今回は2014年11月15日に開催された尾久車両センター開放イベント「ふれあい鉄道フェスティバル」に参加してきましたのでそのレポートになります。
尾久駅へ
尾久車両センターは名前の通り、尾久駅が最寄りとなります。そのため、まずは尾久駅へ向かいます。
尾久駅って上野行きの列車に乗ると必ず通る駅ですから知名度は高いでしょうが、降りたことがある方って少ないのではないでしょうか。
かく言う私も降り立つのは今日が初めてでした。
ちなみに、尾久駅へ向かう列車ではアナウンスでこのイベントについても言及されていました。
いつも何気なく眺めていましたが、ホーム近くの側線にはジョイフルトレイン「ゆとり」が留置されていました。
この車両、元々は「サロンエクスプレス東京」という名前の欧風客車のジョイフルトレインでしたが、後に和風のお座敷客車に改造され、その際に名前を「ゆとり」と改められ、2008年に引退となったようです。
特に特徴的な両端の展望デッキ付きの車両のみ尾久車両センター内で保存されているようです。
ただ、この位置にいるということは、イベントでは展示しないんでしょうねw
せっかく保存しているなら展示すればいいと思いますが・・・
さて、最初はしばらくホームで撮影してからイベント会場に向かおうかなと思っていたのですが、構内アナウンスによると既に入場待ちの行列がかなり伸びているとのことで、これは早く並ばないといつ入場できるか分からないということでさっさと出場して並びます。
行列は駅と会場入口とを結ぶ地下道をはるかに超えて、駅脇の路地まで延々と伸びていました。
ただ、開場してしまえば結構スムーズに進んでいたので、大宮の「鉄道ふれあいフェア」よりはマシでしょうかw
いざ!入場
行列も進み、ついに入場の時がやって来ました。
適当に進むとジパングがいたので、まずはこれを見ることにします。
このジパングは、いわてディスティネーションキャンペーンに合わせて登場したジョイフルトレインで、普段は東北の方にいますが、今日のイベントのためにやって来たようです。
今回はなんと車内にも入れるとのことです。
こちらはデッキ部分で、平泉について紹介する映像が流されています。
デッキに液晶モニターが付いているなんて斬新ですね。
車内です。「ジパング」という名前の通り、和風旅館を思わせる雰囲気ですね。
座席はこのように窓側を向いていて、首を90度横に向けなくとも車窓を満喫することができます。
ジョイフルトレインと言っても列記とした鉄道車両なのでこのような車番表記もしっかりあります。
そして、運転台
品川駅お客様感謝DAYで見た「華」に似ている気がしますが、種車が同じ485系だからですかね。
E655系連結器格納
ジパングを降りるとその先がそのまま別の車両展示になっていました。
その展示の横にはE7系のミニ新幹線が行ったり来たりしていましたw
そして、その展示というのはE655系「なごみ(和)」でした。
ところで「和」を「のどか」って読みたくなった人は「けいおん!」にハマりすぎですよ?w
このE655系、お召し列車としても使用されるほか、団体臨時列車などでも活躍しますが、一般向けの5両編成と、お召し列車として運行するときにのみ連結する特別車両があり、一般車両はこの尾久車両センターに配属され、特別車両は東京総合車両センターに配属されています。
今思えば、東京総合車両センターのイベントでもこの形式が展示されていたのはこういうわけだったんですね。
時系列が若干前後しますが、ドアです。開いていたので遠目ながら内部も見ることができました。
行先表示器は「団体」でした。東京総合車両センターの時は側面はよく見えなかったのでマジマジと側面部を見るのは今日が初めてでした。
さて、そろそろ次へ行こうかなと思ったら、なぜかなかなかE655系の前から人だかりが消えないのでおかしいなと思っていたら、今からこのE655系を使った実演をするというではないですか!?
せっかくなのでそれを見ていこうというわけで、しばらくここで待機です。
その実演の中身ですが、「連結器格納実演」とのこと。実はE655系は先頭車の連結器は機関車に牽引される場合に使用するもので、それ以外では格納することが出来るんですね。
↑動画撮影しましたので、よろしければご覧下さい。
動画は重いor見る時間がないという方のため、作業中の様子をキャプチャしてみました。
転車台回転実演
続いては転車台回転実演があるとのことなのでそれを見学します。
↑こちらも動画をご用意しました。
なお、この時デジカメはバッテリー切れでスマホで撮影したため音質が悪いですがご容赦下さい。
ところで、回っているのはEF81-81ですが、この車両、秋田でお色直しされて東京に回送されたんですが、その時に早朝の宮原駅まで撮影に行きましたねぇ。
こんなところで再会するとはw
車両展示
続いては車両展示を見ます。
このイベントでは車両展示は機関車なんですね。
左から順にEF510-509、DD51-895、EF65-1115、EF65-501と続きます。
カシオペアヘッドマーク
北海道新幹線で若干危ういですが、一応現役の列車ですね。
エルムヘッドマーク
かつて北斗星の補完列車として運行されていました。
はやぶさヘッドマーク
今は東北新幹線の愛称になっていますが、かつては東京と熊本・西鹿児島を結んだ寝台特急だったんですよね。
私も何度か乗ったことがあり、思い入れの強い列車の1つだったりします。
そして、あさかぜ
こちらもかつて東京と下関・博多を結んだ寝台特急でしたが、現在は廃止されています。
反対側からも見てみます。順番が逆になる以外は車両のラインナップは同じですが、ヘッドマークを変えているようです。
さくら
今は九州新幹線・山陽新幹線の愛称ですが、かつて東京と長崎を結んでいた寝台特急でした。
富士
こちらはかつて東京と大分・宮崎を結んでいた寝台特急でした。
その隣のDD51には出雲、そして、EF510には北斗星となっています。
本当はDD51も単独の画像でご紹介したかったのですが、写真を撮り忘れていましたw
出雲は名前の通り、かつて東京と出雲市を豊岡、鳥取などを経由して、結んでいた寝台特急で、現在のサンライズ出雲に発展的解消する形で廃止されました。
北斗星は一応現役ですが、カシオペア同様に北海道新幹線でどうなるんでしょうか・・・
レール切断実演
機関車を見ていたらちょうど次の実演の時間になったのでそちらに移動します。
今度はレール切断実演です。名前の通り、レールを切るわけですが、レールは鉄で出来ていてとても頑丈、切るだけでもかなり大掛かりな作業になってしまいます。
参加者向けに抽選会もしていたようですが、そちらは到着時には配布終了していたので参加できませんでしたw
↑こちらも動画でどうぞ
ちなみに、何度かエンジン駆動の丸鋸が”エンスト”していましたw
最後、切り終わったレールの断面です。もっとザラザラしているのかとおもいきや、磨いたかのようにツルツルに仕上がるんですね。
再度工場棟
E655系の連結器格納実演をしていた場所とは別に、もう1箇所工場棟があったのでそちらを見に行きます。
臨時列車に格下げされてしまった「あけぼの」ですね。
しかし、いくら臨時化されたとはいえ、少々人が集まり過ぎでは?と思っていると・・・
↑ドア開閉体験になっていました
ドア開閉体験自体は各地の鉄道イベントで見られるブースですが、ブルトレ客車で体験できるのはここぐらいではないでしょうかw
ハイケンスのセレナーデも流れていてブルトレ客車を中心に配置されている尾久車両センターならではだなと思いました。
方向幕の模型(?)がありました。
なんだか見覚えがありますが、大宮総合車両センターに置いてあったものと同じものでしょうか?
末期は下関止まりだった「あさかぜ」ですが、かつては博多行きもありました。
そして、「北陸」
上野~金沢を結んだ寝台特急でしたが、北陸新幹線の金沢延伸を待たずに廃止になってしまいました。
マークは夢空間
ちなみに、その夢空間自体は既に引退しており、三郷にある商業施設にて保存されています。
旧客&カシオペア予備車
続いては旧型客車とカシオペア予備車を見に行きます。
目についたのはこれ
「なんだこれ?」と思われるかもしれませんが、実はこれ「車軸発電機」というものです。
客車は機関車や電車と違って架線から電気を取り入れないため、照明や空調などを動作させるための電源を何らかの形で賄わなければなりませんが、この「車軸発電機」は車軸の回転を利用して電気を起こすというものです。
発電した分車輪の回転が抵抗されるため、間接的に機関車の牽引力を電気に変換しているとも言えますが、自転車のダイナモライトと同じ発想ですね。
なお、最近の車両では専用の「電源車」という車両を連結し、架線から取り入れるか、ディーゼル発電機で発電するというスタイルが一般的のようです。
車内は休憩車両として開放されていましたが、やっぱり999だなぁw
この路線図も最近の車両ではみかけませんよね。時代を感じます。
個人的に気になったのはこれ
旧型客車は元々手でドアの開閉を行う仕組みで、走行中であってもドアをあけることができてしまうため、列車がホームに差し掛かったら停車する前でも勝手に降りてしまったり、運転停車の駅で乗降するなんて芸当もできたようですが、現在では法令で走行中はドアをロックしなければならないようで、それに対応するためかこんな仕組みに改造されていました。
ちなみに、この旧型客車は通常高崎にいるのですが、このイベントのために持ってきたようです。
実は昨日、その回送を撮影してきました。動画をご用意しましたのでよろしければご覧下さい。
↑旧型客車回送
なお、撮影の詳しい経緯などは丸山電車基地見学会の記事をご参照下さい。
レールスター試乗会
レールスターと言っても、山陽新幹線ではなくて、軌道自転車です。
これも鉄道イベントの定番の1つですね。
反対側は北斗星でした。
そういえば、中野電車区の「働く車両大集合!」でも同じようにヘッドマーク付きの軌道自転車を見たような気がします。
こちらはエンジン付きのタイプ
隣で一生懸命ペダルをこいでいる職員の方からしたら、エンジン付きのタイプが羨ましく見えるでしょうねw
↑こちらも動画でもどうぞ
まずは人力から
↑続いてエンジン付きのタイプ
マジックボーイ
マジックボーイとは架線などの高所作業のための作業車のことです。それに乗車できる体験がありましたが、対象は小学生以下とのことで、見るだけ見てきましたw
マルタイ
マルタイ、ことマルチプルタイタンパー
これもよく展示されていますが、やっぱりありましたねw
反対側から
資材を積むためのスペースなのか、トラックの荷台のようになっていました。
その他
その他気がついた点などをいくつかご紹介してイベント会場を後にしたいと思います。
185系ですが、この日は休憩用スペースとして開放されていました。
まあ、185系は営業運転でも何度か乗っていますし、外観だけにしましたけどねw
ただ、方向幕が「試運転」だったのはネタでしたね。
上野東京ラインで試運転をしていることにちなんだものなのかもしれません。
あと、E259系もいました。特に尾久車両センターに縁のある車両というわけではないと思いますが、首都圏を走る特急列車としては一番新しいでしょうからね。
よく見るとマヤ34ではないですか!?
現在は使用されていないようですが、尾久車両センターには未だに配置されたままになっているようです。
反対側を狙おうとしたのですが、かなり離れてしまい、デジタルズームで頑張ったのでちょっと荒い画像になってしまいました。
あと、これです。何を囲っているのかなと思えば、分岐器なんですね。
考えてみれば、分岐器の隙間に足など挟めば大変、こうして囲っておいたほうが安全ですよね。
そうそう、敷地内から東京スカイツリーが見えました。
ここからも意外と近いんですよね。
駅に戻る
ひと通り見終えたので会場を後にして、尾久駅に戻ります。
会場のゲートですが、よく見るとカシオペアの側面部の塗装と同じですね。
やっぱりカシオペアは尾久車両センターの花型列車なんですね。
入場時は混雑が激しすぎて撮れなかった地下道です。今から入場という方もいるようですが、それでもピークよりかなり空いています。
田端駅や上中里駅への案内もされていました。
それにしても・・・手描きなんですねw
機関車が描かれていて、車両基地の下をくぐっているのだなと実感しますね。
それにしても、これらの看板はJR(国鉄)が設置したものなんですかね。
先ほどまでいた尾久車両センターの案内も出ていましたが、こちらは新しいですから最近設置されたのかな?
尾久駅
最後に尾久駅のご紹介をしてレポートをシメましょう。
最初、これが駅舎かと思うくらい立派な建物でしたが、これは駐輪場のようでしたw
ん?上に何かあるw
駅にもイベントの告知がすごいですね。JRの力の入れようが窺い知れます。
ホームは1面2線の島式ホームで、極普通の構造w
隣が車両基地でなければ、平凡な駅ですね。
構内には第2場内信号機がありました。ラッシュ時になると結構な本数になりますから必要なんでしょうね。
車両基地内に書かれている宣伝ですが、流石ブルトレの運行拠点ですねw
車窓からよく見ていましたが、降り立つのは初めてなのでじっくり見るのも初めてでした。
↑ここで651系「草津」が通過していきました。
と言ったところで、1駅乗車して赤羽駅に向かいました。
え?帰るんじゃないのかって? 誰が帰ると言いました?w
実は同じ日に開催された「都営フェスタ in 三田線」にも参加するため、今からそちらに向かうわけです。
そちらは別記事として、この記事は以上となります。最後までお付き合いありがとうございました。
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