常磐線特急651系&E653系さよなら乗車

埼玉へ移ってきて1週間ほどたってからウィークエンドパスを利用して常磐線特急から撤退する651系E653系のさよなら乗車をしました。
いろんなトクトクきっぷや割引を比較したんですが、結局ウィークエンドパスが一番お得なんですね。
なお、ウィークエンドパスは土日の2日間有効ですので、翌日実施した200系さよなら乗車でも使用しました。
余談ですがこのウィークエンドパス、4月から名称が変わり、値段など若干の変更があるようですね。
私としては特急券込みで発売だった土日きっぷに戻って欲しいですが、JRも正規運賃の値上げが出来ない分トクトクきっぷの値上げで穴埋めする風潮になってきていますし厳しいでしょうね。

今日の予定

まず宇都宮線で上野に出て、そこからスーパーひたち(651系)でいわきへ向かいます。
折り返しに時間があることから現在運行されている南側の最北端である広野へ行ってから、高萩まで普通列車で移動します。
高萩からはフレッシュひたち(E653系)で上野に戻り、宇都宮線で帰路につきます。
行程としては単純で乗車時間が大半を占めるので、乗り鉄&音鉄旅の色が濃いですね。

上野へ

宇都宮線で上野へ行きます。何度も乗っている区間なのでただ乗っているだけです。M車がどこかとか、騒いでいる人から距離を置くとか気にしないでいいので気が楽ですw
車窓からは供用開始に向けて準備が整いつつある湘南新宿ラインの浦和駅ホームが見えました。
そして、上野に到着です。上野駅はいわゆる高いホームと低いホームがあり、常磐線を含め特急列車は低いホームからの発車です。
特に常磐線特急ホームについては別改札となっていてホームに入るには特急券を提示する必要があります。このやり方は東武伊勢崎線の浅草駅でも見られますね。
しかし、まだスーパーひたちまでは時間があります。そこで13番線に行ってみることにしました。ネット上では別の方向の噂があるようですが、それはともかくあけぼのの案内がシール貼りになっているという情報を検証するためです。
噂通り人通りは少ないですが、ちょうど宇都宮線の列車が客扱いを始めるところだったのでそこそこ一般客もいました。そして、見つけました。
ueno-sign
噂通りですね。あけぼのだけ端っこに追いやられ、シール貼りになっています。あけぼのも安泰とはいえないんですかね。もう少し先まで行けば噂のトイレですがそろそろ発車時間も迫ってきたので降り返します。

スーパーひたち

本日の目玉の1つ、スーパーひたちです。スーパーひたち号自体はE657系で今後も運転され続けますが、651系での運行はもうすぐ見納めです。
ところが、列車がなかなかやって来ません。アナウンスによると常磐線内の強風により遅れて運転するとのこと。
発車時刻は11時ちょうどですが、そのくらいの到着になるとのこと。到着しても車内の清掃や点検があるためすぐには折り返せませんので10分くらいは遅れて発車しますかね。
まあ、いわきでは元々1時間近く滞在時間があるので大丈夫でしょう。逆にこれはチャンスと細かい部分まで撮影しまくりましたw
651
やはり私のように乗り納め・撮り納めなのか、同業者はもちろん、見るからに鉄というわけでは無さそうな人も写真を撮っていました。

発車

10分少々の遅延で上野駅を後にしました。車内は大混雑で席もほぼ埋まっています。一応座れましたが通路側の景色もろくに見れないところになってしまいました。
まあ、ドアが開く寸前まで列に並ばずに撮影してた私が悪いんですがねw
この列車、なんと上野の次は水戸です。九州の感覚だと博多の次が熊本という感じでしょうか。1時間ノンストップで走るようです。
しかし、今日は偕楽園駅に臨時停車するとのこと。水戸の1つ手前なので大した差ではないですが、水戸までのノンストップ運転は今度のお楽しみということですかねw
北千住・松戸・柏・我孫子・取手とどんどん進んでいき、車窓は田園風景になって来ました。
常磐線も取手までしか来たことがなかったのでここから先は初乗車です。東北本線も東大宮を過ぎると一気に田園風景になりますが、いよいよ首都圏を出たんだなと実感しますね。

停電?いいえ、セクションです

藤代駅付近を走行中に突然車内の明かりが消えました。といっても別にトラブルがあったわけでもなく、デッドセクションに差し掛かったからです。
デッドセクションとは交流区間と直流区間の境目です。交流・直流が何なのかという話をすると物理の世界になるのでここでは割愛します。とりあえず電気の種類だと思ってください。
で、この交流と直流は同じ架線(電線)に流すことは出来ないので境目となるデッドセクションには電気を流さないことにして、直流と交流が混ざらないようにしているわけです。
だから、一瞬だけ停電することになり、車内の明かりが消えたわけです。
なお、最近の車両では車両側にバッテリーが搭載されていて、デッドセクションを通過しても車内の明かりは消えません。

偕楽園に到着

例の偕楽園駅です。この駅は臨時駅ということになっていて、いつでも営業しているわけではありません。
更にこの駅の変わっているところは、片側のみの営業であることです。
実は水戸方面である下り線にしかホームがなく、下り列車しか停車しないんです。鉄道版一方通行ですねw
そのため、水戸方面から当駅を利用したい場合は、一旦上り列車で当駅を通過し、赤塚駅で下り列車に乗り換えることになります。
逆に当駅から上野方面へ行きたい場合も、一旦下り列車で水戸へ行って、上り列車に乗り換えることになります。

水戸

偕楽園駅が営業しないシーズンであれば最初の停車駅となる水戸です。茨城県の県庁所在地であり、水戸黄門や納豆で有名ですね。といっても今回は降りないんですがw
流石に県庁所在地ということなのか、乗客の半分近くが降りて行きました。
一気に空席が増えたので早速窓際の席にチェンジします

太平洋を見ながら

しばらくすると常磐線は太平洋に添って走ります。このあたりは津波の被害を受けた地域ですが、並行する道路が片側交互通行になっている以外は目立った被害の様子は見受けられませんでした。
流石に2年も経てば復興も進んだということでしょうかね。
その後も駅に到着するごとに乗客は減り、最終的にはガラガラになりました。
もともと首都圏~いわきの流動はこの程度なのか、震災の影響がまだ残っているのか、いずれにせよ録音環境としてはありがたいものですw

いわき駅

上野での遅れをほぼそのまま引きずる形で10分弱の遅れでいわきに到着です。
震災以前は当駅を通り越して仙台まで行く便もありましたが、今は当駅より北は広野までしか運転が再開されておらず、その先は原発の警戒区域にかかることから復旧の見通しが立っていません。そのため、現在は特急の全便がいわきまでの運転です。
とはいえ、福島浜通りを代表する都市ですからそれなりに活気を取り戻しているようでした。
構内では651系目当ての同業者が多かったです。もう1週間ありませんからね。
651-2
乗り換え時間を活用して細かい部分の撮影をしつつ、構内の撮影も進めます。
以前は写真は記念程度にしか撮らなかった私も、西鉄8000系さんと旅をするようになってから写真を撮る枚数が増えましたね。同じ趣味を持つ仲間同士でもすこしずつ違っていて、お互い影響しあうというのはいいことだと思います。
構内ではこんなものを見つけました。
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現在、当駅から仙台へは磐越東線で郡山へ出て新幹線を利用するルートしかありませんが、一応は行くことができますね。
シールで上書きした後がありますが、元々は原ノ町や相馬が入っていたんでしょうか。
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一方、こちらはばっちり「広野」と書き換えられています。
元々は「仙台」とでも書いてあったんでしょうか。

更に発見

構内をまわっているとまたしても見つけてしまいました。
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リゾートエクスプレスゆうですね。先頭車が日陰にかかってしまっているのであまりいい写真ではありませんが、写真を撮るのも見るのも初めてなのでよかったです。

駅前へ

もっとじっくり見てもよかったんですが、それでは構内だけで時間が終わってしまうので駅前に出ます。
早速出迎えてくれたのがこんなメッセージ。
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部外者である私に向けてではなく、住民に向けてのメッセージでしょうね。テレビではまだまだ復興できていないと言いますし、頑張ってほしいものです。
そのためには義援金やボランティアも大事ですが、やはり実際に行ってそこで食事をしたり買い物をしたりと、お金を落とすことで地元の経済を動かすというのも大事だと思います。
道路や家だけ復旧しても、仕事がなければ住民も戻って来られませんからね。
いわき市も被災地なんだなと実感させられましたね。
続いては駅舎です。
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近代的でかっこいい駅舎ですね。駅前にはペデストリアンデッキがあります。
ちなみに、自由通路で反対側にも行けますが、特に何もありませんでしたw
大宮も西口と東口でだいぶ雰囲気が違いますが、ここはそれが極端ですね。
最後におみやげとお昼のパンと飲み物を買ってホームに戻ります。

次の広野行きに乗るため構内に入るとこいつがいました。
E657
651系とE653系を追いやった張本人、E657系です。
まあ世代交代は世の常ですからね。今は見慣れないから少し違和感がありますが、慣れればそうでもなくなるでしょう。
行先表示器のフルカラーLEDはきれいでした。車内ではWiMAXも使えるそうで、特にビジネスマンには嬉しいサービスでしょうね。
今回は写真だけですが、いつか乗ってみないといけませんね。

広野へ

せっかく乗り放題のきっぷを持っていて時間も余るのでということで、現時点で常磐線南側で最北の運転区間、広野へ行きます。
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列車は415系の4両編成、地元の方が何名か乗っていましたが、ガラガラですね。
列車は動いてもまだまだ街の復興が進んでいないんでしょうか。
そして、車窓は北へ進むごとにひどくなってきます。いわき以南では見ることのなかったいかにも被災地な景色が広がっていました。
まさか車窓からこんな景色を見ることになるとは思ってもおらず、被災地の現実をまざまざと見せつけられた思いです。
カメラを向けるべきか悩んだものの、後世への記録として残すべきだと思い何枚か写真を撮らせて頂きました。
震災のトラウマが蘇るという方やショックを受ける方もおられると思いますので、記事上への掲載は避け、リンクのみを掲載します。
ご覧になりたい方のみ、リンクをクリックして御覧ください。
津波被害を受けたと思われる宅地
除染作業のためと思われるビニールシート(左側の黒いもの)

広野駅

駅に着くなり何人かがホームで撮影をはじめました。地元の方だと思っていた人たちは同業者だったようですね。
この広野駅、現在は仮ホームでの営業になっていて、元々あった線路を一部潰して仮設ホームを設置しているため、棒線駅のような状態になっています。
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この先、相馬、仙台方面まで繋がる日がくればこのホームも撤去され、元の広野駅に戻るんでしょうけど、原発が関係している以上どうなるんでしょうか。
当駅は日本一原発の警戒区域に近い駅になっていますし、当駅以北の復旧はかなり時間がかかるでしょう。

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駅舎です。タクシーが待っているのは、駅ならばある意味当たり前の光景ですが、それは使う人がいるからということ、少しずつですが着実に復興に向かっている証ですね。
駅周辺は元々被害が少なかったのか、復興が進んでいるからなのか、普通の町並みでした。1件だけ骨組みがむき出しで今にも崩れそうという家を見かけましたが、あまりにひどくてさすがに写真を撮る気にはなれませんでした・・・

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津波の際の避難場所を示す看板です。最近海辺の街ならよく見かけるようになりましたが、福島にあると重みが違いますね。

最後にこれ。
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童謡「汽車」の歌詞に「今は山中 今は浜 今は鉄橋渡るぞと 思う間も無く トンネルの 闇を通って広野原」というものがありますが、この広野原が広い野原という一般名詞ではなく、広野町のことを指しているのではないかという説があり、それにちなんで童謡「汽車」の碑が設置されているようです。
しかし、「汽車」の作者とされている大和田建樹氏が常磐線に乗ったのは広野より手前の久ノ浜までとされていることや、そもそも同氏の作詞ではないという説のほうが有力ということもあり、広野原が広野町を指すという説は主流ではないようです。
このへんの詳しい事情はWikipediaあたりをご覧ください。まあ、まちおこしに活用しようとした町の勇み足ですかねw
※童謡「汽車」は著作権が切れているため、歌詞を掲載させて頂きました。

折り返していわき

広野は元々8分しか滞在時間がなかった上、2分ほど遅れての到着だったので慌ただしい撮影でした。なお、写真を撮っていた同業者もやっぱりそのまま折り返していました。
いわきではすぐの連絡で水戸行きの普通列車に乗り換えます。今度はE501系です。こちらも初乗車ですし、見るのも初めてです。
かつてはJRで唯一の歌う電車として知られていましたが、インバータが改装され現在はありがちで平凡なIGBTのインバータ音しか聞けません。
改装前に乗りたかったですね。残念。ちなみに、10両編成だったんですがさすがにガラガラ。思ったよりは乗っていますが、この区間の利用状況なら6両くらいが妥当なラインではないですかね。
震災の影響で車両が足りず10両編成しか運用できないなど事情があるんでしょうか。この列車で高萩まで行きます。

高萩駅

予想に反してホームは1本だけでしたが、留置線がたくさんあり構内は広かったです。
当駅で降りた理由はフレッシュひたちに乗り換えるためです。フレッシュひたちは基本的には勝田~上野間での運転ですが、一部の便が当駅まで延長されています。
スーパーひたちも半数以上が通過する当駅を始発とする理由は車両の配置の関係でしょうか。
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こちらは割と特徴のある駅舎ですね。特急の始発駅にしては小さい感が否めませんけどねw
やはりここでの留置の都合で始発便が設定されているんでしょうかね。ちなみに、上野発着の近郊電車も早朝深夜に当駅発着が設定されているようです。
ここはそれほど時間もないのでさっさと構内に戻ります。駅舎とホームは留置線をまたぐ関係でやたらと長い跨線橋を渡っていかねばなりません。

E653
やってきました。E653系はカラーバリエーションが豊富なことで有名ですが青がやって来ました。何色が来るか占いみたいな気分ですねw
JR九州の883系もデビュー当初はカラーバリエーションが多かったんですが、リニューアルで全車が青一色という塗装に変更されてしまいました。

フレッシュひたちで上野へ

あとは上野に戻るだけです。車内は予想通りガラガラでした。やっぱり当駅始発になっているのは送り込みついでの意味合いが強いんですかね。
その先の停車駅ですこしずつ乗ってきたもののやはりメインは水戸のようです。
水戸で一気に大混雑。ほぼ満席となりました。ここで車内はかなり騒がしくなり、録音環境としてはよろしくなくなりました。
これは高萩から乗ることにして正解でしたね。勝田始発の便に乗っていたら全区間良くない録音になっていました。
水戸から先もこまめに停車していきます。
停車駅ごとに乗客は増えていきます。それに比例して車内も騒がしくw
友部・石岡・土浦・柏ときて次は終点上野です。私は日暮里にも停まるものだと思っていましたが普通に通過なんですね。
京成スカイライナーは日暮里停車ですが、これは京成上野駅が不便な位置にあるからで、普通にJR上野駅に乗り入れられる常磐線特急は日暮里に停まる意義がないということでしょうか。

上野に到着

上野でも早速撮影会が始まりますw
混雑がひどいのと薄暗いのであまりいい写真が撮れませんでしたが、最後に動画を撮って帰ることにしました。
しかし、悲劇が・・・
デジカメよりスマホのほうが高画質で撮影できるので、動画についてはスマホを使っているんですがレンズが曇っていたのか何度もピントがずれてぼやけてしまいました。
こればっかりは編集で直せないでしょうしね。上野駅でE653系を撮るのはおそらくこれが最後のチャンス。残念です。

快速ラビット

上野からはラビットで大宮へ向かいます。最近は湘南新宿ラインに押され気味で朝夕だけの運転になっていますが、上野を出ると赤羽・浦和・大宮・蓮田・久喜・古河・小山とその先の各駅と、かつての特急「とちぎ」と変わらない停車駅になっています。
元々停車駅を絞っている東北本線列車線を更に停車駅を絞っているので速いですね。
上野~赤羽は京浜東北線なら間に7駅もあります。赤羽の次は普通列車と同じで浦和に停車します。
浦和の次は1駅飛ばして大宮ですが、さいたま新都心に停まらないだけで実際には数分の違いかもしれませんが心理的にかなり違いますね。
大宮に到着して帰路につきました。
なお、次の日は同じウィークエンドパスで200系さよなら乗車の旅をしましたがそれは別記事とします。

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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常磐線特急651系&E653系さよなら乗車 への2件のフィードバック

  1. 彼方 のコメント:

    はじめまして、
    これからの651系、E653系の第二の人生がどのようなものになるのか楽しみです

  2. つばめ501号(管理人) のコメント:

    コメントありがとうございます。
    E653系は東北や信越地区の485系の置き換えに回されるのがほぼ確定していますが、651系は今後の動向に注目したいですね。
    踊り子の185系はE259系で置き換える説が出ていますし、草津やあかぎの185系置き換え説が有力だと思いますが、どこに転属されても撮影や乗り鉄が忙しくなることだけは間違いないですねw

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