西武バス小手03系統に乗車!

今回は西武バスが運行する小手03系統に乗車してきました。
この活動とは別の活動の前半戦として実施したものでしたが、活動の趣旨が大きく異なるため、小手03系統は単独でレポートしたいと思います。

小手03とは

まずはこの記事の主題となる小手03系統について解説してから本題に入っていきたいと思います。
この小手03系統は箱根ヶ崎駅と小手指駅南口を結ぶ西武バスの路線であり、東京都西多摩郡瑞穂町と埼玉県所沢市を結ぶ路線であり、距離としては13kmほどですが、都県境を跨ぐ路線ともなっています。
しかし、運行本数はなんとに1本、そう1日どころか週に1本しか走っていないんです。
それも片道1本だけという極限的な本数であり、バス趣味界隈ではこういう路線を「免許維持路線」と呼び習わしたりしますが、この小手03もその1つです。
運行は土曜日のみとなっており、箱根ヶ崎駅から小手指駅へ向かう1本のみが設定されています。
そんな小手03ですが、2025年3月末をもって廃止されることが発表されており、今回乗車しに出かけたわけです。

この小手03は以前は所13として運行されており、それを若干アレンジしたのが現在の小手03になるようですが、2009年頃から箱根ヶ崎~小手指直通の便は減少傾向にあり、ついには免許維持路線となってしまいました。
所沢市内の区間便に当たる系統は存続するので、瑞穂町側が廃止というのが正確なところですが、小手03の廃止で廃止されるバス停も少なからずあるので元々免許維持路線だったとはいえ地域の影響はなくもないと思います。

今回は箱根ヶ崎駅から小手指駅まで片道乗車としますが、そもそも片道しか運行されていないのでこれは必然ですけどねw

箱根ヶ崎駅

まずは小手03の起点となる箱根ヶ崎駅にやってきました。
本筋とは関係ないですが、ちゃんと見学するのは初めての駅となりますから、ついでに駅もご紹介したいと思います。
なお、駅とかいいから早く小手03の乗車記を!という方はスキップしても構いません。


というわけでJR八高線に乗って箱根ヶ崎駅に降り立ちました。


↑発車シーンです。
209系も今や希少車種になりつつありますね。


駅名標です。
江戸時代のこの付近には「箱根ヶ崎宿」という宿場があったそうで、由緒正しい地名のようです。
日光街道と青梅街道の交差地点であったことから交通の要衝として古くから栄えていたんだとか。
現在でも国道16号と青梅街道の交点ですから、道路においては交通の要衝という点は変わっていませんね。

鉄道においては今のところ八高線のみが乗り入れており、東京都内最後の駅となることもあって、朝夕を中心に当駅で八王子方面へ折り返す列車が設定されていたり、かつて存在した中央線から直通の快速電車高麗川まで行くものの他、当駅で折り返すものも存在していました。

また、将来的には多摩都市モノレールが当駅まで延伸されることが決まっており、具体的な開業時期は2025年現在では示されていませんが、いずれは多摩都市モノレールとの乗換駅となる予定です。

あと、個人的には神奈川県の観光地として著名な箱根という字が入るので、神奈川県の箱根だと勘違いして訪れる観光客がいるんじゃないかと思ったりしますw
滋賀県の草津駅が草津温泉と間違えて訪れる人がたまにいるという話もありますし、ない話でもない気がしますが、草津駅は列車の行先として見かける機会が多く、大阪や京都などの主要駅でも見られるのに対して、当駅は行先とする列車は本数が少ないですし、今は東京都心部の東京駅や新宿駅から当駅行きの列車は設定されなくなったので、間違う可能性は低くなったでしょうか。


縦型


ホームは島式1面2線であり、シンプルな構造です。


その割には構内が広いですが、これは将来的に2面4線に拡張できるようにしているようです。
もしかしたら多摩都市モノレールの乗り入れと同時に駅の拡張が実施されるかもしれませんね。

現状の八高線は日中では30分おきの運行となっていて、東京都内であることを考えると少ないですから、多摩都市モノレールが乗り入れればもっと多い本数であることは間違いないですし、そうなれば箱根ヶ崎駅から東京都心部へのルートが現在の八高線・青梅線・中央線から、多摩都市モノレール・中央線に転移する可能性が高いですし、対抗策として八王子~箱根ヶ崎間で増発という可能性はありますからね。


乗り場案内です。
八高線と川越線が併記されていますが、八高線は川越線と一体化した運行形態となっており、ほとんどの列車が高麗川から川越線に直通して川越まで運行しています。
一方で、本来の八高線の行先である高崎方面へは高麗川以北が非電化であることもあって、現在は直通列車はなく、高麗川での乗り換えが必須です。


橋上駅舎となっており、駅舎へは階段でアクセスします。


コンコースに上がってきました。


コンコースはなかなか広いですね。


地元の名産などを展示するブースがありました。
なんとなくこういうのがある駅は田舎の駅というイメージがありますが、おかげで東京都内だということを忘れてしまいそうですw


改札口です。
さすがに自動改札機はありますが、窓口はシャッターが降りていました。
当駅は業務委託駅となっており、無人駅ではないようですが、駅員不在となる時間帯があるようです。


改札を出ました。


きっぷ売り場です。
みどりの窓口は閉鎖されているため、代替として指定席券売機が設置されています。


あと、脇には乗車駅証明書発行機がありました。
券売機があるならばいらない気もしますが、どうやら駅員不在の時間帯は券売機の稼働が停止されるそうで、その時間帯にICカード以外で当駅から乗車する場合は乗車駅証明書を受け取り、着駅か乗車した列車の車内で精算するという運用になっているようです。
首都圏ではSuicaの普及率がかなり高いですからこのような運用でも成り立つのでしょう。


改札前は自由通路となっており、東西両方の出口へ出られます。


まずは西口です。
小さめながら駅前ロータリーが整備されており、路線バスも乗り入れています。


駅舎です。
2004年に完成した駅舎であり、今風のデザインの駅舎でした。


駅名はここに書いてありました。


瑞穂町の案内板がありました。
あと、小さくですが昔の箱根ヶ崎駅についても紹介されていますね。
当駅の開業は1931年と戦前のことであり、現在の駅舎になる前は木造駅舎だったそうです。


駅前広場の中心には謎のオブジェがあるのは駅前あるあるですね。


西口側は立川バスのみが乗り入れていて、東口に比べると路線数も少ないです。
なお、写真はコミュニティバスのようです。

それでは今度は東口に向かいます。


東口にやってきました。
橋上駅舎あるあるですが、両側で似たようなデザインになっていますね。


駅名はこんな感じで書いてあります。


こちら側にはこんな看板がありました。
宿場町の頃の馬の水飲み場を再現したオブジェがあるようです。


これがそのオブジェのようです。
馬が頭部だけなのはスペースの都合でしょうかw


駅前のマンホールはご当地マンホールでした。

といったところで駅のご紹介は以上として、いよいよ本題である小手03の乗車記へと移っていきます。

小手03系統乗車レポート

スキップした方もそうでない方もお待たせしました。
いよいよ本題となる小手03系統の乗車レポートです。


小手03はこちらから発車です。
小手03の他、入間市方面の路線も西武バスが運行しているので、小手03廃止後も当駅から西武バスが撤退するわけではないですが、入間市方面も小手03ほどではないにせよ、1日4本と決して多いとはいいかねる本数です。

また、既に乗り場にはバスファンと思われる人たちが数名待っており、廃止の情報を受けて乗りに来た人たちのようです。
それも週に1回しか走らないのだから集中するんでしょうね。


バス停の路線図です。
入間市方面がメインという扱いなのか、小手03はかなり細い線で、文字も小さいですが、免許維持路線となってからも長いみたいですし、仕方ないですかね。


廃止のお知らせも掲示されていました。
土曜日に片道1本だけという本数で、まともに普段遣いしていた人がいたのか甚だ疑問ですが、それでも廃止という重要なお知らせは掲示しないわけには行かないでしょうね。


時刻表です。
入間市方面の入市44・54は1日4本とはいえ毎日運行されるのに対し、小手03はこのように土曜日に1本だけです。


いよいよ西武バスがやってきました!
写真は幕が出たあとで撮りましたが、回送で到着しました。
やはりまわりにいた人は皆さん小手03目当てのバスファンであるようで、一斉にカメラを構えてちょっとした撮影会となっていました。


着停したところでもう1枚


側面の幕を撮ったら乗車です。

既にバス停に先客もいらしたので、マニア席は無理かと思ったら意外と空いていたので座らせてもらいました。


↑というわけで前面展望をどうぞ!

発車時刻となりバスは箱根ヶ崎駅を発車していきます。


箱根ヶ崎駅を出ると細かく右左折しつつ日光街道に出ます。
2車線道路という、現代の道路としての最低限のスペックは備えた道ですが、路線バスには手狭な道ですね。
このあたりは昔ながらの街道をそのまま拡張して使っているのかもしれません。


こんな狭い箇所もありました。


ちょっとした丘を越えていきます。
ここが都県境かと思ったのですが、ここではなく、この先も引き続き東京都西多摩郡瑞穂町です。


都道166号に右折していきます。
ここから先が小手03の単独区間となり、小手03廃止後は路線バス空白区間となるわけでもあります。


更に右折して高根通りに入っていきます。
空が白飛びしてしまっていますね・・・


住宅地を行く平凡な2車線道路を進みます。
案外このあたりでもたまに乗り降りがあったんですが、帰りは徒歩orタクシーでもいいからという利用者なのか、無くなるなら1度くらい乗っておこうという地元住民のさよなら乗車だったのか・・・


狭い道へ左折すると太子堂入口というバス停です。
実はこのあたりから埼玉県入間市に入っています。
あまりに平凡な場所で都県境なんですよねw


右折して都道・埼玉県道179号に入ります。
この付近に「宮寺西」というバス停があり、小手指駅への路線が割と普通に走る区間が始まります。


所沢市に入ります。


JA三ヶ島支店というバス停の先でバスは県道179号を逸れて県道223号に入っていきます。
実は他の路線はそのまま県道223号を直進し、国道463号を経て小手指駅へ向かうので、また小手03の単独区間となります。

ちなみに、これから向かう狭山ヶ丘駅は一時期「三ケ島村」という名称だった時期があるそうで、その由来はこの三ヶ島なんでしょうね。


この県道223号は路線名を「狭山ヶ丘停車場線」といい、県道179号と狭山ヶ丘駅を結ぶ県道となっています。


西狭山ヶ丘1丁目交差点で国道463号と交差します。


狭山ヶ丘駅に到着です。
ここは降車場所と乗車場所が別れており、2回客扱いすることになります。
ここで降りる人も結構いましたが、狭山ヶ丘駅に乗り入れる西武バスの路線はこの小手03のみであり、他は所沢市のコミュニティバス「ところバス」が乗り入れているだけであり、小手03の廃止で狭山ヶ丘駅からは西武バスが撤退する形になります。
もっとも、「ところバス」も西武バスが運行を受託しているので、そういう意味では西武バスのバスが乗り入れるという状況は続きますけどね。

ところで、ここで降りた人たちって帰りは小手指駅から別のバスに乗るんですかね。
調べたところ「ところバス」の中には小手03の代替として使えそうな路線はないみたいです。


駅に立ち寄って来た道を戻ると見せかけて、狭山湖通りに入っていきます。
相変わらずの狭い2車線道路であり、所沢グリーンヒルというバス停を過ぎると狭い道へ左折していきます。
この先に西埼玉中央病院という大きな病院があり、通院需要に応えるために立ち寄る設定になっているようです。
なお、小手指駅と西埼玉中央病院の間の路線も別に存在しており、そちらは今後も運行されるので、西埼玉中央病院へのアクセスは維持されます。


ただでさえ狭いのに道路工事で半分の道幅になっており、もはやイライラ棒レベルの狭さでした。
それでも臆することなく、ゆっくり、でも確実にバスを進める姿は、流石はプロドライバーだなと思いましたね。


ようやく工事区間が終わり、西埼玉中央病院が見えてきたと思ったら重機が行く手を阻む場面も・・・
工事現場の作業員たちもバスが通れないことにすぐに気づき、重機を移動させてくれたため事なきを得ましたが、小手03は本数が少ないので存在を忘れられていたなんてことはないでしょうね?w


病院の前でUターンしてまたさっきのイライラ棒区間に差し掛かります。
どうせここでの乗り降りがないなら、いっそこの区間を省略して小手指駅へ直行したくなる場面ですが、それが許されないのが路線バスの宿命です。


さっきの逆向きというだけですが、本当にバス1台分の幅しかありませんね。


イライラ棒区間を終えたら国道463号に出て、ようやく広々とした道路を快走できます。


小手指ヶ原交差点を左折して小手指駅へ向かいます。


終点の小手指駅に到着!


↑最後の引き上げは動画で撮りました。

といったところで小手03の乗車レポートは以上です。
ですが、小手指駅もちゃんと見るのは初めてなので、軽く駅をご紹介してからレポートを〆たいと思います。

小手指駅

というわけで、記事のシメは小手指駅のご紹介です。
といっても、このあと別の活動を控えており、乗り換えを待つ間のわずかな時間での撮影だったので、駆け足でのご紹介となりますw


というわけで駅前です。
橋上駅舎であり、駅前にあるのは出入口部分のみです。


駅名の看板


駅舎内の自由通路です。


北口側にやってきました。


ペデストリアンデッキから駅周辺を望みます。
当駅は車両基地があることもあって、始発・終着列車が多く、利便性が高いこともあってマンションも多く建てられているようです。
バスについても狭山ヶ丘駅からは西武バスが撤退する形になるのに対して、当駅は多くの路線が集まっていることを考えると、どうせバスで西武線の駅に出るならば始発が多く本数も増える小手指駅がいいという利用者が多くて、小手指駅に路線が集まっているのかもしれませんね。


改札を入ります。


コンコースには高橋美葉さんなる方のお写真が存在感を放っていました。
この方はフィギュアスケーターだそうで、西武鉄道がこの方も出演するプリンスアイスワールドというイベントとコラボしており、駅ごとに推しのスケーターをピックアップする施策をやっているみたいです。


発車標です。
快速急行「Fライナー」もごく一部を除いて当駅始発で運行されており、東京都心部でも小手指を見る機会が多くなる原因の1つですね。


駅名標です。


縦型


ホームは島式2面4線で、折り返しや待避にも対応しています。


最後に6000系を撮ったらこれにてこの記事は〆たいと思います。

が、実はこのまま別の活動に向かいましたので、次はその活動のレポートでお会いしましょう。

つづく

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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