西日本2021年度さよなら乗車旅(1日目)

今回は2022年春のダイヤ改正で消滅、あるいは大幅に本数が減る列車を中心に、西日本・・・特に中国地方へさよなら乗車旅をしましたのでそのレポートです。
日程は車中泊を入れると6泊7日にも及ぶ長期日程となっており、まるまる1週間乗り鉄しまくるという鉄道ファンにとっては特別な一週間、すなわち「スペシャルウィーク」でしたw
活動全体の概要を最初に説明すると、乗車する列車としては、中央線特急最速だった「あずさ17号」、あいの風とやま鉄道の413系、山陰本線の快速「とっとりライナー」と「アクアライナー」、山陽本線の快速「サンライナー」などとなっていて、これ以外に廃止されるわけではない列車も織り交ぜつつ、1週間にわたって乗り鉄していきます。
詳しいことは各日程の記事で説明するとして、1日目についての説明に入っていきます。
なお、活動の趣旨からしても当然といえますが、この活動は2022年春のダイヤ改正より前に行ったものでして、記事中の記述は当時のものとしてご覧下さい。

本日の行程

というわけで初日となる1日目ですが、”西日本”と銘打っておいて、初日では西日本へはたどり着きませんw
実は、1日目と2日目は中国地方への移動がてらの行程という感じになっており、この遠征の本番は3日目からということになります。
初日はまず新宿駅まで出て、中央線特急の下り最速だった「あずさ17号」で松本まで乗車し、あとは大糸線を乗り継いで糸魚川へ、更に北陸新幹線に乗り継いで富山まで行ったら宿泊して終了です。
2日目のあいの風とやま鉄道413系乗車に向けての移動という感じですが、普通に北陸新幹線では行かずにダイヤ改正で停車駅が大幅に増える「あずさ17号」を使ってみようという感じのスケジュールになりました。
なので、初日はあまりボリュームはない記事になるかもしれません。

中央線最速の「あずさ17号」に乗る

というわけで1週間の長丁場の旅がいよいよここに幕を開けます。
新宿駅から乗るのは「あずさ17号」なんですが、まず最初にこの「あずさ17号」について解説しておきます。
「あずさ」といえば中央線の特急として新宿~松本間を結んでいる列車であり、おおむね1時間ヘッドくらいで運転され、甲府までの区間便である「かいじ」を合わせて30分ヘッドとなるなど、全国的には新幹線開通などで今ではすっかり珍しくなった特急街道の1つを成しています。
そんな「あずさ」の中で、途中停車駅が八王子・甲府・茅野の3駅のみという列車がありまして、今回乗車する「あずさ17号」と、上りの「あずさ18号」がそれぞれ該当します。
言うまでもなくこの1往復が中央線特急で最速列車となっており、2022年改正直前時点で唯一立川を通過する定期列車ともなっていました。
実は以前の活動で立川駅通過シーンを撮っていたりしますが、今回は乗車編というわけです。
この「あずさ17号」と「あずさ18号」はダイヤ改正後は停車駅が大幅に増え、途中停車駅は立川・八王子・甲府・韮崎・小淵沢・茅野・上諏訪・岡谷・塩尻と停車するようになり、3駅しか停まらなかったのが9駅も停まるようになり、所要時間も10分増えました。
もはや最速列車の面影はありませんね。


まずは発車標です。
これだけだと最速列車かどうかは分かりませんがw


ローマ字Ver.


既に入線していました。
まあ、入線を撮っても他の「あずさ」や「かいじ」と変わらないですしねw


ちょうど都合よく停車駅の一覧表みたいなのがありました。


↑E353系の行先表示には停車駅も出るので動画で撮ってみました。

それでは乗り込みます。
最速列車としての運行終了が近かったのでさよなら乗車組がいるかと思ったら案外そんなことはなく、車内は出張のサラリーマンのような雰囲気の人が多く、ごく普通の特急の車内でした。


↑車内の案内表示には停車駅が流れていました。

ところで、ここで1つ懸案事項がありました。
それはこの活動の日の朝に発生したという中央線内での人身事故・・・
既に運行は再開されていて、現に「あずさ17号」もこうして入線しているわけなので大丈夫だとは思いますが、まだダイヤが乱れているそうで、所定通りの運転は難しいかもしれません。


↑車窓は動画でどうぞ
再生時間でネタバレされていますが、結局所定より10分程度遅延することとなりました。

新宿を出てしばらくはのんびり走るのは中央線特急あるあるですが、ダイヤ乱れもあり余計につっかえているようです。
所定では待避しない列車が先行していて、輸送指令所もてんやわんやなのかもしれませんね。
三鷹で複々線も収束し、東京の郊外の景色を見つつ行きます。
他の特急なら必ず停車する立川も通過していき、30分ほどで八王子に到着です。
ここから先が中央線特急としての本領発揮の区間であり、私も期待しつつ車窓を眺めていました。

あと、座席ポケットにパンフレットが入っていて、それには沿線の見どころを紹介するスマホアプリ的なものがあるとのことで、「あずさ」にはコンセントもあって充電の心配もないのでやってみることに。
どうやら、専用のアプリではなくて観光地でのガイドを提供する汎用アプリ内の1つのコンテンツとしての提供のようで、スマホの位置情報に連動して近くの見どころを教えてくれるというもののようです。
最初は面白くてやっていましたが、私のスマホは長年使い込んでバッテリーが劣化していることもあり、充電しているのにバッテリー残量が減っていくという状態になりまして途中でやめてしまいましたw
そろそろ変え時ですかねぇ。

さて、列車は小仏トンネルを過ぎて山あいを走るようになっていよいよ高速運転が始まりますが、ここでもまだダイヤ乱れを引きずっているのか時折徐行運転になっていました。

そして、富士急行線との乗り換え駅である大月も通過して笹子トンネルへ駆け抜けていきます。
八王子~甲府間のノンストップは他の「あずさ」でも普通にありますが、1時間は走りっぱなしになるのでやっぱりすごいですよね。


甲府盆地に入り勝沼ぶどう郷駅を通過しました。


甲府盆地を見渡せました。

その後は塩山や山梨市などを経て甲府に到着します。
山梨県庁所在地ですが、やはりここで降りる人が多いですね。
その次は茅野ですが、茅野はもう長野県なので、「あずさ17号」としては山梨県内で停車するのは甲府だけということになりますね。
山梨もそこまで小さな県というわけでもないのに、県内の停車駅が1つだけというのはすごい話だと思います。

県境を越えて長野県に入り茅野に停車するといよいよ次は終点の松本です。
諏訪地域は完全無視する思い切った設定ですが、こういう極端に早い列車を設定する意図というのは、「○○から○○まで××分」と謳うためだと思いますが、東海道新幹線の「のぞみ」みたいに安定した需要がなければ、停車駅を増やして需要を喚起する必要から、すべての列車をその所要時間で運転するのは難しく、ごく僅かな本数だけ最速達列車とする手法が採られるんでしょうね。

なお、茅野から塩尻にかけては上諏訪・下諏訪・岡谷・塩尻と停車する特急もありますが、この場合この区間で通過するのはみどり湖駅だけとなり、特急なのに各駅停車みたいになってしまいますから、茅野~松本間ノンストップは気持ちが良いですね。
ただ、この区間には単線区間があって、列車の行き違いなどで運転停車を強いられる場面もありました。


車窓からは諏訪湖が見えました。

岡谷を過ぎて辰野経由の旧線と分かれると塩嶺トンネルを駆け抜けて塩尻に至ります。
塩尻は中央西線と呼ばれる名古屋方面の線路と分岐しますが、ここも容赦なく通過です。

そして、篠ノ井線に入ると松本盆地の開けた地形になり、遠目に穂高などの山々を見ているとあっという間に松本に到着します。
結局10分程度遅延して到着したのですがこれがちょっと困ったことになりました。
乗り換え自体は30分以上あったので普通に間に合うんですが、実はここで昼食を食べることにしていたんですね。
予定では30分ほど滞在できる予定だったのが、遅延により20分ちょっとになってしまいました。
飲食店で食事するにはちょっと慌ただしいですが、次に乗るのは普通列車なので駅弁を買っても車内では食べづらいかもしれません。

とりあえず飲食店に行ってみて混んでいたら諦めるということで、到着後は列車の写真すら撮らずにお店に走りました。


お店に行くと普通にガラガラですぐに入れました。
そして、頂いたのは松本名物の「山賊焼き」です。
過去に松本に訪れたときにも食べているので、当ブログ常連さんにはおなじみのグルメですね。
写真から分かるように鶏の唐揚げに近い料理なんですが、名前は”焼き”なので名前からのイメージと実物が食い違う料理の1つかもしれません。

食べ終わったときには発車の3分前で焦りましたが、とにかくホームへ急ぎます。

大糸線で糸魚川へ抜ける

ここからは富山を目指してひたすら移動です。
松本から富山へ行くならば「しなの」などで長野に出てそこから新幹線に乗ってしまう方が早いですが、今回は今日中に富山に着けばいいですし、大糸線も普段あまり乗る機会がないということで今回は大糸線ルートを選びました。
JR西日本が南小谷~糸魚川間の存廃について言及したというのもありましたね。
今すぐに廃止という話ではないでしょうが、廃止の話が具体化してからではさよなら乗車組が殺到して落ち着いて乗車できない可能性が高くなりますしね。


大糸線にも特急はありますが本数がないので今回は普通列車です。


通路には何か掲示物が・・・?


アルピコ交通上高地線の運行状況についてのお知らせでした。
2021年の夏に大雨による河川増水で橋梁に被害が出て、それ以降一部区間の不通が続いていて、この活動の時点でもバス代行輸送が行われていました。


ホームへ行くとアルピコ交通の車両がいました。
実は大糸線乗り場とアルピコ交通の乗り場は隣同士だったりするんですが、この車両は線路が途絶して閉じ込められてしまったんでしょうか。

肝心の大糸線ですが、何故か車両の写真は撮っていませんでした。
確かE127系だったのですが、想定以上に混んでいて慌てて乗り込んだためだったと思います。
結局しばらくは座れずに立ち席を余儀なくされました。


しばらく進み車内が空いてきた頃合いで車窓を撮ります。
田園風景に時々集落が出ていて、背景に山という特徴的な車窓が続きます。


更に進むとすっかり雪景色になりました。
距離にすれば数十km程度しか変わっていないと思いますが、それでもこんなに景色が変わるんですね。


車窓に湖も出てきました。


途中の駅で「あずさ」とすれ違いました。
実は「あずさ」のうち1往復だけ南小谷発着の列車が設定されていて、それだったようです。


そして南小谷に到着です。
ここから先も大糸線に変わりはありませんが、管轄の鉄道会社がJR東日本からJR西日本に変わりますし、ここまでは電化されていたのが、ここからは非電化になるなど境界駅の趣きがあります。


ここから先はキハ120系のお世話になります。
初日の今日は西日本へ行かないといいましたが、この車両を見ると西日本に来た気がします。


↑この区間はボックス席を取れたので車窓は動画でどうぞ

この区間に乗るのはこれで2度目ですが、実は前回はカメラのバッテリーが切れてしまい満足に撮影できなかったので、今回は写真でもしっかりと撮影しておきたいと思います。


この区間の大糸線は姫川に沿って進んでいきます。


並行する国道148号は立派な高架道路になっていますが、片や大糸線は存廃問題が出るとは・・・
道路に使う予算の数%でも鉄道に使ってくれればローカル線を取り巻く状況はかなり変わるように思うんですがねぇ。
まあ、地元の人としては滅多に使わないローカル鉄道より、立派な道路を作って欲しいという要望もあるでしょうし、難しいところです。


この景色も生かして観光列車とかどうですかね。
いっそ、糸魚川で接続するえちごトキめき鉄道の「リゾート雪月花」を乗り入れさせたりとか?


国道の旧道と現道という構図


山をバックに姫川


だいぶ下流に来たのか徐々に川幅が広がってきたように見えますね。


堰がありました。


頸城大野駅に到着しました。
頸城といえばもう新潟県ですね。


姫川駅に到着するともう糸魚川は次の駅です。
それにしても、ずっと寄り添ってきた川の名前も姫川なんですが、河口に位置する街の名前は糸魚川なんですよね。
私は最初、糸魚川のことは知っていても川の名前は知らなかったので、普通に川の名前も糸魚川だと思っていました。
しかし、調べてみると糸魚川という名前の川は無いみたいですね。
では糸魚川という名前はどこから来たかというと、姫川がいわゆる暴れ川であり、「厭い川」と呼ばれたのが訛って糸魚川になったという説があるそうです。


糸魚川市街に入ってきました。


北陸新幹線と合流すると糸魚川に到着します。


糸魚川に到着!
それにしても、隣の駅が姫川だけであることからも分かるようにこれは大糸線用の駅名標ですが、デザインはJR西日本のものではなくて、えちごトキめき鉄道のものなんですね。

ここではあまり乗り換え時間がないので、前回みたいに「ジオパル」を見学する暇はありません。


キハ120系を1枚だけ撮って乗り換えます。


大糸線とえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの路線図


前述のJR西日本が打ち出した大糸線の存廃論議を意識してか、定期券の補助なんてこともやっているんですね。
ということは、自治体は今のところ存続を求める立場だということですから、大糸線の存続を考えるとよい兆候と言えましょうか。
どうかいい結果になることを願っています。


ここにも卒業生へのメッセージがありました。


それでは新幹線乗り場へ移動します。
それにしても、「がんばろう」というのは糸魚川大火からの復興のことでしょうか。
もう結構前の話だったと思いますが、まだ完全な復興には至っていないのですかね。


ここからは「はくたか」で移動です。
距離的には在来線でも十分ですが、第三セクターになっているせいで運賃が割高であり、新幹線でも大差がないため新幹線を選びました。


コンコースは広々としています。


ホームへ向かいます。


ホームにやってきました。
相対式2面2線という新幹線駅としては簡素な構造ですが、最近の整備新幹線はこういう駅が多いですよね。
実情に見合った低コストな構造ということでしょうか。


しかも通過線もないので待避も出来ません。
北陸新幹線の運行本数からすれば各駅に待避設備を設けるのは過剰ということなんでしょうが、となるとホームの目の前を通過する列車もあるということでそれはそれで迫力がありそうですね。


新幹線ホームの駅名標です。
ここは流石にJR西日本仕様になっていますね。


縦型


ホームからは糸魚川の街並みと山々が見えました。
妙高とかの山でしょうか。


と思ったらちゃんと解説がありました。


それでは「はくたか」で富山へ移動です。
わずか2区間のみのちょっとだけ新幹線ですw


富山に到着しました。


コンコースです。


記念撮影スポットですかね。
立体的で面白いです。


かつては北陸本線の特急列車の名前にもなっていた「雷鳥」の説明がありました。


富山の魅力を解説していました。


北陸新幹線の車体を描いて修学旅行生に向けての歓迎メッセージを書いていました。
そういえば、もう修学旅行も再開されつつあるんですかね。


あとはホテルへ向かうだけですがまだ薄明るくて撮影できそうだったので、軽く撮ることに
富山駅高架化に合わせて路面電車が駅構内に乗り入れるようになりました。


そこへやってきたのは富山地方鉄道の7000形


路面電車の駅名標


北口に出てみました。
以前に来た時は思いっきり工事中でしたが、だいぶ出来上がりましたね。


旧富山ライトレールの線路は、今は富山地方鉄道に編入されて線路も直結するようになりました。


線路を横切る通路は横断歩道みたいになっていました。
法的には踏切扱いだと思いますが、見た目が横断歩道なんて面白いですよね。


↑駅構内の”踏切”はこんなふうに発光サインとブザー音も備えていました。


富山地方鉄道の乗り場はこれくらいにしましょうか。


富山を走る列車たちの顔出しパネルがありました。


駅前にいたのは名鉄バスでした。
名古屋行きの高速バスですね。


駅前の路上にはこんなものがありました。
通行人がちょっとずつ除雪して通行しやすくしましょう的なことなんでしょうね。
これも雪国ならではの光景ですね。


富山名物の「富山ブラック」で夕飯を頂いたらホテルへ向かってこの日の活動は終了です。

2日目以降は追ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。
結局、7000字程度で終わりましたが、今日は移動メインということでw

つづく

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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