今回は鉄道総研の施設公開イベント「平兵衛まつり」に参加しましたのでそのレポートとなります。
通常の鉄道会社の車両基地公開イベントとは違った内容盛りだくさんですので、ぜひご覧下さい。
鉄道総研へ
鉄道総合技術研究所、通称鉄道総研へ向かいます。このイベントは地域のイベントという色が濃く、あまり大々的な告知がされないため、ご存じなかったという方もいらっしゃるかと思います。実は私も友人に教えてもらうまでこのイベントのことは知りませんでしたw
最寄り駅は中央線の国立となりますが、往路は友人も一緒だったこともあり駅の方は後回しで、まず会場に向かうことにします。この手のイベントだとよくあることですが、イベント会場へ続く人の流れができていたのでそれに沿って進むことにしましたw
バス停の名前も「鉄道総研」でした。
ちなみに、この地域の路線バスは立川バスが運行しています。
あと、このあたりの住所は「光町」と言いますが、実はこれ、新幹線の「ひかり」号が由来なんです。
元々の住所は平兵衛新田と言って、それがこのイベントの名前の由来だったりしますが、国分寺市が町名整理をするときに、鉄道総研から生まれた新幹線に因んで「光町」に変更になりました。
ありました、平兵衛まつりのポスターです。
私はてっきり、「平兵衛」って創設者の名前かなと思っていましたが、地名なんですよね。
敷地の前には0系新幹線(ではなくて951形という試験車両だそうです)が鎮座
やっぱり新幹線は鉄道総研の華なんですね。
いよいよ入場門が見えてきました。鉄道技術の聖地、鉄道総研の敷地にいよいよ入ります。
いよいよ中へ
さて、まず出迎えてくれるのは・・・?
予備なのか別の機関車も待機していました。レールにすら載せてもらえていませんがw
↑動画でもどうぞ
そして、リニアモーターカー
ML100という形式らしいです。
こちらはMLX01-3というタイプです。
山梨実験線での試験に向けて製造されたものでリニア鉄道館にも同種の車両が展示されています。
室内ではコンサートなども行われていましたが、その横でリニアの模型も展示されていました。
試験線へ
鉄道総研には試験車両を走らせるための試験線があります。そちらの方へ向かうことにします。
そこで車両展示もあっているようです。
踏切も通常とは違うらしく、いよいよと注意事項が書かれていました。
これはまた変わった分岐器ですね。交差側は乗越分岐器になっているようです。
奥の方にはATLASという新幹線の高速試験車がいました。既に使われておらずボロボロで放置されているようですが・・・
すごく・・・223系ですw
それもそのはずで、こちらは燃料電池電車の試験用に、「223系をベース」にして製造されたR291形という形式の車両です。
普通に形式名だけで「R291」と検索すると国道291号についてのページが多数ヒットしてしまうんですよねw
ちなみに、国道291号は群馬県前橋市と新潟県柏崎市を結ぶ国道で、上越国境は上越線と同じ清水峠ルートで越えますが、その峠越え区間は明治時代に一度開通したものの現在は事実上の廃道状態(ただし、未だに当該区間も国道指定されたまま)で、群馬側と新潟側でそれぞれ分断されている国道だそうですよ。
正式に廃止されていないのに事実上廃止に近いというのは、鉄道で言えば西武安比奈線みたいな感じですね。
そして、お隣にはキハ30形もいました。
キハ30形自体は今でこそ壊滅状態ですが、かつてはあちこちのローカル線で見られたごくありふれた車両なのですが、それがなんで鉄道総研にいるのかというと、動力伝達方式の検討に使われたそうです。
その隣では軌道自転車の体験乗車のブースがありました。
結構並んでいたので乗車こそ断念しましたが、写真のような方向転換シーンが面白かったので撮っていましたw
実はこの木の板は簡易のターンテーブルなんですw
動画のほうが分かりやすいでしょうから、動画でどうぞ
↑軌道自転車の方向転換シーン
建物内
建物内でも様々な展示があっていました。
例えばこれ
見た目は完全に205系ですがFCT01という燃料電池電車の模型だそうです。
面白いのが下に鏡を設置していて床下まで見ることができる事ですね。
通常の鉄道イベントでは床下を見せる展示なんてまずありませんが、技術系がメインの鉄道総研ならではですね。
↑こちらは地震発生時に本震が来る前に列車を止めるユレダスというシステムの作動原理を紹介する模型です。
赤い光が地震の揺れを示していて、模型の列車が本震到達前に止まる様子が再現されています。
原理としては気象庁の緊急地震速報と同じですが、ユレダスの方が先に実用化されています。
新幹線に関するブースもあり、こちらは0系開発時の木製モックアップのようです。
こちらは超電導体を使った磁気浮上の実演で、子供を乗せて1周走ります。
この他、鉄道模型やプラレールのブース、子供向けの工作体験などもありましたが、混み合っていて写真が撮れていなかったり、大人が入るには憚られるような雰囲気もあったのでレポートは省略しますw
いよいよ実験棟
鉄道総研の目玉といえば、やっぱり技術的な実演ですよね。
他の鉄道イベントでお馴染みのクレーン実演やトラバーサ乗車体験、台車実演などはありませんが、鉄道総研ならではの見応えある実演がたくさんありました。が・・・
鉄道総研は鉄道技術の最先端を行く組織だけに、実験棟は実演そのものも含めて基本的に撮影禁止・・・
知的財産の漏洩が問題になっていますし、鉄道総研という組織の性質を考えれば致し方ないのかなという気もしますが、ブログでのレポートにおいては大問題・・・
プロのライターでもなんでもない私に文章だけで状況を伝えろというのは酷な話ですしねw
というわけで、秘密兵器「下手っぴペイント製イラスト」ですw
こちらはパンタグラフの試験をする設備で、円盤状の部分が回転し、淵に付いている鉄製の部分がパンタグラフの摺り板と摺ることで実際の走行中の条件を模擬して、集電性能や追従性などを試験する設備だそうです。
実際に電気を流したり、上下左右に揺らしたりすることができ、アーク放電を発生させるシーンもありました。
それから、ブレーキシューの圧力を体験するイベントということで、鉄製のリングをブレーキシューの間に挟み込んで、リングを潰すという体験もありました。
こちらは内容的に文章だけでも伝わりそうなのと、逆にイラストにするのが難しかったので皆さんの想像力に任せますw
こちらは溶接したレールに圧力をかけて何トンまで耐えられるかを試験する実演です。
この耐えられる重量が軸重になるわけで、運行可能な列車の軸重を決める重要な試験になるようです。
ちなみに、適宜かかっている圧力が「60トン!」「70トン!」とアナウンスされるのですが、限界に達してレールが破断する瞬間はとても大きな音がして、まるで膨らませ続ける風船のそばにいるような気分でしたw
撮影禁止とは書いてありましたが、録音禁止とは書いていなかったので破断する直後までの模様を音声でお届けします。
レコーダーには音量のリミッターがあるので実際の音量よりはいくらか緩和されていると思いますが、それでもかなりの音量だと思いますから、再生する際はスピーカーやPCの音量には十分ご注意下さい。
タイミングが合わず見られなかった溶接実演ですが、これはモールドというものだそうです。
溶接とかは予備知識が全くないので解説できません・・・悪しからず。
展示車両ではないんでしょうが、歩いている途中で見えたワイドカーです。
この他、風洞試験設備の中に入って風を体感したりするブースがあったり、様々な出店が出ていたりと色々楽しめましたが、レポートのネタになりそうなものはこれくらいでした。
この後は国立駅から中央線に乗って帰路につきますが、国立駅は初訪問だったので少し撮影しました。
最後に国立駅のレポートにお付き合い下さいw
国立駅
国分寺と立川の合成駅名、国立駅です。
特快は通過してしまう駅ですが、流石に都内ということなのか結構栄えていますね。
旧駅舎を保存している上、現在の駅前に移築する構想があるようです。
チラッと聞いたことはあったのですが、よく調べてみると高架化工事で撤去せざるを得なくなった旧駅舎を保存することの是非が問題となり、紆余曲折を経て後に復元可能な状態で解体し、新駅舎完成後に再び元の場所に復元するという構想もあるそうですよ。
内部もじっくり見たいところですが、あまり時間もないのでとりあえず駅名標だけ撮ったら電車に乗り込みます。
普通にE233系でしたので写真も省略ですw
ちなみに、この後池袋で思わぬネタに遭遇しまして、そちらもレポートにしています。よろしければご覧下さい。
追記:原因は不明ながら記事の一部が欠損していましたので書き直す形で復旧させています。公開直後にもご覧頂いている方は一部文章が変わっているかもしれませんが、そのせいですのでご了承下さい。
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