今回は2025年4月5日をもって廃止された東京高速道路(KK線)を歩けるイベント「Roof Park Fes & Walk」に参加してきましたのでそのレポートです。
なお、KK線そのものについては別記事としてレポート済みなので、そちらも併せてご覧下さい。
Roof Park Fes & walkとは
まずはこの記事の主題となるイベント「Roof Park Fes & Walk」について解説してから本編に入るとしましょう。
Roof Park Fes & Walkは2025年4月5日をもって廃止された東京高速道路(KK線)の本線車道上を歩くことのできるウォークイベントです。
4月18日と19日の2日間に渡って開催され、18日はトークイベントを含めた「Roof Park Talk & Live」、19日朝は早朝マラソン「GINZA SKY RUN CHALLENGE 2025 in KK線」、19日日中は今回私が参加した「Roof Park Walk」、及びガイド付きの「Roof Park Guide Walk」が開催されました。
いずれも事前申込制の有料イベントとして開催されましたが、空きがあれば当日の申し込みも可能でした。
といった感じで基本情報を押さえたところでそろそろ参加レポートに移っていくとしましょう。
参加レポート
それではいよいよメインの参加レポートです。
今回のウォークは新橋入口からスタートして、西銀座入口より出るという一方通行のコースになっており、2kmほどの道のりとなります。
少し前に自動車で通行した時は5分とかからず通過してしまいましたが、さすがに徒歩だと長いですね。
こちらが入口のようです。
囲いがつけられたりして、現役時とはだいぶ印象が違います。
でも標識はそのまま残っていました。
これはありがたいですね。
既に自動車でのさよなら通行を済ませていながら、このイベントに参加したのは自動車のスピードでは見落としてしまうような細かい標識や施設など見学するのが目的だったので、標識類が既に撤去されていたら楽しさ半減となっていたところでした。
現役時は決して徒歩での進入は許されなかった場所に歩いて入れると思うと妙にテンションが上がります。
これだけでも1,000円払って参加した価値があったというものです。
本線に上がってきました。
この景色を歩いて見られるなんて貴重ですが、今後歩行者空間として整備されれば普通に見られる光景になるんでしょうか。
でも、そうなれば車道時代の雰囲気ではなくなるでしょうから、車道の雰囲気を残す状態で歩けるのは今だけということでしょうか?
恐らく架道橋の名前を示す標示なんでしょうが、これは自動車で通行するだけでは見落としてしまうものですね。
会場内には仮設のトイレも設置されていました。
2km程度ならばトイレ無しでも行けそうですが、ファミリー層や高齢者も参加するイベントですから、準備は万全にということなんでしょうか?
中央分離帯です。
一般道ならばよくある構造ですが、仮にも高速道路を名乗る道路の設備としては貧弱な感じもしてしまいます。
これも高速道路であって高速道路ではないというKK線の特徴を表す風景でしょうか?
まだまだ新しさの残る街灯の支柱ですが、令和2年に設置されているようです。
とすると5年ほどしか活躍しなかったことになりますが、こういう道路設備は規格品でしょうから、自治体などに払い下げられて別の道路に転用されたりするんですかね?
こちらは新橋出口ですが、封鎖されて入れないようになっていました。
こちらは当日券の受付と、取材に訪れるメディアの受付のテントのようです。
ここに当日券の売り場があることからもわかるように、ここまではまだチケットのチェックもないので、極端な話、チケットを買わなくてもここまでは入れるということになります。
まあ、せっかくここまで来たなら入場料を払って最後まで行く人がほとんどでしょうけどね。
このテントでチケットをチェックするようです。
さながら料金所ですねw
それにしても、KK線の現役時代は無料で通行できたのに、歩いて通ると逆に有料になるとはw
また、チケットのチェックだけでなく、手荷物検査も実施されており、意外に厳重なセキュリティで驚きました。
考えてみれば銀座の街を見下ろす位置になるので、危険物を投擲されるなどのリスクを考慮してのことでしょうか?
ゲートを越えて進むと自動車で通行しても印象的な右カーブが出てきます。
車線も2車線に収束し、上下線が開放されるようになりました。
KK線は架道橋を除いてビルの屋上に道路が通る構造なのですが、下にあるビルの紹介パネルがありました。
ビルとしては今後も存続する見込みですが、道路の下にあるビルという特徴はなくなりますね。
こちらは土橋入口です。
ここは車椅子利用者向けの入口として使われていたようです。
新橋入口もスロープなのですが、勾配の関係で車椅子利用者の入口は別になったんでしょうか?
脇には東海道新幹線が通ることから、新幹線の通過をカメラに収めようと多くの人が足を止めていました。
私もここで新幹線の出待ちをしようと思います。
というわけで新幹線です。
現役時代はこのアングルでの撮影は不可能でしたし、タイミングよく新幹線が通るという運ゲーをクリアしないといけないので、KK線から新幹線を撮るのはなかなかハードルが高かったのが、このイベントならば少し待てばいくらでも撮れますからね。
新幹線目当てでこのイベントに参加したとしても価値があると思います。
↑動画でも撮りました!
↑その2
↑その3
それではそろそろ移動開始です。
東海道新幹線はN700AかN700Sしかバリエーションがないですし、ドクターイエローが通るなんてミラクルはそうそう起きないでしょうからねw
なお、イベント会場への滞在は2時間以内というルールもありました。
上空にはヘリコプターが飛んでいました。
イベントを取材する報道ヘリでしょうか?
その先ですが、線路側の半分は入れなくなっていました。
ちょうど綺麗に列車の撮影ができそうな場所だけに残念ですが、撮影目当てに長時間滞留する参加者が現れることを懸念したのか、あるいはJR側から線路寄りにはあまり近づかせないようにしてほしいと言った要請があったのかもしれませんね。
といったところで、撮り鉄編は以上です。
将来的にここが歩行者空間として開放されたら、都内有数の撮り鉄スポットになる可能性もありますね。
そういう意味でも期待したいです。
ビルに関する看板がまたありました。
各ビルごとに用意されているようですね。
あと、橋桁の継ぎ目部分にはゴムマットが敷かれていて、つまずかないように配慮されていました。
トイレといいこういう配慮といい、これだけしっかり準備してくれているならば1000円の入場料は妥当だと思いました。
コンテンツエリア
ここから先はコンテンツエリアと呼ばれる展示エリアとなっています。
まずはクラシックカーの展示です。
KK線が開通した当時の自動車ということで展示されているようです。
いすゞ・ベレット
今ではトラックやバスといった商用車専門のメーカーとなっているいすゞ自動車ですが、昔は乗用車も作っていたんですね。
マツダ・ユーノスロードスター
こちらは今でも聞き馴染みのある車名ですね。
といったところでクラシックカーの展示は終わりです。
乗用車には詳しくない私でも知っている車もあったりして楽しめました。
ここで案内標識を発見しました!
八重洲線と都心環状線方面の分岐の案内ですが、正式には高速道路ではないので青地の看板になっていますね。
その先にはパトロールカーが展示されていました。
よく高速道路で見かけるやつかと思いきや・・・?
よく見ると「東京高速」の文字がありました。
KK線はごく短い路線ですが、自前でパトロールカーを持っているんですね。
こちらもKK線で所有しているもののようです。
それにしても、KK線の廃止で用途がなくなると思いますが、首都高速道路にでも譲渡するんでしょうか?
テントの中央にはKK線周辺のジオラマがありました。
発泡スチロールで作られているようですが、手作りなんでしょうか?
パネルその1
KK線は川の上に作られたのですが、そのあたりの経緯が解説
されてますね。
ここからは思い出エピソードのパネルです。
私にとっては数週間前に最初で最後の通行をしたのが、KK線との唯一の接点ですが、歴史の長い道路だけに様々な人々の思い出の中にも刻まれているんでしょうね。
パトロールカーの模型もありました。
よく見るとファンによるハンドメイドなんだとか。
製品として出回っていてもおかしくないクオリティですよね。
何やらバンがたくさん停まっていましたが、これは展示というよりはイベント設営に関連する業者の車両でしょう。
ここでまた街並を見下ろします。
こうしてみるとジオラマを見ているみたいです。
内部では都心環状線のルート変更を紹介していました。
こうして模型で表現してくれると分かりやすくていいですね。
その先は様ざなま催し物があるスペースとなっていました。
将来の公共空間への活用を意識した実験的意味もあるのでしょうか?
路面にお絵かきできるというイベントのようです。
鉄道イベントなんかで引退する車両にお絵かきできるイベントとかありますが、それの道路版といったところでしょうか。
子どもが遊べるスペースもありました。
更には軽食を売る露店や音楽ステージなどもあって、お祭りの雰囲気になっていました。
行き先を案内する路面ペイントの上に露店があったりして、普通だったらありえない光景ですね。
それにしてもすごい数のトイレです。
イベントエリアということで最も人が密集するからでしょうか?
変わったクルマだと思ったらミストカーとのことです。
実はこの日は汗ばむ陽気となっており、来場者からもありがたがられていました。
(うっかりミストがあたる位置にカメラを持ってきてしまい濡れて焦りましたが故障は免れましたw
こちらは西銀座乗継所のゲートですね。
通常は自動車専用道路にしかないゲートを歩いて間近に見られるのも貴重な経験です。
料金表ですが、特定大型だと5080円もするんですね。
現金は割高とは言え、ここまで高いとは・・・
不正通行を監視するカメラも近くで見るとなかなかの大きさです。
電光掲示板には八重洲線通行止めとKK線廃止についてのお知らせが出ていました。
https://youtube.com/shorts/mPuk7cYjKgk
↑これは動画でどうぞ
このアングルだとKK線がビルの上にあるのが分かりやすいですね。
そしていよいよイベントもここまでです。
最後にアンケートがあり、回答するとボールペン、クリアファイル、メモ帳のいずれかがもらえました。
外からスロープを見ます。
こちらは出口のみですが、間違ってこちらから入場しないように誘導のスタッフが立って案内していました。
約款が掲示されていました。
通行料無料とは言え利用者との間には契約が成立するということで、きちんと約款があるんですね。
これは公道だったら見かけないものなので、一般自動車道ならではといえますが、いちいち約款を読み込んでから通行するドライバーなんていたのかな?w
ところで気になったのがこちら
通行できる車両についてのルールが書かれています。
大型車と特定中型車が通行できないのは記述のとおりですが、「大型バス(路線バスを除く)」という部分が気になったのです。
つまりは大型バスでも路線バスだったら通っていいということですが、KK線を通る路線バスは設定されていないはず・・・
KK線の長い歴史の中では路線バスが通行していたことがあったのか、それとも空港リムジンバスなどが迂回ルートとしてKK線を通行することもあったのか・・・
いずれにせよ興味深い一文ですよね。
ここにもイベントのパネルがありました。
66年間、ありがとうございました。というメッセージがいいですね。
製造銘板を発見!
マニアック過ぎるのか他に撮っている人はいませんでしたが、これもKK線の歴史を語る生き証人と言えるでしょう。
といった具合でイベントとしては終了ですが・・・
おまけ
最後に周辺からKK線関連のものを探してから記事を締めたいと思います。
ランプウェイがビルに取り付いているのがよく分かる光景ですね。
この工事看板ですが、発注者が首都高速道路株式会社なので都心環状線新ルート絡みの調査でしょうか?
見たかったのがこちら
KK線を運営する会社の「東京高速道路」のオフィスです。
まあ、中に入れるわけでもなし、だからなんだという話ではあるんですがねw
それにしても、KK線廃止後は道路とは無関係の会社になるわけですが、社名変更とかあるんですかね?
バス業界だと元々鉄道会社で、鉄道廃止後も社名を変えていないパターンもあるので、案外そのまま残るかもしれませんが、歴史を残すという意味でも社名はそのまま残ってくれると嬉しいなと思います。
もちろん廃止のお知らせが掲示されていました。
まあ、ここは職員か関連企業の人以外はまず訪れないとは思いますがw
といったところで活動終了です。
このあとは同日に行われた田町駅線路切替工事に伴う運転変更を取材したりもしたんですが、それは別記事としてレポート済みなので、興味がありましたらどうぞ!
それでは!
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