今回は金沢周辺で乗り鉄&乗りバス旅です。
え?似たようなタイトルの記事を最近見たって?気のせいですw
時系列としては、WILLER EXPRESSのバスで富山入りした直後となります。
一応泊りがけの遠征ではありますが、今回はちょっと特殊なので個別の活動とみなして記事を執筆しており、いつものように1日目・2日目というナンバリングはしていません。
実を言うと、今回北陸へ行くことになったのは知人との合同旅行のためであり、この旅行自体は観光旅行という色が濃く、当ブログでレポートするにはそぐわないので取り上げないつもりですが、そのついでに前日から現地入りして乗り鉄・乗りバスも楽しもうという感じでした。
なので、細かい行程は事前に決めておらず、行きあたりばったりでの行動だったこともあり、タイトルだけでなく、行きあたりばったりという部分でも熊本の時と似ていることになります。
今回の行程
今回は冒頭に書いたとおりほとんど行きあたりばったりだったのですが、とりあえず決めていたのは、あいの風とやま鉄道が運行する「あいの風ライナー」に乗るということであり、これは朝と夕方にしか走らず、朝に金沢へ向かった後、折返し便が発車する夕方まで暇なので金沢市周辺で乗りバスして時間を潰そうというわけでした。
なので、乗りバスについては内容は読み進めながら把握して頂く方式としておきますw
半年ぶりの富山駅で新発見
ウィラーの夜行バスを降りて富山駅前に降り立ったところからレポート開始となります。
富山駅には半年前にも訪れていますが、意外にも半年の間に大きな変化がありましたので改めてレポートしたいと思います。
以前訪れたときには普通に駅前広場の一角だったはずの場所にはショベルカーが鎮座して大々的に工事中でした。
というか、このショベルカーが乗っている場所って・・・もしやホーム?
考えてみれば、以前に富山ライトレールに乗ったときは、確かこの位置に乗り場があったはず・・・
もう答えは出かかっている気もしますが、この光景がもう決定打ですね。
そう、実は富山ライトレールは富山駅高架化に合わせて高架下の空間に駅を移転させることとなっており、そのために一旦かつての乗り場を撤去して、富山駅高架下に乗り入れるべく線路を伸ばしている最中だったのです。
このコンクリート製の物体は道床ってやつでしょうけど、どことなくプラレールのレールを彷彿とさせるフォルムであり、実物大プラレールだなんて話題になったりもしたらしいですね。
確か、かつては地平ホームが残っていた場所のはずですが、跡形もなく撤去されて今は工事用の敷鉄板が並んでいるだけです。
ここもいずれ立派な駅前広場に生まれ変わるのでしょうね。
こちらは現在の北口駅前ロータリーです。
ここもどう変化するか楽しみですね。
あちらに見えるのが新駅完成までの仮駅で営業中の富山ライトレール富山駅北駅です。
これはこれでレアな光景なのでしっかり取材しておきましょう。
仮駅から富山駅の方を見てみます。
元々の駅まで続くレールはそのまま残っているみたいであり、新駅完成後もそのまま再使用するんですかね。
一方、仮駅側です。
元々単線区間の途中に設置している関係上、1面1線とシンプルな構造ですが、仮駅なら仕方ないですね。
歩道側から
左側が乗車ホーム、右側が降車ホームと、乗車・降車ホームを分離しているようです。
いくら仮駅でも車止めはこんなのでいいの?w
ちなみに、この車止めのすぐ先は降車ホームから歩道へ抜ける通路だったりします。
考えてみれば、降車ホームですから、列車が停車してドアが開いたときに始めて利用者が発生する通路ということを考えれば、ここを通行中に列車が突っ込んでくる可能性はないということになるんでしょうか。
どうしても構内踏切にしか見えない通路ですねw
でも、その直後で架線が終わっているので終端部だと分かります。
こちら、駅前にあったプレハブ小屋ですが、どうやらこれが暫定的な富山ライトレールの「ポートラムショップ」らしいです。
あそこで各種乗車券を発売したり、ICカードのチャージが出来たり、グッズが売っていたりするようですが、早朝すぎてまだ開いていなかったので入りませんでした。
こちら、富山地方鉄道の路面電車乗り場前の通路ですが、どうも踏切みたいな雰囲気・・・
こちらが富山地方鉄道の路面電車乗り場ですが、このように通路手前で線路は終わっていますから、あの踏切のような見た目の理由ではなさそうです。
ちょうど通路の切れ目みたいになっている部分に合う位置にレールが延びていました。
そういえば、富山ライトレールと富山地方鉄道はレールをつなげて直通運転になるということをたった今思い出しましたw
なるほど、レールをつなげるならばこの通路もレールと交差するのは当然ですね。
↑ちょうど発車するようだったので動画も撮りました。
それでは暇つぶしはこれくらいで、そろそろ「あいの風ライナー」の方へ進んでいきましょう。
「あいの風ライナー」で金沢へ
タイトルは「金沢界隈で~」と銘打っているのにここまで富山での活動となっていましたが、いよいよここから金沢へ向かうこととします。
というわけで、あいの風とやま鉄道の乗り場へ行きます。
あいの風とやま鉄道転換に合わせて整備されたであろう真新しい発車標が輝いています。
ちょうど列車がやってきましたが、これは普通列車ですし、そもそも高岡止まりなので乗りません。
↑というわけで、これは見送りです。
対向のホームでは”あいの風とやま鉄道”とIRいしかわ鉄道の車両が並んでいました。
レポーターは「高山」と「あ」
「高山」はそのまま高山本線のことで、「あ」はあいの風とやま鉄道のことなのは分かりますが、「あ」ってなんかシュールw
ちょうど、新幹線ホームに「つるぎ」が入ってきました。
「つるぎ」は富山~金沢間のみで運転されるシャトル便に相当する列車名であり、あまり乗る機会のない列車であり、今の所1度も乗れていません。
発車標にも表示が出ました。
種別の部分も「ライナー」となっていますが、これは「あいの風ライナー」が単なる快速列車の愛称というだけでなく、JRのライナーみたいに乗車整理券がないと乗車できない本来の意味での「ライナー」だからです。
「あいの風ライナー」が入線してきました。
始発は泊であり、ここは途中停車駅でしかないので停車時間も短くじっくり撮影している暇はありません。
車体の表示も「あいの風ライナー」となっています。
かつては「快速」と表示されていたらしいですが、乗車整理券が必要なことを知らずに乗り込んでしまい、車内で購入を求められてトラブルになることがあって、乗車整理券が必要なことを明確にする意味で「ライナー」という表示に改めたそうです。
ここで「あいの風ライナー」の概要を説明しておきます。
「あいの風ライナー」は金沢~泊間に平日限定で運転されているライナー列車であり、主に朝夕に設定されていることから通勤・通学の利用者向けのようですが、東京や大阪などの大都市圏ほど混雑が激しいわけでもないでしょうから、正直どこまで需要があるのかなとも思ったり・・・w
まあ、それも乗って確かめてみたいと思います。
朝は私が乗る列車でもある2号が泊→金沢で1本だけ設定され、逆に泊方面の設定はなく、夕方は金沢→泊が3本、泊→金沢が1本あり、夕方の運行がメインのようです。
停車駅は金沢から行くと石動・高岡・小杉・富山・滑川・魚津・黒部・入善・泊となっており、ほぼ北陸新幹線開業前の特急停車駅を踏襲しているものの、IRいしかわ鉄道内で七尾線との分岐駅となる津幡駅は通過としており、IRいしかわ鉄道内では起終点の金沢駅のみの停車のため、物理的にIRいしかわ鉄道内のみで利用することは出来ず、必ず”あいの風とやま鉄道”と跨る区間、あるいは”あいの風とやま鉄道”単独の区間で利用することになります。
なお、大都市のライナーに見られるような乗車専用駅とか降車専用駅といった制限は設けられておらず、停車駅同士なら自由な組み合わせで乗車区間を選べますが、利用距離の長短に関わらず乗車整理券は定額です。
前述の通り乗車するには300円の乗車整理券が必要であり、基本的には乗車前に駅で購入することとなっていますが、車内での購入も認めており、乗車整理券を買わずに乗った場合は乗車後に車内で車掌から購入できます。
私も車内で購入してこんな乗車整理券が発売されました。
JR東海のライナーみたく、車内購入の場合は座席を指定されない券が発券されて、空席を利用して下さいってスタンスかと思ったらちゃんと座席が指定されるんですね。
どうやら車掌がもっているタブレット端末でリアルタイムに空席情報が検索できて、座席管理システムにアクセス可能になっているようでした。
今回は普通に空席があってそこを発券してもらえましたが、もし車内購入しようとして満席だったらどういう扱いになるのかちょっと気になりました。
あとはのんびり車窓を眺めつつ乗車して気がつけば、もう金沢でした。
夜行バス明けで寝不足だったのもありますが、これだったらそのまま夜行バスで金沢まで行ってしまってもよかったななんてw
というわけで、金沢に到着!
この次の活動までは少し時間があくので暇つぶしに色々撮りつつ待ちます。
金沢駅でしばし撮影する
久々にやってきた金沢駅ということでまずは構内で撮影です。
以前に金沢駅にやってきたのは、福井方面へ出かけるときに新幹線と「しらさぎ」を乗り換えた時以来ですが、あのときはほとんど時間がなく駅でじっくり撮影なんてしていませんから、実質3年ぶりくらいでしょうか。
681系がいました。「サンダーバード」か「しらさぎ」でしょうが、かつては富山まで行く便もあったのが、今は全て金沢で折り返しになってしまいましたね。
東京から北陸への移動は北陸新幹線で便利になりましたが、富山から大阪だとかえって乗り換えの手間が増えて歓迎されていないんじゃないかと思ったりw
まあ、大阪延伸までの辛抱ですね。
↑発車シーンです。
続いて415系だけでも・・・
この415系は実は元々113系だったやつで、交流用の機器を追加して交直流電車に改造の上で415系に編入された経緯があるため、車体そのものは113系ということになりますが、113系と415系は元々よく似ているのであまり違和感はないですよね。
今のところ七尾線の主力車種であり、七尾線の普通列車に乗ればほぼ間違いなく乗れる車両ですが、来年の春頃から七尾線に521系を投入することが予定されており、もうすぐ見納めとなります。
↑415系の発車です。
683系の「サンダーバード」もいました。
↑「サンダーバード」も発車です。
ということで構内はこれくらいとして、一旦外へ出たいと思います。
有名な鼓門がある方とは逆の「金沢港口」へやってきました。
こちらは市中心部とは反対にあたることもあって、「兼六園口」ほどの賑わいはないですが、こちらを発着するバスも多いです。
金沢市の一般路線の大半を占め、北陸地方のバスの王者といってもいい北鉄バス
ちょうど兼六園下行きのバスがやってきました。
兼六園へ行くバス自体は数え切れないほど出ていますが、金沢港口の方から出て、しかも、兼六園下が終点となるバスは意外と少なく、「終点 兼六園下です」なんて放送が聞きたくて乗ってみることにしました。
どうせ時間も余っていましたしね。
このバスは宇野気駅の方からやってきたなかなかの長大路線であり、その全体像からすれば金沢駅~兼六園下間なんて微々たるものですが、それでもこの区間の利用者は意外と多いようでした。
思うに、金沢市内に用事がある人向けに郊外路線の一部を市中心部へ乗り入れさせて、その折返し拠点として兼六園下を活用している感じのようでしたね。
観光客は兼六園口の方からしか乗れないと思っているのか、こちらのバスを使う人はおらず、本数が少ないというのがネックではあるものの、バスの混雑を避けて金沢駅から兼六園へ行きたい人には裏技的に使える路線ではないでしょうか?
あいにくの雨でしたが、とりあえず兼六園の近くまで来ました。
あくまで暇つぶしに乗っただけなので入園もしませんが、以前に訪れているのでまあいいでしょうw
バスは回送となってどこかへ引き上げていきました。
恐らく近くに車庫か待機場所があるのでしょうね。
ちょっとアナログなギミックですが、バスロケーションシステム完備です。
このあとは別のバスで金沢駅に戻ります。
「ふらっとバス」という循環路線でも駅へ戻れそうでしたが、遠回りするようだったので携帯で検索して別の路線の乗り場へ向かいます。
兼六園周辺も様々な方向からバスがやってくる関係で乗り場が分散していて分かりづらいというのは感じましたね。
バス自体は次々と来ますが、違う方向へ行ってしまったり、金沢駅へは行かないやつだったりでちょっと待ちぼうけを食らいましたが、なんとか金沢行きに乗ることが出来まして駅へ戻りました。
西日本JRバス 名金線
お次に乗車するのは西日本JRバスが運行する名金線です。
名金線の”金”は金沢の”金”だとしても、”名”は何なのかと言えば、名古屋の”名”です。
はい、中京の大都市のあの”名古屋”ですw
実はかつて名古屋~金沢間を結んでいた路線だった名残で、今でも名金線と呼ばれていますが、流石に今は名古屋~金沢間での運転は行われておらず、名金線の名前を維持しつつ運行が続いているのは金沢駅~福光駅のみとなります。
かつてのルートについても説明しておくと、名古屋から話すと、岐阜・郡上八幡・美濃白鳥と、途中まで東海道本線・高山本線・越美南線などに並行しながら進み、そこから先はひるがの高原・白川郷などを経て現在の東海北陸自動車道にほぼ並行しながら進み富山県に入って福光駅を通り、そのまま石川県入りして金沢へ至るスケールの大きな路線でした。
流石に名古屋と金沢を行き来する目的では、いくら昔の列車が今よりものんびり走っていたとは言え鉄道のほうが早かったでしょうから、この路線の優位性は小さいでしょうが、都市間輸送というよりは沿線に点在する白川郷・五箇山・ひるがの高原といった観光地へのアクセスを提供することが目的でした。
これらは高山本線の駅からは遠く離れており、金沢や名古屋から直接バスで行ける利便性は現在考えられるものよりも遥かに大きかったのでしょう。
一時は観光路線として、山間部の集落の生活の足としても広く利用されていた名金線でしたが、国鉄バスが運行していた時代でも末期の方は利用者離れが始まり、支線の整理や国鉄バスとしての運行を休止する区間(福光~鳩ヶ谷間)が出るなど縮小が始まり、国鉄分割民営化によって国鉄バスも消滅すると、名金線は石川・富山側をJR西日本、愛知・岐阜側をJR東海に継承され、すぐにJR各社がバス部門を分社化したためそれぞれ西日本JRバスとJR東海バスの路線となりました。
JR東海バスの区間では名鉄バスと共同運行で、「五箇山号」の愛称をつけて運行を続けますが、JR東海バスは名古屋~白川村までの運行となり、名鉄便のみが鳩ヶ谷まで行く形でしたが季節便となっていました。しかし、それも2000年に名鉄が撤退し、その2年後の2002年にはJR東海バスが不採算路線の整理に乗り出した流れで名金線からも撤退することとなり、名古屋~鳩ヶ谷間についてはここで歴史にピリオドを打つことになりました。
そんな名金線の最後の生き残りとなるのが、これから乗る金沢~福光間ということになりますが、これも地元の生活の足として自治体の補助を受けてようやく維持できているという状況みたいなので、今後どうなるかは正直よくわからないので、せめて「名金線」と名の付いたバスに乗っておきたかったという思いから今回乗車を決めました。
なお、名金線としての運行はなくなった区間でも岐阜乗合自動車や加越能バスが運行を引き継いでいる区間が多く、何度も乗り換えが必要にはなりますし、途切れてしまう区間もありますが、今でもかつての名金線のルートの大部分は路線バスで辿ることが可能ではあります。
名古屋~岐阜間については、一般路線バスとしての運行は残っておらず、鉄道など別の手段で移動する必要がありますが、路線免許としては今でもちゃんと生きており、岐阜発着の「ドリームなごや号」の免許として活用されているようです。
あのJRバスも広い意味での名金線と言えますが、あくまで名金線の支線であり、医王山線という名称で案内される系統になるようです。
国鉄バスは路線バスも鉄道の考え方を当てはめているため、本線と支線的な捉え方をすることが多く、長大路線ともなると、支線単体でも独立した系統と言えるだけの規模だったり、下手をすると本線に当たる系統より本数が多かったりしても、支線扱いにしていることが多いですが、流石にそれでは利用者には分かりづらいので、案内用に支線ごとに個別の路線名をつけているみたいですね。
側面の幕ですが、福光駅の”ふ”の字もないってどういうことw
上段部分はスクロールしていたので、待てば福光駅の文字も出てきたんでしょうけど、経由地は近江町市場・21世紀美術館・兼六園・ひがし茶屋街と全て金沢市内の観光地というw
あと、困ったことに超満員w
兼六園などの観光に繰り出すであろう観光客もこのバスに乗ろうとはしますが、あまりの混雑に諦めて違うバスに行く人もいました。
特に外国人が多いのが気になりましたが、どうやら西日本JRバスがジャパンレールパスの対象となっていることから、北鉄バスの方が本数が多いのにも関わらず、別料金を敬遠してJRバスに殺到してしまっているようでした。
私は何とか乗れましたが、これで、金沢市外まで乗り通すローカルな利用者がいて、満員で乗れないなんてことになったら郊外まで直通する系統は非常に本数が少ないこともあって結構由々しき問題だと思います。
利用者の大半は観光客だと考えるとクローズドドアシステムは難しくても、何らかの対策はあってもいいかなと思いました。
ただ、多くの観光客が訪れるであろう近江町市場や兼六園で大半が降りてしまい残った人もひがし茶屋街で降りてしまったので、その先まで行くのは数えるほどとなりました。
ここは森本駅であり、IRいしかわ鉄道では金沢駅の2つ隣の駅となります。
そんな森本駅を出ると一気に車窓は田園風景となり、車内も地元のお年寄りが数名乗っているだけという、典型的なローカルバスの風景となりました。
森本駅を出てもしばらくはいくつかの支線へ向かう系統と重複しているため、まだ本数はそれなりに確保されていますが、それも古屋谷というところまでで、古屋谷を出てしまうと、最後まで重複していた田の島行きの医王山線が分かれていき、いよいよ福光駅への本線単独区間となります。
そして、この単独区間の運行本数はなんと1日4往復w
辛うじて普段遣いが出来る限界の本数に近いと思いますが、私が乗った時も乗客は片手で足りるほどしかいませんでしたし、この運行本数でさえ補助金がなければ赤字になってしまうんでしょうね。
あと、気になったのが、「加賀宮野」とか「加賀清水谷」といった、旧国名である「加賀~」を冠した停留所名が多かったことですが、このあたりはやっぱり国鉄バスの慣習として、全国の国鉄(鉄道・バス両方含む)で重複がないように気を使っていた証であり、こういうのを見ると、「路線バス」というより、「自動車線」なんて呼びたくなります。
更に走ると南砺市内に入ったようであり、福光の町並みが見えてきました。
このあたりまで来ると、逆に福光へ出かけるであろう地元民がちょくちょく乗ってくるようになり、最終的に7~8名程度の乗客が集まって福光へ到着となりました。
そんなこんなで福光駅へ到着です。
ここまででも結構長く乗った気がしますが、時間にして1時間ちょっとであり、路線バスと考えると長いですが、かつて名古屋まで直通だったことを思えば、まだまだ序の口ですよね。
ここ福光では折返しがすぐにはないのでちょっと駅周辺をぶらつきます。
福光駅
ここではなんと1時間半近くも待たねばなりませんw
とはいえ、福光駅は初の訪問なので外観のみにしますがレポートしたいと思います。
時刻表ですが、前述の通り1日4本しかありませんw
スッカスカ過ぎて、ジャパンレールパスやICカードが使えることをPRするスペースに転用されちゃってますw
なお、ここから金沢へは加越能バスによる都市間バスも出ているので金沢へのルートがこれだけというわけではありません。
バス定期券と回数券も駅で発売している旨の案内ですが、こんな位置にあっては気づかない人もいるのでは?w
こちらは南砺市営バスのバス停です。
元々名金線の支線だったり民営バスとして運行されていたものを引き継いでいるようで、ローカル路線が何路線かあります。
今でこそ「サンダーバード」へ統合されて消滅してしまいましたが、かつては北陸特急の代表と言ってもいい存在だった「雷鳥」
名古屋行きの「しらさぎ」もいました。
本当はもっと色々な列車名があったのですが、全部紹介するときりが無いのでこれくらいで割愛しますw
その先は客車の最後尾となっており、SL牽引列車のイメージなんですかね。
隙間からチラッと構内が見えましたが、停まっていたのは「忍者ハットリくん列車」でした。
ハットリくんの声でのアナウンスもあるらしいのでいつか乗ってみたいです。
SLの動輪も残っていました。
車体全部を保存しているのは限られますが、動輪だけなら場所も取らないためか保存されている場所が多いですよね。
ここで、駅前のスーパーマーケットで食料を買い込みイートインスペースで昼食を取りました。
昼食から戻るとまだJRバスが待機場所にいましたが、運転士さんもここで休憩なんですかね。
・・・と思ったらしばらくしてどこかへ走り去りました。
ちょっと一服してから車庫へ帰るとかだったんでしょうか。
残った時間は撮りバスして時間を潰します。
これはさっきも名前が出た南砺市営バスですね。
地方のバスらしく小柄なポンチョでした。
続いてエルガミオも来ました。
南砺市営バスって案外車種のバリエーションが多いんですね。
あと、そんなに長くいたわけでもないのに意外とたくさん撮れましたが、バスが列車の時刻に合わせて設定されているためにいろんな路線が特定の時間に立て続けに発着するためでしょうか。
↑南砺市営バスの発車シーン
そして、JRバスも乗り場にやってきました。もちろん先ほどと同じバスです。
側面の幕を撮ったら乗り込みます。
今度はさっきのリプレイなので記事は金沢駅到着まで飛びますw
北鉄バス71系統 金沢駅→宇野気駅
続いての路線は北鉄バスの運行する71系統です。
本来は兼六園下を起点として、金沢駅を経て宇野気駅へ至る路線ですが、時間の都合で金沢駅からの乗車となりました。
当初の計画では、先程の名金線からすぐに乗り継いで宇野気まで1往復するつもりでしたが、名金線が金沢市内での渋滞にハマって遅延したため接続が失敗したため、2時間ほど後続の便に行程変更となりました。
なので、まずは金沢駅での暇つぶしからレポートが始まりますw
とりあえず駅前をぶらついていたのですが・・・
な、なんじゃこりゃ!?
どこからどう見てもやかんですが、横倒しになっています。ていうかデカイw
ご丁寧に蓋まで着いていましたw
どうやらこれ「やかん体、転倒する」という彫刻作品らしく、現代アート作品の1つのようですね。
現代アートって正直よく分からない世界というイメージが強いのですが、これは素直に面白いと思える作品でした。
あと、これも気になりましたのでピックアップします。
大きな駅なら時々ある人形の展示のようですが・・・?
日本昔ばなしにでも出てきそうなルックスのこの子は「郵太郎」というらしいですね。
この人形が乗っている台も、ただの台ではなさそう?
なんだか、ちょうどハガキとかが入りそうなスリットが付いていますね(ちょっと露骨すぎ?w
はい、実はこれも列記とした郵便ポストだったのでした。
これも現代アートの1つなんでしょうかね。
ていうか、「郵太郎」という名前の時点で大ヒントでしたねw
ちゃんと集荷時間が掲示されていましたから、本当に郵便物を投函できるポストのようです。
あとは駅前で撮りバスです。
これも北鉄バスですが、金沢市内の主要路線につけられる「シティライナー」の愛称があるようです。
この黄緑色のバスは加越能バスです。
あと、運転席の(写真で見ての)右脇の部分からバスマニアなら分かるでしょうが、神奈川中央交通からやってきた中古車(通称:神奈中古)のようですね。
残った時間は金沢名物の「金沢カレー」を頂きました。
まあ、ゴーゴーカレーだったので、別に金沢でなくても食べられるわけですが、本場で食べると気分だけでも違うかも?w
幕がぶれてしまいましたが、ようやく私が乗る71系統が到着しましたので乗り込みます。
ここからいよいよこの項の本題へと入っていきます。
まず、始めに71系統についてですが、ルートは項の冒頭でも少し説明したとおり、兼六園下から金沢駅を経て宇野気駅へ至りますが、金沢駅から内灘駅までは北陸鉄道浅野川線とほぼ並行しつつ進み、内灘駅からは河北潟の西側を北上して宇野気駅へ至ります。金沢駅と宇野気駅の間はIRいしかわ鉄道とJR七尾線によっても結ばれており、実際この区間を通しで利用するならば所要時間、運行本数ともに鉄道一択と言える条件だと思いますが、今回そんな71系統に目星をつけたのは、なんと言っても本数の少なさです。
なんと、71系統として運行されるバスは1日に4往復しかなく、ほぼ朝と夕方にしか走っていないので、通勤・通学に特化した路線とも言えます。
金沢駅から内灘町内へは70系統という別の系統がほぼ並行して走っており、町内の工場などの事業所へ結んでおり、日中でも30分ヘッドでの運行となっていることを考えると、その実質的な延長とも言える71系統が1日に4往復というのはあまりにもギャップが大きく、バスマニア的に惹かれるものがあったというわけですw
また、金沢駅~内灘駅間では、同じグループである北陸鉄道の電車と並行していたり、かと思えば、宇野気駅は鉄道とは全然違うルートでたどり着くなどの要素に惹かれての乗車でした。
予習はこれくらいでレポート本編へと入っていきます。
時刻は16時過ぎ、高校生ならば部活やバイトなどなければ帰宅する時間でしょうし、実際、車内には高校生の姿が多く見られました。
座席の大半が埋まっており、普通に街中の路線バスの姿を見せています。
今朝方、金沢市内の僅かな区間だけ乗ったとはいえ、ちゃんと”乗りバス”として乗るのはこれが実質初めての北鉄バスとあってテンションは上がっていましたが、それに反して外は土砂降りの雨でした・・・
福光駅にいたときは写真でも分かる通り、雨なんて一滴さえ降っていなかったのに急に変わるものですね。
また、バス停名として「上諸江」や「西割出」など、北陸鉄道の駅名とかぶる名前が出ては来るのですが、肝心の線路はバスの車窓からはほとんど見えず、地図で見れば並走しているのが分かりますが、実際に乗っている実感としては、電車がすぐ側を通っていることは分かりませんね。
最初は混み合っていた車内も、バス停が進むごとに降りていくばかりであり、みるみる空いていき、内灘駅までには閑古鳥が鳴くほどになっていました。
このバスの沿線というのは、同時に北陸鉄道の電車の沿線でもあるわけですが、北鉄金沢駅までしか行ってくれない電車に対して、バスは駅の向こう側の金沢市中心部へ直通してくれるので、市中心部へ通勤・通学している人がバスを選んでいるのかもしれませんね。
私が乗った時も、金沢駅から乗る人は少なく、むしろ駅の手前から乗っていた人が多かったように思います。
なお、内灘駅~金沢駅での利用で比べた場合、電車は所要時間17分で運賃320円に対し、バスは所要時間約30分で運賃390円となっているので、所要時間・運賃ともに電車のほうが有利なのですが、やはり駅より向こう側の金沢市中心部へ行きたい場合にバスも優位性が出てくるのでしょうね。
ようやく線路が見えてきたと思ったら電車の終点の内灘に差し掛かっていました。
内灘駅です。若干乗客の入れ替わりはありましたが、電車からの乗り継ぎ利用はそれほど多くないみたいでした。
ここから先は完全にローカルバスの姿を見せていきます。
特に内灘を出てしばらくの閑散っぷりは凄まじく、ほぼバス停に停まることはなく進んでいきました。
この区間もコミュニティバスも出ていたりするので北鉄バス以外に利用できるバスがないわけではないですが、ようは北鉄バスが撤退してしまった時間帯を埋めるためのコミュニティバスってことなんでしょうね。
河北潟を横目に進みいつしかかほく市に入っていきます。
かほく市側も”イオンモールかほく”へのアクセス用のバスやかほく市のコミュニティバスなどがあるため、この4往復の北鉄バスが頼みの綱というわけではないようです。
ていうか、本数的には北鉄バスの方がよほど少数派なので、地元の方でも宇野気まで北鉄バスが来ていることを知らない人もいたりして?w
バス停はポールの見本市みたいになっていましたが、この北鉄バスの他、イオンモールのシャトルバス、かほく市福祉巡回バス、夜行バスの「01グリーンライナー」と4種類のバスがあることになります。
このうち、夜行バスは除外するとして、イオンのシャトルバスと福祉バスは純粋な路線バスとはまた別物なので、宇野気駅に乗り入れる純民営の路線バスはたった今乗ってきた北鉄バスの71系統だけということになりますね。
昨今の地方のバスを取り巻く環境からして、この路線も遠からず無くなってしまうのではないかという危惧を覚えましたが、金沢市中心部へ直通するこの路線を必要としている人もいるはず、出来るだけ長く維持されるといいですね。
遅延の影響もあって時間がありませんが、宇野気駅は一応初めて訪問する駅ということになりますので、簡単に取材しておきます。
というわけで、駅舎も忘れずに
この銅像のモデルは「西田幾多郎」という方だそうで、現在のかほく市の一部となる河北郡森村出身で著名な哲学者だったそうです。
学のない私には哲学について解説できるだけの知識もないのでこれ以上深追いはしませんw
改札は昔ながらのラッチでした。
ここで金沢駅までのきっぷを買い求めます。
現在は津幡~金沢間はIRいしかわ鉄道となったため、JR線だけでは金沢駅へは行けなくなったものの、七尾線の利用者が過度に運賃値上げを受けないようにと、IRいしかわ鉄道と跨って利用する場合は割引運賃制度が導入されているようで、意外と安い400円ポッキリで金沢駅まで乗れます。
構内に入るとちょうど415系がいましたが、これは反対方向の七尾行きです。
名所案内がありました。
駅前にも銅像があった西田幾多郎生誕の地もちゃんと載っているあたり、やっぱり氏は郷土の偉人なんでしょうね。
申し分程度の駅取材要素ということでホームですw
相対式2面2線とシンプルな交換駅ですね。
これでも一部の特急が停車していたりします。
それではこの415系で金沢駅へ向かってこの項も終わりとなります。
名金線の遅延がなく予定通りの便に接続できていれば帰りもバスで金沢駅へ戻っていたはずでしたが、そうなっていたら415系にも乗れなかったわけですし、これはこれでまあいいでしょう。
トラブルまで楽しんでこその旅ですw
「あいの風ライナー」でシメる
415系に揺られて金沢駅まで戻ったと思ったら数分連絡で「あいの風ライナー」に乗り換えるというなかなかの弾丸行程となっていました。
数分でも七尾線が遅れたらアウトでしたが定刻通り着いてくれてよかったです。
発車標の表示です。今度は泊行きとなります。
あいの風とやま鉄道自体は泊より2駅先の市振駅までで、そこがえちごトキめき鉄道との境界ですが、運行系統としては金沢・富山方面からの列車は泊までしか行かず、直江津方面からの列車は市振~泊間のみあいの風とやま鉄道に乗り入れる形で泊を拠点に運行されるなど、運行形態上の境界は泊であり、「あいの風ライナー」も泊を起終点としています。
こちらが「あいの風ライナー」です。
まあ、車両は普通列車と同じですがねw
この表示は行先に関わらず同じなのではっきり言って使い回しですねw
さて、今回も朝同様に乗車整理券を買わずに乗っているわけですが、これは乗り換え時間が短かったからではなくて、そもそも金沢駅では乗車整理券が発売されていないからです。
一番需要が多そうな金沢駅で乗車整理券を発売しないとは何ごとかと思うでしょうが、理由は単純明快で、金沢駅は”あいの風とやま鉄道”の区間内ではなくIRいしかわ鉄道の区間内にあり、そもそも金沢駅はJR西日本が管理しているため、あいの風とやま鉄道の窓口はないという理由です。
乗車整理券がMARSに収録されているとかならJRに委託する手もあったでしょうが、あいの風とやま鉄道の乗車整理券は完全に独自のシステムなのでそれもできないのでしょう。
なお、あいの風とやま鉄道の駅から乗車して金沢へ向かって、帰りに「あいの風ライナー」を利用しようと思っている場合などは、往路の乗車前に乗車整理券を買っておくということは可能みたいです。
乗り込むと案外席は埋まっており、補助席しか空いていなかったのですが、泊まで通しで乗ることを思うと流石に立ち席は辛いので、補助席でも座れるだけありがたいと乗り込みます。
発車して車掌が巡回してきますが、やはり大半の利用者は乗車整理券を買わずに乗っているようで、慣れた人は300円を事前の用意してアテンダントが来るやいなや手渡していましたね。
私も玄人を気取って真似しつつ乗車整理券を入手です。
意外だったのは、補助席にも座席番号が振られており、乗車整理券の発売の対象となっていたことです。
まあ、この席で発券されてしまったということは、この先どれだけ車内が空いてきてもボックス席に移動するとかは出来ないってことでもありますがw
夕焼けの金沢を後にして、倶利伽羅の峠を越えたら富山県へと入ります。高岡や富山といった主要都市を過ぎれば車内は閑散となりました。
これでライナー?って言いたくなるような車内w
金沢だと普通列車でも混んでいることが多く300円払って確実に座って帰る需要もあるようですが、富山だと時間がもう遅いせいもあってか、乗ってくる人はあまりいませんでした。
私も今宵の宿は富山にとってありますから富山で降りてしまってもよかったのですが、せっかくの「あいの風ライナー」だけに全区間乗車をしたいというのと、この区間はJR北陸本線だった時代には乗っていますが、あいの風とやま鉄道となってからは乗ったことがなかったので、”乗り直し”として乗っておきたかったんです。
ある鉄道路線の運営会社が変わった場合に、移管前に乗車していた路線であっても改めて乗りつぶすべきかどうかは、所詮趣味の世界の話ということで各人の価値観次第でしょうが、私は会社が変わったら乗り直す派です。
ほとんどの区間は日没後となり、乗り鉄らしくない乗車ではありましたが、これにて「あいの風ライナー」全線乗車と、IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道の完乗も達成しました。
なお、泊~市振間は別の機会に乗っていますので、決してその区間を忘れているわけではありませんw
それにしても、特に末端部の富山~泊間の利用の少なさが目に付きますが、例えば比較的利用が多いであろう金沢~富山間のみをライナー扱いとして、富山~泊間は乗車整理券不要の快速扱いにするとかしたら利用が増えませんかね。
元々都市間移動ならば高速バスや新幹線との競合もあるわけで、追加料金が必要な割には車両は普通列車と同じだったり、買い物やレジャーの需要が見込める土日には設定されないなどちょっと残念な感もあった「あいの風ライナー」ですが、今後の動向も見守っていきたいと思います。
最後はただ乗っているだけという感じで終点の泊へ到着しました。
ここまでは金沢駅でバスに乗る前に買っておいた乗車券で乗ってきていたのですが、泊から富山へ引き返す分の切符は当然用意していないので一旦改札を出てICカードをタッチして乗り直します。
泊駅は以前にも来ていて外観なども撮っている上、既に暗くてまともな撮影が難しいのでとりあえず発車標だけ・・・w
折返しはライナーではなくて普通列車でして、しかも富山行きです。
意外と富山止まりって珍しく、ほとんどは高岡や金沢まで行くので何気にレア行先です。
この列車で富山へ引き返します。
富山に着くとIRいしかわ鉄道の車両が金沢行きとして停車していました。
運用の都合で富山駅で系統分断しているんですかね。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、「とやま絵巻」と並びました。
↑IRいしかわ鉄道の方が発車していきます。
↑最後に動画でも撮って終わりです。
後はホテルへ向かってゆっくり休みます。
これにてレポートは終了となります。
翌日も宿泊した以上は活動があるのですが、基本は観光旅行でありレポートに向かない内容なので、ネタになりそうな部分を部分的にレポートするか、そもそも一切レポートしないかのどっちかになると思います。
どっちになるかは、次回のレポートでお確かめ下さいw
それでは
~追記~
結局書きましたw
富山県南砺市の南砺市営バスは元々合併前の福野町営バスで2000年に日産ディーゼルKKーRM252GAN改でスタートして南砺市に合併しました。その後2010年にUDPDGーRM820GANに代替して初代専用車は熊本都市バスに移籍しました。その後日野レインボーⅡ(PDGーKR234J2)を導入しました。2代目専用車は2018年に引退して備北バスに移籍しました。3代目専用車はいすゞ2代目エルガミオに代替しています。中型車は全車ノンステップバスです。
管理人さんが撮影した2019年は古参格の日野レインボーⅡは2020年中引退して2020年12月に備北バスに移籍しました。現在は2007年式の三菱ふそうエアロミディMKワンステップ(PAーMK25FJ、岡山200か835)の運用で開始しました。休日ダイヤは地頭(東総社経由)ー岡山線で運用しています。岡山線の休日ダイヤの最終便で冬は5時台に岡山から出る便は暗くなる時間帯になります。