今回は2019年の3月限りで河口湖への乗り入れが廃止される「成田エクスプレス」(N’EX)のさよなら乗車です。
なお、執筆が遅れてしまい執筆時点では記事の主題であるN’EXの河口湖乗り入れは終了していますし、その他の言及についても2019年3月初旬の時点のものとしてご覧下さい。
今回の活動内容
前回までの記事をご覧の方はお分かりでしょうが、実は2泊3日の遠征を終えた翌日というタイミングで実施された今回の活動ですが、そこまでして実施したのはN’EXの河口湖延伸運転が2019年3月中に事実上廃止されるからです。
元々臨時列車扱いだったこともあり、正式に廃止がアナウンスされたわけではないものの、新しい特急列車「富士回遊」が登場したのと入れ替わりと言ってもいいタイミングであり、「富士回遊」デビュー後は一切運転日が設定されていないことなどを踏まえて廃止されると判断してのさよなら乗車です。
内容としては、東京駅から乗車して河口湖まで行き、そのままとんぼ返りして東京駅に戻ってくるというものです。
成田空港から乗車することも考えましたが、行先が河口湖ではなくなるだけで、この区間では普通に今後も運転されるわけですし、成田空港まで行くだけで結構お金もかかるので、東京駅からとしました。
また、それならば新宿からの乗車でもいいんじゃないかとも思いましたが、東京駅から河口湖駅でも、新宿駅から河口湖駅でも特急料金は同額であり、運賃についても大都市近郊区間の特例が適用されるため東京駅経由で乗車しても経路を重複させなければ最短経路の運賃でよいというのがあるのでそれを活用しましたw
というわけで、単純に東京駅から河口湖駅までN’EXで1往復するだけという、たったの一文で説明できる内容なので、蛇足な前書きはこれくらいで本題へ入っていきます。
東京駅→河口湖駅「成田エクスプレス」
電車を乗り継いで東京駅にやってきたらいよいよ本日の活動が始まります。
N’EXの河口湖行きは東京駅を出るのが10時近くでのんびり出発できましたから、3日間に及ぶ遠征の翌日ということをものともせずに張り切っていきましょう。
英語表記だと”Mt.Fuji and Kawaguchiko”となっていて非常に長ったらしいですが、外国人向けの案内ということを考えれば”Kawaguchiko”だけでは富士山へ向かうことが分かりづらいでしょうし、何より国際空港である成田空港を発着する列車ですからこれくらいの配慮は必要なんでしょうね。
ただ、そこまで配慮するならば、”Kawaguchiko”じゃなくて”Lake kawaguchiko”の方がもっと親切なんじゃないかと思いますが、文字数の都合でしょうか。
そして、「成田エクスプレス」とご対面です。
ていうか、乗ったことありますし、東京駅では今後も普通に見られるので撮影はこれだけです。
↑行先表示も点滅のせいでうまく撮れなかったので動画でどうぞ
乗り込んだ後はあんまりすることもないので、車内案内表示器などを撮りつつすごします。
N’EXは案内表示も細かくて撮りがいがありますw
東京を出ると渋谷・新宿と行きますが、このあたりではまだ空港から都心へ向かう人たちのほうが多く、普通に空港連絡列車の雰囲気です。
それが新宿で多く入れ替わりまして、空港からの利用者と河口湖方面への利用者がちょうど逆転した感じですね。
ただ、やっぱり新宿を跨ぐ利用者は少なく成田空港に到着した外国人がそのまま富士山へ直行!というパターンは少なさそうでした。
新宿を出た後はN’EXとして乗車できるのは希少となる区間となりますが、高尾発着の列車も僅かながらあるので高尾までは今後も乗車機会はありますね。
しかし、高尾発着のN’EXは吉祥寺、三鷹、国分寺にも停車するの対して、河口湖行きは立川・八王子にしか停まらないという違いはあります。
高尾発着の場合は中央線内はこまめに停車して客を拾う方針である一方、河口湖発着は成田空港や東京都心と富士山麓地域を結ぶ役割のため速達性重視なんでしょうね。
そして、中央線で最初の停車駅となる立川に到着です。
若干の乗り降りがありましたが、河口湖関係なく空港利用者で立川の近くに行きたい人もいたのでしょうね。
日中にこの場所をN’EXが通るのは残りわずかとあってから撮り鉄の姿もちらほら・・・
何故か案内表示を撮り忘れた八王子も出る頃には見える範囲には空席はなくなっており、満席に近いようで、その後のアナウンスで満席であることが告げられました。
いよいよ今後は体験できなくなる高尾以西に入ります。基本的に平野部ばかりを走るN’EXで山岳路線を体験できるのはここぐらいですからね。
ここからは「高いくせに遅い」という定評もあるN’EXらしからぬ高速走行を体験できると期待していたのですが・・・何故かイマイチスピードに乗り切らないノロノロ運転が続きました。
先行列車の遅延か何かだろうと思っていたのですが、結局大月には定刻どおりに到着していましたのでこれが所定ダイヤのようです。
調べると八王子~大月間では、定期列車の「あずさ」「かいじ」よりも8分ほど余分に所要時間を要しており、N’EXは臨時列車ゆえに普通列車を追い越さないで後ろを追従するように走るダイヤなのでしょうね。
車窓からは富士急行の列車が見えました。
ここからの乗車も結構いて驚きましたが、富士急行線のみの利用は指定席の空席を利用できるという扱いになっているらしく、「フジサン特急」や「富士山ビュー特急」の補完列車という役割もありそうです。
大月駅を出てしばらくは富士急行線と並走しますがやがて合流します。
富士急行線に入って最初の停車駅の都留文科大学前駅です。
「フジサン特急」「富士山ビュー特急」と同じ停車駅設定ですが、N’EXの場合停車するのは河口湖行きのみであり、反対の成田空港行きは停車しません。
事実上の後継列車といえる「富士回遊」では都留文科大学前を通過する列車は存在しないので何故通過にしていたのか疑問です。
都留文科大学前では有効長が足りないため3両編成以上の列車はドアカットとなりますが、N’EXにおいても当てはまり、こんな案内が見られます。
N’EXでドアカットをするのはここぐらいでしょうし、この案内も貴重になりますね。
富士山駅に到着!
ここで進行方向が変わります。
なお、「フジサン特急」「富士山ビュー特急」に準じて富士山~河口湖間のみは乗車券のみで乗れる特例があります。
ということは、E259系に特急券を買わずに乗れる唯一の区間とも言えますね。
走行位置を表示する案内
ところで、実際には乗り入れがない竜王や小田原まで掲載があるのは何故なんでしょうね。
小田原については一時期臨時で延長運転していた時期があったので、その名残(といってもE259系デビュー前)とも言えますが、竜王については臨時でも乗り入れた実績はないはず・・・
河口湖乗り入れを始めた頃は、甲府方面への直通の構想もあったんですかね。
何だか瑞雲を思い出す富士急ハイランドに到着です。
河口湖駅にて
富士急行線の終点にして、今までにも何度か訪れている河口湖駅ですが、N’EX関係の撮影をしたらあとは適当に暇をつぶします。
ホリデー快速もそうでしたが、河口湖駅では最後尾がはみ出るんですよねw
ここにきて逆光気味ではありますがようやくちゃんと行先表示を撮れました。
ホリデー快速として走ってきたであろうE257系との並びです。
N’EXの河口湖乗り入れと同様に、ホリデー快速富士山も廃止されるようですが、入れ替わりでデビューする「富士回遊」のうち土日に設定される臨時便にはE257系が充当されるようですから今後も車種自体は見られますね。
まあ、E259系との並びは見納めですが・・・
↑と思ったらE259系が少し動き始めたのでとっさに動画撮影しました。
ミュージックホーンも鳴らしてくれて嬉しかったです。
それでは、あとは折返しを待つわけですが、1時間くらいあるのでとりあえず外へ出ます。
というわけで、撮りバスなどしつつ時間を潰します。
見慣れない塗装だなと思いましたが、これも富士急バスのようです。
著名観光地の玄関口となる駅だけにお店は充実しており、駅構内にあった食堂で地元の名物「吉田のうどん」を頂きます。
腹ごしらえが済んだものの、まだ40分ほど残っています。
なので・・・
はい、駅名にもなっている河口湖の湖畔にやってきました。
駅名とは名ばかりで実際にはその観光地はとても歩ける距離ではないほど遠いというケースも散見される中、河口湖駅は本当に河口湖まで歩いていける距離なので、乗り鉄に来て河口湖駅で時間を持て余したときは湖畔散策もおすすめですよ。
岩が湖面にせり出している部分があって、そこへも立ち入れるようなので行ってみることにしました。
富士山の近くだけにこれも溶岩でしょうか?
遊覧船がやってきました。
もちろん乗りませんが、一気に観光気分が高まります。
おや?こんなところに標識っぽい物体が!?
まさかここも道路だとでもいうのでしょうか?
と思ったら標識は標識でも、道路標識ではなくて湖上を走る船舶に向けた航路標識だったようです。
外国人に写真撮影を頼まれるというプチ国際交流の一コマもありつつ、そろそろ引き返します。
湖といえばボート遊びというイメージもありますが、「快速」のワードには思わず反応しちゃいましたw
ならば、「特急ボート」や「急行ボート」「普通ボート」なんてのもあるのかな?w
マジレスするならば「快速」という言葉は今でこそ列車種別の名前として認識する人が多いでしょうが、元々は「快い速さ」という意味合いの言葉で、某駆逐艦も「40ノット以上の快速」と自身の速さを自慢していたりしますね。
列車種別の「快速」もこの言葉から「快速な列車」ということで名付けられたのでしょうが、今や本来の意味で使われることはほとんどなさそうw
駅へ向けての道すがらで見つけた小ネタ
ちょっと古いことを除けば全国どこにでもあるであろう青看(案内標識)ですが、ちょっと気になるワードが出てきました。
それは「中央高速」という言葉です。この言葉に反応すると歳がバレるやつだと思いますが、現在「中央自動車道」あるいは略して「中央道」と呼ばれている高速道路は、開通当初は「中央高速道路」が正式名称であり、略して「中央高速」と呼ばれていたようなのです。改名は1972年のことのようですから少なくとも47年の歳月を経て残り続けているということになりますね。
ちょっと脱線しますがこのネタで軽く話をしますと、日本で最初の高速道路は「名神高速道路」であり、続いて開通した「東名高速道路」「中央高速道路」と名称には「○○高速道路」という言葉が用いられていました。
しかし、中央高速では現在で言うところの暫定2車線の区間が存在し、対面通行だったのですが、なんと対向車線にはみ出しての追い越しが認められており、このことが原因で正面衝突事故が多発したそうなのです。
そして、「高速道路」という名称が危険な運転を誘発するという意見も見られるようになり、中央高速は中央自動車道と改められ、以後に開通した高速道路も原則として「○○自動車道」の名称を採用することになったのです。(例外は「新東名高速道路」と「新名神高速道路」だけ)
高速道路ネタもこれくらいで駅へ戻ろうとしたらポンチョと遭遇
歩道もない狭い道路ながら河口湖と駅を結ぶルートに当たるので意外と観光客も多く運転は大変そうです。
帰りもN’EXで
この記事の本題なので当然ですが帰りもN’EXです。
発車標はもちろん撮りますが、これってどう見てもテレビですよね?w
空席情報ですが、N’EXには空席ありとなっている一方、ホリデー快速は満席であり、やっぱりみんな安い方がいいんだなと思いましたw
改札口では「どちらまで乗りますか?」と聞かれ、東京と答えると特急券も拝見しますと言われました。
乗車券はSuicaだったのでそのまま入れるかと思ったら案外徹底しているんですね。
また、行先を聞いたのは、富士山駅までならば特急券無しで乗れる事になっているためと思われます。
富士山とN’EX
そういえば、河口湖行きでは富士山駅方面の1両をドアカットしていましたが、成田空港行きでは河口湖方面の1両をドアカットなんですね。
ホリデー快速もそうでしたが、上下でドアカットする車両を変えるのはなんでなんでしょうか。
行先表示を一応撮ります。
成田空港行きなんて珍しくもなんともないですがねw
それでは乗り込みます。
河口湖の時点ではスカスカで、往路での混雑が嘘のようですが、観光を終えて帰るには早すぎる時間帯ですし、何よりホリデー快速に比べて割高感があって敬遠されているんですかね。
富士山で乗ってくる人がそれなりにいて大月で一気に混み合いました。
「あずさ」「かいじ」の補完として利用する人も多いのですかね。
あと、往路ではノロノロ運転だった大月~八王子間も結構飛ばしてくれて高速運転を楽しめました。
八王子や立川では降りる方が多く乗ってくる人はほとんどいませんでした。アナウンスで「自由席特急券ではご利用いただけません」と注意を促していたのが印象的でしたが、この活動直後の改正で中央線特急は全車指定席となり、「自由席特急券」自体が発売されない区間になったので二重の意味で貴重なアナウンスになりました。
新宿到着で富士山観光組は降りていき、成田空港組が乗ってくるという往路と逆パターンがあり、あとは東京まで乗っていくだけです。
東京に到着です。
空港連絡列車なのに空港の手前で降りてしまうのも変な感じですが、今回はあくまでも河口湖発着としてのさよなら乗車ですしね。
東京駅では横浜方面からやってきた編成との連結というイベントがありますが、車内からではこの案内表示でしか知ることができませんw
これにてレポートとしては終了ですが、最後に結びとしてN’EXの河口湖乗り入れ終了と「富士回遊」の今後について考えてみたいと思います。
往路の便が満席だったこともあり、首都圏と河口湖方面への利用は好調なものと思われますが、今までホリデー快速を使っていた人たちは特急化による料金アップを敬遠して高速バスに転移する層が現れるのではないかという懸念がありますね。
あと、今までN’EXを使っていた人たちはそのまま「富士回遊」にシフトするものと思われますが、東京都心での乗車可能駅が新宿だけになり、渋谷と東京から乗れないことが利便性低下と言えますし、逆にお金はいくら出しても快適に移動したい層からすると、N’EXにはあったグリーン車が、「富士回遊」にはないので、格安&快適の面ではむしろサービスダウンという気もしますが、スピードアップはしているみたいなので、JR的には特急化による客単価アップ、利用者からすればスピードアップ&定時制で高速バスと棲み分けって感じですかね。
最後に余談になりますが、今回の遠征ってN’EXが割高なA特急料金が適用される列車である上、一切割引きっぷなどを使えない全て普通運賃という活動だったため、内容の割には費用が高く着いており、1万円近い出費でしたw
18きっぷならば4回旅に出てもお釣りが来る金額ですが、それでいて出発は10時過ぎ、帰着は16時過ぎという、趣味にコスパの概念を持ち込むべきではないのかもしれませんが、コスパとしては史上最悪の活動だったかもしれませんw
これがもう少し余裕のある日程にできていれば1泊2日ぐらいにして河口湖周辺で乗りバスなどを交えてもう少し充実した内容にしたでしょうが、2泊3日の遠征の次の日でしたしね。
まあ、楽しかったのでよし!w
というわけで、以上です。
最後までお付き合いありがとうございました。
次回ですが、またしても遠征です。どこへ行ったかなど詳細は次回の記事をお楽しみに!