毛に着いたらあとはホテルへ向かうだけなのでここでしばらく撮影していきます。
宿毛駅に特急型車両がいる事自体珍しい光景になりますからね。
駅名標です。
宿毛と書いて「すくも」と読むのも難読だと思いますが、鉄道ファンなら特急の行先だし読める人が多そうですねw
この駅はホームがそのまま行き止まりになっていて、例の事故の時はホームを突き抜けて車両が駅舎にめり込んだそうです。
ここから撮るといい感じですね。
この2700系は折返し「しまんと」として運行するのでその発車を見届けます。
ちなみにこの「しまんと」は現在では唯一高知駅を跨いで運行する特急列車となっており、宿毛駅や中村駅から高松方面まで直通出来る唯一の列車となっています。
↑発車シーンです。
ホームからはベスト電器が見えました。
福岡生まれの私としては懐かしいお店ですw
高知にもあるんですね。
改札は昔ながらのスタイルです。
先程列車内できっぷを回収されているのでもうきっぷは持っておらず、改札も無人だったのでそのまま素通りします。
本当はきっぷを持って帰りたかったですが、車内で回収だと下さいとも言いづらくて諦めましたw
宿毛からは大分県の佐伯までフェリーがあったらしいですが、2018年に休止され、運行会社だった宿毛フェリーは運行再開を断念すると発表しており、現在宿毛市が新たな運行会社を探しているらしいですが、運行開始の目処は立っていないようです。
お昼に坂出でうどんを頂いて以来食事にありつけていなかったので、宿毛で夕飯を食べることにしていたのですが、これまた懐かしいジョイフルがあったのでここで頂くことにしました。
宿毛は地理的には九州にも近いですから、九州のチェーンも進出しているんですかね。
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