今回は福岡への帰省を兼ねて九州遠征を敢行しましたのでレポートします。
なお、2泊3日で実施しましたので、例によって1日を1記事として分割し3記事に分けてお届けしていきます。
今回の行程
今回は2泊3日のスケジュールで九州の鉄道を楽しむわけですが、目当てはJR九州の中でも特に閑散線区と言われる指宿枕崎線、日南線の末端部、吉都線といった路線に乗車することがメインであり、宮崎から福岡への移動がてら「にちりん」「ゆふいんの森」といった特急列車にも乗ります。
私は九州を離れて5年以上になりますが、実は九州内は私鉄も含めて完乗を果たしており未乗区間はありません。しかし、JR九州の減便ダイヤ改正が騒ぎになったように、JR九州管内も北海道のようにローカル線の廃止という方向に舵が切られる可能性が捨てきれないということでこの機会に改めて乗りに行くこととしました。
各日程の詳しい内容はそれぞれの記事でご説明するとして、1日目の内容ですが、羽田空港よりソラシドエアで鹿児島入りしてバスで鹿児島市内に入ったら指宿枕崎線を枕崎まで1往復するのみとなります。
乗り鉄的な活動は指宿枕崎線の往復のみということになりますが、東京から鹿児島への移動だけで午前中の大部分を使ってしまうことや、特に指宿枕崎線の末端部の本数が少なく折り返し時間も長いため、このようになりました。
鹿児島へひとっ飛び
まずは空路にて鹿児島入りを果たすわけですが、利用する飛行機は羽田空港を7時40分に出発する便でした。一応当日の朝空港に向かっても間に合うのですが、やはりギリギリになるということで、前回の北海道遠征のときのように国際線ターミナルで夜を明かそうかと思っていたのですが、前日の準備に手間取り夜遅くまでかかってしまったのでギリギリになることを承知で朝空港へ向かいました。
空港へのアクセス手段は京急ですが、京成の車両にあたりました。
ちなみに、エアポート快特だったので、貴重な京急蒲田通過を体験できました。
しかし、これで京急車のドレミファインバーター搭載車に当たっていたら、”ドレミファ”から”ソラシド”に乗り継ぐことになって面白かったんですけどねw
京成電鉄も上野に乗り入れている縁からかパンダのラッピングになっていました。
のんびり撮影している暇もないので出発ロビーへ急いでチェックイン、保安検査を済ませ搭乗口へと向かいました。
利用したソラシドエアという航空会社ですが、この名前だと聞き馴染みがないという方もいるかもしれませんね。
以前は「スカイネットアジア航空」という名前でした。そちらの名称なら聞き覚えがあるという人もいるのでは?
東京と宮崎、熊本、長崎、鹿児島、大分など九州各地の空港を結んでおり九州のローカル航空会社というイメージも強いですが、ドル箱路線の東京~福岡線には就航していないのが意外です。
搭乗が始まり飛行機へと乗り込みあとは鹿児島までひとっ飛びです。
お隣の駐機スポットには北海道のローカル航空会社として知られる「エア・ドゥ」がいました。
↑離陸シーンの機窓
みるみるうちに上昇して巡航高度に達したらシートベルトサインも消えたのでテーブルを出して空港で買ったサンドイッチを頂くことにします。
私はなにげに高速道路のジャンクションとかも好きだったりしますが、上から見下ろせるのは飛行機ならではの楽しみ方ですよね。
鹿児島空港が近づくと雲(霧?)が出てきましたが、桜島が雲海に浮かぶ島のようで幻想的でした。
↑着陸時の機窓
鹿児島空港は山の中にあるのが分かりますね。
バス乗り場へ向かうとすぐに鹿児島市内行きのバスがあるようなので所定の計画より早い便ですが窓口で切符を買って飛び乗ってしまうことに。
ちなみに、鹿児島空港から鹿児島市内へは3つほど系統が設定されていますが、いずれも鹿児島中央駅と鹿児島市の繁華街となる天文館は経由しており、それ以外の停車停留所で差別化しているようです。
ちなみに、私のバスの後ろに停まっていたのは枕崎行きでした。枕崎と言うと薩摩半島の先端の方ですからかなり遠い気がするんですけど、鹿児島県内の本土にある空港は鹿児島空港だけですし、枕崎から飛行機を利用したいと思ったら直行のバスは有力な選択肢なんでしょうね。
更に、福岡-鹿児島線や鹿児島-宮崎線、鹿児島-熊本線といった高速バスの一部が立ち寄る他、姶良、帖佐、谷山、指宿、伊集院、川内、出水、阿久根、嘉例川、鹿屋、志布志、国分、垂水といった県内外各地の都市へバスが出ているようです。
羽田空港や成田空港も関東一円の様々な都市へ行くリムジンバスが走っていたりもしますが、地方空港でこれだけ路線が充実しているのは意外でした。
発車ギリギリに乗ったこともあり既に窓際の席は埋まっていたため通路側を余儀なくされ車窓を眺めることは出来ませんでしたが、バスは九州自動車道を経由して鹿児島市内まで向かいます。
空から見ても山の中にある空港だなと思っていましたが、高速道路の車窓も山がちでそれを裏付けました。
元々鹿児島空港は鹿児島市内の鴨池地区にあり、戦時中は海軍航空隊の基地として使用され、終戦後の1957年から一般の空港として使用されていたようです。
しかし、1972年に現在地に移転されたようですが、立地だけ見れば旧空港の方が良かったなと思えてきます。
ジェット化に当たって滑走路の延伸の用地が確保できなかったり、騒音や安全上の問題で市街地の空港にも問題はありますが、結局1時間近くバスに乗っていましたからねぇ・・・
福岡空港なんて地下鉄に乗ってしまえば5分で博多、10分で天神へ行けてしまいますからその利便性に慣れすぎているのかもしれませんが・・・
ただ、そのせいか空路の福岡-鹿児島線は新幹線に押されて1日1往復にまで削減されてしまっているようです。
鹿児島~大阪の輸送でもフライト時間そのものでは飛行機優位でも、空港へのアクセスが悪いと結局市内の駅からそのまま乗れる新幹線が優位になりますしね。
高速を降りてしばらくは国道を進み鹿児島中央駅となります。
大きな観覧車が目印のアミュプラザも見えます。やっぱり鹿児島といえばこの景色ですかね。
が・・・ここでは降りません。実は予定の指宿枕崎線の列車までは元々1時間以上確保していた(というより指宿枕崎線の本数が少ないのでそうならざるを得なかったw)上に、予定より早いバスに乗ったこともあり時間が余ってしまったのです。
久しく鹿児島市電にも乗っていなかったので、終点の市役所前まで行って市電で駅へ引き返すことで時間を潰すことにしたのでした。
鹿児島中央駅で約半分、天文館でもう半分が降りてしまい残ったのは私の他には1名だけ・・・
N.K.Kとは「Nangoku Kotsu Kabushikigaisha」の略だと思われますが、南国交通というバスです。
そうそう、鹿児島市電の特徴として、軌道敷の緑化として芝生を植えていることが上げられます。
見た目はもちろん、ヒートアイランド現象の緩和にも効果的とのことで順次拡大しており、併用軌道全区間の緑化を目指しているようです。
また、この芝の手入れのための「芝刈り電車」が導入されていますが、終電後にしか走らないのでなかなかお目にかかれないレアな車両です。
この真っ赤なバスはだいたいお察しでしょうがJR九州バスです。
現在は高速バスがメインの同社ですが、直方線、嬉野線、北薩線という3つの一般路線バスも手掛けており、そのうち北薩線が鹿児島市内にも乗り入れています。
以前は廃止された国鉄(JR)の鉄道路線の代替バス路線や鉄道駅同士を短絡するようないかにも国鉄バスらしい路線を九州各地で多数手がけていましたが、路線そのものが廃止されたり、他のバス事業者に譲渡されたりして撤退して、一般路線バスは3路線しか残ってません。
鹿児島なのに山形屋!?w
この山形屋は鹿児島・宮崎両県に展開する地場の百貨店でして、名称は創業者が山形の北前船商人だったことに因んでいるようです。
また、鹿児島店についてはかつてバスターミナルを併設していて、交通結節点という役割もありましたが、バスターミナルの方は閉鎖され、現在は単なる百貨店ということで落ち着いています。
それにしても、地方都市で地場の百貨店が存続しているところってやっぱり路面電車が走る街である割合が高いように思いますよね。
路面電車があることで市内の回遊性が高まり、中心市街地の活性化がなされてドーナツ化現象が起こりにくくなるような効果は指摘されているようで、路面電車が走っているかどうかと、中心市街地の百貨店の売上高には相関関係が見出されるようですよ。
ひとまず市電に乗って鹿児島中央駅へ引き返します。
鹿児島中央駅へ
かつては西鹿児島駅と名乗っていたこの駅は、九州新幹線乗り入れを期に鹿児島中央駅と改められ、名実ともに鹿児島の中心的な存在の駅として賑わいを見せています。
狭い電停のスペースを有効活用すべく折りたたみ式のベンチが設置されていましたが、長年の風雨の影響か、だいぶくたびれていてちょっと座るのを躊躇してしまいますw
↑最後に市電の発車シーンを撮ったらJRの駅へ向かうとしましょう。
銅像ですが、数がすごいw
名前を「若き薩摩の群像」というそうで、1865年の薩摩藩英国留学生を銅像にしているそうです。
ふと思ったのが、「中央」の英語表記は”central”と英訳せずに”chuo”とそのままローマ字表記なんですね。
「鹿児島中央」という固有名詞だと思えば間違いだとも言い切れませんが、外国人にとっては分かりづらいのも確かでしょうし、難しいところですね。
構内に入って最初のミッションはこれから使用する「ぐるっと九州きっぷ」及び特急利用区間の特急券の購入です。
「ぐるっと九州きっぷ」は任意の連続した3日間JR九州全線が乗り放題となり、特急・新幹線も特急券追加購入で利用可という企画乗車券でして、14000円で九州全域をくまなく乗り回すことが出来ます。
以前に発売されていた「ゲキ☆ヤス 土日乗り放題きっぷ」は10000円ポッキリで特急券も込みで土日の2日間JR九州全線乗り放題だったことを思うと霞んでしまいますが、現在特急も含めて九州で乗り鉄するならお得な切符ですし、JR東日本で言うところのウィークエンドパスに相当する企画乗車券だと言えますね。
みどりの窓口もさほど混んでおらずすぐに購入できたので開いた時間でランチタイムとします。
駅構内にも様々な飲食店が軒を連ねる中、久しくご無沙汰だったとんこつラーメンが無性に食べたくなって鹿児島ラーメンの暖簾をくぐりました。
やっぱり豚骨はいいですねぇ。
食べ終えて改札を入りますが、目についたのは観光列車「指宿のたまて箱」の案内です。
この日は平日だと言うのにほぼ満席状態なのがすごいですね。
もうデビューから結構建ちますが、ブームが衰えることもなく高い人気を維持し続けているようです。
種車がキハ40系ということで老朽化という問題はありますが、人気自体は高いようなので経営的な理由での廃止は当面なさそうですね。
そうそう、「指宿のたまて箱」は全席指定席なので指定席を取れなかった人は乗車できませんのでご注意を。
あとはホームで撮影しつつ列車を待ちます。
787系と817系
九州にいた頃は当たり前過ぎて特に感じていなかったのですが、いざ九州を離れてみるとやっぱり九州の列車のデザインは独特なものがありますね。
「マイクチェックの時間だオラァ!」とか言わない方の「きりしま」さんですw
かつては485系が使われていた「きりしま」ですが、787系と783系に置き換えられ、九州内最後の485系の運用は終了しました。
さて、そろそろあいつがやってきます。
↑「いぶたま」こと「指宿のたまて箱」です。
ご覧のようにキハ40系の改造車なんですが、左右で塗装が全く違うというのは鉄道車両のデザインとしてはかなり画期的ですよね。
「指宿のたまて箱」は鹿児島中央駅と指宿駅を結ぶ観光列車でして、改札の空席情報でも見たとおりの人気を誇る列車です。
実はこれに乗れば指宿で私が乗る予定の枕崎行き普通列車に乗り継げるのでせっかく特急に乗れるきっぷだし乗ろうかとも思ったのですが、せっかくならば普通のキハ40系による鹿児島中央→枕崎の通し録音を確保したい思いもあって「いぶたま」は見るだけにして乗車は別の機会に持ち越しとしました。
「47DC」と車両型式も書かれていました。
やたら文字を入れたがるのもJR九州・・・というより水戸岡マジックの特徴ですよね。
反対側へ周りました。
こちら側は白いので全く印象が違いますね。
↑発車シーンももちろん撮影
そして、こちらが私の乗る枕崎行き
同じキハ40系でこうも違うとは・・・w
指宿枕崎線
本日のメインにして、JR九州としては唯一の乗車線区となる指宿枕崎線ですが、名前の通り鹿児島中央駅から指宿を経て枕崎まで至る全長87.8kmのローカル線です。
全線が単線で非電化ですが、鹿児島中央駅周辺の区間は比較的高頻度運転されており、鹿児島市電や路線バスと並んで市内交通の役割も担います。
また、指宿駅までは先ほどの「指宿のたまて箱」や快速「なのはな」など、観光や都市間輸送を担う列車が走る賑やかな区間なんですが、一方で指宿~枕崎間は本数が一気に減り普通列車しか走らない閑散区間となっています。
理由として、終点の枕崎市へは遠回りな鉄道より直線的に結ぶ路線バスが主に利用されており都市間輸送の役割はほとんど失われており、純粋なローカル輸送に徹しているというのが上げられます。
現状では具体的に廃止の検討がなされているわけではありませんが、JR九州社長が廃止の可能性に言及するなど、今後の動向次第では可能性として否定しきれないということでこの機会に乗りに来ました。10年ほど前に1度だけ乗りに来ていたのですが、最新のレコーダーで高音質な録音を確保する意味でも乗車を決めました。
それではレポートを旅の本筋に戻しまして、乗車した枕崎行きはかなりの混雑を見せていました。
最初は地元住民の利用者だと思っていたんですが、見るに外国人や大きなキャリーバッグを持った旅行者が多くいることに気づきました。
思ったのが、この列車は「指宿のたまて箱」の後追いであり、「指宿のたまて箱」に乗りたかったけれど指定席券を確保できずに断念した人や、特急券が必要なことを敬遠してこの普通列車に集中してしまっているのではないかと思われます。
鹿児島中央駅を発車した列車はしばらく鹿児島市街を走行していきますが、列車の運行密度が高いため頻繁に対向列車と交換待ちを行います。
余談ですが、指宿枕崎線の運行本数は鹿児島本線、日豊本線、さらには九州新幹線を含めても鹿児島中央駅を発着する路線としては最も多いんだそうです。唯一の非電化路線が最も運行本数が多いなんて面白いですよね。
あと、思ったのが、暑い!
もうそろそろ春本番で気温が高いのは仕方ないのですが、どうやら冷房は入っていないようでした。周りの乗客たちも上着を脱ぐ人、扇ぎ始める人と各々暑そうな様子でした。
しかし、不思議なことに誰も車内に設置されている扇風機のスイッチに見向きもしないんですね。
しびれを切らして私が扇風機のスイッチを入れると周りの人たちもつられたように扇風機を回し始めたんですが、扇風機を乗客がON/OFF出来るのは意外と知られていない事実なんですかね。
鹿児島市街を抜けてだんだんと駅間が長くなってきますが、車窓には錦江湾が広がります。
この景色がしばらく続くので、「指宿のたまて箱」でなくても指宿枕崎線は楽しめると思います。
長渕剛さんのゆかりの地なんだそうです。
どういうゆかりなのかはよく分からなかったのですが、「鶴になった父ちゃん」という楽曲の歌詞に宮ヶ浜が出てくるそうですよ。
観光地としても知られる指宿や温泉のある山川で乗客の大半が降りてしまい、ここより先はボックス席を占領しつつローカル線の雰囲気で進みます。
山川を出て2駅目に差し掛かる西大山駅ですが、ここはJRグループ、及び普通鉄道としての最南端の駅として有名ですね。
ちなみに、モノレールを含めるならば沖縄県のゆいレールにある赤嶺駅が最南端となります。
当然のごとく最南端をアピールする看板が立っていますが、「JR日本最南端の駅」というちょっと微妙な表現になっていますねw
これ、前述のゆいレールが開業する以前は単に「日本最南端の駅」と名乗っていたようですが、ゆいレール開業で最南端の地位を明け渡すこととなると、日本の部分を訂正して「本土最南端の駅」と改めた所、沖縄は本土ではないのかと言った声が上がり「JR日本最南端の駅」という表現に再度改めた経緯があるようです。
あと思ったのが西大山駅がやたら混み合っていたことですね。彼らは列車には乗ってこなかったのですが、折り返し鹿児島中央方面の列車を待っているのか、観光バスなどで乗り付けた団体客なのか分かりませんが、駅の魅力を大勢の人に知ってもらえるのが喜ばしい半面、駅だけ見て列車に乗らずに帰ろうというのであればそれはそれでどうなの?と思ってしまいますw
そんな「JR日本最南端の駅」を過ぎると薩摩富士の別名もある開聞岳が聳えます。
かつて鹿児島本線を走った列車の愛称に使われたりしたこともあるので鉄道ファンには聞き馴染みのある名前かもしれませんね。
これ、薩摩塩屋という駅の駅名標なんですが、肝心の駅名がかすれて読めなくなり、両隣の駅名だけ残っているというおかしなことにw
もっとも当駅の利用者数は1日平均0.1人だそうで、10日に1日利用するかどうかという状況のようですから、わざわざ費用をかけて直すこともないという判断になっているのかも知れません。
最後まで乗っていたのは私の他には夫婦の1組だけで、乗客3名で枕崎駅に到着しました。
枕崎駅
指宿枕崎線の終点の枕崎駅に到着です。以前にも来ているのですが、いかんせん10年ぶりくらいの訪問ですから変化がないか確かめる意味でも再度取材をしましたのでレポートします。
というか、10年前の私は今ほど駅に関心がなく、駅舎やホームなどを細かく撮影するということをしていなかったので、この時期に訪問した駅はほとんど写真がないということもままあったりしますw
ここではなんと90分も折り返し待ちがあるのでじっくり駅取材をしてから周辺散策などして時間を潰したいと思います。
ホームは1面1線しかなく、終着駅にしては寂しい感じですが、現在の運行状況からしたら分相応といったところでしょうか。
テラスのようなスペースがありましたがペンキ塗りたてで立ち入れませんでしたw
終着駅ということで終端部ですが、元々はもう少し先に枕崎駅があった名残で少し先までレールが残っています。
JR最南端と最北端の終着駅ということで稚内と友好都市提携しているようですね。
鹿児島中央方の線路を見たら外へ出ます。
ここは車内で改札をするスタイルなのでホームへは自由に出入りできるのでその点では撮影をしやすい駅ですね。
前回訪問時にはなかったと思いますが、駅舎が建っていました。
2013年に完成したものだそうです。
日南線を走る観光列車「海幸山幸」の由来の1つともなっている山幸彦の像だそうです。
机と椅子が設置されていました。
きっぷ売り場とかで申込書の記入のために置いてあるならともかく、無人駅できっぷの発売をしない当駅にあっては、駅舎としての機能だけでなく住民の交流スペースのような用途も想定しているのかもしれませんね。(ゲーム機を持ち込んで我が物顔で遊ぶ子供たちの姿なら見かけましたが、これも交流っちゃ交流?w
このライト、かなり古びて見えますが、駅舎建設は5年前のことですから、こういう演出なんでしょうね。
看板の先に視線を移すと更に別の広場があり、鹿児島県が浮かび上がって見えるようにトリックアートが仕込まれていました。
写真だと分かりづらいかも知れませんが、実際に見ると結構ちゃんと浮かび上がって見えましたよ。
線路終端部付近より駅を振り返ります。
前回来た時は駅舎がなくて殺風景なものでしたが、だいぶ駅らしい駅になりました。
ちょうど停まっている列車と絡めて撮影できるような位置にこんなモニュメントがありました。
親切にベンチまで用意して記念撮影スポットとなっていました。
ところで、西大山駅は「本土最南端」という表現が問題になって訂正した経緯があるようですが、ここは「本土最南端」でも大丈夫なんでしょうかw
あと、カメラを置く台まで用意してくれていました。
これならば三脚を持ち歩いていなくて、撮影を依頼できるような人が近くにいなくても安心ですね。
恐らくはこちらが正式な駅の出入口ということになるんでしょうが、ちゃんと駅名を掲げた看板のアーチがありました。
おそらくキロポストをモチーフにしたであろうモニュメントもありました。
しかし、横向きに板が飛び出ているせいで勾配標にも見えてきますw
旅人を見守るのはかつお節行商の像です。
枕崎と言えばかつおの水揚げ地としても有名ですからね。
トリックアートがある広場へ降りてきました。
ここが本来の駅前広場ってことになるんでしょうか?
こちらからも駅舎を撮影
見る角度でずいぶん印象が変わる駅舎ですね。
屋根の上にアンテナのごとく立っていたのはなんとカツオでしたw
名物を推すのはいいことですが、どうせなら公衆トイレじゃなくて駅舎でやればよかったのにw
駅名の看板を撮ったら駅の方はぼちぼち終わりですかね。
前回訪問時にはなかった駅舎のおかげで案外暇をつぶせましたが、それでもまだ1時間以上はあります。
というわけで、周辺も散策しつつネタを探すことに。
手頃なのがバスネタということで、周辺にはバスの待機スペースがあります。
少し行ったところにバスターミナル(と呼んでいいのかな?w)があります。
鹿児島交通のみが乗り入れており、鹿児島中央駅や鹿児島空港へ向かう主力路線の他、加世田・伊集院・知覧などへ向かうローカル系統もあり、交通結節点という意味ではバスターミナルと呼んで間違いなさそうです。
この灯台を模したモニュメントはかつての枕崎駅前にありましたが、100mほど移動した現在地へ移転されているため、今では駅ではなくバスターミナルの前に聳える形になっています。
そして、その先にあったのは「タイヨー」というスーパーマーケットです。
おいおい、いくら旅ブログでもスーパーマーケットなんて取り上げてどうするんだ?という声も聞こえてきそうですが、実はこのスーパーが建っている場所こそ元々の枕崎駅だったんです。
せっかくなので枕崎駅の歴史について触れておきますが、最初に枕崎へ乗り入れを果たした鉄道は国鉄ではなく現在の鹿児島交通となる南薩鉄道という私鉄でした。
その後、国鉄も指宿枕崎線が延伸して枕崎へ乗り入れるようになりましたが、南薩鉄道の駅舎を間借りして営業する形態をとっており、駅の管理は南薩鉄道でしたし、国鉄が南薩鉄道に使用料を支払っていた上、国鉄の駅としてはカウントされていないなど特異な形態をとっていました。
しかし、鹿児島交通の鉄道事業は採算が悪化しており、豪雨災害がトドメとなって復旧されずに廃止されることとおなり、枕崎に乗り入れる鉄道は国鉄の指宿枕崎線のみとなりました。これにより駅としては国鉄のみの駅となりましたが、国鉄の職員は配置されず、鹿児島交通の職員が配置され、バスターミナルという役割が強い状態で2006年まで存続していました。
2006年の再開発により駅舎は解体され、跡地は↑のスーパーとなり、駅は移転、バスターミナルは先程ご覧頂いたような簡素なものとなっています。
鹿児島交通の鉄道部門としてはメインルートだった枕崎線ですが、一旦指宿を経由する指宿枕崎線よりはマシでしょうが、伊集院で鹿児島本線と接続する形だったため、旅客流動の主な目的地になるであろう鹿児島市へ向かうには遠回りな感もあり、直接鹿児島市へ向かうバスに旅客を奪われてしまったようです。
なお、先程ちらっと触れましたが、加世田経由で伊集院へ向かうバスが今でも走っており、このバスは言わずもがなで鹿児島交通枕崎線の廃止代替バスということになります。
噂をしているとやって来たのは鹿児島交通のバスで、鹿児島空港への路線でした。
そういえば、実は一昔前まで枕崎にも空港があったのをご存知でしょうか?
1991年に開港し、鹿児島空港や離島などへチャーター便を飛ばしたり、ヘリコプターの操縦訓練に活用したり、スカイスポーツの拠点にしようとしたり、様々な活用策を模索していましたが、案の定大赤字を出してしまい廃港となってしまいました。跡地は防災ヘリの拠点としてのヘリポート機能のみを残し滑走路はメガソーラー(大規模太陽光発電所)に転用されることになりました。
枕崎から鹿児島空港って遠そうな気がして、バスでも1時間45分でアクセスできてしまいますし、鹿児島市の向こう側になるわけで枕崎~鹿児島間の移動ではまず使いものにならないですし、鹿児島空港発着の他の路線との乗り継ぎ需要に特化するとしても、定期航路を設定しても採算を取るのが難しいことは素人目にも明らかですよね。
それをいうなら熊本市内までバスで2時間半ほどの距離にある天草から熊本は現在でもエアラインが成立していますから同一県内かつ陸路で繋がっている場所同士を結ぶエアラインが絶対成立しないということもないんでしょうが、もし鹿児島~枕崎のエアラインが実現していたら航空ファンの聖地の1つになっていたかもしれませんね。
あてもなくぶらぶらと歩いていると漁港(?)と思われる施設に出くわしました。
海の方まで出てきたようですね。
潮の香りを感じつつ気持ちのいい散策でした。
鯉のぼりにしてはまだ早いのではないかと思ったらもしかしてこれって「カツオのぼり」?w
漁港の風景を撮ったりしたらすることが無くなりましたがまだ時間が微妙に余っています。
せっかくならばかつお料理を頂きたいと思ったりもしたものの、第一に鹿児島中央駅でがっつり鹿児島ラーメンを食べたためそんなにお腹が空いていなかったこと、第二に訪れたのがお昼には遅いが夕飯には早いという微妙な時間帯で、ランチタイムとディナータイムの狭間で飲食店の多くが店を閉めているという地方あるあるの現象に遭遇してそれも叶いそうにありませんでした。
スマホで調べるとこの時間でも営業しているお店自体はあるのですが本格的な定食やらラーメンやらばかりで、ちょっとつまみたいという私のニーズに沿うものではなかったのでパス。
あれれ?気がつけば手元にカツオが!?
はい、結局食べることにしましたw
器が発泡スチロール製のトレーであることからもお察しでしょうが、飲食店に入らずに先ほど写真を載せた「タイヨー」で購入し、駅前広場にあったベンチで頂きました。
通常はタタキやかつお節という形で流通することの多いカツオを生の刺し身で頂けるのはやはり水揚げ地の特権と言った所で、味も申し分なかったのですが、やっぱり同じものでもちゃんと飲食店のテーブルに座ってプラスチックでもいいからちゃんとした食器に盛られていないと名物を食べた感じがしないなぁw
次回訪れる機会があればかつお料理を食べるぞと誓い、列車へと戻っていきました。
鹿児島中央駅へ引き返す
枕崎での1時間半に及ぶ駅取材&散策が終わったと思ったら、あとは列車で鹿児島中央駅へ行けばもう今日の行程が終わってしまうのだからあっさりしたものですが、帰りは始発から乗車したおかげで余裕でボックス席を確保できましたので車窓もじっくり楽しめました。
途中にある西頴娃という駅ですが、駅名標のデザインが独特だったので思わず撮影
指宿駅では14分停車するとのことで一旦ホームに出て撮影をすることにしました。
時間的には駆け足で駅前に出て取材ということも可能でしたが、10年前の訪問時にも駅前に出た記憶があったのと、次々列車めがけてホームへ人が押し寄せていたので、駅前に出ていたら確実にせっかくのボックス席を取られてしまうなという思いで、ホーム上で簡単に撮影しただけで撤収しました。
同行者がいれば席をキープしてもらいながら撮影ということも出来ますが、一人旅の辛いところですね。
駅前に出るのを我慢したおかげでキープしたボックス席から見る錦江湾の景色を見つつ1日目のラストスパートとなります。
鹿児島市街に入ると車内も徐々に活気が出てきて鹿児島中央駅へ到着となります。これにて1日目の行程は終了!
鹿児島中央駅でミニ撮影会
まだ時刻は19時前ということで構内でちょこっと撮影してから撤収します。
なお、明日の行程を考えると今日中に隼人・吉松方面まで進んでおけば、明日が楽になるということでそのパターンでの行程も検討したのですが、今から乗り継いでいけば吉松までは行けることがわかったものの、吉松にはそもそもホテルがなく、だったら鹿児島市内でゆっくり夕飯を食べられるように今日は鹿児島中央駅でゴールということにしました。
鹿児島中央駅へ到着した頃にはもうすっかり暗くなっていました。
787系は夜にも映えますね。
おとなりにはキハ200系「なのはな」がいました。
「なのはな」は指宿枕崎線の快速列車でして、鹿児島中央~指宿・山川間の都市間輸送を担う列車です。日中は観光がメインの「指宿のたまて箱」、朝夕は地元の通勤・通学輸送がメインの「なのはな」と棲み分けているようですが、この「なのはな」、途中5駅しか通過しない上、平川以北は各駅停車となるなど、都市間輸送の快速としてはかなり微妙な存在だったりしますw
以前には特別快速「なのはなDX」というのが走っていて、指定席車も連結するなど観光色の強い列車でしたが、「指宿のたまて箱」に置き換えられる形で廃止されました。
JR九州では唯一の特別快速でしたが、指定席がある以外は快速と大差がなくこれまた微妙な種別でした。ただ、これが「指宿のたまて箱」に発展したことは地元的にはあまり歓迎されていないフシもあるようです。
といいますのは、「なのはなDX」は特別快速とは言え、運賃制度上は普通列車の仲間でしたから乗車券のみで乗車できましたが、「指宿のたまて箱」となると特急券を追加で買わなければならず経済的な負担も大きいですし、更に厄介なのが全車指定席のため、特急券の負担を受け入れて、当日ふらっと出かけようとしても既に満席で乗車できず普通列車の利用を余儀なくされるというケースも容易に想定されます。外部から観光客を呼び込んでローカル線を活性化するのは大いに結構ですし、鉄道事業の戦略として間違ってはいないと思います。しかし、列車は乗ることを楽しむだけでなく、実用的な移動手段でもあるわけで、地元利用者の利便を損なってまで観光列車を導入するべきかと言うと正直疑問符が付きますね。
理想を言えば、「なのはなDX」は地元利用者向けとして存続させた上で、観光客用の列車として「指宿のたまて箱」を追加で走らせることができればよかったですが、単線のくせに鹿児島地区では最も運行本数が多い指宿枕崎線ですから、線路容量がそれを許さなかったのでしょうね。
だいぶ、話が脱線しましたが、別に観光列車に否定的な立場というわけではなく、「指宿のたまて箱」だって、また鹿児島に来る機会があれば乗ってみたいですけどねw
もうすぐ発車のようなので発車シーンを撮ったら撤収としましょう。
↑キハ200系「なのはな」発車シーン
さて、撤収と思いましたが、関東では既に見ることのできなくなった415系に思わずシャッターを切っていましたw
行先は夜にピッタリの「川内」
元ネタわからない人はスルーして下さい。
ちなみに、軽巡洋艦「川内」の由来は鹿児島県の川内川から来ていますが、地名としての川内もある意味聖地ですかね
我らが西鉄が手掛ける「ソラリアホテル」も綺羅びやかなライトに照らされていました。
ライトアップがまばゆい観覧車も撮ったらホテルへGO!
・・・の前に
鹿児島といえば黒豚が有名だよなぁということで調べるうちに駅周辺にとんかつが美味しいお店があるとの情報をキャッチしてチェックインまで時間があることから寄ってみることにしました。
「黒かつ亭」というそのまんまなネーミングのお店です。
満席ですぐには入れなかったのですが、15分~20分程度待ってようやく呼ばれました。
メインの料理の前に運ばれてきたのは芋焼酎(名前は忘れましたw)
普段は趣味の旅ではあまり飲酒をしない私ですが、鹿児島といえば焼酎も外せないということで思わず注文していました。
運ばれてきたお盆には器が満載!
メインはもちろんロースカツですが、豚しゃぶに豚汁とまさに豚尽くし。
ごまを自分ですり潰すのもこだわりなんでしょうね。
ネットの評判通りの美味しさに舌鼓を打ち大満足でした。
食事を終えるとホテルへ向かって1日目の行程を締めくくりますがその途中にあった夜桜が綺麗だったので撮影。
実はこの時、焼酎の酔いがいい感じに回っていて、文字通り視界が回るような状態だったのですが、この後無事にホテルまでたどり着いてようやく終わりです。(この酔いが翌日ちょっとしたトラブルを巻き起こす・・・)
というわけで、実質指宿枕崎線の往復だけという内容ながら14000字超を費やして1日目のレポートは終了です。
2日目は追ってレポートしていきますので今しばらくお待ち下さい。
~追記~
2日目も公開しました。
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