今回は2025年9月末までJRバス関東が運行していた水都西線のさよなら乗車です。
時系列としては「九州・中国遠征」の続きとなり、「サンライズ出雲」を降り立ったその足でこの活動に臨んでいます。
私のホームと言える関東近郊での活動なので、別枠で実施しても良かったのですが、水都西線のダイヤを考えると土休日ダイヤでないと日中時間帯に全区間走破する便が設定されておらず、この日が廃止前最後の土休日だったこともあって、このような強行スケジュールとなりましたw
水都西線とは
今回は水都西線が記事のメインですので、先に水都西線について解説をしてから本題に入るとしましょう。
水都西線は宇都宮市の作新学院前と茂木駅を結ぶバス路線です。
かつては水戸市まで乗り入れており、水戸と宇都宮を結ぶことから「水都」と名付けられ、その後赤沢を境に水都西線と水都東線に分割されました。
ところで、JRバスの前身である国鉄バスでは路線を開設する際の5原則というのがありまして、「先行」「代行」「培養」「短絡」「補完」というものがあります。
これはあくまでも鉄道が本業である国鉄がバス事業に参入するにあたり、無秩序に路線を開設していっては民営路線バスに対する民業圧迫になるといった配慮から設けられたものといえるでしょう。
各項目を解説すると「先行」は将来的に鉄道を建設する予定がある区間に先行して路線バスを走らせるケース、「代行」は鉄道として建設する計画があるものの採算面からバスを走らせることにしたケース、「培養」は鉄道駅と離れた町や観光地を結ぶバスを開設し、鉄道に旅客を集めるケース、「短絡」は鉄道では遠回りになる区間をショートカットするケース、「補完」は鉄道に並行して走り、鉄道の補完を担うケースであり、水都西線、及び水都東線においては「先行」に該当していました。
これは宝積寺~市塙間、及び茂木~水戸間に鉄道の計画があったためで、この鉄道は結局実現することはなく終わりましたが、バスがその名残を残していたというわけです。
水戸側の区間(水都東線)の大部分は茨城交通の路線として運行が継続されているようですが、県境区間は廃止されています。
水都西線となる区間はJRバス関東直営路線として維持されてきましたが、転機となったのが宇都宮ライトレールの開業です。
水都西線のうち、比較的需要の多かった芳賀町・宇都宮市を結ぶ区間が宇都宮ライトレールと競合する形になってしまい、以後の水都西線は芳賀町~茂木町間の区間や芳賀町周辺のフィーダー輸送を中心とするようになり、宇都宮市内へ乗り入れる便は朝夕を中心とした設定になり、大幅減便となっていました。
そして、ついに2025年9月末をもって芳賀町工業団地管理センター前より西側の区間と、市塙駅~茂木駅間を廃止し、芳賀町工業団地管理センター前~市塙駅間の路線に短縮し「芳賀・市塙線」として運行されるようになります。
ライトレールとの併走区間が廃止されるのは、ライトレール開業前から予想していたのですが、真岡鉄道併走区間も廃止というのはちょっと意外でした。
恐らくは採算だけでなく運転士不足の問題もあり、他の交通機関が存在し、代替可能な区間からは撤退するという判断なのでしょう。
今回は茂木駅から作新学院前までの片道乗車とし、茂木駅までは真岡鉄道を利用します。
実を言うと、水都西線には過去に乗っているのですが、今回は純粋なさよなら乗車ということになります。
記事内容としては真岡鉄道乗車部分からスタートとし、水都西線に乗って終わりというシンプルな内容になると思います。
真岡鉄道で茂木へ
それでは本編スタートです。
まずは真岡鉄道の起点となる下館駅からレポート開始です。

「サンライズ出雲」を降りてから宇都宮線・水戸線と乗り継いできたのですが、道中はばっさりカットで下館駅前からスタートです。

駅前にある大きな建物は筑西市役所です。
駅前に市役所があるなんて便利ですね。
建物自体は「下館SPICA」といい、かつてはショッピングモールだったようですが、撤退により現在は大半の部分が市役所となっているようです。
ショッピングモールの跡地を活用と聞くと、駅前に市役所があるのが必ずしもいい意味ではない気もしてしまいますね・・・

内部です。
ニューデイズやみどりの窓口もあって、案外設備が充実していますね。

券売機も2台あります。
当駅にはJR、真岡鉄道に加えて関東鉄道も乗り入れているため3社対応の券売機のようです。
JRや関東鉄道についてはSuicaを使う人が多いでしょうが、真岡鉄道がICカード非対応なので券売機の需要が多いのでしょう。

ホームです。
島式2面4線に加えて単式1面1線、更に真岡鉄道の切り欠きホームもあるため全部で3面6線となかなか大きな駅です。
各社の分配としては真岡鉄道が1線、JRが3線、関東鉄道が2線を使用しています。
駅の規模もそうですが、何気に3社が乗り入れているというのもすごいですよね。

「SLもおか」にちなんでか「ポッポちゃん」なるキャラクターも出迎えてくれました。

こちらが真岡鉄道の乗り場です。
中間改札があり、JRをICカードで乗ってきた利用者向けに簡易改札機も設置されています。

こちらが真岡鉄道のホームです。
JRのホームの一部を間借りしている感じですが、改札の都合か柵で仕切られています。

そして、こちらが真岡鉄道の列車です。
観光用のSL列車「SLもおか」を別にすると真岡鉄道唯一の車種で、「モオカ14形」という車両です。
形式名の由来は導入年であり平成14年に導入されています。
ちなみに、先代となるモオカ63形は昭和63年に導入されています。
それではこれに乗って茂木駅へ向かいます。
↑ここでも車窓を撮ってみました。
※12月27日公開予定なので、それ以前にご覧の方は公開までしばらくお待ち下さい。
ここで真岡鉄道、及び真岡線についてざっくり解説です。
真岡線は1912年に真岡軽便線として開業したことに始まる路線で、1920年までに茂木駅まで全通しました。
しかし、県庁所在地である宇都宮方面へは大幅に遠回りになるなど、地域の流動を無視した経路だったこともあって1960年には早くもバス転換の答申が出るなどし、1980年代になると国鉄再建法が施行され、第2次特定地方交通線に指定されてしまい、廃止が決定的となりました。
特定地方交通線に選ばれた路線の運命は2通りあり、1つは鉄道としては廃止しバスに転換すること、もう1つは沿線自治体などの出資で第三セクターを設立し、第三セクター鉄道として存続するというパターンです。
真岡線の場合は第三セクターによる存続が選ばれ、1987年にJR東日本に引き継がれたものの、その翌年から真岡鉄道真岡線として再出発を図っています。
1994年からは「SLもおか」の運行を開始し、観光路線としての売り出しも始まるなどし、地域の足を守る努力が続けられています。
個人的な話ですが、真岡鉄道には過去に乗っているもののかなりご無沙汰していました。
乗車はブログ開設前のことでしたから、ブログでちゃんと取り上げるのは何気にこれが初めてでした。

ローカル線らしいのどかな雰囲気です。
意外だったのが車内に観光客が多かったことです。
この日は日曜日ではありましたが、「SLもおか」の運転日ではないんですよね。
SLが走らなくとも純粋にローカル線を楽しみたいという観光客も一定数いるということでしょうか。

真岡鉄道の拠点駅といえる真岡駅です。
「SLキューロク館」という施設があり、SLの格納庫に展示線や売店を併設したものとなっています。

道の駅もてぎの脇を通ります。
この道の駅は真岡鉄道のすぐそばにあるという立地から、SLが見られることを売りにしているようで、前回水都西線に乗った時は暇つぶしに訪れましたね。

脇には転車台がありました。
「SLもおか」のためのものであり、真岡鉄道転換後に新設されたものだそうです。

駅名標は国鉄っぽいですが、JR線だった期間が1年だけだったことを考えると本当に国鉄時代のものをそのまま使っている可能性もありそうです。

駅舎は和風な見た目でした。
え?正面からの写真?
バス停に並ぶことを優先したためこれしか撮っていませんw
といっても、さすがにそれはあんまりだと思うので、前回訪問時の写真を貼っておきます。

というわけで前回訪問時の写真です。
この時は水都西線でやってきてそのまま引き返したので真岡鉄道には乗らなかったのです。
といったところで移動パートは以上で、ここからがいよいよ水都西線のさよなら乗車です。
水都西線さよなら乗車
ここからがいよいよメインとなる水都西線のさよなら乗車編です。
解説については冒頭で済ませているので、このままレポートを始めていきます。

水都西線はこちらのバス停から出発です。
何気に先客がいらっしゃいますが、まだバスの時間までは1時間近くあるんですよねw
やっぱり前面展望目当てなんでしょうか?

バス停の看板です。
ちなみに、2025年9月の時点では茂木駅に乗り入れる路線バスは水都西線だけなので、水都西線の廃止によって茂木駅に乗り入れる路線バスは消滅する見込みです。
かつては水戸方面へも行けて、東京への高速バスが乗り入れていたこともあったそうですが、そこから路線バス全滅になるなんて地方の公共交通の現実は悲惨なものです。

時刻表と路線図です。
このように茂木まで来るのは朝夕が中心で、中でも作新学院前まで全区間走る便は朝にしかありません。
土休日ダイヤだと13時台にもバスがある代わり、夕方の便がないので昼過ぎで最終になってしまいます。
冒頭で休日でないと活動が難しいといったことを書きましたが、平日ダイヤでは全区間乗るには遅くとも7時25分発に乗らないといけないのに、そんな時間に都内から茂木駅にやって来る手段はレンタカーなどに限られますし、レンタカーを使ったとしても茂木駅に駐車してしまったら車を回収するために茂木駅に戻ってこなければならないなど、行動の制約が増えてしまいます。
もしくは宿泊することも手ですが、茂木町内にもホテルはあるものの駅から遠いところしかなく、駅周辺で宿泊すると考えると真岡まで行く必要があります。
真岡からなら真岡鉄道に乗って7時17分に到着できるので行程としては成立しますが、休日なら日中に乗れるならば、あえて宿泊する理由はないですよねw

廃止のお知らせがありました。
既存の時刻表のうち、茂木駅や作新学院前へ乗り入れる便がそのまま廃止されるという形であり、運行が継続される区間でも減便ということになるようです。
それではあとはバスを待ちます。
徐々に列も伸びていき、最終的に10名程度が並んだところで、ついにバスがやってきました。
前回乗ったときなんて並ぶどころか、私以外の乗客がいない区間すらあったのに、廃止が決まると一気に雰囲気が変わるものですね。
でも、鉄道で廃止の数日前の休日なんてタイミングで乗りに来たら、これの比ではない混雑でしょうから、バス趣味界隈はまだ平和なんでしょうか。

バスがやってきました。
廃止に関連したバスマスクを付けていますね。
ただ、1つ残念なのは、このタイプのバスはマニア席がないことw
まあ、私より前に並んでいる人もいる以上、仮にマニア席があるバスだったとしてもそこに座れる可能性は低かったでしょうけどね。

着停しました。
乗降扉が駅舎と反対側になる形での停車だったことに驚くマニアも多かったですが、前回乗車時もこの形だったので、これが正式なやり方なのでしょう。

ちなみに、このときの駅前は撮影会状態でしたw
まあ、バスは水都西線の他にないですし、送迎マイカーも列車の発着時以外は来ないので、迷惑になることはないでしょう。
そうそう、実はこの日、JRバス関東宇都宮支店において、水都西線の廃止を記念したイベントが開かれていたんですが、それに参加してしまうと茂木駅へ出てくるのが難しくなるので断念しました。
↑発車まで時間があるので車内の案内表示を撮らせてもらいました。
車内は実質マニアしか乗っておらず、運転士さんも休憩なのかどこかへ行ってしまっていたので、皆さん撮っていましたね。
↑前面展望は残念でしたが、せめて側面の車窓を撮りました。
※12月28日公開予定なので、それ以前にご覧の方は公開までしばらくお待ち下さい。
結局、車内はマニアばかりで座席の半分ほどが埋まるという、普通の路線バスの車内ではない雰囲気でしたw
廃止の発表が出る前は、バスマニア界隈でもそれほど話題になっていたような記憶もない水都西線ですが、関東近郊で乗りに来やすいことやさよならイベントの実施もあってこれほどの人を集めることになったのでしょうか。

真岡鉄道の線路越しに道の駅もてぎが見えました。
以前に乗った時はここから大勢乗車してきたことを覚えていますが、今回は特に利用者はないようです。

市塙駅付近までは真岡鉄道に並行していきます。
一応代替手段があるとは言え、駅から遠い地区にあったバス停とかもあるでしょうから、困る利用者もいるでしょうね。

県道69号の現道からバイパスへと入るところです。
宇都宮が案内されていますね。

そのままバイパスに入ると見せかけて現道を進み、「道の駅はが」の前を通過します。

芳賀町工業団地管理センター前にて宇都宮ライトレールが見えてきました。
この付近にJRバス関東宇都宮支店があり、水都西線廃止後の「芳賀・市塙線」の終点となる地点です。
ここから先は宇都宮ライトレールに乗り換えて宇都宮市街へ行けるので、JRバスはフィーダー輸送に徹するわけですね。
ちなみに、ここから乗車の人が多かったですが、イベント参加ついでに水都西線に乗って帰ろうという考えなんでしょうか。

こちらは芳賀工業団地トランジットセンターという場所で、フィーダー路線のためのバスターミナルの役割を持つ場所です。
その先はライトレールに並走しつつゆいの杜地区を抜けてきます。

国道408号へ左折したら下竹下バス停付近で再びライトレールと交差します。
付近には飛山城跡駅がありますが、微妙に離れており乗り換えには向きませんね。
ライトレールとの絡みはここが最後で、あとは500m~1kmほど隔てて並行する形になっていきます。
ちなみに、飛山城跡駅については過去に訪れていますのでその時のレポートはこちらからどうぞ!

鬼怒橋で鬼怒川を渡ります。
歴史を感じさせる重厚な鋼製トラス橋ですね。
この付近はライトレールとは離れていますが、JRバス以外にも関東自動車による路線バスも重複して走っていることもあって、水都西線廃止後も代替交通手段は確保されているようです。

工学部前バス停ですが、関東バス(関東自動車)、東野バス(東野交通)、JRバスの3社が併記されていますね。
なお、東野交通については関東自動車との統合により消滅しています。
これに加えてJRバスもこの区間から撤退するので、水都西線廃止後は関東自動車単独のバス停ということになりますね。

宇都宮駅が見えてきました。
ライトレールは東口ですが、水都西線は西口に発着します。
そのあとは宇都宮市街を走行し、東武宇都宮駅を経て終点の作新学院前まで行きます。

最後にこれだけ撮ったら下車します。
宇都宮駅で降りた人もいましたが、大半は全区間乗り通し組であり、通学時間帯以外でこの区間がこんなに混んでいるのは珍しいことでしょうねw
↑発車は動画で
このあとは宇都宮駅に引き返してからJRで帰路に着くのですが、まだ茂木行きのバスが残っているのでそれを撮影してから帰ることにします。

こちらは作新学院前バス停に掲出されていた水都西線廃止のお知らせです。
時刻表も併記されていますが、本数が少なすぎてたった3行しかないというw
平日は夕方のみ、土休日は日中にも走るのは同じなんですが、この日中の便は私が乗ってきた茂木発作新学院前行きと途中ですれ違うダイヤなので、往復とも乗車するとなると復路は夕方便とせざるを得ず、そうなると途中で日没を迎えてしまい、車窓を楽しめるのは片道のみとなります。
それでは適当なバスに乗って宇都宮駅に戻ります。

水都西線がやって来るまでは時間があるので宇都宮駅で適当に時間つぶしです。
構内を歩いていると餃子と犬が合体した謎生物がw

さっきの謎生物に触発されたわけではありませんが、ここで餃子を食べることにしました。
夕飯にはやや早い時間帯ではありましたが、この日は休日であり本格的なディナータイムに入るとお店が混雑して長時間待たされることを懸念したためです。

食後は駅前に出て撮りバスです。
こちらは関東自動車の高速バスですが、「みちのりホールディングス」の傘下となっているため統一塗装となっています。
この塗装を見ると東北というイメージを持ってしまいますが、実際には関東地方でも傘下となっている事業者があるようです。
↑発車は動画でどうぞ

そして、いよいよ水都西線です。
この頃には数名のファンが駅前広場で撮影を始めていました。
宇都宮駅からJRバスが消滅するという一つの節目として注目されているんですかね。
ちなみに、水都西線廃止後も運行される「清原・市塙線」は清原地区市民センター前に乗り入れており、これは宇都宮市内になるので、宇都宮市からの撤退はギリギリ回避されている模様です。
まあ、宇都宮支店を名乗っておきながら宇都宮市内に路線がないのはさすがに・・・ということでしょうかw
↑最後に発車の動画を撮って活動終了です。
それにしても、この便も混んでいるようですが、やっぱりほとんどがバスマニアなんでしょうかw
これにて活動終了です。
私個人としては実質5泊6日の活動が終わったことを意味しており、さすがに疲れが溜まっていて、「名残惜しい」よりも「やっと帰れる」が拮抗しているような心理状態でしたが、地元の駅に降り立った時には、「旅が終わったんだな」とちょっと感傷に浸る一幕もあったり
このあとですが、記事執筆時点では他の活動の予定はないのですが、構想している活動がいくつかあるので、それを実行することになればその記事でお会いすることになるでしょう。
あと、このところ、SimuTransの更新が途絶えてしまっているのが心残りですが、年内にあと1、2回更新できれば・・・と思っています。
それでは!



















