4泊5日で実施した中国遠征の2日目です。
なお、1日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
それでは早速行程の説明ですが、2日目となる今日は、昨晩宿泊した岡山よりスタートして、伯備線の普通列車で米子へ、米子からは境線を境港まで1往復乗車しますが、これは「鬼太郎列車」が目当てです。
その後は山陰本線の普通列車で出雲市へ向かって、一畑電車の特急で出雲大社前駅まで1往復したら出雲市へ戻りますが、宿泊先の都合で松江まで移動してゴールとなります。
早朝の伯備線を115系で征く
というわけでいよいよ本編開始です。
今回乗車するのは岡山5時25分発の伯備線普通列車米子行きとなっていて、これは伯備線の始発であると同時に、倉敷まで走行する山陽本線としても始発であり、岡山から倉敷方面に利用できる列車としても朝一番となります。
発車標です。
実は岡山駅を通る列車で米子行きというのはこの5時25分発の普通列車のただ1本となっており、つまりは岡山駅の発車標に米子という表示が出るのも1日に1回だけということになります。
これは普通列車ではこの1本以外は最遠でも新見までの運行ですし、特急「やくも」は逆に米子で折り返す列車がなく全列車が出雲市まで運行されるためですね。
ホームへ向かうもまだ入線していなかったので・・・
↑入線シーンをどうぞ!
写真でも撮ります。
え?これが本当に115系なのかって?w
実はこれ、元々は中間車だった車両を改造して先頭車にしたというもので、先頭部の見た目から「食パン」なんて呼ぶ人もいるようです。
ワンマン運転対応の2両編成を作るためにこんなことをしていたんだとか。
まだ発車まで余裕があるので、向かいのホームからも撮りました。
ちなみに、反対側は普通の113系や115系の顔です。
早朝に加えて、岡山駅から郊外へ向けて走る列車になるのでガラガラだろうと思ったら、意外と車内は混み合っていて驚きました。
山陽本線の普段の列車なら4両とか3両のところ、2両なのでそのためかなとも思ったんですが、客層を見て合点がいきました。
それは、若者のグループが多かったことで、更に付け加えるとこの日は土曜日でした。
つまり、金曜日の夜に仕事や学校から開放されて飲み歩き、そのまま終電を逃すなどして朝まで飲み歩いたりネカフェなどで夜を明かした人たちが帰宅するところなんですね。
倉敷までにだいぶ降りていきましたが、それでも車内には結構な人数が乗っていました。
伯備線沿線からも岡山へ飲みに行った人が多かったんですかね。
あとどこの駅だったか忘れましたが数十人単位でまとまって降りていった駅もあり、そのほとんどが外国人だったことが印象に残っていますが、たまたま外国人のグループが飲みに行って今帰るところだったのか、何かイベントがあるのか・・・
それも備中高梁あたりまででほとんど乗客はいなくなり、すっかりローカル線という雰囲気です。
伯備線を乗り換え無しで走破できる貴重な普通列車ということで、乗り通す人も多いかと思えば、岡山から米子や出雲市へ向かう人は大人しく「やくも」を使っているんでしょうね。
18きっぷシーズンだったらまた違ったんでしょうけども・・・
そして、最初は暗かった車窓も徐々に明るくなり始めました。
伯備線は川沿いに走る区間が多く、岡山県内では高梁川に沿って走ります。
列車が進むに連れて川は上流に近づいていき、徐々に川幅も狭まってきました。
そして、姫新線の乗換駅となる新見に到着です。
岡山方面からの普通列車は今乗っている1本を除いては当駅で分断されており、また、岡山方面はおおむね1時間に1本程度(時間帯により2時間に1本)の普通列車があるのに対して、米子方面は2~3時間に1本程度しかない閑散区間となります。
つまりは18キッパーにとっても難所といえますね。
そんな新見駅ですが、この手の長距離普通列車にありがちな長時間停車もなく、すぐに発車していきました。
この時点で車内の乗客は私の他に数名のみとなり、この区間の閑散っぷりを実感しました。
備中神代駅に差し掛かります。
ここは芸備線との乗換駅ですが、芸備線の列車は全て新見駅まで直通なのでここで乗り継ぐのは米子方面から来た場合だけでしょうか。
また、当駅と新見駅の間にある布原駅は、伯備線の駅でありながら伯備線の普通列車は全て通過しており、芸備線から直通してくる普通列車のみ停車するという変わった駅になっています。
別れていく芸備線の線路です。
1日に6本しか列車が走らない区間であり、ここを通って芸備線の列車を見かける確率はかなり低いと言わざるを得ないでしょう。
分岐地点のすぐそこに鉄橋があります。
跨いでいるのは西川という川でして、実はもう高梁川とは並走していません。
どこへ行ったのかというと新見駅を出たあたりで離れて行っており、この西川は高梁川の支流にあたるようです。
↑足立駅では381系「やくも」と離合です。
しかも、「スーパーやくも」の塗装です。
単線の多い伯備線ですから、列車との離合も見どころになりますね。
↑その次の新郷駅では貨物列車と離合しました。
今や貴重なEF64形が現役の路線ですからね。
この新郷駅が岡山県内最後の駅となり、この次の上石見駅との間で県境を越えて鳥取県に入っていきます。
このあたりで一般客はいなくなり、車内に残ったのは私の他は乗り鉄風の男性1名だけになりました。
生山駅からは再び米子方面への普通列車が増えるようになり、ここからは鳥取県内のローカル需要が始まる区間でもあり、徐々に乗ってくるようになりました。
↑黒坂駅で2回目の「やくも」との離合です。
今度はノーマル塗装ですね。
また車窓に川が出てきましたが、県境を越えると同時に分水嶺も越えており、今度は日野川に沿って進みます。
↑岸本駅では3回目となる「やくも」との離合です。
しかも今度は国鉄色!
離合列車を撮るだけで3種類の塗装を網羅できましたね。
なお、今回の遠征では「やくも」の走行区間を行ったり来たりするので、まだまだ撮影のチャンスはたくさんあるはずです。
伯耆大山駅で山陰本線に入る頃には車内はそこそこ混み合ってきており、時刻は8時台も中頃でしたからこれから米子へ出る人たちなんでしょうか。
米子に到着しました!
岡山から3時間半ほどの旅でしたが、実はこれは岡山から最も早く米子に到達できる列車となります。
特急だと「サンライズ出雲」が後続列車となりますが、これの米子到着は9時05分であり、普通列車が8時52分なので13分だけですが先着できます。
「サンライズ出雲」は寝台特急ですが、座席扱いの「ノビノビ座席」もあるので岡山からの利用も出来ないことはありません。
ただ、混雑することが多くて予約が取れないことも多いでしょうから一般の特急としては「やくも1号」が始発となります。
こちらは米子に9時17分なので普通列車より25分遅くなりますが、岡山を1時間40分も遅く出られるので、一般的な利用としては朝早くに岡山から米子へ行きたかったら「やくも1号」を使う人が多いんでしょうねw
乗ってきた列車を撮ったら、30分ほどの待ち時間の後、境線に乗り換えます。
本来はこの間に「サンライズ」がやってくるんですが、東海道本線での大雨の影響で遅れているらしいので撮影は叶いませんでした。
境線「鬼太郎列車」に乗る
ここからは境線に乗って境港へ1往復します。
境線自体は過去に乗っていてその時にもレポート済みなので境線そのものについての解説はそちらに譲ることとしましょう。
既に乗ったことがある路線をわざわざ再び乗る理由は「鬼太郎列車」に乗るためです。
「鬼太郎列車」については前回の記事では軽く触れただけだったと思うので詳しく解説しますと、境線の沿線にある境港市は漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者の水木しげる氏の故郷である縁からキハ40系に「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクターをラッピングしており、キャラクターごとに「鬼太郎列車」「ねずみ男列車」「ねこ娘列車」「目玉おやじ列車」「こなき爺列車」「砂かけ婆列車」の6種類があります。
この記事ではこれらを総称して「鬼太郎列車」と呼ぶことにしますが、更にすごいのが単に車体にラッピングをしただけでなくて、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に出演する声優の沢城みゆきさん、野沢雅子さん、庄司宇芽香さんが担当する特別アナウンスも流すということをやっています。
コラボ企画などで期間限定で声優さんのアナウンスを流す例はありますが、恒常的にやっているのは珍しいですよね。
また、前回乗車時はキハ126系だったので、キハ40系でも乗っておきたいという意味でも改めて乗りに来たわけです。
鳥取の名所を紹介する手作り感のある掲示物がありました。
鬼太郎はもちろんいますし、アマビエもいますね。
この待合室は猫仕様でした。
ピンクで可愛らしいデザインになっています。
↑いよいよ「鬼太郎列車」が入線です。
今回は「砂かけ婆列車」と「こなき爺列車」の組み合わせでした。
ねこ娘とねずみ男もいました。
ところで、最近の鬼太郎シリーズのアニメではねこ娘のキャラデザがだいぶ違っていますが、これは原作に忠実なキャラデザですよね。
みなさんはどっちがお好きですか?
車内もオリジナルデザインになっています。
モケットにキャラクターが描かれたりしています。
続けて「こなき爺列車」の車内です。
色合いが異なりますが、モケットや天井にキャラクターたちが描かれているのは一緒ですね。
ボックスシート部は記念撮影に使えるようにあえて端っこにだけキャラクターが描かれているようです。
でも、一般のローカル列車に使われるので整理券発行機やICカードリーダーが設置されています。
あとは発車を待つのですが、まだ時間があるのでホームに出てしばし撮り鉄です。
「サンライズ」は遅れているため撮れませんが、「やくも」の発着があるみたいなのでそれを撮りましょう。
↑まずは下りの「やくも」です。
↑続いて上りの「やくも」です。
↑ボックス席を確保できましたので車窓を撮りました。
「鬼太郎」のアナウンスも聞けますのでぜひご覧下さい!
それでは発車ですが、車内は土曜日にしては観光客も少なめで環境もいい感じです。
発車してしばらくするとアナウンスが始まりますが、早速声優さんの放送が始まってテンションが上がりました。
ただ、続けて流れるドアの方向などを知らせる放送は一般的な音源が流れるためそのギャップが面白いですがw
境線はローカル線にしては駅間が短く、平均すると約1.2kmおきに駅があることになり、これは大都市の通勤路線と変わらないですよね。
なので、キハ40系の加速性能だと十分に速度が乗る前に次の駅についてしまうということになり、高速域のエンジン音を楽しみたいならば境線はあまりおすすめできないかもしれません。
でも、駅がたくさんあるということはそれだけアナウンスを聞けるチャンスが多いということなので、鬼太郎アナウンスを楽しむのには向いているとも言えます。
車窓についても特別に優れているということもないかもしれませんが、逆に言えば普通の景色を普通に楽しめる路線と言えましょうか。
そんなわけで車窓の中で何を取り上げようかというと、米子空港が最大の見所ですかね。
それも車窓から見えるというだけでなくて、米子空港駅という駅も設けられており、境線は空港アクセス鉄道としての役割も持っていることになります。
その米子空港駅がこちらです。
花巻空港駅みたいに、名前だけで実際には空港から遠い駅もある仲、ここは本当に目の前にあり、道路を横断したらすぐに空港ターミナルにたどり着けるようです。
空港利用者なのか大きなスーツケースを抱えた人たちがぞろぞろと降りていきましたから、空港アクセス鉄道としても結構使われているみたいですね。
ちなみに、副駅名として「べとべとさん駅」というのがあります。
これは米子空港駅に限らず、境線の駅には全て妖怪の名前を使った副駅名があります。
全て紹介すると長くなるので起終点の米子と境港だけ紹介すると米子はねずみ男駅、境港は鬼太郎駅となっています。
空港の方は「米子鬼太郎空港」の愛称があります。
何から何まで鬼太郎押しですよねw
それでは外へ出ます。
実は折り返し時間が短かったので慌ただしいですw
こんなオブジェもありました。
漫画の本をイメージしたんでしょうか?
そして、駅舎内です。
鬼太郎列車をデカデカとPRしていました。
水木しげる記念館のブースもありましたが、リニューアル工事のため休館中でした。
あとは乗り込んで発車を待っていたのですが・・・
なんか来たぁ~!
イベントか何かだったんだと思いますが、妖怪たちが練り歩く姿はまるで百鬼夜行ですw
それでは発車です。
今度は観光客も多く混み合っていたこともあって車窓は撮りませんでしたし、基本的に往路の逆というだけで特筆すべきこともなかったので、記事は米子まで飛びます。
米子に着いた後は・・・
米子駅より出雲市駅を目指す
ここからは出雲市駅を目指して移動です。
特急に乗ってしまえば50分ほどで行けますが、この区間でも115系に乗りたいということもあって、普通列車で行きます。
そのため、1時間半ほどかけての移動となります。
また、特急の方が先の発車なので、米子駅では少し待ち時間がありますが、その間はもちろん撮影タイムですw
倉吉行きのキハ126系がいました。
この地区の普通列車の主力車種ですよね。
よくみると側線にはキヤ141系がいました。
このキヤ141系は軌道検測などを行う検測車であり、在来線版の「ドクターイエロー」と呼べる存在でして、「ドクターWEST」という愛称もあります。
所属するJR西日本はもちろん、JR四国、JR九州やこれらと線路がつながる一部の第三セクターにも乗り入れて幅広く活躍しています。
そんなに頻繁に使用される車両ではないので、多くの会社に貸し出すことで効率的に運用しているわけですね。
そして381系「やくも」がやってきました。
しかもパノラマ編成です!
↑発車はもちろん動画でどうぞ
↑続けて上りの「やくも」もやってきました。
↑さっきのキハ126系が発車するところだったので動画を撮りました。
↑そして、私が乗る115系普通列車がやってきました。
列車は伯備線から直通してくるやつなので当駅始発というわけではなくて発車間際に入線しすぐに発車でした。
この区間は特急や気動車では何度も乗ってきているんですが、普通電車では初めてでした。
電化区間ではあるんですが、非電化区間と直通する列車が多いこともあって気動車の割合が高く、更に運用の都合か電化区間のみを走る普通列車でも気動車が充当される場合があり、電車による普通列車ってなにげにレアだったりします。
特急だったら「やくも」と「サンライズ出雲」は確実に電車ですけどね。
1駅先の安来駅からはもう島根県となり、鳥取県と島根県の県境は峠とか川といった分かりやすいものがなくて、いつの間にか過ぎてしまう県境ですね。
しばらくして右側には中海が見えてきます。
このあたりで湖というと宍道湖のほうが知名度が高く、これも宍道湖と勘違いする人もいるかも知れませんが、宍道湖が見えるのは松江の先です。
そんな中海と宍道湖は大橋川という川で繋がっていますが、その水面に浮かぶ小島にはなんと神社がありました。
その名を「手間天神社」というそうですが、橋などは一切かかっておらずどうやって参拝すればいいのか不思議な立地です。
陸からは数十メートルなので、泳ぎが達者な人ならば頑張れば泳いで辿り着けそうですが、実はこの島そのものが通常は上陸禁止となっていて、祭礼がある日に限り許可を得た人だけが上陸できるという、一般人お断りの神社なんだとか。
列車の車窓からも見えるのに、一般人は行くことが出来ないなんてちょっとロマンを感じますw
また、この情景をRPGになぞらえて「クリアすると渡れるようになるやつ」と称する向きもあるんだとかw
高架橋を上り都会の景色になったら松江です。
松江市は島根県の県庁所在地であり、島根県では最大の人口を誇ります。
ただ、鉄道においては出雲市駅や米子駅に比べると中間地点という感じが強くて、松江駅の存在感は薄いというのが正直なところですかね。
といっても、「サンライズ出雲」などの特急を含めて全ての列車が停車するので、県庁所在地としての格はありますかね。
そんな松江を出るとお待ちかねの宍道湖です。
「サンライズ出雲」の下り列車に乗ると出雲市到着前のタイミングでこの景色が現れるので、旅の気分を盛り上げるいい演出となりますよね。
ちなみに、列車自体は西出雲行きです。
西出雲駅は当駅から更に下関方に1駅隣の駅でして、後藤総合車両所出雲支所という車両基地が隣接しており、この車両基地には電車も所属するため西出雲駅までが電化区間となっています。
「やくも」や「サンライズ出雲」などの電車を使用する特急もここを通って回送されますが、普通列車では一部が入庫を兼ねて西出雲行きとして運行されるものがあり、出雲市~西出雲間で電車に乗れる貴重な列車となっています。
なので、西出雲駅まで乗り通そうかとも思ったんですが、それをやると1分後に発車する対向列車で引き返すか、2時間待ちぼうけかの2択になってしまい、2時間待つとこの後の行程が繋がらなくなり、かといって1分乗り換えはリスクが高すぎるということで断念しました。
構内を見やるとなんと「あめつち」がいました。
こちらは出雲市~鳥取間を走る観光列車なんですが、ちょうど運行日だったんですね。
貴重なキハ40系を使った列車ですし、これも乗ってみたいんですが、それはまたのお楽しみということで・・・
と簡単に撮影をこなしたんですが、発車時刻まではまだ40分くらいはあるようです。
この次の行程までは1時間50分ほど待ち時間があるので待つことは出来るんですが、「あめつち」の後、「やくも」も来ることが分かり、それを撮っているとこのあと乗る列車の時間ギリギリになるため、逆に発車を待つ間に外へ出て昼食を済ませ、入場券で入場して撮影をこなしてから次の行程へ進むことにしました。
こんなキャラクターのパネルが出迎えてくれました。
調べてみると「ヒロインたるもの!~嫌われヒロインと内緒のお仕事~」というアニメのキャラクターみたいで、作中のアイドルユニット「LIP×LIP」が出雲観光大使に就任したことにちなんでコラボで設置されていたようです。
コンコースには旧大社駅の模型がありました。
現在、出雲大社へは一畑電車を使って出雲大社前駅を利用するか、路線バスを利用するかの2択ですが、かつては国鉄も大社線という路線を持っていて、最盛期には名古屋や大阪といった大都市から直通列車が設定されることもあったようですが、末期は線内完結の普通列車のみとなり、最終的には1990年に廃線になりました。
現在でも駅舎が保存されていて観光名所のような扱いになっているそうですが、訪問は今後の宿題ということで・・・
あと、鉄道に関する物品の展示もありました。
ブルートレイン「出雲」のヘッドマークや大社行きの札もありますね。
そして、お昼ごはんです。
出雲といえばお蕎麦ということで、出雲蕎麦を注文しました。
割子そばと呼ばれる3つに分けた独特の盛り付けとなっています。
蕎麦というと日常でも食べる機会が多いだけにあまり特別感がない食べ物ではありますが、出雲で食べるとやっぱり違いましたね。
食後は入場券を買ってホームで撮影の続きです。
↑それではまずは「あめつち」の発車です。
↑キハ126系の入線
↑対向のキハ187系「スーパーまつかぜ」がやってきました。
今では珍しくなった「スーパー」が付く列車の一つですね。
キハ126系がいなくなって編成写真が撮れたので写真でも撮りました。
↑発車は動画で
↑続いて381系「やくも」です。
しかも国鉄色!
写真でも撮っていい感じです。
381系は最後の国鉄型特急ですし、最後に国鉄色を再現してくれたのは嬉しいです。
↑向かいのホームへは反対方向の「やくも」がやってきました。
車両基地から出てきたところですね。
↑続けて国鉄色の方が車庫へ引き上げていきます。
よく見ると方向幕のままですね。
他の車輌はLEDであり、何故かこの1両だけ方向幕でしたがあえてなんでしょうね。
発車時間まで少しあったので先頭部へ移動してきました。
もちろん発車まで見届けてからの撤収です。
実を言うとこの列車は最終日に乗車する列車だったりしますが、となると最終日の乗車直前に国鉄色をもう1度見るチャンスがあるということ!
↑そして発車シーンです。
といったところで撮影タイムはおしまいで、次の行程へ進んでいきます。
一畑電車の特急で出雲大社前へ
それでは本日の活動のシメとなる「一畑電車の特急」に乗ります。
一畑電車については以前に乗車したことがあり、ブログ上でも紹介済みなので、詳しくはそちらの記事をご覧いただくとして、今回乗車する特急について解説しておきます。
一畑電車では地方私鉄にしては珍しく優等列車が設定されており、急行・特急があります。
今回はそのうちの特急に乗ることとしますが、特急の概要は平日と土休日で大きく異なっており、平日については電鉄出雲市→松江しんじ湖温泉間に片道1本だけ設定されている「スーパーライナー」のみとなり、通勤輸送に特化したレア種別となっていますが、土休日では電鉄出雲市~出雲大社前間を4.5往復とそこそこの本数設定されており、出雲大社への参拝客に便宜を図った列車といえます。
この日は土曜日でしたから、乗るのは後者の電鉄出雲市~出雲大社前間の列車ということになります。
停車駅は電鉄出雲市・大津町・川跡・出雲大社前のみとなっていてなかなかに意欲的な設定であり、所要時間も17分程度となっています。
比較として普通列車の所要時間を引き合いに出したいところですが、出雲大社前~電鉄出雲市間を直通する普通列車は2023年現在のダイヤでは存在しないため、川跡乗り換えとして乗り換え時間は考えない形で所要時間を紹介すると20分程度となりますが、川跡駅では進行方向が変わるため特急でも2分程度停車することを考慮して川跡での乗り換え時間を2分としたら22分となりますから、実質的には5分程度の差ということになるでしょうか。
走行距離が短いことを考えると5分の短縮は結構頑張っている方だと思います。
それでは本編に戻りまして、一畑電車が出る電鉄出雲市駅に向かいます。
JR出雲市駅とは隣接しており、実質同じ駅と言ってしまってもいいんですが、名前が異なっています。
ただ、JRから乗り継ぐ場合はわずかな距離とはいえ一度外へ出ないといけないので、そういう意味では別駅ですね。
それではまずはきっぷを買います。
一畑電車ではSuicaなどのICカード乗車券には対応しておらず、必ずきっぷを買って乗る必要がありますが、券売機か窓口で購入できます。
その券売機ですが、意外と現代風のハイテクなものでした。
しかも、左側に決済端末が取り付けられているのでお分かりかと思いますが、きっぷの購入にキャッシュレス決済が可能みたいで、クレジットカードや交通系ICカード、PayPayなどのバーコード決済にも対応していました。
前に乗ったのは2016年のことであり、7年ぶりと結構ご無沙汰していましたが、その間に一畑電車も時代に合わせて変化していたんですね。
発車標も液晶ディスプレイでした。
「改札中」の文字もありますが、一畑電車も列車別改札をやっているようです。
あと、特急についてもレアですが、出雲大社前行きという点でもレアですよね。
2023年現在のダイヤでは特急以外で電鉄出雲市から出雲大社前行きはなく、平日に至っては1本もありません。
出雲大社の知名度や人気からして、いくら観光客が少ない平日とはいえ、この扱いはどうなんだという気もしますが、出雲大社へのアクセスはバスが優勢という状況があるようです(詳しくは後述)
ホームへ出たら駅名標を撮ります。
これは7年前と変化はなさそうですが・・・
待っていたのはこちらです。
見た目にも新しい電車ですが、これは7000系と言い、2016年に登場した一畑電車の最新鋭車両となっています。
また、一畑電車では多くが他社から譲り受けたいわば中古車のところ、この7000系は自社発注の完全新製車両となっており、これはなんと86年ぶりのことだったそうです。
JR四国の7000系をベースにしており、1両単位で走行可能であり、需要の少ない一畑電車の事情に即した車両と言えるでしょう。
前回一畑電車に乗った頃にはまだ存在していなかった車両なので、これは完全に初めましてでした。
車内はロングシートとクロスシートが半々となっていて、やや変則的なセミクロスシートと言えますかね。
中央部はサイクルトレインの自転車スペースとなっていますが島根のご当地キャラ「しまねっこ」がいました。
↑ここで全面展望を撮りました。
本当は全区間撮りたかったのですが、川跡で進行方向が変わるため川跡までとしました。
2両編成なので急いで最後尾側へ移動すれば全区間も撮れなくはなかったのですが、7000系は0.5Mといって片側は電動台車で片側は付随台車という構造のため、川跡までの区間は電動台車側が先頭になるものの、川跡より先は付随台車側が先頭となってしまうため断念したというのもあります。
電鉄出雲市を出ると大津町・川跡と停車していきますが、ここは1駅ずつしか通過しないので、あまり特急という感じはしませんね。
川跡では進行方向が変わるために2分程度停車しますが、この構造ゆえに電鉄出雲市と出雲大社前の直通は少ないのかもしれません。
そして、ここからが本番とばかりに川跡から先の大社線では3駅連続通過となり、途中駅は一切止まりません。
沿線は田園風景が多く、田舎を爆走する特急という感じがいいですね。
隣りにいたのは2100系という車両で、元京王5000系です。
↑ちょうど発車するところだったので動画を撮りました。
ホームからもよく見える位置にいたこちらはデハニ50形という車両で昭和初期生まれの大変に古い車両です。
なんと2009年までは営業運転をしていたようですが、その後は一畑電車を舞台にした映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の撮影に使われ、本線を走行するなどしましたが、以後はここ出雲大社前駅と雲州平田駅に1両ずつ保存されています。
それでは改札を出ますが、改札というよりは単なる通路という感じです。
でも、列車発着時には駅員さんが立って集改札業務を行うため、ちゃんと改札口として機能しています。
発車標ですが特急はすぐに折り返すわけではないため少し滞在時間があります。
あと、後続列車は松江しんじ湖温泉行きの普通となっていますが、土休日ダイヤの日中の大社線では電鉄出雲市への特急と松江しんじ湖温泉への普通の二本立てとなり、北松江線では電鉄出雲市~川跡間の普通列車を運行して出雲市方面から松江しんじ湖温泉方面への利用者は川跡で乗り換えが必要なダイヤになります。
これは、出雲大社を参拝してから松江しんじ湖温泉へ宿泊するとか、逆に松江しんじ湖温泉に宿泊してから出雲大社を参拝するといった周遊利用に考慮したダイヤであり、土休日ダイヤでは出雲大社を中心に据えたダイヤと言えそうです。
そして駅舎です。
出雲大社の最寄り駅にしては、洋風な見た目ですが、これはかつて存在した国鉄の大社駅が和風建築だったことに対抗したという説があるんだとか。
その国鉄の大社駅跡は今でも保存されているんですが、ここからは徒歩10分ほどで、急げば見て戻ってくることも出来るでしょうが、それだとざっくり見るだけになりそうだったので、また今度時間がある時にじっくりと見学することにし、今回はパスということにしました。
ちなみに、駅舎自体が登録有形文化財と近代化産業遺産に登録・認定されています。
駅前にはバス停があります。
一畑電車と同じ系列の一畑バスによる運行となっており、出雲市街や出雲市駅と出雲大社・日御碕方面へのバスが立ち寄ります。
実を言うと当駅は鉄道駅としては出雲大社の最寄りではあるものの、本殿までとなると1kmほどの徒歩移動が必要になり、バスならばもっと近くまで行けるため、出雲大社へのアクセスとしてはバスが優勢のようですね。
また、ルートとしてもバスに比べると鉄道はやや遠回りというのもあります。
これについては元々は出雲市駅からまっすぐ出雲大社を目指すルートでの建設が計画されたものの、それだと当時存在した国鉄大社線と完全に並行することとなるために認可が降りず、やむなく遠回りな今のルートでの建設となった経緯があるようです。
それではデハニ50形を見に行くとしましょう。
現役のホームの隣なので、普通に営業運転しているようにも見えるのがいいですね。
運転台です。
配管などがむき出しだったりしてメカメカしさがいいですね。
こちらは手ブレーキといって手でハンドルを回すことでかけるブレーキです。
ただし、走行中のメインのブレーキとして使われたのは鉄道黎明期だけで、あとは停車中に勝手に動き出さないようにするという、自動車で言うパーキングブレーキのような役割があったようです。
車内です。
ゴザが敷いてあるのが雰囲気を壊している気もしますが、どこもかしこも木製の車内は現代の車両ではあり得ない雰囲気を感じられます。
本形式も登場した「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の写真も展示されていました。
バスが来ました。
大きな鳥居をバスがくぐる光景は絵になります。
↑発車は動画でどうぞ
さて、あとは駅に戻るかと思ったら・・・
↑なんか変わったクルマが来ました!
これは「グリーンスローモビリティ」と呼ばれる電気自動車で、路線バスよりも近距離を結ぶ新しい乗り物として導入が進んでいるものです。
出雲市でも実証実験的にやっているみたいですね。
また、より本格的に運行されているものとしては東京都豊島区を走る「IKEBUS」もありますね。
それでは特急に乗って電鉄出雲市に戻ります。
先程と同じ7000系ですね。
↑今度は大社線内となる川跡まで前面展望を撮りました。
3駅連続通過をお楽しみ下さい。
↑隣りにいた2100系の発車を見届けてから改札を出ます。
これにて活動としては終了ですが、今宵の宿は松江にあるためここからは松江へ移動します。
翌朝も出雲市からの活動なので、このまま出雲市に泊まったほうが便利なんですが、この日が土曜日ということは翌日は日曜日ということで、土日を跨ぐ日程ではホテルが混み合っており、全く空室がないというわけではなかったのですが、出雲市のホテルより松江のホテルの方が松江までの交通費を加味しても安上がりだったため、松江を選びました。
もし明日の出発がめちゃくちゃ早いとか、今日の活動終了が夜遅いとかなら割高でも出雲市駅周辺に泊まったでしょうが、今日の活動終了も早く、明日ものんびり出発なので安い方を選びましたw
松江へ移動
というわけで、活動としては既に終了ですが、ここから松江への移動をおまけ的にレポートしてからこの記事を〆たいと思います。
出雲大社を模したであろうデザインの駅舎を撮ったら列車に乗って松江へ向かいます。
ところで、ついにICOCAエリアが山陰地区にも広がっており、今回は手持ちのSuicaで乗車しました。
まあ乗ったのはキハ40系だったんですがw
今やICカードのエリア内でキハ40系が走るのも珍しいのではないでしょうか?
そんなこんなで松江に到着です。
島根県の県庁所在地ながら降り立つのはこの時が初めてでした。
ところで、これは縦型の駅名標なわけですが、普通の駅名標がいくら探してもなかったんですよね。
過去ブログをよくご覧になっている方はご存知でしょうが、私はちょくちょく駅名標を撮り忘れるというポカをやらかしているので、今回もそれだろうと言われそうなところですが、今回についてはホームの隅々まで見て回った上で”なかった”という結論に達しているので、本当になかった可能性が高いと思います。
調べてみると、JR西日本では吊り下げタイプの駅名標の撤去を進めているという情報がありましたから、撤去されてしまったと考えるのが自然でしょうね。
縦型があればとりあえずここがどこの駅なのか把握することは出来るので、吊り下げタイプが必須というわけではないのかもしれませんが、やっぱり吊り下げタイプや支柱タイプのような大きな駅名標はその駅のシンボルみたいな感じがするのでこれは残念です。
とはいえ無いものはしょうがないので駅取材続行です。
島式2面4線の高架駅となっており、構造的には出雲市駅に近いですね。
高架化されたのは1977年とのことで、高度成長期の雰囲気もあります。
↑発車シーンは動画で
端っこです。
左手には一畑百貨店の立体駐車場が、右手にはイオンが見えていて、商業施設の集積地であることも分かりますね。
一畑百貨店というのは名前からして想像がつくでしょうが、一畑電車と同じ一畑グループの百貨店です。
ただ、残念ながら一畑百貨店は2024年1月14日に閉店することが決定していて、また一つ地場の百貨店が消えてしまうことになりました・・・
まだまだ明るいので構内で軽く撮り鉄してから撤収しようと思います。
まずは「やくも」
コンコースに降りてきました。
やっぱり昭和の地方駅という雰囲気がすごいです。
ここにも「しまねっこ」がいました。
そりゃあ県庁所在地にいないなんてありえないですよねw
階段には松江城の写真がありました。
観光地というと出雲の方が人気かもしれませんが、松江だって見どころはありますよね。
改札を出ました。
当然のように自動改札がありますし、ICOCAエリア内であることからICカード対応の自動改札機となっているあたり、ここだけ見ると都会的な印象です。
駅構内には「シャミネ」という商業施設があり、観光客向けのお土産店や衣料品店、飲食店なども集まっています。
ちなみに、この「シャミネ」はJR西日本の関連会社が運営しており、他に米子と鳥取にあるようです。
高架駅ということで駅舎が大きくて全景はなかなか収まりませんw
駅前はバスターミナルとなっており、交通結節点としての機能もばっちりです。
こちらは松江市交通局、つまり松江市営バスということになります。
地方都市では市営バスというとコミュニティバス的に存在しているだけだったり、そもそもバスは民間任せとか、かつてはあったけど民営化で消滅といった流れも多い中で、松江市では今でも市営バスを維持しています。
最近は大阪の金剛自動車が廃業するというニュースでも騒ぎになりましたし、やっぱり公共交通は国なり自治体なりが責任を持って維持しないといけない時代なんだと思いますから、安易に行政のスリム化などといった潮流に乗らずに市営バスを貫いている松江市はそういう面では素晴らしいと思います。
こちらも松江市交通局のバスですが、観光客向けの周遊バスのようです。
それではホテルへ向かうかと思ったら地下通路を通っていくようですが、どうみても地下駐車場の雰囲気・・・w
と思ったら本当に地下駐車場でした。
駐車場から駅への通路を、駅前の地下道と兼用にしているみたいですね。
あとはホテルへ向かいますがまだ明るいうちのチェックインというのは私の活動では珍しいことです。
まあ、昨晩は夜遅くの活動終了だったのに始発電車での出発とハードだったので、今日くらいゆっくりして明日以降の活動に備えるとしましょう。
ホテルに荷物を置き一休みしたら松江駅の方で夕飯を食べに行きました。
こちらは「のどぐろ」の焼き魚です。
以前に新潟遠征をした時に「のどぐろ」を食べたことがありましたが、日本海側の地域では幅広く食べられている魚なので山陰地方でも食べられます。
続いて日本海の地魚のお寿司です。
個々のネタが何だったかは忘れてしまいましたが美味しかったです。
こちらは「赤天」という名物で、魚の練り物に赤い色を付けてピリ辛に仕上げたものをパン粉を付けて揚げたというもので、島根県内ではスーパーでも普通に売っている他、居酒屋でも定番メニューなんだとか。
本来は浜田の名物みたいですが、今や島根県全体で親しまれているみたいですね。
これも美味しかったです。
注文したのは「七冠馬」というお酒でした。
「七冠馬」というと競馬ファンやウマ娘ファンならば「シンボリルドルフ」のことであることは分かると思いますが、その名を冠したお酒があることはウマ娘とコラボしたパッケージデザインのものを出したというニュースで存在は知っていました。
実は製造元は奥出雲町にある簸上清酒という酒造会社なんだそうで、ウマ娘要素だけで選んだわけじゃなくて地酒でもあるわけです。
せっかくの機会だしと飲んでみたのですが美味しかったです。
食後の〆はシジミの味噌汁です。
シジミは肝臓にいいといいますし、なにより松江にある宍道湖のシジミは有名ですしね。
こうしてこの日は名物グルメを堪能した1日でもありました。
食後にホテルへ戻る道すがらに見かけたこちら
山陰にも新幹線を!ということなんでしょうが、実現したとして伯備線のミニ新幹線化が精々だと思いますけどね。
あと、仮に山陰新幹線・伯備新幹線が実現したとしたら、並行在来線となる山陰本線や伯備線の存廃問題も出てきそうです。
あとこんなものも・・・
そういえば竹島って行政上は島根県に属していましたね。
といったところで2日目は以上となります。
3日目以降は別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。