6泊7日(車中泊込み)に及ぶ西日本さよなら乗車旅の2日目です。
なお、1日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
2日目となる今日は、昨晩宿泊した富山からスタートし、あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道で金沢へ、そのまま折り返して泊へ、最後はまた富山へ戻って413系を乗り回します。
富山からは北陸新幹線で金沢へ移動後、特急「サンダーバード」で大阪へ、更に乗り継いで特急「はまかぜ」で鳥取へ向かいそこで宿泊してゴールです。
あいの風とやま鉄道413系に乗車する以外はひたすら移動という行程ですが、大阪から鳥取まではあえて「スーパーはくと」ではなくて「はまかぜ」というひねりを入れていますw
あいの風とやま鉄道413系
というわけで、朝の富山駅から2日目の活動がスタートします。
↑そこへ路面電車がやってきました。
富山地方鉄道7000形ですね。
それではあいの風とやま鉄道の改札へ向かいます。
今回の活動では都合よく使えるフリーきっぷの類はなかったので、ICカードで乗車です。
それにしても、地方鉄道であるあいの風とやま鉄道でもICカードが使えるのって何気にすごいですよね。
どうやらJR時代には対応していなかったのが、あいの風とやま鉄道に転換された直後にICOCAを導入する形でICカードに対応したみたいです。
いちいち小銭を出して切符を買う手間がないのは助かります。
今回乗車するのは6時30分発の金沢行きです。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、乗車位置の案内が「1~3」と書かれているのにお気づきでしょうか?
これはその列車の両数に対応していますが、つまりは3両編成ということになります。
あいの風とやま鉄道に在籍する車両で3両編成を組めるのは413系だけなので、これだけでこの列車が413系充当であることがわかります。
ちなみに、反対方向の6時22分発泊行きと、6時37分発黒部行きも同じく3両編成であることから413系です。
こうしてみると413系が全然レアじゃないような気がしてきますが、元々413系はラッシュ時の運用が中心となっていて、この時間帯は必然的に413系の運用の比率が増すためにそう見えるだけで、日中は殆ど走っていません。
また、2022年春のダイヤ改正より、更に運用が減ることが公表されており、まだ全廃という段階ではありませんが、比較的行程の自由度が高いうちに乗っておこうと思い、今回乗りに来ました。
なお、ダイヤ改正により413系の運用が減少する形で変更されており、この写真にある列車も改正後は413系ではなくなる可能性がありますから、改正後に乗りに行く際は最新の情報を入手することをおすすめします。
余談ですが、隣り合うえちごトキめき鉄道では413系を含む編成が「観光急行」と称して動態保存的に観光列車として運用されていますが、あいの風とやま鉄道でも、「一万三千尺物語」という観光列車を413系の改造により製作していることから、一般列車として413系が全廃されても、しばらくは413系自体は走るような気もします。
この「一万三千尺物語」も、今回は乗車しませんが、いつか乗ってみたいと思っています。
あいの風とやま鉄道としても413系は集客ツールとして有用だと考えているのか、編成ごとにラストラン記念グッズを展開したりしているようです。
経営の厳しい地方鉄道においては、こういうグッズ収入とかも決して無視できないんでしょうね。
乗りに行くのが一番の支援だとは思いますが、遠方に住んでいたりしてそれが難しい場合はグッズ購入という形でも支援になりますから積極的に購入したいですね。
ホームへ行くと既に入線していました。
塗装はJR西日本時代の地域統一色でした。
観光列車などに改造されたもの以外は、521系の増備が進むまでの繋ぎという位置づけでしょうから、お金のかかる塗装変更もせずにそのまま使っているんでしょう。
方向幕を撮ったら乗り込みます。
ここで車窓を撮ろうかなとも思ったのですが、この列車はラッシュの時間に北陸最大都市の金沢へ向かう列車ですから、今は空いていても途中から混雑することが見込まれ、混雑すると車窓を撮るのも難しくなりそうだったのと、車窓であれば521系の列車でもまた撮影するチャンスがありますが、413系の走行音という意味ではこれが私にとってはラストチャンスとなる可能性があり、車窓を撮影し始めてしまうと、近くに騒がしい人が乗ってきても座席や車両の移動が難しくなるということで、あえて撮りませんでした。
時間帯的に登校する高校生が大挙して乗ってきてもおかしくない時間帯ですしね。
数年前の「あいの風ライナー」に乗って以来のあいの風とやま鉄道線の旅となりましたが、国鉄型特有の轟音モーターをBGMに、気分はJR北陸本線にタイムスリップしたみたいでした。
倶利伽羅峠を越えて石川県に入ると、管轄する鉄道会社もあいの風とやま鉄道からIRいしかわ鉄道へと変わりまして、金沢へ向けての通勤客などで車内も混み合ってきました。
そして、終点の金沢に到着です。
↑一旦引き上げ線に引き上げるようなのでその様子を動画でどうぞ
あとは改札口へ行ってICカードをタッチし即Uターンという作業をこなしたら再び富山へ向けて折り返します。
富山幕を押さえたら乗り込みます。
今度は金沢市基準ではラッシュとは逆方向になりますが、県境を越えると高岡などへの通勤・通学客で混み合う場面もありました。
なので、今回も車窓の動画はなしです。
まあ、どのみち、今回は長丁場の遠征ということで、128GBのSDを2枚携行しているとはいえ、それでもある程度セーブしながら撮らないと肝心の廃止予定列車の車窓を撮れなくなる可能性もありましたから、今回無理に撮らなくてよかったのかもしれません。
実際、遠征から帰る頃には手持ちのSDはほぼ使い果たしていましたから、ここで撮らなかったのは正解でした。
富山に到着しました。
隣のホームには別の413系がいますから塗装が違いますよね。
実はこれ「とやま絵巻」という車両で、観光列車的な位置づけで導入されたものの、普段は一般の普通列車などに充当されているという、いわば「イベント対応車」的な車両になっています。
この「とやま絵巻」が泊行きでして、そのままこれに乗り継いで泊を目指します。
車体には富山の名産・名物などが描かれています。
これは氷見名産のブリですね。
車内です。
基本的な内装は種車の413系そのままですが、モケットの色が富山湾をイメージしたのか水色となっています。
さて、あとは乗り込みます。
あまり乗り換え時間に余裕が無かったのですが、この泊行き、実は始発駅は高岡であり、高岡~富山間では先程乗車した金沢発富山行きに先行する形で走行し、富山でしばらく停車して金沢発富山行きの到着を待ってから発車するというちょっと謎なダイヤになっているんですよね。
それなら高岡→富山の列車と金沢→泊の列車にした方が分かりやすいと思いますが、運用の都合ってやつでしょうかw
今度はもうラッシュも終わった時間帯であり、車内も空いていたので車窓を撮ろうと思えば撮れそうだったんですが、「とやま絵巻」がやってきたためにそれは無理になりました。
実は「とやま絵巻」は車体全体に装飾がされていて、窓ガラス上にも不透明なシートが貼られているため、車窓はすりガラス越しに見たような感じにしか見えないのです。
せめて1つくらい413系の走行音とともに車窓を撮りたかったのですが、これは万事休すか・・・?
折り返し富山行きとなり、これに乗っていきます。
車窓は残念ですが、この後の行程のこともあるので、もうこれに乗っていくよりほかありません。
運賃精算のため一瞬だけ駅前に出ましたが、時間がなく駅舎すら撮らずに撤収w
以前に訪れたときにはちゃんと撮っていますので、興味がある方はその時の記事をご覧下さい。
発車標は液晶ディスプレイを使ったものでした。
当駅はあいの風とやま鉄道線の途中駅であり、実際のあいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道の境界は2つとなりの市振駅となっていますが、運行系統としては泊~市振間はえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインと一体的な運行がされておリ、実質的には泊がえちごトキめき鉄道とあいの風とやま鉄道の境界駅のようになっています。
これは鉄道会社の境界は県境を基準に決めたのが、列車の運行形態は実際の旅客流動に準じたためだと思いますが、新幹線の並行在来線を経営分離する際に、都道府県ごとに会社を分けるのはいかがなものなんでしょうね。
九州新幹線鹿児島ルートの時のように、1回の経営分離では1つの鉄道会社に統一すればまだ利用者への負担は減らせると思うのですが・・・
あとは発車までの間に「とやま絵巻」の撮影です。
中線に停車しているので改札側のホームからはこんな風に撮れます。
こちらはえちごトキめき鉄道のET122形です。
パンタグラフがないことからも分かるように、実は気動車となっており、日本海ひすいラインは全線が電化されているのにも関わらず、旅客列車は基本的に気動車を使用しています。
これは日本海ひすいラインの区間には交流電化と直流電化が混在しており、電車による運行とした場合は、高価な交直流電車を使用しなければならないのが、日本海ひすいラインでは交直流電車を使用しても採算が合わない程度の需要しか見込まれないために、安価な気動車での運行となりました。
ただし、貨物列車についてはJR時代から引き続き電気機関車が使用されているため、電化設備自体は維持されています。
さて、あとは富山まで折り返し乗車ですが・・・
↑ここでまさかの車窓ですw
え?さっき「とやま絵巻」で車窓は無理って言わなかったかって?
実は「とやま絵巻」でも運転室側の車端部のガラスだけはシートが貼られておらず、普通の透明なガラスであることに気付いたのです。
若干アングルが苦しいですし、ロングシート部になってしまうのがネックですが、空いている時間だったのが幸いして無事に車窓を撮ることが出来ました。
413系の爆音モーターをお楽しみ下さい。
隣には521系による金沢行きが停車中でこれに接続するダイヤとなっていました。
ここでは少し乗り換えに余裕があるので、回送として引き上げていくところを撮ろうと向かいのホームへやってきました。
いつ発車するのか分からないためソワソワしてしまいますが、この後は夕方まで車庫にいる運用だと思いますからホームに長居するということはないでしょう。
↑そこへ貨物列車が通過です。
特急列車は新幹線に役目を譲って消滅しましたが、貨物列車の経路としては今でも重要な路線ですね。
↑そして、「とやま絵巻」の発車です。
これにて富山編は終了で、あとはひたすら鳥取を目指して移動です。
北陸新幹線「つるぎ」で金沢へ
ここから乗車するのは北陸新幹線の「つるぎ」です。
「つるぎ」は北陸新幹線のうち、富山~金沢間のみのシャトル便に付けられた愛称となっており、東北新幹線の「なすの」的な存在でしょうか。
元々「サンダーバード」や「しらさぎ」などの特急の一部が富山まで乗り入れていたのが、北陸新幹線金沢開業によりすべて金沢止まりとなった大体で設定されたという意味合いもあり、富山~大阪・名古屋を結ぶ役割も担っていると言えます。
そのため、基本的には「サンダーバード」「しらさぎ」など北陸本線の特急に接続するダイヤとなっています。
終日にわたって設定されていますが、北陸新幹線のこの区間だけを使う機会というのがあまりなく、実は今まで乗ったことがない列車となっていました。
まあ、ようするに「はくたか」の区間便というだけであり、そこまでこだわることではないかもしれませんが、別の愛称が付いている以上は1度は乗っておかないとと思っていました。
そして、今回はちょうどいい時間に「つるぎ」が走っていたので行程に組み込んだ次第です。
発車標です。
富山から金沢方面なら「つるぎ」も「はくたか」も基本的に差はありませんが、それでも色を変えて分かりやすく案内されています。
コロナ禍で落ち込んだ需要を取り戻そうと、オフィス車両なんて取り組みもしています。
これは通常ならマナー違反となってしまう、座席でのWEB会議や電話を特定の車両に限って解禁するという施策で、テレワークやオンライン会議の需要に応えようということですね。
個人的にはWEB会議や電話に限らず、車内での大声での会話や子供が愚図るなども、それらを容認する車両を設定すれば、当事者も周囲も気持ちよく乗車できていいと思いますけどね。
ホームの発車標です。
基本的に14番乗り場から発車なので、「つるぎ」ばっかり表示されていますw
駅のご紹介も軽くしておきましょう。
富山駅は全列車が停車し、「つるぎ」が折り返し運転を行うこともあり、2面4線という主要駅クラスの構造を持っています。
ところで、「つるぎ」はわざわざこんなに強調して案内されているんですが、これは「つるぎ」は12両編成のうち、普通車指定席は8・9・10号車は締切扱いとなり、12号車のグランクラスも締め切り扱いであり、グリーン車の11号車を除くと1号車~7号車しか利用できないためこのような案内をしていると思われます。
富山~金沢間という短距離の列車なのでそこまで需要がないだろうということで、一部の車両を閉鎖することで車内清掃などの手間を省いているんでしょうね。
使用されるのは「はくたか」や「かがやき」と同じE7系ないしW7系です。
かつての博多~小倉間の「こだま」みたいに専用の短編成を用意してもよかったかもしれませんが、「つるぎ」の場合は輸送力過剰でも他の列車と共通運用化したほうが全体的には合理的だったんでしょうね。
あとは金沢まで乗車していくだけです。
今朝は在来線で1時間掛けて移動した道のりを、たったの23分で行ってしまうんだから短距離でも新幹線の効果は絶大ですね。
金沢に到着ですが、すぐには乗り継がずに少しだけ滞在します。
ちょうどお昼時ですし、お昼ごはんを兼ねてということですね。
金沢にて
というわけで、「つるぎ」で金沢へやってきたら、「サンダーバード」に乗り継ぐまであえて時間を設けて、しばし滞在です。
せっかく時間があるので北陸ならではのものを食べようと歩いていると・・・
駅構内にあった回転寿司店ですが、「廻る富山湾」のキャッチフレーズに惹かれて入店w
北陸ならではのネタを期待して席につくと・・・
富山湾名物「白えび」の軍艦
「白えび」自体はそこまで高価な食材ではないみたいなんですが、このような刺し身になると途端に値段が跳ね上がるそうです。
それは殻に覆われたエビを職人さんの手作業で1尾1尾丁寧に剥く手間がかかるからだそうで、「白えび刺し身丼」とかだと余裕で3000円を超えたりします。
この軍艦も1皿で800円以上しましたw
こちらは「白えび」の天ぷらです。
天ぷらの場合は殻ごと揚げられるため刺し身よりは手間がかからないためか比較的リーズナブルです。
刺し身には手が出ないけど白えびは食べたい方は天ぷらがいいかもしれませんね。
北陸の魚としてある種のブランドみたいになっているノドグロです。
正式にはアカムツというらしいですが、喉の奥が黒いことからノドグロと呼ばれるようになったとか。
主に山陰・北陸や新潟などの日本海側で食される魚で、水揚げ量の少なさから高級魚となっています。
流石の私も高級ネタばかりを注文しまくれるほどブルジョワではないので、庶民的な値段のネタも交えつつ注文したのですが、結局お会計は5000円オーバーw
今回の遠征では1回の食事代としては一番高く付きましたw
でも、白えびやノドグロなどの北陸ならではのネタも楽しめましたし、たまにはこんな贅沢も良しとしましょう。
食事を終えた私はまだ時間が残っていることから腹ごなしも兼ねて駅前をぶらつくことにしました。
ふと足を止めたのはJRバス乗り場です。
ここからは名金線というバスが出ていて、城端線の福光までショートカットすることが出来ます。
以前の活動でも乗車したこの路線バスですが、実は今年(2022年)の7月をもって大幅な路線縮小が行われ、福光への乗り入れは無くなるみたいです。
かつては名古屋まで結ぶ長大路線だった名金線も、今や一ローカルバスに成り下がり、かつての栄光は見る陰もありません。
ちょうどJRバスがいました。
名金線も金沢市内では兼六園やひがし茶屋街などを通るため観光路線という役割もありまして、金沢のバスの主力である北鉄バスがICカードの全国相互利用には対応していないのに対して、JRバスは全国相互利用に対応しているため、旅行者にはJRバスが人気だったりもするようですね。
こちらが北陸のバスの王者とも言える北鉄バスです。
かつては石川県内広範に鉄道網を展開していましたが、その多くが廃線となり、現在も運行している鉄道は浅野川線と石川線の2路線だけになりました。
まだ時間があるので土産物街などを覗いてみることにしました。
何故かお相撲さんがお出迎えw
石川の伝統工芸品「輪島塗」など県内の産品を紹介するコーナーもありました。
お隣福井県のブースは恐竜推しでしたw
駅前にリアルな恐竜ロボットを置いてしまうくらいですし、そのうち「恐竜県」とか名乗り始めそうw
それではぼちぼち時間ですので乗り場へ向かうとします。
「サンダーバード」で大阪へ
続いては北陸本線の主力特急「サンダーバード」で大阪へ向かいます。
「サンダーバード」は和倉温泉・金沢~大阪間を結ぶ特急で、かつては「雷鳥」と名乗っていた時代もありました。
「雷鳥」は485系が使われていましたが、681系が登場すると「スーパー雷鳥(サンダーバード)」と呼ばれるようになり、1997年から「サンダーバード」と改称されて今に至ります。
485系が北陸特急として活躍していた頃は485系充当は「雷鳥」、681系・683系充当は「サンダーバード」と使用車種で使い分けられていましたが、2011年春の改正をもって485系の撤退により「雷鳥」は廃止され、大阪~金沢・富山間の特急は「サンダーバード」に統一されました。
2015年春に北陸新幹線が金沢まで延伸開業すると富山駅への乗り入れがなくなり、大阪~金沢間の運転となりますが、一部列車は七尾線に直通して和倉温泉発着となります。
というわけで入場後、乗り場へ向かいます。
「サンダーバード」と「しらさぎ」は金沢駅発着特急の中でも代表的なものであり分かりやすく案内されています。
なお、この他の特急としては金沢~福井間のシャトル便的な列車である「ダイナスター」、金沢~敦賀間の「おやすみエクスプレス」、金沢~和倉温泉間の「能登かがり火」「花嫁のれん」がありますが、いずれも本数はさほど多くはありません。
北陸本線の521系がいました。
これも北陸新幹線が敦賀まで延伸されたらIRいしかわ鉄道なりに譲渡されるのかもしれませんね。
発車標です。
「サンダーバード」は1時間あたり1~2本運転されるほどの主力特急であり、今はそういう呼び方はなくなりましたが「L特急」の代表的な列車の1つでもありました。
ただし、この活動の時はコロナの影響で減便ダイヤとなっていました。
やってきたのは683系でした。
485系のスタイルを受け継ぐ高運転台のデザインですが、丸みを帯びた現代風のデザインにアレンジされていて、これはこれで好きです。
ちょっと苦しいですが幕を撮ったら乗車です。
実は今回は自由席を選んでいたので、早めに乗らないといい席を取れなくなるということで駅での「サンダーバード」の撮影は控えめとなりました。
だったら指定席にすればいいじゃないかと思われそうですが、指定席にして近くに騒がしい人が来ると嫌なので、よほど混雑が見込まれるか、そもそも自由席がない場合を除いては自由席にしているのです。
↑車窓は動画でどうぞ
大動脈北陸本線や高規格の湖西線での高速運転をお楽しみ下さい。
今回乗車した「サンダーバード24号」ですが、金沢を出ると加賀温泉・芦原温泉・福井・武生・敦賀・京都・新大阪・大阪と停車していきます。
「サンダーバード」の中でも速達列車だと途中は福井・京都・新大阪のみという列車も存在しており、昨日乗車した「あずさ17号」みたいな感じですが、それについてはダイヤ改正後も存続するようなので機会があればまた乗車したいと思っています。
この最速達列車に比べれば「サンダーバード24号」は停車駅が多いように感じますが、これでも少ない方であり、上述の停車駅の他に松任・小松・鯖江・近江今津・堅田・高槻などに停車する列車もあります。
そう考えると「サンダーバード24号」は東海道新幹線に例えれば「ひかり」的な位置づけですかね。
見晴らしのいい平野部を駆け抜けていきます。
奥には北陸新幹線の高架が見えますが、あれは敦賀延伸に向けて建設中のものです。
開業は2023年度末とされており、この活動の時点であと2年ほどある計算ですが、見た目からはほぼ完成しているような印象を受けますね。
軌道敷設工事の真っ最中だったのか、工事車両のようなものが見えました。
途中で通る鯖江は眼鏡の生産で有名な場所であり、こんな看板が出ていましたw
ちなみに「サンダーバード24号」は鯖江を通過しますが、一部の特急は停車します。
このドーム状の建物は「サンドーム福井」という施設で、一見すると球場などのスポーツ施設に見えますが、実際にはイベント会場として使えるような施設で、正式名称を「福井県産業振興施設」というらしいです。
武生を過ぎると長く続いていた平野部の景色も終わりを迎え山がちな車窓へと変貌していきます。
南今庄駅を通過すると長大トンネルとして知られる北陸トンネルを通過します。
全長13870mのこのトンネルはかつて日本最長のトンネルだったこともあるトンネルで、1962年に開通しました。
また、狭軌の陸上鉄道トンネルとしては今でも日本一だそうです。
このトンネルが出来るまでは、この区間の北陸本線は木ノ芽峠という峠を越えるルートであり、4箇所のスイッチバックと25パーミルの勾配を抱える単線区間という難所になっていました。
北陸トンネル開通により旧線は廃線になりましたが、その廃線跡は道路に転用されていて、現在は登録有形文化財となり、遊歩道となっているものもあるそうです。
そんな長大トンネルも特急は高速走行を維持したまま10分とかからずに通過してしまい、かつての難所もどこ吹く風です。
北陸トンネルを抜けると港町の敦賀に到着します。
敦賀はほとんどの特急が停車する主要駅であり、小浜線との分岐駅でもありますが、最速達の特急は通過します。
脇に作られている巨大な高架は北陸新幹線のものですね。
整備新幹線の建設主体である鉄道・運輸機構の横断幕も掲げられていますね。
敦賀から先も新幹線の高架がしばらく続いていましたが、2023年度末の開業は敦賀までとなっており、敦賀~新大阪間の着工は未定となっています。
更にある線路とも交差しますが、実はこれも北陸本線なのです。
実は敦賀~新疋田間の北陸本線は上下で別々のルートとなっていて、これから走る上り線はループ線でぐるりと遠回りして高度を稼ぎますが、写真に写る下り線は坂を下る方になるため勾配をきつくすることができ、一直線に下っていきます。
ループ線の途中では、一旦敦賀市街に面した山肌に顔を出します。
ここからは敦賀市街が一望できる上、なんと敦賀駅で分岐した小浜線とニアミスするのです。
近くに西敦賀駅があるので、北陸本線にも駅があればここでも乗り換えができそうですが、上り列車しか経由しないため駅が設けられる可能性は低そうですね。
近江塩津駅を出ると北陸本線から湖西線に入っていきます。
北陸本線はこのまま琵琶湖の東岸を進み米原で東海道本線と合流しますが、北陸と京阪神を結ぶには遠回りであることから、短絡ルートとして琵琶湖の西岸に湖西線が建設されました。
この湖西線は高規格で建設されており、トンネルや高架を多用し踏切を設けない構造となっていることから高速走行が可能であり、「サンダーバード」も最高速度である130km/hで爆走します。
このあたりは意外と雪景色になるんですね。
もう滋賀県に入っているので関西地方ですが、まだ北陸という感じがします。
更にもっと琵琶湖に沿って走る場面もありました。
これが北陸新幹線になると、確かに早くはなるでしょうが、こういう景色は楽しめなくなりますね。
大津京駅を通過してトンネルを抜けると山科で東海道本線と合流し、京都に到着します。
ここで降りる人が多いですが、京阪神は特急並みの俊足を誇る新快速があるためかここから乗ってくる人はあまりいませんでした。
京都では奈良線の103系が見えました。
実は2022年春のダイヤ改正後にひっそりと引退してしまったため、私にとってはこれが最後の写真となりました。
向日町の操車場が見えました。
113系などがまだ普通にいるのは流石はJR西日本といったところですねw
複々線区間も爆走し、普通列車をごぼう抜きにしつつ、あっという間に京都府は終わって大阪府に入りました。
そして、最後の途中停車駅の新大阪に到着します。
ここでも降りるばかりで乗る人は流石におらず、車内はすっかり空きました。
大阪に到着です。
ここでも2時間ほど時間があるので、その間に夕食がてらちょっとだけ活動しました。
大阪にて
というわけで大阪駅で2時間暇するので、その間にちょっと寄り道します。
207系を撮ったり
223系を撮ったら一度駅を出ます。
私は再開発の進むうめきた地区にやってきました。
ここは元々梅田貨物駅があった場所であり、この梅田貨物駅の機能は百済貨物ターミナル駅と吹田貨物ターミナル駅にそれぞれ移管の上で廃止して跡地を再開発しているようです。
バスターミナルの出口もありまして、大阪市営バスを引き継いだ大阪シティバスがいました。
近くには阪神高速の梅田ランプがあります。
大阪版の首都高といった感じですね。
途中には大阪電車区・大阪車掌区がありました。
そのため、頻繁に制服姿の乗務員の姿を見かけました。
こちらが梅田ランプです。
路地のようにポツンとある感じが面白いですね。
この踏切は梅田貨物線の踏切です。
東海道本線と大阪環状線・阪和線方面を短絡する貨物線で、現在は貨物列車よりも特急「はるか」や「くろしお」など旅客列車のルートとしての役割が強くなっているんですが、この梅田貨物線も再開発の影響を受けて地下化されることとなっていて、この踏切も撤去される予定です。
また、地下化に合わせて梅田貨物線にも大阪駅のホームが設けられるようになり、従来は新大阪からしか乗れなかった「はるか」や「くろしお」も大阪駅から乗車できるようになる見込みです。
今回は地上を走る梅田貨物線の取材という意味合いもあってこの機会に見に来たわけですね。
こちらが梅田貨物線の線路です。
こんな大都会のど真ん中を走っていて単線というのが面白いですよね。
北側は複線になっていてここは梅田信号場という行き違い設備となっています。
元の梅田貨物駅のうち、行き違い設備としての機能だけを残した成れの果てといえましょうか。
東側からもう1枚
ここを列車が通るところを撮れれば画になりそうですが、残念ながら滞在中には列車が来ることはありませんでした。
ちょうどこの真下を梅田貨物線の新ルートが建設中であり、工事のお知らせがありました。
ちゃんと「鉄道工事」と書いてありますね。
発注者は西日本旅客鉄道株式会社、すなわちJR西日本となっていますね。
北梅田駅と書いてありますが、結局は大阪駅の一部という扱いになる旨の発表がされており、北梅田駅の名前は使われないようですが、工事の名称としては仮称のままになっているようですね。
駅に戻ろうとしたらまたバスが出てきました。
西日本JRバスは国鉄バスから伝統のツバメのマークが入っていますが、JRバス関東やJR東海バスと比べると派手な見た目ですよね。
それでは夕食です。
関西では一般的という牛カツを頂きました。
金沢で寿司を食べてからまだそこまで時間が経っていなかったのですが、ここで夕食を食べておかないと、このあとは「はまかぜ」に4時間ほど乗りっぱなしになりますからね。
食後は食い倒れの街にいるということでたこ焼きを頂きました。
カルボナーラたこ焼きという変わり種でした。
とはいえ、本当に食い倒れたら困るので、そろそろ「はまかぜ」に乗って今日の最終目的地の鳥取を目指すとしましょう。
「はまかぜ」で鳥取へ
長距離移動が多い2日目にあってもいよいよ最後の列車となる「はまかぜ」です。
最初に「はまかぜ」について解説しておくと、「はまかぜ」は大阪と香住・浜坂・鳥取を東海道本線・山陽本線・播但線・山陰本線経由で結ぶ特急列車であり、大阪~香住間、大阪~浜坂間、大阪~鳥取間にそれぞれ1往復ずつの合計3往復が設定されています。
大阪~和田山・豊岡・城崎温泉間では福知山線経由の「こうのとり」と、大阪~鳥取間では智頭急行線・因美線経由の「スーパーはくと」とそれぞれ競合するため、「はまかぜ」はこれらの補完という位置づけであり本数は少なめとなっていますが、浜坂・香住といった地区を結ぶ唯一の特急列車であり、「こうのとり」を利用できない神戸・姫路などの兵庫県南部から豊岡・城崎など兵庫県北部を連絡する役割も担う重要な列車となっています。
列車名は鳥取砂丘に吹き付ける浜風から採られていて、使用車種はキハ189系気動車が用いられています。
なお、2010年まではキハ181系も使われていて、最後までキハ181系が定期運行されていた列車でもありました。
実はキハ181系時代に1度だけ乗っていたのですが、当ブログ開設前のことであり、記事にはなっていません。
ところで、意外にも全車指定席なんですが、どうやら2021年春の改正より自由席が廃止されたようで、理由は詳しくは分かりませんが、「こうのとり」や「スーパーはくと」と運行区間が重複する区間があり、誤乗防止のためとか、3両編成での運行で、大阪~姫路間など近距離利用者が多く利用すると本来の目的である播但線・山陰本線内の各駅への利用者が座れなくなったりしないように、短距離では利用しづらい指定席だけにしたとかでしょうか。
まずは発車標です。
普通、特急列車は00分とか30分とかキリのいい時間に発車することが多いですが、そうなっていないあたり冷遇されているようなw
なお、「はまかぜ」としての鳥取行きは1日1本だけとなっています。
また、「スーパーはくと」は基本的に鳥取から更に先にある倉吉まで運転するので、大阪駅での鳥取行きという表示自体も1日2回しか出ないレア行先となります。
乗車する列車ではありませんが、「びわこエクスプレス」の案内も撮りました。
種別は「通勤特急」と表示されていますが、これは便宜的なもので、運賃制度などは特急と変わりありません。
英語表記は”Comuter Express”とかじゃなくて、普通に”Limited Express”の略である”Ltd Exp”なんですね。
「ウエストエクスプレス銀河」の乗車位置案内がありました。
これも117系を使っているということもあって興味を持っているんですが、まだ乗れていません。
↑入線は動画でどうぞ
4分前に同じホームから新快速が発車するため入線は発車ギリギリであり、のんびり撮影している暇はありませんでした。
↑なので動画でどうぞ
それでは乗り込みます。
実は今回がキハ189系への初乗車であり、楽しみにしていました。
播但線や山陰本線では線路規格の差から「スーパーはくと」ほどの爆走はしませんが、姫路までは130km/hで爆走する新快速と対等に渡り合う必要があるため高性能エンジンを搭載していて、450馬力のエンジンを1両につき2基搭載しています。
これにより最高速度130km/hの走行が可能です。
今回乗車した「はまかぜ5号」は4分前と3分後に新快速がいて、新快速に挟まれるようにして走るんですが、姫路まで並行ダイヤを維持できているようです。
キハ181系の時代は流石に定期列車では新快速に追い抜かれるなんてことはありませんでしたが、それでも先行する新快速の直後に発車して、姫路に着く頃は後続の新快速にギリギリまで追い詰められるという感じで車両性能の差を見せつけられるようなダイヤでした。
しかも、臨時列車では新快速に追い抜かれる列車まであるという始末w
↑車内案内表示器も動画で撮りました。
そんな高性能エンジンの軽快なサウンドを楽しみつつ列車は大阪駅を後にしました。
大阪を出ると三ノ宮・神戸・明石・西明石・加古川・姫路と停車していきますが、夕方の帰宅ラッシュの時間帯に走るため停車駅が多めになっているようです。
ただ、自由席がないので短距離利用はあまり発生しないような気もしますがw
意外にも短距離利用の人もいましたが、割高な指定席特急料金を払ってでも快適に移動したい需要もあるんですね。
既に夕闇が迫り車窓を楽しむのは難しいですが、その分エンジン音と乗り心地を味わいたいと思います。
姫路では播但線に入るのですが、配線の都合上進行方向が変わり、その関係で10分程度停車します。
実はこの間に後続の新快速に追いつかれるので、万が一「はまかぜ」に乗り遅れても後続の新快速で追いかければ姫路で追い付けるんですよねw
本当に新快速から乗り継いだとは限らないでしょうが、姫路から乗ってくる人が割りと多かったです。
それも寺前あたりで降りる人も多かったので、普通列車の補完という役割もあるようですね。
播但線に入ると福崎・寺前・生野・和田山と停車していきますが、私にとっては寺前から先の播但線は初めて乗車する区間になりました。
乗り鉄趣味も長くやっていると初めて乗る路線というのが少なくなって来ますが、せっかくの乗りつぶしも真っ暗闇のなかでは感慨も何もありませんねw
和田山からは山陰本線に入り八鹿・江原・豊岡・城崎温泉・竹野・香住・浜坂・岩美・鳥取と停車していきますが、この区間も私にとっては初めて乗る区間でした。
兵庫県北部の中心都市となる豊岡ではまとまった降車がありまして車内は一気に閑散としました。
この先の城崎温泉や香住・浜坂は観光利用が中心の駅でしょうし、この時間ではあまり需要がないのでしょうね。
香住を過ぎるとかつては貴重なトレッスル橋として有名だった余部橋梁がありますが、今は架け替えられてありきたりなコンクリート橋になってしまっています。
そして、実はこの余部橋梁を通る特急はこの「はまかぜ」だけなんですね。
そんな余部橋梁を過ぎると列車は浜坂に到着します。
ここで残っていた乗客も全員降りてしまい、車内は私の貸し切りになりました。
大阪~鳥取だと「スーパーはくと」の方が早く、「はまかぜ」が4時間27分かけて走るのが、「スーパーはくと」なら2時間36分で走破してしまいます。
今回乗車した「はまかぜ5号」の場合でも、大阪駅を30分ほど早く出る「スーパーはくと11号」に乗ると20時02分には鳥取に到着でき、「はまかぜ5号」の22時31分着に比べると2時間半も早く到着出来ます。
また、その後続列車である「スーパーはくと13号」は大阪駅を20時06分と、「はまかぜ5号」より2時間も遅く出ますが、鳥取には22時44分着なので13分しか差がありませんw
実は浜坂~鳥取間の特急は「はまかぜ」の1往復だけであり、山陰本線ではそもそも特急が走っていない幡生~益田間を除いては最も特急の本数が少ない区間になるそうです。
そうなると「はまかぜ」が鳥取まで乗り入れる意味がないようにも思えますが、恐らくはこれは夜間滞泊の都合だと思います。
鳥取乗り入れは鳥取行きは最終便、大阪行きは始発便となっており、香住や浜坂には夜間滞泊や給油・清掃などの整備をする設備がないか不十分で、それを鳥取で行う必要があるため、そこまでの回送のついでに営業しているという感じなのかもしれません。
さて、あとは県境を越えて鳥取県に入り、岩美・鳥取と停車していくだけと思ったらここでまさかのアクシデントがw
なんと突然の急停車・・・すぐにアナウンスがあり鹿と接触したとのことで、しばらく車両点検のため停車するとのこと。
この後はホテルにチェックインするだけなので多少の遅延は問題ないですが、今朝富山を出てから延々と移動を続けてきているので早く到着して休みたい気分でした。
結局10分程度遅れて鳥取到着となりました。
なので、本来はこの列車より後に鳥取に到着するはずの「スーパーはくと13号」と同時に入線するということにw
鳥取に到着!
ところで、隣にキハ40系がいますが、これは倉吉行き最終列車であり、「スーパーはくと13号」に接続して京阪神から倉吉への最終便の役割も持っているようです。
キハ189系が鳥取に来るのは1日1往復だけなので駅名標と絡めて撮ってみました。
↑最後に「はまかぜ」の引き上げを撮ったら撤収としましょう。
ちなみに、翌朝の折り返しは6時ちょうどとなっていて、こちらは明るい時間帯に乗れるのでまた機会があれば乗ってみたいと思っています。
終電が出てしまったので「本日は終了しました」の表示が拝めました。
あとは、駅員さんが駅を締め切る業務に入るでしょうから速やかに外へ出ます。
3日目以降は別記事として追ってレポートしますので公開までしばらくお待ち下さい。