1泊2日の長野・新潟への18きっぷの旅の2日目です。なお、1日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧いただくことをおすすめします。
本日の行程
前日、長野に宿泊した我々は、朝に長野駅を出発し飯山線を進んでいきます。
途中、戸狩野沢温泉、北飯山、信濃平、飯山、十日町と途中下車しながら越後川口へ抜けて飯山線を完乗後、上越線を南へ進み、水上、上牧にも立ち寄って帰路につきます。
ざっくり言うと、飯山線の完乗ついでにいくつか駅巡りをするという感じです。
長野駅
昨夜はホテルの夕食を満腹食べて、ベッドでゆっくりと休んだ我々はすっかりリフレッシュして長野駅へ向かいます。
6時58分発と決して遅いとは言いかねる時間ですが、なんかこの1週間で慣れてきたようなw
飯山線
豊野駅と越後川口駅を結ぶ飯山線ですが、信越本線に直通運転し、全ての列車が長野駅を起点に運行されます。
そんなわけで、6:58発の戸狩野沢温泉行きに乗って戸狩野沢温泉へ行きます。
早朝便のいいところは空いている上、みんな眠いのか喋る人が少ないことですねw
豊野までは信越本線を走るので線形もよく結構飛ばしますが、そこから先は正真正銘の飯山線となり、ゆったりしたローカル線の旅が始まります。
川沿いに進む区間が多く景色がいいのですが、それゆえ災害も多く、夏は土砂災害、冬は雪崩で運休することの多い路線のようです。
国鉄時代には急行が運転されることもあったようですが、今は普通列車のみとなっています。また、戸狩野沢温泉~長野間は飯山線の中でも賑やかな区間のようで、ラッシュ時には4両編成が走ったりする他、日中でも本数が比較的多い区間になっています。
まずは、列車の終点、戸狩野沢温泉駅です。
戸狩野沢温泉駅
名前の通り戸狩温泉・野沢温泉への玄関口、戸狩野沢温泉駅です。
長い駅名なのでびっしりですねw
ちなみに、昔は「戸狩駅」だったようです。温泉のPRのために改名したパターンですかね。
ホームは1面2線の島式ホームですが、飯山線の運行拠点の一つとなっており、側線もあります。
改札へ向かう通路です。「ようこそ」という旗がびっしりで観光ムードを盛り上げてくれます。
この次は十日町方面への列車が少なく時間が開くので2駅戻って北飯山駅です。
北飯山駅
乗り換え待ちを活かして駅めぐり1駅目、北飯山駅です。
駅舎というか待合所というか
でも、木がいい味を出していますね。
道路側から・・・
都会の駅だとちゃんと駐輪場に停めないと撤去されてしまいますが、田舎の駅はその辺に停めても怒られないのはメリットですね。
駅前の道路です。一応駅前通りということになるんですが・・・狭いw
真ん中に線状の構造がありますが、融雪パイプが埋めてあるんでしょうか。
時間を持て余してしまったので、駅舎の中で雑談していると次の列車がやって来ました。
続いてはまた1駅戻って信濃平駅です。
信濃平駅
駅舎がアレを再利用している信濃平駅です。
隣の駅を見てお気づきかもしれませんが、2つ前に訪問した戸狩野沢温泉駅と先ほど訪問した北飯山駅の間に当駅はあります。
なんで、こんな行ったり来たりするような順番で駅をめぐるのかという話ですが、本数の少ない区間で単純に1駅ずつ順当に進んでいこうとすると1駅ごとに列車の運行間隔分の時間をロスすることになり効率が悪く、2駅進んで1駅戻るというようなやり方をすると上下列車をうまく使い分けることができ、単純計算で通常の倍の駅を訪問することができるわけです。
この方法は、漫画「鉄子の旅」の中で、横見浩彦氏が実践しており、今回の旅でも参考にさせて頂きました。
この漫画、アニメ化もされておりなかなか面白いので鉄道ファンもそうでない方もよかったら読んでみてくださいね。
はい、これが駅舎です。
お気づきでしょうか?実はこれ、貨車を再利用した駅舎なんです。
このような駅は全国を見渡せば結構あるようですが、私個人として訪問した駅では初めてでした。
綺麗に塗装されていて、ぱっと見では貨車だとは思わないかもしれませんね。
無人駅には欠かせない「乗車駅証明書発行機」も備えています。
これだけ綺麗だと、長居したくなりますが、撮影を進めます。
「第1理科室」と書かれていますよね。
ここで、科学の実験でもするなんてことはないでしょうけど、地元の学校の生徒が駅を掃除してくれているということでしょうか。
だとすれば、駅が地域に根ざしている象徴であり、いい話ですね。
おや?何かいるぞ?w
我々の先客としてカエルくんがいたようです。
ちなみに、この窓だけでなく、他の窓にもカエルがくっついていまして、合計で15匹以上いましたw
カエルが好みそうな水たまりとかはなかったようですが、よほどこの駅は居心地がいいんでしょうかw
今時珍しい公衆電話まで備えていました。
学生でも携帯を持つのが当たり前になりつつある昨今、どれだけ使われているんでしょうね。
かく言う私も、最後に公衆電話を使ったのが何年前だったか思い出せません。
ホームへはスロープでアクセスになっていて、バリアフリー対応でした。
ちなみに、我々が到着した時、高校生か中学生か分かりませんが、学生の団体が下車していて、駅前につけていたバスに乗り換えていきました。
部活の合宿とかでしょうかね。とすると、近くにセミナーハウス的なものがあるのでしょうか。
駅前は広々していて車を停める場所にも困らないようです。
地方は駅まで車で行くのが標準みたいですね。
反対側から駅舎を撮ります。
流石に車輪は残っていませんが、この角度からなら完全に貨車の面影がありますね。
冒頭で当駅が棒線駅であると書きましたが、実は元々は3線を有する駅だったようで、その遺構が残っていました。
こういうのを見つけるのも駅巡りの楽しみの1つですね。
ちなみに、廃ホームの上は駐車場になっているようでした。ここに車を停めるドライバーもまさかホームの上だとは夢にも思っていないでしょうねw
ふと見ると、バスの廃車体が放置されていました。地方に行くと結構見かける光景のような気がしますが、どういう理由で放置されてるんでしょうね。
倉庫代わりに使っているとかでしょうか・・・
小さな駅の割にネタが多く写真も多くなってしまいましたが、続いてもボリュームがある駅となりますw
再び2駅戻って飯山駅です。
飯山駅
新幹線乗り入れで大改修の最中、飯山駅です。
飯山線の路線名の由来でもあり、飯山線内では3番目に多い利用者数を誇ります。
ホームは島式1面2線のみで、ホーム上には大きな鐘が出迎えてくれます。
説明によると、1度鳴らす度に1つの願いが叶い、7度訪れると7つの願いが叶うというものだそうです。
この鐘も新駅に移設されるんでしょうかね。
ホームからは既に新ホームが建設されている様子が見えました。
飯山線の飯山駅は新幹線開業に合わせて300mほど豊野方に移転するようで、現在の駅はお役御免になるようです。
車庫はピカピカの新品でした。
長野~直江津間がしなの鉄道に移管されるのに合わせて、JRとしての車両基地の機能はここに集約されるそうなので、その準備でしょうか。
やっぱり新幹線の看板がありました・・・が、E7系じゃなくてE2系なんですねw
なお、金沢までは今年度末に開業しますが、大阪まではルートすら未定の部分があります。
今の駅舎はこんな素朴な感じ
先ほどの新駅舎から比べると物凄い格差ですねw
我々の趣味的にはこういう駅舎のほうが好きですけどw
そして、駅舎
この駅舎も解体の運命にあるかと思うと寂しく思います・・・
新幹線開業までのカウントダウンパネルも用意されていました。
地元の期待は相当なものなんでしょうね。
観光案内所の窓ガラスに貼ってあったのですが・・・
とうとう、新幹線が神様にまでなっていましたw
経済効果や利便性向上などを考えれば、神と崇めたくなる気持ちも分からないではないですけどね
仁王像は二体で一対なので、反対側もご紹介しておきましょう。
仏教関係に造詣はないので詳しい解説はできませんが、ご紹介だけでした。
バスターミナルもありました。こちらも新駅開業後は駅前広場に移転するんでしょうかね。
明智駅でもハイエースのコミュニティバスを見かけましたが、ここにもいました。
駅前の道路も今は工事で手狭な感じです。
まだ時間があるので新駅の近くまで行ってみることにします。
駅はほぼ完成のようですが、駅前広場はまだまだ工事中のようです。
変な突起があるなと思ったら、「飯山駅」という表示をビニールシートのようなもので覆っているようですね。
よく見ると「山」の字が剥がれかかっていますw
開業までは隠しておかないと間違ってこっちが飯山駅だと誤解される恐れがあるからでしょうか。
裏手に回りました。こっちもデザインは似ていますね。
付近は住宅街のようですが、ここに住んでいた人は一気に駅前一等地に変貌したわけでラッキーですねw
新幹線の騒音と引き換えではありますが・・・
飯山線が新幹線駅を突き抜けているような感じになっています。
新ホームからは新幹線駅まで直結になるようですね。
このレールは今でも列車が走っているので、時間が合えば列車を撮ることもできますが、時間的にそこまではできそうにないのでこれくらいで駅に戻ります。
そういえば、長野~飯山で見れば飯山線は新幹線に並行することになりますが、元々特急列車が走っていたわけでもないためか、廃止や三セク転換という話は出なかったようです。
それを言い出すと、長野~直江津間も長らく特急が走らなくなり、東京~北陸のアクセスを担ってきたのはほくほく線や信越線でも長岡~直江津の方ですから、三セク転換されるのはとばっちりという気もしますけどねw
ここもかなりのボリュームになりましたが、続いては一気に十日町まで移動します。列車は十日町行きですが、2両編成のうち後ろ1両は先ほどの戸狩野沢温泉駅で切り離しとなりました。
また、戸狩野沢温泉駅まで車掌が乗務し、その先はワンマンとなりました。
車内放送でも言及していましたが、飯山線は川と並走して走る距離が日本一とのことで、川の景色はとても良いのですが、今日は雨も降っていて川は濁流という感じであまりいい眺めではありませんでしたw
十日町駅
ほくほく線との接続点、十日町駅です。
所在地は十日町市ですが、町なのか市なのか紛らわしい名前ですよねw
ちなみに、1954年まで町制だったようですが、その時は「十日町」であり「十日町町」ではなかったようです。
JRのホームは地上にあり、2面3線です。
飯山線の運行拠点の一つとなっており、当駅で運行系統が分断されることもあるようです。
階段で駅舎やほくほく線の方へアクセスします。
しっかり、ほくほく線の案内も出ていました。
こちらが改札になります。一応JRと北越急行で別々なんですが、駅員さんのいる改札よりもホーム側に分岐点があるので、ほくほく線と飯山線の乗り継ぎの場合、事実上改札を通らずに行き来できるようです。
我々は18きっぷしか持っていないので、北越急行に入るには入場券がいりますけどね。
こちらがほくほく線側の駅舎
高架下スペースを活用したもので、駅前はロータリーになっています。
駅の両側を連絡する地下通路がありました。ここを通って反対側に出てみます。
無機質な反対側と対照的に、木造風のデザインになっていました。
バスがやってきたので撮影w
南越後観光というバスのようです。観光バス会社が路線バスもやっているパターンでしょうか。
越乃Shu*Kura乗り入れに際してか、駅前が綺麗になっていました。
西鉄8000系さんは2度目の訪問とのことですが、前回はなかったとのこと。
流石は米どころ新潟だけに日本酒も豊富です。
越乃Shu*Kuraも日本酒をテーマにした観光列車ですしね。
ホームは1面2線の島式で、ホームのない通過線も備えます。
新幹線開業後は「はくたか」の廃止にともなって十日町通過列車はなくなると思われますが、通過線は維持されるんでしょうかね。
ちなみに、「はくたか」通過シーン撮影も訪問の目的の1つでしたが、入場券を買ったりしているうちに通過してしまい間に合いませんでしたw
せめて普通列車同士の交換シーンは撮影です。
↑直江津行きがやってきて・・・
↑六日町行きが発車
ここもボリューミーになりましたが、いよいよ越後川口まで乗って飯山線完乗です。
越後川口駅
あとは上越線で一気に関東へ!越後川口駅です。
乗ってきたキハ100形です。
長野から半日この形式に揺られてきました。
写真は逆方向の列車ですが、お次は115系です。
そういえば、本日最初の電車ですね。
越後川口駅は単に乗り換えのために降りただけなので写真はこれだけですw
上越線の本数がもっと多ければ西鉄8000系さんの事だから、1本見送って駅の滞在時間を確保したんでしょうが、水上行きの列車ってかなり少ないですからね。
国境のトンネルを超えて・・・
この先の上越線ですが、私は以前に急行「きたぐに」に乗った際、帰りは上越線を普通列車で通ったため録音が揃っており、西鉄8000系さんのみ録音となりました。
私は普通に車窓を楽しんだわけですが、やはり目玉は上越国境越えの越後湯沢~水上間ですね。
↑湯檜曽ループ付近の車窓を動画撮影です。旧湯檜曽駅跡も撮ったはずなんですが、どれがそれだったんだろうw
この区間について簡単に解説すると、一番最初に東京~新潟を結んだ鉄道は信越本線であり、長野経由という大幅な遠回りを強いられていました。
そのルートを短絡すべく、高崎~宮内間に上越線が計画され、新潟、高崎両側から延伸される形で建設が進み、最後の区間が越後湯沢~水上間でした。この間には三国山脈が横たわっており、清水トンネルなど長大トンネルを駆使しての開通となりました。このトンネルは川端康成の小説「雪国」でも「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」と描写され登場するため有名ですよね。
この区間は急勾配があるため開通当初から電化されており、更に1967年には単線の清水トンネルでは東京~新潟を結ぶ旺盛な需要に応えきれなくなり、従来のルートとは別に新清水トンネル経由の新線を建設し、そちらを下り線として、従来のルートを上り線とする複線になりました。
このために、湯檜曽駅・土合駅のあたりでは上下線で大きくルートが異なっているんですね。
こうして上越線は東京~新潟、そして日本海側の各都市とを結ぶ幹線ルートとなり、特急「とき」を始め優等列車が多数走る路線となりましたが、上越新幹線が開業したあとは優等列車の大半は新幹線に置き換わる形で廃止され、地域輸送と貨物列車の幹線ルートとして活躍し続けています。
余談ですが、上越線は幹線でありながら「上越本線」ではないのは、あくまでも信越本線のバイパス線という位置付けであったからだそうですが、その信越本線は碓氷峠超えの横川~軽井沢間(横軽)は廃止になり、軽井沢~篠ノ井も三セク転換され、更に長野~直江津さえも三セク転換が予定されていますから、これを機に路線名を整理しなおしてもよさそうです。
水上駅
ここからSuicaも使えます!いよいよ関東、水上駅です。
ちなみに、地名は「みなかみ町」です。
よほど「みずかみ」とか「すいじょう」って誤読されるのが嫌だったんでしょうかw
115系の6連がやってきました。新潟方面からの接続を受ける列車だからなんでしょうか。
ちなみに、我々はこれには乗らずに1本後の列車に乗ります。
新潟方面からの人たちが多く車内がうるさいと見込まれたことや、水上駅をしっかり見ておこうという理由からです。
↑というわけで発車を見送ります。
↑入線を動画でどうぞ
改札口です。自動改札も設置されていますが、現在定期列車では普通列車しか来ない駅となっており、閑散としていますね。
以前は特急「水上」が上野発で運行されていたのですが、現在は運行されなくなりました。
温泉もありますし、観光特急として好調かと思えば、利用が伸び悩んでいたようですね。
駅舎です。運行拠点としては大きいですが、やっぱり人が少ないですね。
距離的に車でも十分な距離ですし、直通特急がなくなったんじゃ・・・
駅前にいたのは関越交通です。塗装は朝日バスとそっくりですがw
このバスを使って上毛高原駅へアクセスして新幹線を使って訪れるという選択肢もあるのでしょうが、やっぱり直接この駅に来られる特急は欲しいですよね。
駅から少し歩くと・・・
SLに会えます!
「デゴイチ」の愛称で知られるD51ですね。
顔出しパネルもありました。SLみなかみ号が運転される日にはここも賑わうんでしょうかね。
ターンテーブルもあります。SLみなかみ号の折り返しに使うんでしょうね。
先ほど越後川口から乗ってきた115系が留置線に入っていましたが、ちょうどよく撮影できる位置でした。
このあとは1駅進んでお隣上牧駅です。
上牧駅
読み方は「かみもく」ですw
ホームなんですが、そのまま斜面になっていてちょっと怖いですね。
ホームの全体像です。2面2線の相対式とごく一般的な配置です。
ちゃんと長岡が入っているんですね。現在、最低1回乗り換えないと長岡へはいけませんがw
改札口へは地下通路でアクセスします。ここまではよくある構造ですが・・・
地下で上下線へ向かう地下通路が分岐しているんですね。これは面白いw
しかも、露骨に上りホームへ誘導する白線付きw
まあ、高崎方面への利用者がほとんどでしょうから合理的なんでしょうか。
沼田は分かりますが、高崎をすっ飛ばして上野ですかw
これも現在直通列車はないんですけどね・・・
少し引いた写真ですが、こうしてみると盛り土の上の線路へアクセスするために階段がある様子がよく分かりますね。
時間があるので上牧温泉の方へ歩いてみます。
こんな赤い橋が温泉街への玄関口です。車にはちょっと窮屈な幅ですけどねw
こちらは足湯ですが、なんとお湯が張られていないというw
夏だからなんですかね。
これくらいで駅に戻ります。あとは帰るだけです。
帰るまでが旅
このあとは普通に列車に揺られて帰るだけですが、まずは高崎行きです。115系でした。
高崎からはタッチの差で通勤快速に乗れないといういじわるダイヤになっていて、普通列車で上野ヘ向かいます。この区間では乗ったことがなかったE233系だったのがせめてもの救いでしょうかw
通勤快速だと熊谷・鴻巣・大宮とかなり飛ばすので早いんですけどね・・・
↑籠原駅では付属編成5両を連結するようだったので連結シーンを撮影です。
私は大宮で降りて、西鉄8000系さんと別れました。これにて旅は終わりです。
今回は訪問駅数の割にネタが多くて写真が増えてしまったので、ボリュームがある記事になりましたが、最後までお付き合いありがとうございました。