3泊4日に及ぶ北海道旅行の2日目です。1日目をご覧になっていない方はそちらからご覧頂くことをおすすめします。
なお、旅行の実施は10月中旬頃なので記述はその当時のものとしてご覧下さい。
行程の説明
この2日目の行程の説明に入りたいと思いますが、実は今日乗る列車は全部で4本だけ、立ち寄る駅も乗り換えのためだけに降りる駅を含めても4駅しかないという記事のネタ的にはボリューム感に乏しい内容となっています。
といいますのも、昨夜宿泊した札幌から特急「スーパー宗谷」で稚内へ向かい、折り返し特急「サロベツ」で札幌で戻り、特急「スーパー北斗」に乗り換えて東室蘭へ向かい、最後は室蘭本線の支線で室蘭駅へ向かって宿泊という内容となっています。本来はそのまま札幌に宿泊する予定だったのですが、この日は土曜日であり、土曜日から日曜日にかけてホテルが混雑する日程に当たったことが災いして、札幌市内ではホテルを確保できず、北広島や恵庭、千歳、苫小牧、江別、岩見沢、小樽など周辺の都市に範囲を広げて探しても、ホテルのグレードに不釣り合いな高額な宿泊費を吹っ掛けているようなホテルしか見つからず、普通の値段で泊まれる部屋は見つかりませんでした。
そして、ようやくまともな値段で泊まれるホテルが見つかったのが室蘭だったわけですw
今回はフリーきっぷなので札幌~室蘭間を余計に往復する事を考えても追加のコストは発生しませんし、それなら安く泊まれる方がいいし、ついでに乗り鉄も出来るという乗り鉄旅ならではの発想でしたw
もし札幌市内で普通にホテルが取れていたら、この日の行程は札幌~稚内間を特急で往復するだけになっており、それこそネタに乏しいものになっていましたねw
朝の札幌駅へ
今回は朝も7時起きで間に合う乗り鉄にしてはのんびりした出発でした。昨晩は遅くまで札幌市電に乗ったり時計台を見に行ったりして寝るのが遅くなりましたが、今日の出発が遅くて助かりましたw
駅への道のりはバス通りにもなっているようで高速バスに路線バスにとひっきりなしの往来でした。
というわけで、撮りバスしながら駅へ向かいます。こちらは北海道中央バスの高速バスです。
そして、札幌駅が見えてきました。もう何度も訪れていますし、昨晩もここから降り立ったわけで今更珍しくもないですけどねw
こちらは新千歳空港へのリムジンバスを始め、都市間バスも手がける北都交通です。普通の路線バスには参入してないようですから、首都圏で言うところの東京空港交通のような立ち位置ですかね。
自動改札を通ってコンコースに入りますがその前に発車標を撮影です。
「スーパー宗谷」自体は存続するようですが、今度の改正で札幌乗り入れは1往復のみとなって、後は旭川で乗り換えとなるようですから、札幌駅で稚内行きの表示が見られるのは1日1回だけということになってしまいますね。(執筆時点ではダイヤ改正情報が発表されていましたが、「スーパー宗谷」は「宗谷」に名称が変わるようなので列車名は消えることになりますね)
あと、これは撮っておきます。トマム行きの臨時特急というのは、旅行当時石勝線がトマム~新得間で台風被害のため運休となっており、同区間をバス代行としてその接続のために運行されていた臨時特急です。
こちらは明日の行程で乗ることになっていますが、とりあえず撮れるものは撮っておく精神で撮影しておきますw
あれ?乗り場を間違えたかな?
それでは、いよいよ「スーパー宗谷」とご対面と行きたいと思います。
・・・あれ・・・乗り場を間違えましたかね・・・?w
と思って発車標を確認しますが、間違いなく、これが「スーパー宗谷」のようです。
そういえば、改札の手前に、「スーパー宗谷」車両変更とかなんとか張り紙が出ていた気がしますが、まさかのノースレインボーエクスプレスによる代走のようですw
キハ261系に乗るのを楽しみにしていた私は、がっかり感もありましたが、基本的に臨時列車にしか充当されないノースレインボーエクスプレスに乗れる機会もそうそうありませんし、むしろラッキーだったのかなと思います。
とりあえず細かい部分も撮っておきます。聞ける車両辞典に追加できるという意味では収穫でしたね。
例によって自由席なので座席を押さえる意味でもさっさと乗り込みました。車内はハイデッカー仕様になっており、窓も大きくなっているので車窓を楽しむには打って付けの車両です。
が・・・乗って楽しい車両ではありますが、キハ261系の代走を務めるには重大な欠点が・・・
それは、見た目こそ綺麗にリニューアルされていますが、種車はキハ183系であり、130km/h運転にこそ対応していますが、加速力ではキハ261系に及ばないでしょうし、キハ261系も最高速度を120km/hに減速したり、車体傾斜装置の使用を停止したりしていることを考えても遅れるのは必至でしょうね。
このことは駅の掲示や車内放送でも案内されていますが、車掌や駅員に尋ねている人も多く混乱が見られました。
札幌→稚内 396.2kmの旅
まさかの代走という波乱もありましたが、これはこれでレアな体験ということで稚内への旅を進めていきたいと思います。
札幌→稚内間の396.2kmというのは気動車特急の運行区間としては2016年現在最長だそうです。
この「スーパー宗谷」を始め、宗谷本線系統の特急は来春のダイヤ改正で札幌への直通運転が1往復を除いて廃止され、旭川~稚内間に運転区間が短縮される他、キハ183系による「サロベツ」も廃止され、キハ261系による運転に統一される予定です。そのために、今回乗りに来たわけですね。
また、個人的に宗谷本線自体が未乗だったので乗りつぶしも兼ねています。
旭川までは「オホーツク」や「スーパーカムイ」で通ったことのある区間ですが、ハイデッカー車で通るのは初めてなのでその点で目新しさはありました。
札幌の街を見ながら高架の線路を進んでいきます。まあ今日中にまた札幌に戻ってくるんですけどねw
函館本線も岩見沢あたりまでは平野部であり、川を渡る以外は車窓的ハイライトはないですね。
宗谷本線に入っても名寄あたりまでは普通の平野の光景です。まだ、雪も積もっていませんね。
まだまだ本当の北海道の雪景色ではないんでしょうが、一面真っ白になっていました。
コンテナが見えますが、これは名寄オフレールステーションでして、ここから北旭川駅との間でトラック便による貨物輸送がされています。
北旭川駅は宗谷本線所属なので一応宗谷本線に貨物列車が走っていることにはなりますが、たったの数区間であり、実質的には函館本線の延長のような感じですよね。
名寄をすぎると改良区間も終わり、最高速度95km/hの未改良区間となります。川沿いを往く景色になっていきますね。
気分転換にラウンジカーへ
初乗車の宗谷本線とはいえ、流石にずっと座席でおとなしくしているのには飽きてきてしまい、気分転換に車内をぶらつくことにしました。
ノースレインボーエクスプレスにはラウンジカーがあるので行ってみることにしました。
かつてブルートレインにはロビーカーという名前で乗客が自由に利用できるフリースペースという意味合いの車両が連結されていましたが、いまやそのブルートレイン自体が無くなってしまい、ラウンジカー自体も貴重な存在になりましたね。
ノースレインボーエクスプレスには2階建て車両があり、1階がラウンジカー、2階が通常の客席となっています。
こちらがラウンジカーです。ソファーとテレビが備えられています。
細かい部分は聞ける車両辞典に追加した時のお楽しみということでw
最果ての駅へ
ラウンジカーにもお邪魔したら、また自分の席で稚内への旅路を過ごします。
宗谷本線も末端部に当たる名寄~稚内間は輸送密度が500人を切っており、存廃問題も持ち上がっています。是非とも存続してもらいたいですが、JR北海道の経営状況からして予断を許さない状態ですよね。
樺太やロシア本土へ続く宗谷トンネルの構想もあり、それが実現すれば国際物流を支える幹線ルートへと大出世する可能性もありますが、コストを考えれば厳しいでしょうね・・・
川沿いの景色が続き、先程までの単調な景色からは変化が出て気分的には良くなりました。
さて、抜海駅を過ぎると列車は海沿いに走り、利尻島を眺められる区間でもあるらしいのですが、曇ってしまい見えませんでしたw
南稚内駅では多くの観光客が下車しますが、稚内で人気の観光スポットである宗谷岬へは終点の稚内駅より、こちらの南稚内駅の方が近いようで、宗谷岬を目指す観光客は南稚内駅で降りることとなります。
また、稚内市の市街地もかつては稚内駅のあたりが中心だったようですが、現在は南稚内駅の方に移動してきているようです。
日本最北端の駅 稚内
札幌を出ておよそ5時間半、所定より30分以上遅延して稚内駅に到着しました。元々50分程度の滞在時間を予定していましたので、折り返しの「サロベツ」に乗れないという最悪の事態は避けられましたが、じっくり稚内駅を取材することは難しそうです・・・
札幌からはるばる396.2kmを走ってきたノースレインボーエクスプレスです。折り返しは普通のキハ183系になるはずなのでここでお別れですね。
それにしても、気動車っておよそ400kmを無給油で走れるものなんですね。「スーパー宗谷」が稚内到着後、そのまま札幌へ折り返す運用にせず、南稚内駅にある車両基地に回送されて、折り返しの特急は別の車両を充当しているのは給油作業の関係もあるのかもしれませんね。
当駅は当初は稚内港駅という名前で開業したそうで、当時日本領だった樺太の大泊港まで結んでいた稚泊連絡船という鉄道連絡船に接続するための駅という意味合いが強かったようです。その関係で貨物用の側線や連絡船に横付け出来る専用ホームまで用意されるなど、大規模な駅だったようですが、現在は1面1線に縮小され、往時の面影はありません。
なお、樺太が日本領ではなくなった現在、当然ながらこの連絡船は廃止されていますが、サハリン船舶会社(SASCO)というロシアの会社が稚内港とコルサコフの間に旅客船の航路を運航しており、現在でも船で樺太(サハリン)へ渡ることは出来るようです。日本から海外へ行くとなると大抵は飛行機を使うでしょうが、船での海外旅行もいいかもしれませんね。
ついでなので触れておきますが、その他、利尻島や礼文島へのフェリーも稚内港から出ていて、離島航路や周辺地域のバス路線などの交通結節点にもなっています。
駅名標は他のJR北海道の駅でも見られるごくありふれたものでした。
縦型もごく普通ですが、下には宗谷本線の起点である旭川駅からのキロ数が書かれています。
函館からは703.3km
現在は稚内からの列車は最遠でも札幌までですが、かつては青函連絡船に接続して函館~稚内間を走破する列車も設定されたことがあるようです。改めて北海道の大きさを実感します。
東京から同じ距離を西へ向かうとすると岡山より少し手前くらいまで同じ都道府県なんですからねぇ・・・
東京からだと1547.9km
先程のように東京から西へ同じ距離進むと鹿児島県の枕崎あたりが同じくらいの距離です。
指宿からは3057.4km
こうしてみると、北海道と九州のほぼ中間地点に東京があるのが分かりますね。
JRグループの駅として、あるいはモノレール等を除外した普通鉄道の駅として最南端の西大山駅へは3068.4km
飛行機が一般旅行者にも広く利用されるようになる前はこれだけの長距離を鉄道で移動することも珍しくなかったんでしょうけど、今は乗り鉄か余程飛行機が嫌いという人でないとまずこんな長距離の鉄道旅行はないでしょうね。
かくいう私も1回の旅行で3000km移動するような行程は経験がありませんね。
日本最南端の終着駅となる枕崎駅とは友好都市締結しているようです。
こちらも最北端を示すアイテムです。記念撮影している人も多かったですね。
発車標は液晶モニターとなっていますが、それにしても運行間隔が開きすぎですよね。時間的に高校生の帰宅時間を挟んでいるので間に普通列車があってもよさそうです。
JR北海道のこのところのゴタゴタで減便されてしまったんでしょうけど、利用が少ないから減便→ますます利用が減るの悪循環に陥っているように思えてなりません。
改札を出て終端部を裏から見ると最北端の線路の看板がありました。
これは稚内駅を紹介する番組や記事では大抵取り上げられていますし、有名ですよね。
2011年に建てられたばかりの駅舎なのでまだ5年しか経っておらずピカピカです。
函館駅前でみかけた函館バス同様に、どうみても東急バスにしか見えないバスがやってきましたが、こちらは宗谷バスというバスでして、かつて東急グループだったことがあるようで、その関係か同じ塗装なんですね。
なお、稚内駅に乗り入れるバスは札幌からの都市間バスに北都交通が参画している以外は宗谷バスが独占状態となっていて、市内バスや稚内空港への連絡バス、かつての国鉄天北線の代替バスである天北宗谷岬線などのラインナップとなっています。
案内標識ですが、サハリンとは航路で結ばれていることもあってかロシア語が併記されているのが印象的でした。まさに最果てに来たという感じがします。
駅前広場には併用軌道のようにレールが保存されていますが、これは以前の駅舎の時代の最北端の線路を保存したもののようです。
線路は駅の方へ続いており、現在の終端部の延長となっているのがよく分かります。
それでは、今度は「サロベツ」で札幌へ引き返したいと思います。
宗谷岬や天北線代替バスなどにも興味を惹かれますがそれはまた別の機会ということで、今回は「サロベツ」のさよなら乗車がメインです。
もう一方の先頭を撮ったら乗車します。
今度はキハ183系でも普通のキハ183系なので車内も普通の特急列車のものです。ノースレインボーエクスプレスのようなジョイフルトレインもいいですが、こういう普通の車両のほうが旅をしているという実感が湧きますね。
「サロベツ」の旅
サロベツ原野に由来を持つ「サロベツ」ですが、現在はキハ261系充当の札幌~稚内間の列車が「スーパー宗谷」、キハ183系充当が「サロベツ」と、使用される車種によって愛称名が分かれています。今度の改正で宗谷本線からはキハ183系が撤退し、キハ261系に統一される予定になっており、「サロベツ」の名称も消える可能性が高いと思われます。(※執筆時点ではダイヤ改正の情報が出ていましたが、キハ261系の旭川~稚内間の列車の愛称として存続するようですね)
キハ183系でこの区間を乗れるのは最後の機会となりますが、先程乗ってきてそのまま折り返していることと、途中から日没で景色も楽しめなくなったこともあって札幌までは単なる移動手段という感じになりました。
南稚内駅に先程の「スーパー宗谷」に充当されたノースレインボーエクスプレスがいたのを確認しました。
車窓は既にご紹介してしまったので車内の様子についてですが、先程の「スーパー宗谷」と違って観光客も少なく静かな環境でした。旭川からは若干増えましたが、先行して「オホーツク」が走っているので旭川~札幌間の利用者は分散して少ないのかもしれませんね。
あとは、特に書くこともなかったので記事は札幌に飛びますw
札幌より宿を求めて室蘭へ
朝の8時前に札幌を出たと思ったら、もう夜の7時過ぎですから、稚内までの往復で11時間以上かかったことになりますね。本当に北海道は広いw
さて、冒頭にも書いたとおり、明日の朝もここ札幌からスタートなので札幌に泊まるべき行程だったのですが、ホテルが取れず、室蘭まで行くこととなりましたので、まだ旅は終わりませんw
↑回送シーンです。
動画を撮ったら夕飯でも食べようかと思いましたが、撮影に意外と時間を食ってしまい、結局食べずに室蘭へ向かいますw
札幌で宿が取れていれば、今頃はホテルの部屋に荷物をおいてゆっくりディナーだったのになぁなんて思いつつも、それだけ余分に列車に乗れることを考えれば乗り鉄冥利には尽きるのかなw
キハ281系を見たら札幌に泊まれない鬱憤も晴れましたw
函館行きですが、目指すのは室蘭です。どうせ室蘭へ行くなら「すずらん」に乗る手もありましたが、ちょうどいい時間には走っておらず、「スーパー北斗」です。そういえば、以前は登別~森間という半端な区間しか乗っておらず、始発放送を収録できていなかったのでよかったのかもしれませんね。
車内は静かで録音環境もよかったので室蘭に泊まってよかったかもとさえ思い始めましたw
ホテルは「スーパー北斗」が停車する東室蘭ではなく、室蘭駅の方に取っているので、東室蘭で下車して室蘭支線の普通列車に乗り換えます。
そういえば、以前に室蘭支線に乗ったときは東室蘭→室蘭は「すずらん」に乗ったので純粋な普通列車に乗るのはこれが初ということになりますね。(※「すずらん」は東室蘭~室蘭間普通列車扱いのため、厳密に言えば「すずらん」もこの区間では普通列車です)
また、翌朝は「すずらん」で一気に移動しますが、前回の室蘭→東室蘭は「すずらん」ではない普通列車であり、いい感じで前回とは逆になりました。
東室蘭で待っていたのは日高本線カラーのキハ40系でした。日高本線の間合い運用で室蘭本線にも入ってくるんでしょうね。
苫小牧からの列車だったようです。やはり日高本線の車両を共通運用しているんでしょうね。
ところで、日高本線も鵡川以南の区間は復旧させずに廃止する方向で話が進んでいますし、営業中の鵡川以北も予断を許さない状況ですが、日高本線そのものが廃止されてしまったらこの塗装も見られなくなるんですかね・・・
乗り込むとすぐに発車時間となりました。私同様に「スーパー北斗」から乗り継いできた人たちを入れても車内はガラガラでした。録音環境としては素晴らしいですが、これではJR北海道の経営が厳しいものになるのも想像に難くないですね・・・
時間的に一杯呑んできた、あるいは残業をしてきたサラリーマンが帰宅する頃ではないかと思いますが、そもそも通勤で使っている人がかなり少ないんでしょうね。
色々思索を巡らせているともう室蘭に到着です。
この塗装がここへ来るのは珍しいということで駅名標と絡めて撮影しました。
私と同じ列車だった人たちはいつの間にか駅から街へと散っていき、駅は私の貸切状態となりました。これでも市の代表駅のはずなんですけどねぇ・・・
とはいえ、取材も済ませているし、明日が私単独の旅としては異例といえるほど朝早い出発なのでこれくらいでさっさとホテルへ移動します。
駅周辺にこの時間までやっていて居酒屋以外の飲食店もなさそうだったのでホテルの近くのコンビニで弁当などを調達したらチェックインして今日は終わりです。
明日以降はまた別記事で追って執筆していきたいと思いますのでもうしばらくお待ち下さい。
あ、そういえば、冒頭でボリューム感に乏しい記事になるかもなんて書きましたが、結局8000字も書いてしまいましたw
3日目へ続く