2泊3日にて実施した北海道遠征の2日目です。なお、1日目をご覧になっていない方はそちらを先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
昨晩宿を取った帯広からスタートとなる2日目ですが、帯広からまずは新得を目指して普通列車で移動し、代行バスで東鹿越へ抜けたら引き続き根室本線で滝川まで行き、函館本線に乗り継いで札幌に出たら小休止です。札幌からは快速「ニセコライナー」で倶知安まで行き、そのまま倶知安に宿を取ります。ざっくりいうと帯広から倶知安まで普通列車で移動するだけですねw
見どころとしては、昨晩は暗くて乗っただけになった代行バスをしっかりレポートすることと、「ニセコライナー」に乗るということですが、1日目ほどのボリュームはなさそうです。
まずは新得を目指す
朝の帯広の街を歩いて帯広駅へ向かいます。
特に何か名所というわけではないですが、何気ない街の景色を撮って帯広を後にします。
駅の方はもう前回撮り尽くしているので撮影は無しで列車です。
キハ40系ですが、JR北海道カラーではなくて国鉄色の復刻ですね。
それにしても、昨晩は快速「狩勝」でしたが、各駅停車だと余計に新得までも長く感じましたw
新得駅
昨晩は軽く流してしまった新得駅ですが、今度はしっかりレポートします。
貨物列車が停車しているため全体を見渡すことは出来ませんが、ホームは2面3線となっています。
今は滝川方面は代行バスになっていますが、根室本線と石勝線の分岐駅であることを示す案内看板
キハ261系の新塗装がやって来ました!
改札口とみどりの窓口です。
窓口の上にある「しんとく」の文字が洒落ていますね。
SLの顔部分が埋め込まれたこのオブジェの上にあるのは石炭を焚べる機関助士のようですね。
気付かずスルーしそうになりましたが、この植え込みは北海道の形になっていたんですね。これは芸が細かい。
今回のレポートでは道路ネタが多い気がしますが、北海道は唯一4桁の番号の都道府県道があるということでこれは取り上げておきますw
都道府県道の番号って通常は3桁までですが、北海道はその広大な面積ゆえに3桁では収まりきらないほど道道があるということで、北海道の広大さを物語りますね。
それでは、そろそろ代行バスの時間になりますから新得駅はこれくらいにしておきます。
代行バスで狩勝峠越え
駅前で待っていると徐々に人が集まり始めました。意外と利用者はいるようですね。
10時49分、新得駅を発車した代行バスですが、実はこれが始発便というわけではなくて、もう1本早い便もあったわけですが、何故それを利用しなかったかといえば、帯広駅から始発となる普通列車に乗っても新得駅ではタッチの差で乗り換えができない設定になっていたからです。帯広始発の特急「スーパーとかち」の始発便ならば代行バスの始発便に間に合う設定でしたから、特急誘導ということなんですかねw
私の場合、どのみち、札幌からは「ニセコライナー」に乗りたいという目的があったため、特急課金して朝早く出発した所で時間を持て余すことになりますし、前日の晩は夜遅いチェックインでしたから朝のんびり出来る方を選んだわけですw
新得を出発したバスは国道38号を進んでいき、落合駅までは狩勝峠を越えるルートになります。
鉄道旅行をしているとまず縁のないロードサイド店のラーメン屋さんですが、狩勝店という峠の名前を冠した店名が峠のドライブインという感じがしますね。
豪雪地帯の峠に特有なのか分かりませんが、休憩施設が整備されていました。
冬場になると雪で車が立ち往生というニュースも聞きますし、重要な施設なんでしょうね。
こんな看板も出てきました。峠に○合目という表記は珍しい気がします。
そして、峠のピークに達するとこんな景色が広がります。
狩勝峠というと、日本三大車窓の1つとして名前を知っている人も多いと思いますが、日本三大車窓だったのは根室本線でも旧線の方であり、こちらは新線に切り替えられた際に廃止され、しばらく狩勝実験線として活躍していましたが、その役目も終えた現在は完全な廃線となっていて、日本三大車窓を生で楽しむ事はできません。
しかし、国道からの景色は旧線からの景色に近いのではないかと思います。
峠を越して落合診療所というバス停に差し掛かりますが、これは「ノースライナー」などが立ち寄る停留所であり、代行バスは一旦国道を外れて落合駅へ立ち寄ります。
こちらが落合駅ですが・・・ここで予想外の展開になりました。
というのは、ここで15分程度停車時間があるとのことです。運転士さんからそれまでバスを降りて散策などしても良いとの許可も頂けたので下車して撮影などすることに。
駅舎単独でももちろん撮ります。休止区間内の駅だとしてもいい雰囲気の駅舎ですね。
ここにも代行バスの案内が出ていました。
ちなみに、朝に当駅始発の東鹿越行きの代行バスも設定されており、ここから富良野方面に通学する需要もあるんでしょうね。
掛け時計が付いていたであろうスペースですが、時計はなくなっていました。
盗難にでもあってしまったのか、逆に盗難対策で取り外したのかは分かりませんが、根室本線が台風で寸断されたあの日から時が止まってしまっているようで寂しいですね。
しかし、待合室は綺麗に保たれていました。
ここだけ見ると1年以上列車が来ていないなんて信じられませんね。
誰が置いているのか分かりませんが、ミニカーが飾られていました。
ホームも立入禁止とはなっていなかったので入ってみることに。
跨線橋は雪対策なのかシートで塞がれていましたので向こうのホームへは行けないようですね。
線路は雑草だらけで明らかにしばらく列車が走っていない様子が伺えますね・・・
一番驚いたのはホームまで雑草だらけだったことです。
古いホームは土を盛った構造なので草くらい生えるのでしょうが、たった1年メンテナンスの手を離れただけでこんなになってしまうんですね。
駅前へ通じる道は道道1117号と、これまた4桁道道ですが、名前を落合停車場線といい、落合駅へのアクセスのための道道という感じですが、国道36号交点が起点ではなくて、国道36号と重複しつつ途中で再び分かれてトマムの方まで繋がっている道のようです。
それでは、またバスに戻って東鹿越へ向かいます。
峠を越えてしまえば開けた景色に変貌しました。
また、根室本線の線路も見えましたが、このあたりはさほど大きな被害はぱっと見た限りではなさそうで、東鹿越~落合間だけでも前倒しして復旧させてもいいのではないかと思いました。
まあ、JR北海道としては上下分離や自治体による赤字補填といった条件の確約が得られないうちは復旧させたくないという事情もあるんでしょうけどね・・・
続いて差し掛かったのは幾寅駅です。
幌舞駅と書かれていますが、これは映画「鉄道員」のロケで当駅が使用され、劇中で幌舞駅として登場するためであり、駅舎もそのために改装されたそうです。
劇中に登場したキハ40形(劇中ではキハ12形)や食堂のセットなどもそのまま残されていて、ファンの聖地になっているようです。
鉄道を題材にした映画の聖地に列車で訪れることが出来ないなんて悲しいですし、なんとか復旧してもらいたいですね。
ここも降りてじっくりと見ていきたい気分でしたが、ここでは停車時間はなくそのまま素通りですw
街中にもロケ地の案内看板が出ていました。
街を上げて「鉄道員」を推しているんですね。
↑未視聴の方はDVDも出ていますのでよかったらどうぞ
根室本線の線路を渡って東鹿越駅へ向かうべく国道を逸れていきます。
それにしても、このあたりはレールも割りと綺麗で不通区間だとは思えませんよね。
東鹿越駅に到着し、バスを撮ったら東鹿越駅の取材へと移ります。
東鹿越駅
東鹿越駅からは再び列車での移動となりますが、乗り換えに少し時間があるので駅の方もレポートしていきます。
やたらと綺麗な催し物を掲示する黒板もありましたが、最後に記入されたのっていつなんでしょうね。
駅ノートも完備していました。
今は代行バスへの乗換駅になっているだけに記入も多そうですが、駅取材の時間も確保しなければなりませんので覗いてみることはしませんでした。
ホームへ行くと代行バスから乗り換えてきたであろう乗客たちが続々とキハ40系に乗り込んでいました。
何故かホームには石灰石が鎮座していましたが、近くにある日鉄鉱業東鹿越事業所から採れた石灰石を鉄道輸送で運んでいた時代があったそうで、その名残なんでしょうね。
名所案内の文字はしっかり残っていました。
それにしても、ダムとダム湖を除いてはキャンプ場しか書くものがないというのは、秘境駅っぽい感じがします。
現在は1両かせいぜい2両のワンマンカーが行き来するだけの閑散区間ですが、それに不釣り合いな長大なホームを持っていますね。
さながら、かつては長大編成を組んだ特急列車や貨物列車も往来した栄光の時代の遺物ですね。
それでは、ここからは滝川行き普通列車で一気に滝川まで行ってしまいます。
ひとまず札幌まで移動
東鹿越から乗車したキハ40系で一気に滝川まで行くわけですが、昨日も乗った区間ですからサクッと流していきますw
ダム湖の景色は昨晩は暗くて見えなかったのでこれだけ貼ったら滝川まで飛びます。
滝川までやってきました。ここからは気動車から電車に乗り換えです。
ちょうど「ライラック」がやってきましたが、18キッパーですから当然乗りませんw
乗るのは721系の岩見沢行きです。
岩見沢から乗り継いだのも721系だったので車両の写真は貼りませんが、区間快速「いしかりライナー」となる小樽行きです。
「いしかりライナー」は江別~札幌間、ないし札幌~手稲間のいずれかで快速運転をする区間快速ですが、今回乗車したのは札幌~手稲間で快速運転をするタイプだったので、札幌で降りてしまう私にとっては実質各駅停車ですw
思うのは、函館本線でも岩見沢方面は冷遇されていますよね。小樽方面、千歳方面は「エアポート」がありますが、岩見沢方面は特急以外では「いしかりライナー」が唯一の優等種別であり、それも江別までしか快速運転をしないという露骨な特急誘導ですね。
そんなこんなで札幌までやってきました。
札幌にて小休止
札幌駅からは「ニセコライナー」ですが、ここで90分ほど乗り換え待ちがあります。
ホームで撮影会や近隣の駅の取材も考えましたが、まともにお昼ご飯を食べていなかったのでここで食事も兼ねた小休止とすることにしました。
飲食店を求めて駅前に出たのですが、もはや習性でバスターミナルへ足が向きましたw
面白かったのが、待機中のバスの側面方向幕に飲酒運転撲滅を呼びかけるメッセージが出ていたことです。
高速バスだと高速道路走行中に交通安全運動などの呼びかけを表示することがありますが、一般の路線バスの待機中でもあるんですね。
親会社の日高本線に競合する様似方面の路線ですが、高速バスが成り立つほど需要があるなら日高本線と千歳線を直通する快速列車とか出来ないんですかねぇ・・・
このバスターミナルの名物といえばこれ。
バス乗り場は車道の先にもあるのですが、横断歩道には遮断機が設置されていて、信号無視を防いでいます。
↑動画でもどうぞ
バスターミナルの入り口を撮ったら食事を求めて街へ繰り出します。
昨日のお昼もラーメンだったので正直悩みましたが、美味しそうな匂いにつられて入店したラーメン屋さんで札幌ラーメンを頂くことに。
ラーメンは豚骨一択という私ですが、味噌も美味しかったです。
ラーメンに舌鼓を打つもまだ時間が余るのでもう1件行ってみることにしました。といってもラーメン屋さんをはしごするわけではなく・・・
北海道を訪れた際にはおみやげにここのお菓子を買い求める人も多いであろう六花亭にやってきました。
本店は昨晩から泊まった帯広ですが、札幌にも店舗があります。
ここを訪れた理由はお土産を買うためではなく、あるスイーツを食べるためです。
あるスイーツというのがこちら。マルセイバターサンドのアイスです。
六花亭といえば、マルセイバターサンドが定番商品となっていて、北海道土産の定番の1つですが、実はそのアイスクリームバージョンが売られている事実は知らない人も多いのではないでしょうか。
それもそのはずで、駅や空港のお土産コーナーはもちろん、通販でも売られておらず、札幌と帯広の六花亭直営店でしか食べられない限定スイーツなんだそうです。
札幌での暇つぶしを探している過程で偶然見つけたわけですが、現地でしか食べられないものってやっぱりありがたみがありますよね。
鉄道旅行の割にはグルメを楽しんだ所で、「ニセコライナー」へ乗るべく駅へ戻ります。
「ニセコライナー」で倶知安へ
列車と代行バスも単なる移動という側面が強く、札幌についたと思ったらラーメンとスイーツを紹介するという鉄道旅行記としてはどうなんだという流れになっていましたが、「ニセコライナー」が本日のハイライトになりますね。
「ニセコライナー」について解説しておくと、函館本線でも小樽以西の通称”山線”へ乗り入れて札幌まで結ぶ快速列車で、朝の札幌行き、夕方の倶知安行きが設定されています。
面白いのが、朝の札幌行きは蘭越駅が始発なのに対して、夕方の便は倶知安までしか行かない設定になっていて、上下で運行区間が異なっています。
札幌~小樽間では「エアポート」に準じた停車パターンで快速運転をしますが、小樽以西では各駅停車となります。倶知安やニセコの住民が札幌へ出る足という位置付けのようですね。
小樽以西は非電化ですから、当然気動車が充当されるわけですが、充当されるのはキハ201系という気動車でして、これに乗るのが目的でした。
キハ201系は731系電車と同等の性能を誇る「バケモノ気動車」の異名を誇るハイスペック気動車であり、731系と協調運転まで出来てしまうすぐれものです。
特急形であるキハ261系のベースにもなった形式ですが、ハイスペックゆえの高コストが仇となり12両(4編成)が製造された所で増備はストップしてしまい、運用も「ニセコライナー」と朝・夕の普通列車に限られていて乗車機会が限られる形式というわけで、何度も北海道を訪れている私も乗る機会に恵まれることがなかったのでした。
↑というわけで入線シーンは動画ですが、731系と並走しながらの入線というなかなか面白いことになりましたw
実際にはエンジン音がはっきり聞こえるので気動車であることは容易にわかりますが、写真だけだと731系と区別をつけづらいですよね。
「ニセコライナー」は6両編成ですが、うち3両だけが倶知安まで運行し、残りの3両は小樽で切り離しになるため、小樽行きの表示を見ることも出来ます。
と言った所で発車時間になりますが、車内は思ったよりは空いている印象・・・
時刻表を見ると7分前に小樽行き快速「エアポート」が走っているので、利用者が分散しているのはありそうですね。元々小樽以遠への利用者のための列車ですから小樽までの人とは遠近分離のためにこういうダイヤになっているのかもしれません。
今まで乗ったことがある中ではキハ281系に近いエンジン音を唸らせて札幌駅を発車していきますが、小樽までは列車密度が高いためかあんまり飛ばすことはなく、持ち前のハイスペックも持ち腐れといった印象でした。
線形のよい札幌~小樽間での高速運転の音を堪能したかったのですが、これはちょっと期待はずれ・・・
とはいえ、車内の雰囲気は割りと静かで録音的には悪くなかったです。
小樽では案の定多くの人が降りますが、6両から3両と編成両数が半減するわけで、小樽から先もガラガラとまでは行きませんでした。
小樽では9分間の停車時間で分割作業があります。分割されたところを撮ったら倶知安行きの編成に移って旅を続けます。
非電化区間に入ると各駅停車となりますが、元々駅間が長く1駅間で10分とか普通にかかったりもするので乗っているだけではこの区間も快速運転をしているような気分になりますw
乗ったことのある区間ですし、真っ暗になってしまったのもあってあとは黙々とエンジン音をBGMとして乗車時間を過ごしました。
倶知安駅到着の時点では車内はかなり空いてきてこんな写真も撮れるくらいになっていました。
それにしても、山線にロングシートは似合わないw
そんなこんなで到着した終点の倶知安駅ですが、以前に訪れているため駅レポートはなしですw
よって駅名標すら貼らずにパネルを貼るというw
↑最後にキハ201系の回送シーンを動画撮影しました。
駅レポートの代わりにというわけではないですが、発車標です。
「ニセコライナー」の倶知安着は19時46分であり、その先長万部方面へは21時04分まで列車がなく、しかも、これは小樽始発の列車なので「ニセコライナー」で倶知安まで進む意味もないという微妙な設定になっていますw
もっと言えば、「ニセコライナー」の名前の由来であるニセコ駅って倶知安駅の更に長万部寄りにあるわけで、倶知安行きに関しては「ニセコライナー」なのにニセコ駅まで行かないという名前負けな列車になってしまっていますw
余談ですが、当初の計画ではこのまま長万部まで乗り継いで、長万部に宿を取ることを考えていましたが、ある事情からそれは叶いませんでした。
それは長万部の宿泊事情です。長万部には以前にも宿泊しており、当然宿泊施設もあるわけですが、いずれも温泉旅館であり、最も遅いチェックインを認めているところでも20時頃までにチェックインしなければならず、このまま乗り継いで長万部へ向かった場合到着は22時34分となり、それには間に合わないわけです。素泊まりプランならば事前に電話などで交渉すれば遅いチェックインを認めてもらえる可能性もありましたが、倶知安でやたらと待ちぼうけを食らう上、チェックインも遅くなってしまうならば、倶知安を宿泊地にして早めに寝られる方を取ったほうがいいという結論に至ったわけです。
倶知安にはビジネスホテルも幾つかあり、温泉旅館よりは乗り鉄旅行的な使い勝手もいいということもありました。
というわけで、真夜中の倶知安駅を貼ったら2日目はゴールです。
近くに撮ったビジネスホテルへ向かいいつもの充電作業をこなしたら翌朝に備えて寝ることにします。
3日目は追ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。
~追記~
3日目も公開しました。