今回は東武日光線系統で運転された(されていた)快速列車へのさよなら乗車がてら、日光方面へ出掛けましたのでそのレポートです。例によってレポート執筆が遅れまして、執筆時点では日光線の快速は廃止されていますが、旅自体は改正前なので記述は当時のものとしてご覧下さい。
今回の行程
今回は東武伊勢崎線・日光線の快速列車が2017年春のダイヤ改正にて廃止されるとのことで、最後にさよなら乗車をすることにしました。
2月の新潟遠征の復路では新藤原→浅草間で”区間快速”には乗っていたのですが、人身事故の影響もあってダイヤが乱れ、全区間乗車にはならなかったのと、下りのみ運転される”区間”じゃない”快速”に乗っておきたかったというのもあって駆け込む形ながら4月上旬にさよなら乗車を決行しました。
行程といっても、快速に乗って東武日光まで行き、空き時間でJR日光線を1往復、帰路は「きりふり」で帰ってくるというもので、朝9時過ぎに浅草を出て、16時過ぎには戻ってくるというお手軽乗り鉄になっていますw
浅草駅からスタート
それでは浅草駅からレポートを開始したいと思います。
行きは快速に乗るわけで、特急は関係ありませんが、使用車種の写真入りの案内が気になったのでご紹介しておきます。
ありました。この表示も見納めでしょうからしっかり取材しておかねば・・・
こちらも押さえたら早速入場します。
特急ではないので予約も必要ありませんし、Suicaのタッチだけで日光まで行けてしまうんだから便利ですよね。
↑そして、いよいよ入線です。
ホーム上の発車標です。
この次の列車は区間快速であり、9時10分発が最後の快速ということになりますね。
↑発車標も動画で
その理由がこちら
6両編成のうち、前2両が会津田島まで、中間2両が新藤原まで、後ろ2両が東武日光まで、という風に分割併合する運用になっているので目的地によって乗る車両が異なるという事情があります。
側面の方向幕はその車両の行先を表示することで分かりやすくしています。
それでは撮影はこれくらいで乗り込みまして発車を待ちましょう。
快速で日光へ
発車時間になると6050系快速列車は座席の大半が埋まる程度の乗車率で浅草駅を発車していきます。
しばらくは急カーブのためゆっくりと進んでいきますが、いかにも浅草という風景をじっくりと眺められますね。
とうきょうスカイツリーに停車したら、次は北千住まで停まりません。
北千住では常磐線やTXからの乗り継ぎも多いのか混雑が激しくなっていきます。
そして、北千住を出ると春日部までノンストップです。これは特急と同じ停車パターンであり、浅草~春日部間では特急と同等の俊足列車となっています。
日光や鬼怒川、会津への足としてだけでなく春日部駅から東京都内への速達輸送も担っているんですね。
実際春日部で降りる人が多かったように思います。
春日部を出ると東武動物公園、南栗橋、板倉東洋大前、新大平下、栃木、新栃木、新鹿沼、下今市と停まっていき、下今市で東武日光行きと新藤原・会津田島行きを切り離してそれぞれの行先へと分かれています。特急と比べても南栗橋、板倉東洋大前、新栃木などが追加されている程度で遜色ない停車パターンですね。
ところで、冒頭で”区間”じゃない”快速”に乗りたかったと書きましたが、2006年のダイヤ改正で区間快速が新設され、日中は区間快速のみの運行となりまして、その後上り列車は全便が区間快速となり、快速として残ったのは下りの4本だけとなりました。区間快速は新大平下以北では各駅停車となるため、所要時間で言えば快速より30分ほど長くかかります。
で、そんな快速・区間快速ですが、2017年春の改正より急行・区間急行と改められ、運転区間も南栗橋以北に短縮され、浅草や北千住から直通で日光や鬼怒川、会津へ行くことはできなくなりました。
停車駅の方は栗橋が追加されただけですが、南栗橋以南では乗り換えが必須ですし、快速・区間快速並の速達列車は特急以外にはないですから、サービス低下は否めない面もありますよねぇ・・・
快速・区間快速では通過していた栗橋を停車駅に追加したあたり、JR東北線との接続はよくなったかもしれませんね。
そして、下今市では日光行きと新藤原・会津田島行きの切り離し作業があるのでしばらくホームで撮影となりました。
下今市駅でしばし撮影
下今市ではしばらく停車時間があるのでホームに出て撮影としました。
快速・区間快速と共に廃止される「スカイツリートレイン」の案内も並んでいました。
新藤原方面の列車が先行し、3分後に日光行きが出るダイヤなんですね。
↑方向幕が回り始めたので慌てて録画開始した動画ですw
↑ここで会津田島行きの編成が発車です。
よく見ると野岩鉄道所属の車両でした。型式名は東武6050系と同じ6050系でも100番台を名乗っているそうです。ちなみに、会津鉄道所有の分は200番台だとか。
それにしても、共通運用だから仕方ないんでしょうけど、野岩鉄道に乗り入れない日光行きに100番台が充当されているというのも面白いですね。
が・・・車内はすごい混雑w
どうやら他の車両に乗っていた日光へ行きたい人たちが2両だけの編成に殺到した結果のようですね。
これなら、日光行きが4両でもいいのでは?と思ったりw
まあ、残りは2駅だけで、上今市は通過するので5分程度で着くので別にいいですけどね。
最後まで快速運転をしてくれるのは嬉しいです。
ちなみに、実は前回の旅では日光に立ち寄らずに浅草へ直行したので東武日光線は下今市~東武日光間のみ乗っていなかったわけですが、これでいよいよ東武日光線も完乗できました。
東武鉄道で残るは宇都宮線と佐野線だけとなりました。
東武日光駅
初訪問の東武日光駅なので、しばらく撮影をしてから出たいと思います。
乗ってきた列車です。折り返しは浅草行きの区間快速になるようですね。
↑ここで向こうのホームから6050系普通列車が発車するようなので動画撮影
「AIZUマウントエクスプレス」がまだ停車中でしたので反対側からもう1枚
↑ここで「AIZUマウントエクスプレス」の発車です。
やはり日光でも「リバティ」への期待は大きいものがあるんでしょうね。
構内は流石に観光地の玄関口というだけあって活気にあふれていました。
乗り物の運行情報がまとめられていました。そういえば、箱根湯本駅でもこんな案内がありましたね。
ここにもプラレールのレイアウト
それにしても、スペーシアが唯一の東武要素で後は見事にバラバラな組み合わせですねw
臨時列車の時刻表が掲示されていました。
東武日光発着の優等列車としては、「けごん」と「日光」があり、浅草や新宿と日光を結んでいますが、この他、土日祝日を中心に「きりふり」という臨時特急も設定されていて、帰路はそれを使う予定です。
そして、ここですかさず帰りの特急券を確保しておきます。この日は土曜日だったとはいえ、連休というわけでもなくガラガラで余裕で確保できましたw
駅前の様子です。山に囲まれているあたり、鬼怒川温泉駅と雰囲気が似ていますね。
「世界遺産のまちへようこそ」なんて大々的にPRしていますが、「日光の社寺」という名前で日光東照宮、日光二荒山神社、日光山輪王寺の二社一寺が1999年に世界遺産に登録されたのは有名ですよね。
細長い屋根付きのスペースはバス乗り場でして、ここから中禅寺温泉、湯本温泉、霧降高原などの観光地へバスが出ています。
駅の近くにはバスの待機スペースがありまして、撮りバスし放題ですw
JR直通特急運転開始記念ということで、こんなオブジェが設置されていました。
さて、このくらいでそろそろ次の行動に移りたいと思います。この後なんですが、一番早く出る「きりふり」でも14時過ぎであり、それまで2時間ほど間があくのでJR日光線を宇都宮まで1往復することにします。
なので、隣接するJR日光駅へ向かいたいと思います。
JR日光駅
前にも訪れたことがありましたが、一応レポートはしたいと思いますw
ちなみに、東武日光駅からは徒歩数分という至近距離です。
東武の駅と違って荘厳な佇まいの駅舎となっていますが、1912年に完成した駅舎だそうで、それも納得の趣ですね。
ちょっと寂れた看板がありましたが、文字が掠れて読めなくなっているところも・・・
顔出しパネルには猿もいました。確かに日光といえば猿というイメージが強いですね。
レトロな雰囲気の駅ですが、流石に自動改札が導入されています。
外国人観光客が多いのは分かりますが、まさかの英語表記のみというw
ホーム内から改札を眺めます。さりげない和の演出が多いですね。
ホーム上の柱もどこか和風の装飾でした。個人的には京都っぽいなって思いましたw
車両は205系です。かつて首都圏で活躍した車両がこうして第2の人生を送っているわけですが、実は205系が日光線に投入されてから乗ったことがなく、空き時間を潰すのに205系1往復分の録音を揃えがてら久々に日光線に乗ろうということになった経緯がありますw
跨線橋からも1枚
205系と山を絡めて撮るというのもなかなか無い気がしますw
ホームの脇には開けた敷地が広がっていまして、その奥を東武日光線が横切ります。
ちなみに、古河機械金属と書かれた建物が写っていますが、これは足尾鉱毒事件の原因企業となった古河鉱業が社名を変えたものだそうですよ。
雰囲気からしてかつてはもう1線線路が敷かれていた感じですが、やけに真新しいフェンスで塞がれているのが気になります。
この先の古河機械金属の敷地との境界を示すために設置されたんでしょうけど、微妙に元々の線路の位置とかぶっていることからJR側が敷地を通ってホームに侵入されないように設置した可能性が高そうですね。まあ、脇が甘いよ状態なのでどの程度効果があるのか微妙ですがw
ここでちょうど東武の列車が通りかかりました。
不意打ちだったこともあって構図とかメチャクチャですけどねw
それから、当駅の特徴としてこの団体専用の出入り口があることが挙げられますね。
日光といえば著名観光地であると同時に、首都圏の小中学校の修学旅行先としても定番コースのようで、学生時代を首都圏で過ごした方の中には団体列車で日光へ修学旅行に行った経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
宇都宮へ1往復
というところで列車の時間となりまして、日光駅を後にします。
過去に2度乗っているJR日光線ですが、解説を入れますと、元々は現在の東北本線を建設した私鉄である日本鉄道が支線として開業させた路線であり、日光に初めて乗り入れた鉄道でもありました。開業時から日光は著名な観光地だったそうで早い時期から東京からの直通列車が運行されるようにもなったようです。
その後、東武日光線が開業すると首都圏~日光の輸送で激しい競争が始まり、遠回りで宇都宮駅でのスイッチバックが必要な国鉄ルートは劣勢となりますが、「日光型」とも呼ばれ、準急用ながら特急型車両並の豪華な設備で知られた157系が投入され、数多くの優等列車が日光線を走る華やかな時期もありました。
しかし、東北新幹線開業のあたりから定期運行の優等列車は日光線から姿を消し、首都圏~日光の輸送では東武優勢の状態で事実上競争は終焉を迎えました。
国鉄がJRに変わると再び臨時列車ながら首都圏の新宿や池袋からの臨時快速が設定されるようになり、繁忙期を中心に運行区間に変遷がありながらも運行が定着していきますが、2006年から栗橋駅に東北本線と東武日光線の連絡線を設けて新宿~東武日光・鬼怒川温泉を直通する特急列車の運行が開始されると日光線を走る東京都心直通の臨時優等列車もなくなりました。
このルートは最短ルートだが都心側ターミナルが浅草か北千住であり、山手線や郊外へ出る他路線との接続が悪い東武ルートと、遠回りだが新宿や池袋という利便性の高いターミナル駅を発着できるJRルートのいいとこ取りをしたようなルートであり、長年激しい競争を繰り広げてきた東武とJRが手を結ぶという歴史的な直通ともいえますね。
さて、なんだか日光線の解説というより日光方面の優等列車の解説になってしまった感も否めませんが、宇都宮駅にやってきました。
せっかく宇都宮に来たので前回同様餃子でも食べて帰ろうかとも思いましたが、滞在時間が20分もないという状況であり、入店待ちからの注文してからの料理の提供待ちまで考えるととても餃子店に入って食事をする余裕はないと判断し、ホームの立ち食いそばでサクッと食事を済ませることにしました。(普通のかけそばなので写真は貼りませんw
実はこの翌月ぐらいに再び宇都宮を訪れる予定がありまして、そのときは泊りがけでばっちりと宇都宮餃子を堪能できる予定だったのでまあいいかとなったわけですw
さて、あとは日光に戻って「きりふり」で帰路につくだけです。
日光駅の見落とし箇所
日光駅に戻ってきたらあとは徒歩で東武日光駅に向かうだけでしたが、ちょっと気になるものを見つけたのでサクッと見ていきたいと思います。
「ホワイトルーム」なるものがあるらしく、なんと一般に開放されており、自由に見学できるようです。
この「ホワイトルーム」というのは、1等車(現在で言うグリーン車)利用者専用の待合室だったようで、現在でも空港にファーストクラス専用のラウンジがあったりしますがそのようなものだったようですね。
テーブルが置かれていますが、パンフレットが置いてあったりと実用的な使われ方をしているようです。
こんな所で博多駅という文字を見かけるとは思いませんでした。当然ながらそんな古い時代の博多駅を知らないのでピンと来ませんがこんな所で共通点があるのは嬉しいですね。
昔の1等旅客たちはここに手荷物を入れて列車の時間まで寛いでいたんでしょうか。
「きりふり」で帰京する
日光を駅前しか見ないで終わってしまいましたが、これにて旅は帰路を残すのみです。
こちらが「きりふり」です。350系が充当される数少ない列車の1つですね。
それでは早速乗車です。東武特急自体が「スカイツリートレイン」以来2度目であり、350系へも初乗車とあって楽しみです。
この「きりふり」についてですが、現在は浅草~東武日光間を土休日を中心に運行される特急列車となっており、100系スペーシアを使用する「けごん」と運行区間がかぶっていますが、350系という100系に比べると見劣りする設備の車両を使用することから別の愛称を設定して区別できるようにしているんでしょうね。
一方、鬼怒川温泉・新藤原発着で350系使用の臨時列車として「ゆのさと」というのもあるようですが、土休日の度にほぼ定期運行と言っていい頻度で運行される「きりふり」に対して運行日が限られているようです。
あと、元々急行だったのを特急に格上げしたという経緯もありまして、同じ特急でも「きぬ」「けごん」より割安な特急料金が設定されていて、かつての急行料金と同程度に抑えられているようです。
だったら、急行のままでよかったのではないかと思いますが、東武には特別料金が不要の急行も走っていて紛らわしいから、特別料金を要する列車は全て特急に統一したということなのかもしれません。
日光旅行で特急に乗りたいけどちょっとでも節約したいという方にはおすすめの列車かもしれませんねw
それから、現状では一番手軽に乗りに行ける350系充当の列車だと思いますから、日光観光のついでに350系に乗りに行くという旅もいいかもしれません。
あと、「きりふり」に限らず東武特急の特徴ですが、春日部駅では上り列車は乗降口を制限しているというのが挙げられますね。
これは春日部以南のみの特急利用者も一定数いるようで、乗車口で特急券をチェックする仕組みになっており、必要な要員を削減する意味で乗車口の制限を実施しているようです。
列車や時間帯によって開きがあるものの、浅草・北千住から春日部だと310円~510円の特急券+運賃で乗れるようなのでちょっと急ぐときや座って移動したいなんて時には特急に乗る選択肢も十分ありですよね。
そして、発車です。
臨時列車ということで、しかも観光してから帰るには早い14時過ぎの設定のせいなのかガラガラだったため録音環境は最高でした。
まあ実は前述の来月の旅でも350系に乗れる予定なのでここでうるさくてもまだリベンジは出来たわけですが、一発できれいな録音になって助かりましたw
日光を出てしばらくは単調な景色だったこともあってあまり熱心に車窓を撮らなかったのですが、やっぱり川の景色は絵になりますね。
南栗橋の車両基地が見えました。奥にはデビュー間近の「リバティ」が見えますね。
一方、入れ替わりで定期運行はなくなる「スカイツリートレイン」もいました。
なんだか象徴的な並びですね。
流石に特急ということで気がつけばもう市街地の風景になっていました。
浅草に到着して回送幕に変わりました。
せっかくなので回送シーンを動画撮影したいと思います。浅草駅は6両分しかホームの有効長がなく、100系や200系を充当した列車の場合、先頭車もホーム端まで来てしまい、北千住方での撮影は不可能に近いんですが、350系は4両編成なのでこんな写真が撮れますね。
↑というわけで回送シーンです。
最後に200系「りょうもう」がやってきたのでこれを撮ってレポートは以上にしたいと思います。
今回は短編と呼ぶには微妙に長く、かといって長編でもない中編レポートとでも言うべきボリュームでしたが、いかがでしたでしょうか?
この次は短編のレポートとなる予定ですので公開までしばらくお待ち下さい。